7月19日(日)
7月19日(日)天気 晴れ
今日会ったのはたいこの音の怪異でした。目の前にいるのに、遠くから聞こえる音のように聞こえます。再来週の夏祭りの宣伝をしてました。夏祭りが楽しみです。
午前中に宿題を進めて、お昼ご飯を食べてから外に出る。
太陽は照っていて暑いが、風が吹き、爽やかな気候だった。
今日も屋根から天さんが降りてきた。
「やあ、昨日はどうだったかな?」
「ひまわりさんと太陽追いかけるの、楽しかったですよ。」
「探すじゃなくて、追いかける、か。君は優しい子だね、相手の言葉をそのまま受け入れて。外に出てくれそうな子なら誰でもよかったんだけど、君でよかったよ。」
そう話しながら、天さんは飛翠を煙で覆う。吹いてくる風も涼しくなった。
「それじゃあ、行ってくるね。」
飛翠は風が吹きつけてくる感覚が好きだった。今日みたいに風の強いは絶好のお出かけ日和だ。
しばらく歩いていくと、遠くからたいこの音が聞こえた。
♢小学校の近くで再来週に、夏祭りがある。その祭囃子の練習だろうか。
(いや、流石にここで聞こえることはないよね。)
飛翠が歩いていたのは、通学路と反対方向。つまり、飛翠の通う♢小学校とは反対の方向に向かっている。お祭りがあるのは♢小学校周辺。そして、祭囃子の練習も小学校周辺、なんなら家から見れば小学校の向こう側で行なっている。
家にいても聞こえない祭囃子が、さらに遠くに来て聞こえる。
(怪異かな?)
キョロキョロ見て回りながら歩いていくと、バス停の看板の上にたいこの怪異がいた。
体を叩き、たいこの音が鳴っているが、どこか遠くから聞こえるように響いている。
「あなたは怪異ですか?」
飛翠の問いにたいこの怪異は演奏を止め、ポンと叩いた。おそらく肯定だろう。
「たいこさんと呼んでも良いですか?」
その問いにもポンと叩いた。
「たいこさんはここで何をなさっているのですか?」
その問にたいこさんはポンとひと叩きするのではなく、祭囃子を叩き始めた。
聞いているだけで、お祭り気分になる。
「もしかしてお祭りの宣伝ですか?」
その問いにたいこさんはポンとひと叩きした。
「再来週の夏祭り、楽しみですね。私も行きます。」
その言葉を聞くとたいこさんはまた祭囃子を叩き始める。はじめより楽しそうな音だった。




