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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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54僕は土、莉は泥

 星の観察で夢中になっている莉愛を見ながら、僕はある記事を読んでいた。と言うよりエンジースの雑誌でここ最近、莉耶が載っているからつい買ってしまう癖がある。それに星音のファンたちに協力してもらってネットに拡散させているから、莉耶も気づいているだろう。

 母さんが昼間、教えてくれた情報は噂ではなく本当のことを母さんに告げた。噂に流されていたのは天使の姿となって普通に歩いていることだ。


 それにさっき買い物中にばったり会ってしまっても、声をかけず素通りしたのには意味があった。それは式を挙げた後日、一通の手紙が届いたからだ。


 全プラネットのネオリオ人及び捕食人間に命ずる。これからは天の使い、エンジースが全プラネットを管理する。もし逆らうならば天罰を下す。エンジースと会ったとしても干渉するような行為をしたら死が訪れるであろう。


 と言う文面を全プラネットに送られたそうで、星音と話し合い干渉しないことを選んだ。


「影神さんが淹れてくれたハーブティー置いておくね」

「ありがとう、星音」


 星音は僕の隣に座って何みてるのと言われたから、見せてあげると莉耶ちゃんも幸せそうだねと言う。そりゃあ息子と写っている写真だけは昏花と同じようにとてもいい笑顔を見せてくれるからね。


「調査に戻るの?」

「うん。桜庭課長に報告して、土星スノロクの調査に戻るつもり。兄さんもさっき連絡があって、協力してくれるって言ってたから、後は支部長たちが動いてくれるかどうかが肝心になるかな」

「そっか。なら私もふじさんに莉愛を預けて、一緒に動くよ」

「平気?」

「全然平気。これでも前よりかは強くなったの知ってるでしょ?」


 もちろんと影神が淹れてくれたハーブティーを飲み心を落ち着かせる。星音は莉耶のためにと思い、短期間で力をつけてくれたのに、僕は諦めますときっぱり言ったのに星音は諦めず努力してた。その結果、見事、セリニ・ネアでは優秀に働いている。


「じゃあ一緒に調査しよう。人員はほら今、僕だけだから」


 僕が単独行動になってしまったのは、昏来と昏未の大喧嘩をしてこれ以上やってられないと二人は別々の道を歩んでしまった。

 なぜかというと昏未についているネジバナが日に日にと太くなり始めた頃。一度僕が元通りにしたが昏未は大鳳天満のところへと行くと言い出し、昏来は行くなと口論が始まった。次第には殴り合いが始まって止めるのに必死だったよ。それで結局、蝕夜がくれたペンダントを利用して、昏未は大鳳天満のところへ行ったきり帰っては来なかった。

 昏来は止められなかった自分を責め、昏有兄さんのネオリオ社へ出向させ昏希と行動をしてもらっている。


「昏来くん、昏未ちゃんがいなくても元気そうだったね」

「あれは空元気だよ。本当は今でも昏未が心配でいるのは僕ら兄弟に伝わってる。なんとしてでも昏未を助けなくちゃ」

「今の調査が終わればすぐに天王星ラウモイズに行く?」

「そうしようって桜庭課長に言われた。だから土星スノロクの調査を終えたら行くから準備は進めといて」


 わかったと返事をしてくれて、莉愛のところに行き一緒に星を観察して行った。


 次の日、一度家に戻って書斎で調べ物をしていたら、昏花から連絡が来て家の前にいると言われたから玄関に出てみる。そこにいたのは昏花と流彗くんにそれから愛しい双子を連れて来た。それにしても昏花の荷物が多い。


「冥王星プルイーナスで育てるんじゃなかったの?」

「相談したくて来ちゃった。それに流彗くんがお姉ちゃんに会いたいって連れて来たの。お邪魔するね」


 荷物持つよと大きい荷物を持ってリビングに置き、星音は歓迎して莉愛は流彗くんが来てくれて嬉しい笑みを出す。流彗くんに莉愛とそれから昏花の双子は庭で遊んでもらっている間に、昏花の話を聞いた。


「何があった?」

「そろそろ伝えといたほうがいいって思ったの。本当はもっと早く言うべきだったのかもしれない。でも莉耶ちゃんのことでいっぱいだったから、伝えづらかった」

「それで蝕夜と喧嘩でもしたの?荷物多いけど」

「本物の蝕夜から逃げて来たって言えばいいのかな。前世の記憶から思い出せるかは昏斗にかかってる。破神家という元アステル幹部にいた子孫とできたのがこの子たち」


 ちょっと待ってとストップをかけ思考を膨らませていくと、確かこの前連絡がかかって来たときに破神星という人物を調べろとか言われてたな。

 前世の記憶を辿ってみたら少しだけ思い出せた。ディアヴォロスを食したことで、破神家はアステル幹部から外され姿を消したこと。まさか破神家の子孫が蝕夜で本当の名は違う。

