8月18日(火)
8月18日(火)天気 晴れ
今日はパイナップルの怪異に会いました。夏といえばパイナップルのイメージを作りたいんだそうです。パイナップル割りに挑戦しましたが、割れませんでした。
「打倒スイカーーー!」
そんな掛け声と共にパイナップルの怪異は地面からニョキっと生えて来た。パイナップルの皮が一部削れて顔になっている。その重くずっしりしていそうな顔に見合わない、細く長い茎で支えている。飛翠にはいかにも怪異のような出で立ちに見えた。顔がある以外は本当のパイナップルと同じ見た目なのだが、飛翠はパイナップルが生えているところを見たことがないため、怪異だからこんな見た目なのかと考えた。
飛翠はもうなれたもので、
「こんにちは、パイナップルの怪異さん。パイナップルさんとお呼びしてもよろしいですか?」
などと、挨拶していた。
「パインちゃんて呼んで! その方がかわいいから。」
「わかりました。じゃあ、パインちゃん、打倒スイカって何のことですか?」
「よくぞ聞いてくれたわ!」
パインちゃんは地面から生えていた葉っぱのうち2枚を腕を組むように絡ませて言う。
「夏の果物といえば、誰も彼もスイカって言うでしょ! どこでもスイカばっかり目立ってずるいと思うの。だから私はスイカに勝って、夏はパイナップルってことにしたいの!」
パインちゃんは悔しそうに話す。確かに夏といわれるとスイカのイメージがある。スーパーではスイカが増え、スイカ割りを行い、スイカのアイスも出回る。
パイナップルはスーパーでは一年中カットパインが売られているし、夏というより南国的なイメージがある。
おそらく夏に北から南まで作られているスイカの方が、南の方でのみ作られているパイナップルよりメジャーになっているのだろう。
などとスイカのイメージがある理由は思いついたが、あえて口には出さなかった。
「打倒スイカって何するんですか?」
「そうね。考えたのだけど、スイカってスイカ割りってイベントがあるからより親しまれているのではないかしら? だから私、パイナップル割りを広めようと思うのだけど、どう思う?」
飛翠は少し考える。同じことをしても意味がないのではないかと。それ以前に、
「パイナップル割りは難しいかも知れません。パイナップルって硬いんで。」
「なるほど、一理あるわね。でも、とりあえず、一回試してもらっても良いかしら?」
パインちゃんは、なんとかパイナップルのイベントを生み出したいようだ。パインちゃんの隣に普通のパイナップルが置かれた。
「えっと、それじゃあ叩いてみますね?」
飛翠は手近にあった水筒を取り出す。スイカ割りで使うような棒より太いが、円柱の形なので棒ということにした。重さもあるので、普通の棒よりはパイナップルを割れるかも知れないと思った。
「えいっ!」
飛翠が力一杯パイナップルを叩く。水筒を使ったが、パイナップルは割れそうにもなかった。
「やっぱり、パイナップル割りは難しいと思います。」
「そう、それじゃあこの作戦は無理ね。」
パインちゃんは少し落胆した様子だったが、すぐに切り替えていた。
「他の作戦を考えないと! 目指せ夏のナンバーワンよ!」
パインちゃんの前向きで明るい様子に飛翠もつられて笑顔になる。
「私も一緒に考えていいですか?」
「もちろんよ! いいアイデアが思いついたら教えてちょうだい!」
飛翠たちはあれこれ思いつくアイデアを試していくのであった。




