8月16日(日)
8月16日(日)天気 晴れのちくもり
今日お使いでスーパーに行ったら、夏野菜の怪異にからまれました。おやつ買おうと思ってたのですが、きゅうり買って帰りました。夕飯に食べました、美味しかったです。
「飛翠、ちょっとお使い行って来てくれる?」
はじまりはお母さんの言葉だった。飛翠は今日も散歩の予定だったので素直に引き受ける。
「何買ってくればいい?」
「スーパーでマヨネーズ買って来てちょうだい。お釣りで好きなもの買っていいから。」
そう言ってお母さんは千円札を飛翠に渡す。
「了解、行ってくるね。」
外に出れば今日もいい天気だ。
「天さん、こんにちは。」
「やあ、これから出かけるのかい?」
「うん、今日はお使い、スーパーに行ってくる。」
「そうか、いってらっしゃい。」
「いってきます!」
飛翠はよく使っている歩いて10分ちょっとのスーパーに向かう。
目的のマヨネーズを見つけ、あとは何を買おうかとお菓子売り場に向かおうとしたそのとき、
「きゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうり」
「ナスナスナスナスナスナスナスナスナスナス」
「トマトトマトトマトトマトトマトトマトトマト」
「ピーマンピーマンピーマンピーマンピーマン」
頭の周りで野菜の霊のようなものがぐるぐる周りだし、呪詛のように野菜の名前を繰り返す。
「え、いや買わないですよ。今日のお使いはマヨネーズだし、他は好きなもの買うので」
飛翠は野菜たちを無視し、そのままお菓子売り場に向かおうとするが、今度は野菜の霊たちが飛翠の前に立ち塞がり、スクラムを組んでいる。野菜から人間の腕のようなものが生えていた。
「ええ、野菜買うにしたって全部は買えないですよ。マヨネーズは絶対だし。」
きゅうりはバラ売りだったため、値段の調整ができるが他は袋に入っていた。そのため野菜を買うならどれか一つが二つだろう。
飛翠が伝えると、野菜の霊たちは今度は円陣を組み何か話し合っている様子だった。
飛翠は無視しようかと思ったが、あとで取り憑かれでもしたら嫌だったため、待つことにした。
「きゅうり!」
話し合いの結果、きゅうりを買えば良いことになったようだった。
(まあ、きゅうりくらいいいか。マヨネーズに合うし。)
他の野菜を買っても自分で調理をする訳ではないため、お母さんが困るだろう。
その点きゅうりだけなら洗ってマヨネーズつけて食べれば良いので自分でなんとかなる。
「わかりました。きゅうり買います。」
飛翠はお菓子を買うのを諦めて野菜売り場に向かうのだった。




