59僕は息、莉は天
何度倒しても増える一方で菊太が何かを嗅いでワンッといきなり走り出し、僕は菊太を追いかけてみるとそこに昏来が大量に出血をして、このままだと出血死になるとハンカチを当てるもすぐ赤く染まる。
「影神!今すぐ来い!昏来が出血している!」
まだ死ぬんじゃない、頑張れと待っていたら昏花が近くにいたのか来てくれて癒してくれるも出血は止まることはなかった。影神が現れて至急病院に運んでもらい、僕の可愛い弟に何してくれてるんだよと無鉄砲に偽物の天満を撃つ。
「昏斗、しっかりして!莉耶ちゃんはなんとか助けられた!ここから離れよう!」
昏花に言われても天満がいるから撃っていると、お父さんと莉愛がやって来ると同時に莉耶がいて、僕は思いっきり莉耶に飛びついた。
莉耶は何があったのか現場を見て理解したのか、大丈夫と言ってくれる。
他にも怪我人はいないか確認したところ、昏有兄さんたちは無事なようで負傷したのは昏来だけだった。
木星セウスジアにある大きな病院で昏来は一命は取り戻せたが、目を覚ますのは不可能かもしれないと医師から受け、僕ら家族は何も言えないまま集中治療室で眠っている昏来を見ていた。母さんはそのことを受けだいぶダメージを受けている。
ごめん、ごめん。兄ちゃんがもっとしっかりしていれば、昏来が傷つくことはなかった。
天満がやったのかそれとも誰かがやったのかわからない。だけどあの場にいたのは偽の天満が複数いたからそれにやられたとしか言いようがないな。
昏花が僕の手を握って来たから握り返し僕の肩に昏花の頭が寄りかかる。
「昏希が願っているから絶対に目を覚ますよ。私たちは天王星ラウモイズに戻って、昏未の様子を見に行こう。このことを昏未に伝えなくちゃ」
「わかってる。昏来、絶対に兄ちゃんたちが仇を取ってくるから、絶対に目を覚ましてね。父さん、僕らは最終決戦へ行きます。後のことは頼みますね」
「気をつけてな」
莉愛と七星は母さんと父さんに任せることになる。これからどれだけの犠牲が訪れるかわからないから。僕は莉愛と七星の前にいきしゃがんで二人の手を握る。
「莉愛、七星」
「七はあなたの子供じゃない!父さんを殺さないで!」
七星が目を麗しそろそろ本当のことを告げなきゃ一生後悔する。僕は弓筒にある白いバラ二輪だし莉愛と七星に一輪ずつ私た。
「いい?前のように血を流してごらん。莉愛、お手本を見せてあげて」
元気よく返事をして莉愛は指にとげを刺して小さな血が出血しバラに垂らすと短剣ができる。七星はそれを見て最初は戸惑いも見せるも、七星もやってみると白いバラの剣が出来上がった。
「どうして……七はお父様の子じゃないの……」
「辛い思いさせちゃってごめんなさい。七星は例えどんなに違う人種になろうともお母様と、そして莉愛のお父さんである昏斗の子としていられるようにおまじないがね、かかっていたの」
莉耶の言葉で泣いてしまう七星で莉耶が抱きしめ僕も二人を包むように抱きつく。莉愛もおいでと合図すると七星に抱きついてお兄ちゃん、泣かないでと伝えた。
「昏斗、私たちは先に行ってるわよ」
「昏無姉さん、ごめんなさい」
「いいのよ。子供が優先だもの。流彗もお父さん二人と一緒に地球オルモフィーケで戦ってくれるから私も頑張らなくちゃ。それじゃあ」
昏無姉さんたちは先へ行き、昏花も行ってもらって少し時間を取ってしまっても七星の気持ちをしっかり受け止める。
七星が落ち着きぐずんと鼻を垂らして、僕が拭き取ってあげた。
「落ち着いた?」
「うん。お……」
「無理しなくていい。昏斗でいいよ。いい七星。七星という名はね僕の名前の由来からとったんだよ。僕の名前の由来は北斗七星で昏斗と名付けられた。だから息子も星から名付けようって考えてた時に、お母さんが七星がいいんじゃないって言ってくれてね。僕のように育ってほしいという願い。そして莉愛はお母さんのように可愛らしく美しく、誰にでも愛せるように育ってほしいということから莉愛って名付けたんだ」
「でも七はその一目惚れしちゃったんだ」
本当に僕とそっくりだよとまだ涙が出てきちゃって涙を拭ってあげ、昔を思い出すなと七星に伝える。
「僕も未だに弟妹離れできていないんじゃないかって言うぐらい、兄弟が大好きだよ。特に昏花は特別かな。一緒に住んでいたこともあるけど、僕は昏花が大大、だーいすきなんだ。そういう気持ちを持っていてもいいんだよ。大きくなれば他に大好きな人が必ず訪れる。今はその気持ちを持ってたっていいんだから。大きくなってもその気持ちが変わらないって思ったら僕に相談して。その時は一緒に考えよう」
