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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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67僕は菊、私は議

 何日かして僕は家族旅行へと来ており、ここに来るだなんてと思いながら冥王星プルイーナスのレストランに来ていた。ここでばったり誰かと会ってしまっても、無視しようとしたのだが星音が普段の姿で莉愛もその格好だからため息が出てしまう。

 雪星は僕に似せたいのか角や悪魔の羽根に尻尾は生やしていない。完全に僕たち目立ってますよねとちらほらとシャッター音が聞こえるも、全然動じない二人は美味しそうに食べる。


 だけど海さんが言ってた通り、元に戻せばこうやって楽しく食事ができなくなるということでいいのだろうか。そこはいまいちわからない部分でもある。


「おとさん、今度ここに行きたい!リコーフォスのお花畑」

「行きたいんだけど、少しはお姉ちゃんが行きたいところも行こうか。莉愛もどこか行きたいところある?」

「お父さん、私ここに行きたい。犬が欲しいの」


 どれどれと見せてもらうと飲み物飲んでたらアウトのパターンだ。菊太ショップとありペットショップらしい。僕がいない間に、菊太がお店を開くとは思わなかったな。

 知らないふりしていればいいかと行こっかと食べ終わって会計を先に済ませてしまおうとまだ食べている星音でもレジのところへ行った。


「お会計を先に済ましてもだい……。なんでここで働いてるの、恵?」

「紙ちょうだいしてもよろしいですか?」


 あっと頼んだ紙を渡してセリニ・ネアを脱退した恵がレジ打ちをする。何か言われると思っても頼んだ分の金額を支払い次の方と後ろに並んでいたカップルのレジ打ちをしていった。

 よくわからないと席に戻りお腹いっぱいになったのじゃとお腹を摩る星音。


「場所、決めたのなら次行こうぞ。美味しかったな」


 荷物を持って去る際、恵から言われる。


「元気でやってるって伝えて」

「伝えとく。僕もまあまあ幸せだから邪魔しないでと伝えて」


 レストランを出て菊太ショップがある方角へ歩きながら、街並みを歩いていると今度は顔に傷ができている昏希と甘ちゃんのカップルが来て子供たちを寄せながらすれ違う。

 あの時、海さんにやられた傷が残ってしまったんだと最低な兄ちゃんでごめんなと思っていると兄上と呼ばれる。


「余はもう昏斗兄上のことは諦めた。皆もそう決めてそれぞれの道を歩き始めている。だから…だから昏斗兄上、どうか幸せになって。でもたまには顔を見せてくれると嬉しい。だって余たちは兄弟であり家族であろう?母上も父上もそれを望んでることどうか忘れないで」

「星音、手を出すな。昏希、僕はね」


 本当は傷つけたくはないけど、言うしかないと昏希に伝えた。


「僕は真神家の縁を切る。それ以外のみんなとのも、縁を切るつもりでここに来た。だから僕はもう昏希の兄でもなんでもない。ただの他人だ!」

「くーさんいくらなんでもそれは言い過ぎだよ!みんながどれくらいくーさんを探してたと思ってるの?」

「そんなの知る必要もない。行こう、星音、莉愛も雪星も関わるんじゃないよ」


 僕は二人の手を握り背を向けて歩いたら、大声で昏斗兄上なんか大っ嫌いときつい言葉を受けるも、これでいいんだと菊太ショップへ向かう。


 菊太ショップに到着するも菊太に会う資格がなくて三人で犬を観に行ってもらい、僕は自販機で缶コーヒーを買いベンチに座って飲みながら空を見上げた。それでもさっきの言葉は僕の心に大きな傷ができちゃったように胸が苦しい。

 泣くな、僕と腕で目を隠して涙が零れないようにするも頬が濡れる感触。愛情を注いできた兄弟たちにあんなこと言ったら、きつい言葉が待ち受けていたのは承知でもだいぶダメージが大きかったようだ。


 我慢強くてもいずれ爆発し誰かを傷つけるくらいなら、話せる人を増やしていくしかない。今は心か和に相談に乗ってもらっているも、それ以外の人たちにも相談してみようかな。


