第33話
第33話
クイクイと裾を引っ張られて下を見ると
柊人が暗い顔で俯いていた。
「ねぇ、ママ。僕もっと美味しいご飯食べたい。」
ピシャーン!
と私の中に雷が走ったような思いがした。
そうだよね、ここの食事控えめに言っても
美味しくないからね。
「厨房へ行っても構いませんか?」
「……何をするんだ?」
「厨房で料理以外何するんです?」
ブフッと吹き出す声が後ろからするが
スルーしよう。
ヴェレーナさんは隠さずに爆笑してるけど。
「こっちだ。」
とさっさと歩き出した。
耳が赤く染まってるのはスルーしてあげよう。
厨房へ入ると
「ダリオ様!どうされたのです!?」
「サユが料理を作りたいと言うので連れてきたのだ。」
ギロリとこちらを睨みつけてくる大男。
そんな奴はどーでもいい。
何があるのかが大事だ。
「こんな女に料理ができるんですか?」
「本人がしてみたいというのだから、やらせてみようと思ってな。」
あ、なんか豆を煮るとこみたい。
「あの豆は1晩水につけてます?」
「……は?何を言ってるんだ?数時間だけで充分食えるだろうが。」
あのボソボソ感はこれかぁ!
「豆は1晩水につけないと粉っぽくなるんですよ。
隅っこで良いので貸して下さい。あの豆も少し分けて貰っても良いですか?」
「チッ。あっちの隅を使え。おい!野郎共!インチェル人の腕試しといこう!」
……すぅー。ふぅー。
売られた喧嘩は高く買取り。
これ我が家の家訓だ。
先ずはかまどの灰を少し取ってボウルにザバーっとな。
水を入れてかき混ぜて〜放置!
「おい、これは何をしてるんだ!」
「うるさい、黙ってろ半人前。」
「な!なんだと!?」
ぎゃあぎゃあ吠えるやつは無視。




