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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
54/78

50僕は敗、私は昴

 セリニ・ネアに到着しミーティング室で海さんから事情を聞くことになったのだが、ひたると美汐も到着して一緒に聞くことになった。それと元プラネットコード社土星スノロクの支部長でいらっしゃった土屋いわ支部長までもがミーティング室においでだ。

 二人はいいとしてとても不機嫌な顔だし、足を机に置く姿が海さんタイプ。あまり怒らせないようにしよう。


「昴があいつと一緒に行ったのは本当か?」

「あぁ。まだ飼育員たちはなんも知らねえから、昴のことについて話す。それからでいいか?」

「構わん。話してやれ」


 海さんはモニターを出して桜庭課長の情報を映し、説明をしていく。


 桜庭課長はここ、土星スノロクのA街出身地で捕食人間。ごく普通に暮らして十三の誕生日。桜庭課長宛にテオスパーティーの招待状が送られ、テオスパーティーに出席後、一度ディアヴォロスに飼われた時期があった。

 そこで同い年であった岩倉友羽いわくらともはと出会い、二人で脱出を決意する。しかし脱出したが岩倉友羽が捕まってしまうが、その時ばったり海さんとあったことでいなくなってしまったらしい。

 それから何年経っても土星スノロクに行く度に探していたがいなかったため、死亡したと確定したそうだ。


「だけどなんで一緒に行っちゃったの?」

「昴はまだ生きていると信じてあいつと一緒に行ったんだろう。元々、あいつが拠点としていた場所は探していなかったからな。まあそのうち帰ってくるんじゃねえか。一週間、帰って来なかったら昴を探しに行く。それでいいか?」

「同感だな。今はエンジースという天使に注意しなければならないんだろ?」

「すーさん、本当に帰ってくる?」

「待っても帰って来なかったら探しに行こう」


 うんと少し落ち込んでいる甘ちゃんでも、今はエンジースの方が先だと僕らは巡回をすることにした。美汐は桜庭課長の埋め合わせとなり、ひたるは昏無姉さんの埋め合わせとなったため、菊太が戻ったのだ。

 女子三人組で大丈夫かなと少々心配になるも、大丈夫かと僕らは巡回しつつ別荘へ向かう準備をする。バラの流星群を発動させて、早く天王星ラウモイズにも行きたいからね。

 ある程度持って行きますかと昏来と昏未に菊太を連れて出発する。


 それにしても煙が凄いやと車を走らせて、エンジースがいないか見回っていると兄様と昏来の声がかかった。


「どうした?」

「別荘の付近に嫌な予感がする」

「私めもですわ。今までに味わったことがないような感覚」

「もしかしたら、エンジース」


 スピードを上げて別荘の方角へと進むに連れて、ディアヴォロスがミミカキグサに閉じ込められていることがわかる。甘ちゃんが言っていたから、この付近に椿がいるんだと別荘に到着して装置が気になり展望台へと急いだ。

 行ってみたらそこに装置を持った椿がいて止めてくれと叫んだ瞬間に壊されて装置が破壊されてしまう。


「装置はいらない。僕たちが悪魔に天罰を与える時代にさせてもらう。残りの二つも壊すから」

「そんなことしなくても、ディアヴォロスはもう悪さをしない」

「それはどうかな。ここは今も荒くらの場でもある。この装置がなくてもディアヴォロスは捕食人間を食さないと言える?僕はそう思わない。バラの流星群なんか発動させてもこれからは無意味だ。そして平和になったかと思ったプラネットも天満によって元通りになる」


 椿が言っている言葉に疑問があり、どういうことだと考えていたら昏来が検索して僕に見せてくれたのは平和を取り戻した各プラネットでディアヴォロスが暴走し、捕食人間を食している映像だった。

