第20話
第20話
柊人は泣き疲れて眠ってしまった。
ベッドに運び柚乃をヴェレーナさんから受け取る。
「……私、母親失格です。
この子に人前で能力使わせてしまった。」
人前で使ったらダメなんてどの口が言ったのか。
あのメイド達から噂にでもなったら。
「……すまない。」
バッと彼の方を見た。
「謝らないでください!私が!」
「2人とも落ち着いて下さいな。
ユノちゃん泣いちゃいますよ?」
ヴェレーナさんの言葉に
ハッとして腕の中にいる柚乃を見た。
きょとんとした顔をしてから
ニパっと笑う姿に涙が流れた。
「あらあら、お母さんの方が泣いちゃいましたね。」
優しい声が部屋に響く。
「……歴代のインチェル人の能力が
書かれた本の写しがある。」
フッと私は顔を上げた。
ダリオさんがハンカチを差し出してくれたから
遠慮なく涙を拭いた。
「……ありがとうございます。
それで、その本は?」
彼は首を振る。
「……実は貸出不可の図書に指定されているんだ。
読むには王の許可が要る。
本物は宝物庫でインチェル人が
来た時だけ出され書き記すと戻される。
能力が開花しなかった場合は
宝物庫から動くことは無い。」
マジでこの国終わってる……。
「メイド達が私達は異物で不幸を呼ぶ者だと。」
「この国ではインチェル人は戦争の火種だからな。」
ヴェレーナさんから聞いたやつか……。
「そんなの国王のせいであって私達は関係ないのに。」
「……国民達はインチェル人が隣国を贔屓したせいだと思っているんだ。」
「……印象操作ですか。」
「君達の国ではそういうのか?」
「えぇ。」
なるほど、よくある手だけどムカつく。