 いつも蝕夜から何かを感じでいた瞳の奥がディアヴォロスの帝王だとわかってたけど、まさかそんなのあり得ない。


「ディアヴォロスの帝王が食されたってことでいいんだよね?」

「うん。朝六時から夜の十二時までは蝕夜の偽者である破神星が起きてて、夜の十二時から朝の六時までが本物の蝕夜が起きてる時間帯。つまりテオスパーティーやテオス舞踏会を開催していたのは蝕夜の方なの」

「そう言えば桃花会長があの時言ってた言葉はそういうことだったのか」

「そうかもしれない。それでここからややこしくなって」


 昏花は苦笑いしながら、僕に報告してくれる。


「妊娠している時に双子が判明した直後、本物の蝕夜にやられちゃった」

「やられたって?」

「自分の子孫を残すために双子だからって蝕夜の力を勝手に流されちゃって。だから蝕夜の子と星の子になっちゃったってことなの。それを知った星は怒っちゃって口聞いてくれないから、出て来ちゃった」

「姉さんたちにはなんて?」

「話したよ。そしたら話をしてくれるみたいで、落ち着くまではここにいていいかな?」


 そうきたか。蝕夜からなんも聞いてなかったけど、連絡が取れなかったのはそういう事態になってしまったからというわけか。どうしたものかと思っていても仕方がない。


「いいよ。でもこれから土星スノロクに行く」

「莉愛ちゃんは?」

「ふじさんのところで預けようと思ったんだけど、蝕夜があの状況なら預けられない。それにそろそろバラの剣術も覚えさせたいし連れて行くよ。日葵ひまり紫雨しうはどうする?」

「連れて行く。お兄ちゃんのところでもよかったんだけど、お兄ちゃん色々大変そうだから」

「じゃあ支度してくる。星音、莉愛に出かける準備をするよう伝えて」

 

 自室へと入り行く支度をして、僕らは土星スノロクへと出発した。


 

 四年前は工場の煙で凄かったけど今はそれがもうなく改善されて花もちゃんと育っている。四年前に埋めたブバルディアも咲き誇っていてよかった。 

 桜庭課長がいる警察署へ行ってみると、見慣れない顔の人たちが多く集まっていて何かあったんだろうか。桜庭課長に一本連絡して置いたんだけどなと思ったら、海さんの怒鳴り声が聞こえた。子供達には悪影響だと思い菊太が子守りをしてもらっている間に取調室に入ってみる。


 机を叩いている海さんの目の前には逮捕されたらしいモンディガがいて頭と腕には包帯が巻かれていた。これは事件かと海さんと声をかけると、鬼のような顔をしていて後は任せてと海さんは退出してもらう。

 強く扉を閉められやれやれと思いつつ、海さんが座っていたパイプ椅子に腰を下ろし手帳を見せる。


「僕はセリニ・ネアにある第七調査課、課長をしている真神昏斗。一体、何があったの?」

「何度もあいつに話した。話すつもりはねえ」

「言っておくけど、僕を怒らせると大変なことが起きるから喋ってもらった方がいいよ。この前、調査のために行った時に盗人を見つけてね。あの時は僕のものだって言い張るから、熱々のお鍋に入れちゃおうか迷ったぐらいだよ。その前は黙秘続けるから強力接着剤でつけた。後は爪を集めているディアヴォロスがいたから、正直に言わない人の爪を剥がしたかな。それから」

「もういい!わかった、わかったから」


 やっと話してくれるようになったね。あっいい子は僕がさっき言ったことは真似しちゃだめだよ。あれ全部嘘だから。


「それで何があった?」

「……急にエンジースに襲われた。しかも俺の子供と妻だけだ。どんなに助けようとしても無駄だった」

「他に奪われたっていう人はいる?」

「俺が知っている限り、ディアヴォロスの他にエクリプス人。それからネオリオ人も襲われたって聞く。ただ捕食人間は対象にされてなかった。俺が思うに捕食人間の誰かがエンジースと手を組んでるんじゃないか?今まで俺たちは多くの捕食人間を食ってきたお返しのように。ネオリオ人は捕食人間を助けようとしなかった罪とかで狙われてるかもしれない」


 それは一理あるかもしれない。調査をした方が良さそうだな。


「奪われた直後、何か落ちていませんでした?」

「ハートのカードを置いていって、内容はこうだった」


 証拠品を提出してもらい、その内容はこうだった。


 人は天から授かった命でもある。それをのうのうと食した罰としてお前を罰する。


 天からじゃなく神だと思うが罰するという意味は、天の使い、つまりエンジースが天罰を与えるという意味を示しているんだろう。

 食したという意味はディアヴォロスは捕食人間を食し、ネオリオ人はディアヴォロスを食すため同罪であると言っているかのようだ。


「わかりました。こちらで調査に当たってみます。あなたはまだエンジースに狙われている可能性が高いので、セリニ・ネアに行ってください。そこなら安全です」

「わかった。一応妻と子供の写真を渡しておく」

「お借りします」


 写真を受け取ってモンディガはセリニ・ネアに行ってもらい、僕らは調査に当たることにした。まずは聞き込みだとモンディガが襲われた付近で聞き込みをしていく。


「自分は一人暮らしなんですけど隣に住んでいるご家族が奪われたとか部屋越しで聞こえましたよ」

「お隣さんは今どうしているかわかりますか?」

「変だなって思って次の日、尋ねたけど出なかった。多分、家族を探しに行ってるんじゃないっすか」

「ご協力ありがとうございます」


 アパートに住む住人は同じことを発言していて、ここに住む一家だけが襲われたらしい。次は住宅街で聞き込みをすると複数のご家族が奪われしかも女性と子供を対象にしているのがわかった。