 それにネオリオ社の人たちが捕食人間を守りつつ、ディアヴォロスに発砲している。


「天満が言ってた。バラの流星群は美しいけれど、悪魔を人にする力はないと」

「吾輩はその未来を望まない!」

「私めもその未来は望まない!」


 二人が覚醒した姿になり時間を巻き戻そうとしたら、椿が動いて僕はバラの剣で椿を止めに入った。しかし昏来と昏未は何かを察ししたのか離れ離れになる。


「鋭い。二人を引き離せば時間は巻き戻せないのはわかってる。もっと二人を引き離せ」


 どんどんとミミカキグサが生えてきて水中ではないのにと椿の攻撃を交わしながら一旦外へと出た。考えているとそうかと閃く。ミミカキグサは地中にいて、タヌキモというのが水中だ。甘ちゃんたちが戦っていたのはタヌキモのほう。

 無限拳銃の弾丸を切り替え赤い弾丸にし、椿に発砲させるも避けられてしまい木にボッと火がついてしまった。


「菊太、消火のほう頼む」


 ワンッといい返事が聞こえ火が出てしまったところへと行ってもらい、椿はいつも持ち歩いている枝を取り出し僕らと同じように血を流して椿の剣が出来上がる。

 僕も負けてられないとバラの剣で椿に攻撃を与えていくも、一ミリも攻撃が全然当たらない。僕より下だし昏来と昏未の年齢ではない。だとすれば昏希と同じ年齢ぐらいか。

 僕に強敵ができるだなんて思わなくて、僕だけが傷を負う羽目になる。


「本当に昏の星?天満に傷をつけられたぐらいのレベルじゃない。弱すぎる」

「前世の僕と比べないでもらえるかな?そもそも君は昏希と同じぐらいの年齢のはず。なぜそこまで大鳳天満のことを知ってるの?」

「教えるつもりはないです」


 攻撃が来ると剣で塞いでいたが傷をまた一つ、ついてしまった。父さんも昏有兄さんも昏無姉さんも勝てなかった椿。全然隙を見せない表情。

 

 二人の援護をしたくても、椿はどんどんと僕に攻めてきて攻撃を防ぎながら、攻撃を与えていった。覚醒の姿になってもなかなか当たらず、炎が舞いつつ椿に挑んでたら階段があったらしく落下してしまう。

 気をつけておけばよかったと軽傷で済んだが目の前に椿の剣を突き出される。


「死にたくなければ、今すぐリィヤを返せ」

「桜に何度も言ってるけど、僕は莉耶を手放すつもりはない」

「そうですか。ならここで天罰を与える」


 天使の羽根が数枚宙に浮き、ここでやられるわけないじゃんと天使の羽根が僕を刺そうとしたら昏来が助けてくれた。


「昏斗兄様に傷一つつけさせない!」

「昏来、あとはいいから昏未のところ行ってあげて」

「だけど」

「いいから」


 昏来は椿に威嚇しながら昏未のところに行ってもらい、立ち上がってバラの剣を三滴滴らし槍へと返還させる。


「僕を本気で怒らせないでもらえるかな?」


 はあと息を吐き僕は本心の力で今まで戦ってきていなかった。だから多くの傷を負ってしまったからね。その分、ここで出させてもらうよと僕の体が全身熱くなるような感覚を感じる。

 星の数も増え星の剣とバラの剣でいざっと椿に挑んだ。交わされたと思っていたが椿の腕に血が多少でる。


「本気を出していなかった。なら僕も本気出させてもらう」


 椿の本来の姿を見て神々しいような姿に空を飛んでいた。なら弓でと弓にしようとした時、足から激痛が走って転んでしまう。みると複数の羽根が突き刺さっていて抜こうとしても抜けず覚醒したのが解けてしまったら余計に激痛が走った。


「その激痛に耐えられるわけない。叫べばいい」

「叫ばっない!」

「こりない人は嫌いじゃない」


 なんとかして再び覚醒の姿になり天使の羽根が抜けて治癒されるが、次、覚醒の姿になれば動けない可能性が大きい。だから早く椿をなんとかしなければと考えていたら、昏未と叫ぶ昏来の声がする。