こくんと頷いていい子だと優しく頭を撫でる。それじゃあ行こうかと立ち上がって子供たちを頼みますと母さんに伝えて、僕と莉耶は天王星ラウモイズへと向かった。
着いてみるとすでに始まっておりまずは昏未が無事か行ってみたが、昏未が寝ていたところにいない。ベッドの上には天使の羽根を見つけて、連れ去られたかと理解した。
「椿が連れ去ったかもしれない。それに何かが引っ掛かる。天満が莉耶をほったらかして、すぐ天王星ラウモイズへと向かったのか。何か知ってる?」
「全然。七星を育ててたからあまり天満のそばにはいなかったの。でもたまに呼ばれて抱きつかれた時にボソッと言ってたんだよね。椿が可哀想だって。早く温かい家庭にしてあげたいと。それとなんか意味があるのかな?」
「そうだったんだ!」
「え?何かわかったの?」
僕と莉耶はセリニ・ネアの資料室へと入り椿の資料を取り出して、どこだったけなとペラペラめくっていくと見つけた。やはり間違いはない。
「ここを見て。椿の苗字」
「大鳳……椿!?え?全然読めない」
「実は椿、大鳳天満に助けられて養子になってたんだ。読んでた時は驚いたけど、大鳳天満が椿を養子に入れたのは理由があった。椿の父親が大鳳天満の弟だったんだよ」
「じゃあ甥っ子を養子にしたってことなの」
「そうなる。だけど椿は日に日にと八雲くんが悪いと思って邪心を持ち始めていた。この前なぜか椿の花が黒くなったのもそれが原因だとしたら……。まずい、昏未と八雲くんが危ない」
「昏斗が暴走しちゃうようなやばいやつなの?」
そうかもしれないと僕と莉耶は手を繋ぎ冥王星のペンダントを使って、大鳳天満の家ではなく椿邸へと着いたらエンヴィリオが複数いた。
「昏斗、伏せろ!」
昏有兄さんの言葉で莉耶と一緒に伏せると大きな岩が落ちて来て空を見ると真っ黒に染まってしまった椿がいる。このままだと暴走し続けていたら、いずれ死ぬ。
昏花のリコーフォスはうまく届いていないこともあり、椿を正気に戻せないでいる。
「私が行く!」
「だけど」
「任せて。空を飛ぶのは慣れてるから。落とせばいいんだよね?」
「そうしてもらいたいけど、大鳳天満が莉耶に襲いかかって来たら……」
話していたら大鳳天満が目の前にいて思わず莉耶を後ろにやる。
「手を貸せ」
「終わったらどうせ莉耶を奪う気でしょ?」
「その話は後にしておけ。岩が吹っ飛んでくる」
エンヴィリオがいてくれるからなんとか助かっているも、エンヴィリオがいなければ僕ら確実に転落してたよ。
「どうすればいいの?エンジースの暴走なんか前世の記憶になかったんだけど」
「今までなかったから仕方がない。俺が昏花を運ぶのもいいがそれは却下だろ?」
「絶対に却下」
「莉耶、飛べるな?昏花のような力を莉耶は持っている。天使には効果があるはずだ。昏斗たちは無限拳銃で攻撃し続けろ。俺と莉耶で地上に落とす。その時に狙え」
大鳳天満に命令されたくないんですけどと思いながらも、大丈夫だよと莉耶が天使の姿になって上空し僕たちは無限拳銃で椿に当てていく。
なかなか当たらず莉耶に当てちゃいそうでも、集中していたら何かを感じ僕はそっちに無限拳銃を構えると桜と柊だった。
「やはり来ましたか」
「美しい私がこの手で天罰を与えたのさ。椿の復讐を邪魔する者は誰であろうとも、美しい私がっ」
発砲し右肩に傷を負う柊で、よくも…よくも僕の弟をともう一発撃とうとしたら昏希に止められてしまう。
「しっかりしてください、昏斗兄上。余がついています。何があっても不運な道にはなりません」
「昏希を先に処分しておけばよかったですね。柊、昏希の相手はあなたがしてください。私は昏斗の相手をします」
「余は倒されないし昏斗兄上も倒されない。なぜなら余が選んだ道に進んでいるからだ!」
よく言ってくれたねと白いバラをとり五滴垂らして斧にし、いざっと僕らが動くと同時に桜と柊も動いた。桜に攻撃を当てていき、桜の攻撃を交わすもたまに傷が増える。
桜は椿に助けられたこともあり、椿の願いを叶えるために動いていた。まさか大鳳天満を裏切るような形になるとは思わなかったし、柊も大鳳天満に助けられたはずなのに桜に加担している。
もしかしたら大鳳天満を潰し椿を天使の長にするとかじゃないよねと桜の瞳を見たがそうらしい。だとすればそれ以上のことが起きる可能性があるかもしれないな。
「莉耶様と七星様を救ったのですから、あなたはもう引っ込んでください」
「それは無理だよ。だって大鳳天満の帰りを待っている子がいる。勝手に帰れるわけないじゃん」