 ネオリオ街でも同じことが起きているらしく、地図で襲われた場所を丸で囲み繋げていくと羽のマークが出来上がる。


「天使の羽根。どうするの?」

「僕の予想だけど羽根が出来上がるってことは天使の輪っか辺りに集結させているんじゃないかな。ここは前に出来上がったエンジース街だ」

「エンジース街に入るには厳しいチェックが入るんだよね。観光客ではない人は入れさせない。武器さえも持てない状態になる。どうやって乗り込む気?」


 大人組が考えていると流彗くんが星音に聞いてきた。


「お姉ちゃん、また女優をするのはどうかな。お姉ちゃんのファン、エンジースにもいるかもしれないよ」

「そうは言っても、簡単には戻れない。それにあの時はお父様の力があったおかげで女優になれたようなものだもん」

「んーだったら観光客としてまずはエンジース街に訪れてみるのはどうかな?」


 三人が意見を出してくれてそうだなと子供たちが菊太と遊んでいる姿をみてそうかと閃いた。土に触れてこれならいけるかもしれない。


「普通に入ろう。初めて行く場所にもなるけど、子供たちがいるからばれる可能性は低い。行く前にクロノスに会いに行こう」


 三人はまだ僕がやろうとしていることを読めなくても土車のタクシーに乗って、クロノスがいる工場へと向かった。


 工場に到着しタクシーから降りて、行ってみるが何かがおかしいと気づき僕と菊太だけで行く。工場の中に入ってみるとディアヴォロスやエクリプス人が倒れていた。

 安否確認をとってみるが亡くなっていることが判明する。真っ先にクロノスが使っている部屋に入ってみると血の文字でこう書かれていた。


「人は天から授かった命でもある。それをのうのうと食した罰としてお前を罰する……。菊太、至急、心に連絡を」


 菊太が連絡をしている間、他のところを見回りしていると子供サイズの一足が落ちている。エンジースは一体何をする気でいる。するとお父さんと莉愛がやって来たのだ。


「入って来ちゃダメだよ。さっ戻ろう」

「嫌だ。お父さんと一緒に行く」


 莉愛と星音が慌てて来てはぐれちゃダメでしょと叱るも僕の後ろに隠れてしまう。いずれこういう場が訪れるのはわかってた。僕も子供の頃、よくお父さんに駄々を捏ねて連れてってもらったことがあったから。

 頭を撫でてはぐれちゃダメだよと伝える。


「いいの?」

「うん。真神家は子供であろうとも真実を突き止めたい思いが強いからね。それでさっき工場の中で遺体があった。クロノスはおそらく連れて行かれたっぽい。だから一応エンジース街へ行ってみよう」


 クロノスが捕まってしまったらエンジース街へ行くしかないと判断し、菊太はここで心に報告後来てもらう形にした。

 僕らを襲う気はないだろうけど僕以外女性だ。仮に奪われるようなことが起きたらあの力を解放するしかない。エンジース街の入り口で降り、エンジース街の入り口では見張りがやはりいる。


 武器を全て渡しちゃんと返してくれるかわからずともエンジース街へと入った。子供達は天使だと指を指そうとしてその手を握り歩く。


「天使さんと仲良くできないの?」

「そういう決まりだから、我慢しようね?莉愛」

「仲良くしたいな」 


 莉愛の気持ちはよくわかるよ。こんなことしなくても分かり合えるはずだ。いつかわかり合えるだろうかと思いながらエンジース街を歩いて行った。



 土星スノロクで新しいエンジース街ができたそうで、そこに訪れていた。基本的はエンジースのみしか入れないそうでも観光客としてネオリオ人や捕食人間が観光しに来ている。

 もちろん、見慣れた人がちらほらいるも挨拶はせず、素通りして天満と七星と歩いていると迷子を見つけた。その子は捕食人間かネオリオ人だろう。


「天満」

「駄目だ。七星も関わるんじゃない」

「でもお父様、見捨てたりしないのがエンジースでしょ?」

「……わかった。今回だけだぞ」


 私たちは迷子になってしまった子のところへと行き、私が声をかける。


「どうしたの?お父さんとお母さんは?」


 ぶんぶんと横に振り完全に迷子かとその時だった。それでも泣いたりはせずにっこり笑って、迷子の子は天満に向けて泥団子を投げつけてしまう。真っ白服装だから汚れが付きあっかんべえをして去ってしまった。

 これはいけないと天満を止めようとしたが、迷子の子を追ってしまう。


「七星、ここで待ってて」

「七も行く!」


 仕方がないと私は七星の手を握って空を飛び天満を追いかけて行った。

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