 なんて考えていたら隣にくる白い大型犬が来て、おそらく昏有兄さんのベナだろう。


「兄さん、元気?」

「元気と言われるとそうじゃない。普段より荒くみんなを困らせてる。だけど一人になると体を縮こませて、あなたの名前を叫んで泣いてるわよ。菊太も空元気で店を開いてるけど、閉めるたびに遠吠えをする。子供たちが寝ていても、何度も何度も遠吠えをして、あなたに届くようにね。昏有も菊太もそれ以外のみんなもあなたが恋しいことぐらいわかってあげなさい」

「ベナ、僕……」


 すると何かを察知したのかベナは行ってしまい、おとさん来て来てと雪星が僕の手をとるから菊太ショップに入ってしまう。いろんな犬がいる中で星音と莉愛が可愛いと目を奪われているところへ行ってみると僕も可愛いと言ってしまうほどだ。

 菊太とベナの子供を普通売るのかと思うも、大事にしてくれる方を募集中と書かれている。だが値段が見当たらないと見ていたら店長、つまり菊太が現れた。


「スリウス犬?」

「スリウス犬で歳は三歳でもしっかりしてる」

「性別はどっちなのじゃ?」

「俺と同じオスだ。名前はまだ決めてない」


 菊太、本当に子を売っちゃっていいのと目で合図するも、商売だからという目つきでいる。誰かに買われるより、僕が育てるべきだとこの子もらいますと伝えた。


「息子だからお金はいらない。でもその代わり捨てたら容赦はしない。一応聞いておく。名は何にする?」

「ストック。今日から君はストックだよ。よろしくね」


 起きてケージから出たがっていて、菊太が一度自分の息子を抱きしめて元気でなと莉愛に渡す。


「これ一応、息子の餌とこれはおまけに入れておく」


 餌入れや好きなおもちゃを袋に入れてくれてリードをくれる。僕はもう少し菊太と話がしたくて、星音と子供たちには外で待ってもらった。


「菊太、今までありがとう、それにごめん」

「別にいいよ。俺も海に撃たれて死にそうになってたけど、昏花と莉耶がさ助けてくれて、昏斗の相棒なんだから死なないでとか言われて死ねなかった……。昏斗、本当に今、幸せなのか?偽星音は一体何をする気だ?この三年何もなかったとはいえ、準備とか何かしてたんだろ?言える範囲でいいから、話してもらえるか?」


 まだここにプロテアがあったらすぐ封じ込められてたけど、僕が大人しいから剣総司令官は解除してくれた。今なら言えるかもしれないと菊太に伝えようとしたら、星音がまだと言われてすぐ行くと伝える。


「菊太の子を人質に取られてしまうかもしれないけど、七星のスリウス犬として動いて。全て七星が真実を持っている。じゃっ会えてよかった」


 言葉を残して行こうかと僕は菊太が元気でいることが嬉しくて、笑顔になりながら冥王星プルイーナスを満喫した。



 いい旅だったと冥王星プルイーナスのホテルに宿泊し、子供たちはすでに寝てしまいストックも菊太のように大の字で寝ている。僕は外を眺め下にはリコーフォスの花が咲いていて、遠くには蝕夜の家が見えた。


「そんなに恋しいのか?」

「そうじゃない。これから冥王星プルイーナスも開発地があるらしいから、できたら見に行きたいなって思ってるだけだよ」

「できたら家族で行こうぞ。わしゃは眠たい。もう寝よう。起きたらすぐ帰るぞ」


 うんと子供達の隣のベッドで就寝する。


 ぺろぺろ舐められふわあと欠伸をしながら背伸びし起き上がると、ストックが僕の上に乗っかっていてよしよしと頭を撫でながら、菊太みたいに首輪は僕のお手製にしようと閃く。

 帰り際に花屋に寄って行こうかなとまだ寝ている子供たちを起こして星音も起こした。


 朝食を食べてチェックアウトをして帰り際にリコーフォスの花畑を歩く。昏花たち元気かなと楽しそうにはしゃぐ莉愛が急にぴたりと足を止めた。どうしたんだろうと莉愛が見ている方角へみると、七星とあれは天満の娘がリコーフォスに触れて笑っている。