 その方角をみると昏未がミミカキグサの捕虫嚢に触れてしまったのか閉じ込められてしまった。


「妹を助けたいなら、交渉して」

「だから何度も言ってるでしょ?僕は手放すつもりはないと」


 僕は椿を放置して昏未を助けに入ったが、植物同士だから思うように上手く切れないことがわかる。なら無限拳銃で吐かせるかと赤い弾丸のままで試してみるもびくともしなかった。昏来も昏未を助けようと試していくも、椿のように倒せない。

 ミミカキグサに集中していたら、椿が攻撃を再開させ攻撃がこっちに来て昏来を庇いながら避難する。


「いいこと考えた。昏未っていう子連れて帰ろう。そのほうが天満も喜ぶ」

「昏未を返せ!」

「ミミッカ。足止めして」


 ミミッカってなんだと思いきやミミカキグサが複数現れその間に、椿は昏未を連れて逃げてしまった。許せないと怒り混じりでミミッカを倒して行く。


 異例のことで別荘はメチャクチャになり連れさられなかったディアヴォロスの安否確認をとってみたが、息を引き取っていることが判明した。

 昏来はリビングにあるソファーで体育座りをしながら顔を伏せている。影神も姉さんにつきっきりで見守ってくれていたからこっちに来れず反省していた。


「昏来坊っちゃん、昏来坊ちゃんが好きな焼き菓子作りましたよ」

「いらない……」

「そうですか。ですがテーブルに置いておきますね。お腹空いたら召し上がってください」


 反省している影神が作ったものは大体、味が変味しているから食べたくはないけれど僕もいただく。セリニ・ネアが到着してディアヴォロスの遺体はご家族の元へと送ってもらった。

 だけど立ち直れないのは昏未が奪われたことだ。琥珀さんと真珠さんが占ってくれた結果にはなかったはずだけど、もしかして別の未来が存在するなら聞いておきたい。


 そう思って連絡を取ろうとしたら昏花と蝕夜が現れて、昏花は昏来の隣に座り慰めている。影神は二人分のお茶を淹れ直しにリビングを後にした。


「すまない」

「いや、いいんだ。僕がもっと強かったら昏未を守れた。今の僕じゃ莉耶を守り抜く自信もなくなっちゃったよ」

「ふむ。ならいい奴を紹介する。その人に指導して貰えば、きっと強くなるはずだ」


 蝕夜がそう言ったら昏来がパッとあげすごい顔になっているも、昏来がこんなことを言う。


「吾輩も強くなりたい!昏未を守れる男になりたい!」

「うむ。では話をつけてこよう。昏花、同行を頼む」

「今さっき来たのに?まあいいや。すぐ戻ってくるね」


 昏花と蝕夜は手を握りいなくなってしまって、その後、影神がせっかく淹れてくれた紅茶を僕と昏来が飲むことにした。


 ⁑


 せっかく昏斗と話せると思ったら、すぐ出かけることになってしまったけれどここはと驚いちゃう場所だった。ディアヴォロス同士が争っていて、さっきクロノスが言っていたのはここだったの。

 それに目つきが怖い人たちばかりで蝕夜の手が離せない状況の中、見慣れた人物を見かけ思わず声をかけてしまった。


「桜庭さん?」

「あれ昏花ちゃん。それにディアヴォロスの帝王。なんで?」

「ボスはどこだ?」

「ボスはさっき、巡回へ行かれました」

「すれ違いのようだな。まあよい。お主がこっちの社に戻っている間に大変なことが起きた。長くなるから部屋で話そう」


 勝手に建物の中へと入る蝕夜で私もそのまま入ってしまい、その光景がまさか警察署だっただなんて。一室を借り桜庭さんがお茶を淹れてくれて私はそれを飲みながらさっきのことを桜庭さんに報告していた。