斧を振り回して桜に当てていきもう一本の白いバラをとって弓へと変換させ投げた斧に弓矢を当てる。するとエンヴィリオが斧を持ち桜に大きなダメージを当てていった。
昏希はと見ると覚醒した姿で攻撃を当て勝敗がもう着きそうな勢いだ。だから僕も終わりにさせてもらうよ。覚醒した姿で星の剣と白いバラの剣を合体させ、いざっと桜に一撃を与え倒れる桜をキャッチする。
桜を抱っこして大丈夫そうな場所に寝かせ、昏希も勝敗が決まり柊が倒れエンヴィリオがこちらまで運んできた。
「一応縛っておく?逃げるかもしれん」
「いいよ。しばらくは起きないだろうから。昏有兄さんたちの援護に入ろう」
僕と昏希は昏有兄さんたちのところへと行き、援護をしていった。
⁑
天満と一緒に椿を止めようとも椿の羽根が攻撃してきて思うように近づけない。天満の方が強いのになんでと避けながら無限拳銃で羽根を燃やしているもすぐ新しいのがくる。
早く椿を助けないと椿が死んじゃうと近づこうとしたら椿の羽根が刺さってしまい落下してしまった。叫んでいたら天満が助けてくれる。
「ありがとう。近づけないよ」
「俺もまだどうすればいいのかわからない。昏未は椿に固定されて身動きも取れない状態。やはり八雲が来なければ近づけないというのか」
八雲くんは一旦主人さんのところに行っちゃったし、いつ来るかまだわからない。他に方法はないのと考えていたらピンッと来ちゃった。
「ねえ天満、ジャスミンの花ってないの?あったら試してみたいの」
「そうか。ジャスミンの花……。立ってられるか?」
「大丈夫」
「すぐ戻ってくる。危ないから昏斗のところに戻ってろ。昏花にちゃんと手当てしてもらえ」
天満はジャスミンの花があるのか採りに行ってもらい、私は一度地上へ降り羽根をとってもらうことに。
⁑
猛スピードで自宅へと入り荒らされているが、まあいいやと確かこの辺りにと探していると見つけた。本当はリィヤにプレゼントするつもりだったジャスミンの花冠。まだ萎れていなくてよかったとそれを持って出る前、俺が座っていた玉座を眺める。
俺はこの数年、ずっとあの椅子に座って眠りについていた。リィヤの生まれ変わりが誕生したその日に目覚め、どこで会えるのか待ち遠しかったな。
天王星ラウモイズで待ってはいられず、俺は各プラネットを旅しながらリィヤの生まれ変わりを探しまわって、ようやく見つけた時はリィヤの隣にはあいつがいた。
やはりそういう運命と思って一度帰ってみたが、やはりリィヤの面影を見てしまい奪い取ろうと考え、そして夢が叶ったとも言える。だがそれは長く続かないのは薄々感じていたことだ。
昏斗は必ず現れると思っていながらも、莉耶とずっと一緒にいて四年が経ち再び俺の前に現れた昏斗。何もかも奪った悪魔のように俺の全てが消えてしまった。
何もなかったように莉耶と共に歩みたかったな。だが俺にはやらねばならないことがある。それは養子として育てていた椿だ。まさかあそこまで邪心に飲み込まれていたとは父として最低とも言える。
玉座から離れ俺はちゃんと椿と向き合ってやろうと莉耶たちがいる椿の家へと急ぐ。もう悔いは残ってない。俺が死のうとも椿の人生を狂わせたのは俺だ。俺が決着をつけなければならないし、友である八雲という子と仲直りしてほしい。本当は椿の両親を殺したのは俺だということをな。
それをなぜか悪魔であるウラノスが我がしたことにすればいいとなぜか言っていた。意味がわからなかったがその続きにはこう言っていたのを思い出す。
八雲の友だ。大事に育てなければお前を食すからなと。まさか育てていくうちに椿かこんなに悪魔に憎しみを持っているとは思わなかった。
占い師が俺に見せてくれた一枚のカード。七つの星が俺ではなく椿だということ。昏斗たちには俺の絵と伝えてほしいと告げた。そうすれば昏斗は必ず七人を集めてやってくると思っていたから。しかし昏未は椿に捕まって、その挙句昏来を……。
天使の長として救わなければならない命を俺は幾度も捨ててきたようなもの。だからここで終止符を打つ。
椿が見え莉耶にジャスミンの冠を投げつけ、俺はどんなに椿の羽根を受けようが椿と昏未を引き離した。それによって椿が俺にもっと攻撃をしてきて、俺は避けながら地上へと降りる。
莉耶が駆けつけてくれる前、俺は幸せ者だったよと再び上空し、俺の全てを解放し椿に天罰を与えた。椿が落下していくところを莉耶が助け、俺は転落する。
全ての力を解放してしまえば死が訪れると言われていた。
椿、すまなかった。俺がリィヤのことを忘れてちゃんとした父親になれなくてすまない……。