 莉愛が七星を呼ぼうとしたから口元を押さえるも、僕も手を降ろして七星と叫ぶ。莉愛の声に気づいた七星は立ち上がってこちらを向いた。


 行くなと手を掴もうともなぜか星音が僕を止め、二人は会いたかったという気持ちを表している。


「なぜ?」

「よいではないか。縁を切り元昏斗の息子であった七星、そして莉愛は元莉耶の子じゃったがわしゃの娘となり再会を果たす。天使の七星に悪魔の莉愛。絶対に結ばれてはいけない関係になっちゃったのう。わしゃは良くても大鳳天満は許すはずがなかろう。それは十分、わかっているのではないのか?」

「早く二人を引き離さないと莉愛に天罰が来ちゃう。だからその手を離して」

「嫌じゃ。ほう向こうから飛んでくるではないか」


 空を見上げると天使の羽をつけた天満と莉耶がきて、莉愛逃げてと叫びながら星音の手を振り払い黒バラに血を流して剣を作りながら星の精霊ニュンフェを出した。

 間一髪だったと煙が消え目の前には大鳳天満が契約しているネジバナの剣が黒バラの剣にぶつけている。


「七星は俺の息子だ。さっさと失せろ、負け犬」

「そっちこそ。僕の家族旅行を邪魔しないでもらえると七星に言ってくれるかな?」

「ふん。三年間も現れなかったくせに生意気なことを言いやがるとはな。今すぐにでもお前と星音の体を奪ったアゲンロスに天罰を与えたいが愛娘がいる。一旦、お互い引こうではないか」

「同感だね。僕も愛息子がいるから引き下がらせてもらう」


 剣を解除しお互い行くよと莉愛の手を掴みそれぞれ家族の元に到着後、僕たちは新星ノヴァセリニに到着し、莉愛は不貞腐れて部屋に引きこもってしまった。

 星音は満足じゃったと自分の部屋へと言ってしまい、おとさんと僕の裾を引っ張って困惑している。せっかくの旅行台無しにしちゃってごめんねと頭を撫でた。


「おとさん、さっきの人だあれ?天使さんは敵だよね?なのにおねちゃん、天使さんと仲良さそうに見えた。どうして?」

「それは前に仲良くなったんだけど、やっぱり悪魔と天使は仲良くできないことがわかって、お互い傷つけないために喋ることも遊ぶこともできないお約束ができちゃった。だから天使さん見つけたら、話したくても我慢するんだよ」

「いつかは仲良くできる?」


 前にも莉愛にそんなこと言われてたなとできると答えて、和に雪星を任せて莉愛の部屋に入ると布団に包まりながら泣いているのがわかる。


「莉愛」

「お父さん、もう限界だよっ」

「おいで」


 莉愛は僕に抱きついて泣いてしまい、まだ七歳でも莉愛は自分が人質であることを知って、みんなが傷つけられることを防ぐために我慢してる。僕だって本当は辛いよと慰めているとこんこんとノックがきて、そちらに目をやると波ちゃんだ。

 莉愛の監視役は波ちゃんで、僕が離れようとも莉愛は僕にしがみつき、波ちゃんは莉愛に忠告する。


「お父さんを傷つけられたくなかったら、その手離して莉愛。それとも自分が罰を受けたい?だってさっきの行動はお父さんが止めたのに拒否した。お母さんの罰が嫌いなら今すぐ離して」

「僕は大丈夫。莉愛は何も悪くない。心配はいらないよ。ね?」


 ごめんなさいと莉愛の力が緩み、僕は罰を受けに星音のところへ行くと跪けと勝手に体が動いた。


「今回の旅行でようわかったのじゃ。剣、昏斗に例のものをつけ監視しておくのじゃよ。昨日のペットショップで何を喋っていたのか知らぬが、あの犬も人質にさせてもらう。傷つけられたくなければわしゃと剣の言うことは聞くのじゃ。よいな」


 イエッサと返事をするとプロテアが手首に巻きつき、なぜか十字に縛られ口も塞がってしまう。終わりじゃなかったのかと剣が後ろに来て、とてつもないことが起きるんじゃないかと心臓の音が聞こえるような感覚。

 やれという合図で僕は叫びたくても叫べずその痛みが二回にわたってきた。背中から垂れているであろう血が床を汚している。


「わしゃに逆らおうとしたらこうなることを莉愛に見せておくのじゃよ。天使とこの先関わっていることを知ったら、いっぱい南十字星を刻んでもらうからのう。覚悟しておけと。剣、至急手当てをしてやれ。わしゃは一っ飛びしてくるからのう」


