第11話
第11話
彼は静かに言った。
「とにかく、君達を国に渡さない為に
隠れて生活してもらう。」
私は深呼吸を何度かして息を整えた。
子供達を守るために何でもすると
決意したじゃんか。
子供達を置いていったあの人の為にも。
「先ずは協力者を増やそう。
明日俺の乳母に会わせる。
あの人はインチェル人の行く末をーー知っている。」
「……そうですか。
私には分からないのでお任せします。」
「あぁ。この俺を育てたくらい豪快な人だ。
もう、今日は子供たちと寝るといい。」
正直、寝られる気はしないけど
子供達との事を考えると身体は休めるべきね。
「えぇ、そうします。」
「これからの事は少しづつ話し合おう。」
一気に言われても心が追いつかない所だったから
助かるけど。
そうして、彼は静かに部屋を出ていった。
パタンとかも音しなかったな?
え?あの扉メイドさん達はバタン!
って感じだったけど?
まぁ分かってたけどメイドは敵かぁ。
執事達は未知数。
明日会わせてくれる乳母さん。
ダリオさんが良い人だと言うなら
そうなのだろう。
あの人も凄くいい人だ。
子供達があっさりと懐くくらいには。
柊人は人懐っこい様に見えて
人見知りするタイプなのに彼には
自分から話しかけにいっていた。
柚乃は気配に敏感で知らない人が
自分の安心できる場所にいると泣く。
なのに起きなかった。
それが何より彼に懐いてる証だ。
取り敢えずあと少しで目が覚めるだろう
柚乃の隣で目を閉じることにした。




