7月26日(日)
7月26日(日)天気くもり、雨、くもり
午後にみさこちゃんと水鉄砲合戦をして遊んでいたら、途中から水玉の怪異が乱入してきました。おたがい水をかけ合ってびしょびしょになって遊びました。楽しかったです。
昼間にざっと降った雨のおかげか、比較的涼しい午後だった。
今日はやりたい遊びがあった。物置部屋の中から去年使ってたいた水鉄砲4丁を取り出し、バッグに入れる。
玄関を出ると天さんが不思議そうな顔をしていた。
「やあ、今日は大荷物だね。何をするんだい?」
「友だち誘って水鉄砲合戦しようと思って!今日はいつもより涼しいから、外でも遊べると思ったんで。」
「そうか、それは楽しそうだね。」
「あ、それで、今日は涼しくしてもらうの無しでもいい?」
「うん?どうしてだい?いつもよりは涼しいだろうけどそれでもジメジメと暑いのではないかい?」
「そうなんですけど、友だちと一緒に遊ぶのに私だけ涼しくしてもらうのはズルな気がして。」
「そうか、君が望まないなら力を使うのはやめよう。約束だから怪異には会ってもらうけれど。」
「うん!今日も会いにいくね。」
「それじゃあ、いってらっしゃい。」
「はい、いってきます!」
飛翠ははじめに天児童館に向かう。水鉄砲合戦にみさちゃんを誘おうと思ったからだ。毎日遊びに行ってるとのことだったから場所も予定もわかるので誘いやすかった。
児童館に着くとみさちゃんはすぐに見つかった。
「飛翠だ、今日も遊びに来たの?」
「うーんと、みさちゃんと遊びたくて来たの。一緒に公園で遊ばない?」
「公園で?まあ今日はそこまで暑くないから絶好の外遊び日和だもんね。何すんの?」
「水鉄砲合戦しよう!水鉄砲は持って来たから。」
「えー、ぬれるじゃん。あ、今日レインコート着て来たから私それ着るのあり?それならいいよ。」
「わかった、ありで。じゃあ遊ぼう。」
「オッケー。」
2人は児童館を出た。
みさちゃんは宣言通りレインコートを着ていた。
「でも、傘じゃなくてレインコートって珍しいね。みさちゃん学校のときは傘だよね。」
「私、児童館まで自転車で来てるだよね。だからレインコート。自転車とってくるからちょっと待って。」
みさちゃんは自転車置き場からピンクの自転車をとって来て、押しながら歩く。
「すぐそこのイルカ公園でいい?」
「うん、いるか公園にしよう。」
2人で近くのイルカ公園に行く。遊具のエリアと広めの芝生のエリアに分かれている公園だ。
「みさちゃん、水鉄砲どれがいい?先に選んでいいよ。」
「じゃあこのおっきいやつで。強そうだし。」
「じゃあ、私はダブルショットにしよう。」
それぞれ銃を決め、ルールを考える。水を補給する水道近くは打つの禁止、顔は狙わないということになった。
はじめの水を装填し、位置につく。
「いくよー。よーいスタート!」
飛翠が一気に距離を詰めて水鉄砲で打つ。と、同時にみさちゃんも打ってきた。お互い一発ずつ受ける。逃げて打って、追いかけて打ってを繰り返し、飛翠がみさちゃんを追いかけている時、
バシュッ
背中に水が当たった。みさちゃんは前にいるというのに。
驚いて後ろを見ると、たくさんのピンポン玉くらいの水の玉が、浮かび上がっていた。
「えっ、怪異?」
みさちゃんも気がついたようだ。
「飛翠、怪異だよ。逃げよう!」
みさちゃんの反応は♢市民なら普通の反応だった。怪異の中には襲ったり、取り憑いてくるものもいる。そうでないとしても、念のため逃げるのが当たり前だった。
飛翠も以前は遠くから眺めるだけで、自分から近づこうとはしなかった。
でも、
「ごめん、みさちゃん。もし逃げるならみさちゃんだけ逃げて。」
「何言ってるの、置いてったりできないよ。」
「私ね、今年の夏は怪異と関わるって決めてるの。約束してるの。だから、この怪異とも関わろうと思う。」
「はああ?!怪異と関わる?約束?本気で!?」
みさちゃんはかなり驚いていた。無理もない、怪異になれた♢市民といえど、自ら怪異に関わろうとするものはかなり少なかった。
「うん、本気。水鉄砲合戦途中になっちゃってごめん。また遊ぼう。」
「いやいやいや、友だちおいて逃げるとかできないよ。何かあったらどうするの。」
(え、かっこいい。みさちゃんかっこいいな。)
などと思いながら、チラリと怪異を見る。先ほどと変わらず浮かんだまま、特に攻撃などはしてこなかった。
「危ないことはないと思う。さっき私に一発当ててから、ずっと止まったままだし。たぶん、一緒に水鉄砲合戦したいんだと思う。」
飛翠の言葉に反応するように水の玉たちはプルプル動いた。
「えー、怪異と一緒に遊ぶってこと?でも、飛翠が乗り気みたいだし、飛翠一人で怪異と遊ばせるわけにもいかないし。…よし、考えるのやめた。こうなりゃ思いっきり遊んじゃおう!」
みさちゃんは覚悟を決めたようだった。
「それじゃあ仕切り直して、みんなで遊ぼう!位置について、よーい、スタート!」