「そうなんですか?じゃあ莉耶は?」

「視界がぶれるな。渡していた冥王星のペンダントが隠れててよう見えぬ」


 その言葉で私は思わずお茶を吹き出しそうになりハンカチで押さえながら飲み込んだ。


「ごめんなさい、桜庭さん。私と同じペンダントを持ってて、蝕夜の目にもなるんです。ただペンダントを隠していると洋服の裏地しか見えないようで基本は出してもらうとどこにいるのか把握できる」

「なるほど。だから最近、昏斗はペンダントを表に出しているんだね」

「それでだな。ボスが帰ってきたら、弟子にしてほしい子たちがいると伝えてくれるか?」

「なんとなくわかりました。それに甘露も心配ですし、一本連絡してここに来てもらうよう伝えておきます」

「ではやつがれたちは昏斗たちがいる別荘へと戻る。何かあれば呼ぶがよい」


 話まとまってよかったとそのままワープし別荘に戻ると、蝕夜がいなくて繋いでいた手に紙屑を握ってた。広げてみるとこう書かれている。

 

 昏花、少し茜の様子が気になるから、茜のところへ行ってくる。さっきのことは昏花が伝えといてくれ。準備が出来次第、昏花が連れてってあげるんだ。それじゃあまた後で。


 もうとなぜか笑みが出ながら紙屑を綺麗に畳みポケットにしまって、別荘の中に入りリビングに戻ってみると影神しかいなかった。


「あれ?昏斗と昏来は?」

「お庭で稽古していますよ。強くなるために第一歩として。お嬢様はいかがなされますか?」

「なら私も参戦しよっかな。たまには体動かさないとまた昏斗に怒られそうだし。影神、付き合ってくれる?」

「久々ですね。いいでしょう」


 影神と一緒に庭に出て空いているスペースで影神と一本手合わせしてもらうことに。


 ⁑


 昏来と目を覚まし体を起こしここは一体と見ていたら、椿がいて無限拳銃を構えようと手に取る。けれど無限拳銃がないことに気づく。


「私めに何をしたの?」

「何もしてない。ただ美しくないから、女性陣に着替えさせてもらっただけ。天満が待ってる。行こう」

「触らないで。私めに触れていいのは、昏来だけなんだから!」


 椿の手を振り払い部屋の片隅に逃げて威嚇していると、椿の後ろから流彗が顔を出した。


「昏未姉ちゃん!」


 とても怖かったのか私めに飛びつく流彗の姿に、怒りしかなかった。本当にエンジースになってしまったのと流彗を優しく抱きしめる。


「梅、いい子にしてたら大好きなお母さんに会わせてあげる。できるね?」

「……もう逃げないから、だから、だからお母様を解放して」

「それはできない。大好きなお母さんを傷つけたくなければ大人しくしておくこと。後は頼む」


 監視の人に伝えた椿は行ってしまわれ、流彗と二人きりになれたのがラッキーだった。


「流彗、大鳳天満はここにいますの?」

「ううん。わからない。この塔にいつも閉じ込められてるから大体は把握できてないよ。でもこの塔は攻略してある」

「わかりましたわ。だけど脱出すれば、お姉様の命が危ないことだけは理解できましたの。こういう時、昏来がいてくれればすぐ閃くのに」


 私め一人じゃきっと流彗を守り切れる自信がない。昏来やお兄様たちが来るまで大人しくしているのがベスト。全員が揃った時点で、私めも動き出せばいい。


「あの監視役様」

「なんだ?」

「この塔は自由に動いても構いませんの?この子が隠れんぼしたいと仰っていて」

「梅、それは本当か?」

「うん!隠れんぼしたい。監視役さんが鬼がいいな」


 流彗の笑顔にやられた監視役二名は私めたちのお遊びに参加してくれるらしく、隠れんぼすることに。

 昏来、流彗は見つけましたわ。早く、天王星ラウモイズに来てと願うしかなかった。

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