 星音は飛んでしまい意識朦朧としながら、僕は莉耶と呟いて視界が真っ暗になってしまった。



 私の家で会議を開いていたら遅れて来た莉耶ちゃんと天満の様子がおかしくて星が聞く。


「何があった?」

「七星が莉愛と接触しているところを見て、まずいと引き離そうとしたら目の前に昏斗がいた」

「その近くに星音ちゃんの体を奪ったアゲンロスに、どっちの子かわからない雪星くんがいたの。話したくても今は話せる状況じゃないと判断したらしくてお互い引き下がっていなくなった」

「冥王星のペンダントのようにワープの力があっちでは開発されている……」

「わからない。でも影神なら作れそうな気がする。とにかく二人とも座って。お茶二つ、お願い」


 近くにいたメイドさんに伝えて話を進める。


「それで黒のバラ流星群が発動してしまうと、ディアヴォロスやエクリプス人が再び捕食人間を食す可能性が高くなると判明したの。だからそれを防ぐためになんとしてでも新星ノヴァセリニへと行って、その装置を壊さないとならない」

「そこでやつがれと星、それから昏花と話し合った結果、発動してしまった場合、再び戦争が起きると判断しエンジースと手を組んでディアヴォロスとエクリプス人の暴走を止めてもらいたい」

「まだ甘ちゃんのお父さんが昏斗がくれた血と私たち真神家の血を研究してもらってる。ワクチンが出来次第全員に渡るようにさせるから、それまでは私たちで捕食人間を守るしかない。それに今は日光を浴びてるからディアヴォロスもエクリプス人も食せないはずなの」


 みんなは考えてしまいお兄ちゃんたちも考えて、この方法しかないと思ってた時のことだった。七星が菊太を連れてやって来て、莉耶ちゃんが天愛あまなはどうしたのと聞くとベナさんに預けたらしい。


「みんな、ごめんなさい!」


 いきなり頭を下げ謝られ私たちは顔を合わせ、怒らないから喋ってみろと父親である天満が問う。


「僕……僕、昏斗に指示をもらって動いてたっ。ずっと、ずっと言おうって思っても、昏斗がまだ言わないでって言われてたから黙ってたけど、もう我慢できないっ。莉愛を、昏斗を助けに行きたい!」


 えっとみんなが驚いてどうしてと莉耶が聞くとそうかと私は納得してしまった。


「七星は今も昏斗の子でいいんだよね?」


 こくんと頷き天使の姿になれるのは莉耶ちゃんが天使だから誤魔化せていたんだ。七星は飾ってあったバラを一本とり私たちに見せてくれるとバラの剣に切り替わる。


「アリス様のまじないは消えていなかったのね」

「うん。誤魔化すために昏斗はわざと僕たちにバラの剣で刺して、まじかで見ていた海さんに証明した。僕が毎日展望台へと行って星を観察してたのは、昏斗の指示や今こういう行動をしていると教えてくれてたおかげで、僕はみんなに提案をしてたのもある。僕が子役としてデビューしたのも昏斗からもらった指示。昏斗の商品や冥王星のペンダントを作るよう言ったのも全て昏斗なんだよ」


 私たち大人には一切言わず七星だけに指示していただなんて信じられないけど、海さんに私たちの行動がばれるから七星だけにしていた。何もかもお見通しだったんだねと笑みが出てしまう。


「他になんか言ってた?」

「バラ流星群を発動させる日は影神さんが作り終えたらすぐやるみたい。でも材料が一つ足りないって言ってたらしいよ。それを探しに旅に出かけたまま戻って来てないからまだ時間は残されてる。それまでになんとかしてみるって昏斗が教えてくれた」


 影神は影の神だから襲われることもないだろうけど、材料ってなんだろうかと気になってしまった。


「それからバラを使用できる昏花たちにどうしても準備してもらいたいことがあるらしい。でもまだ詳細はまた今度って言われちゃったから、今日ちょっと星覗いでみる」

「色々と教えてくれてありがとう、七星。てことは七星が昏斗と繋がっていることは伏せておくとして、みんな答え出せそう?」

  

 お兄ちゃんの代理で来ていた水神潤が挙手し、私たちは水神潤の作戦を聞くことに。

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