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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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48僕は踪、私は幸

 姉さんの班が到着した頃には終わらせておき、桜庭課長が姉さんたちに説明をして、僕の班は他にサラセニアがいないか確認していた。蝕夜は結構心のダメージを負ってしまったのは、半数のディアヴォロスがお亡くなりになっていることが判明したからだ。

 それで昏花は心を痛めた蝕夜を家に連れてってプルトナスに相談している頃だろう。ご遺体はご家族に送る形になるけど、ディアヴォロスは所詮悪魔だからエンジースに挑むとか言いそうだな。そこは一応、もとここを管理していた父さんに話をつけてもらう形になる。


「菊太、もういない感じ?」

「いねえみてえだな。それよりあいつは平気なのか?結構心やられてたみてえだけど」

「大丈夫だよ。昏花が付き添ってるからね。桜が言ってた言葉、あれはどういう意味だったんだろう。昏たちが覚醒したら厄介になるっていう意味」

「七人が覚醒して乗り込んだらエンジースは終わりを遂げる感じじゃないか?」


 それとこれとは別を意味しているような感じなんだけどなと、桜庭課長たちにいないことを告げ僕たちは帰還することにした。

 戻り報告書を作成して桜庭課長に提出し終わった後、僕は本家に戻って展望台へと入る。この装置を使って一刻も早く平和を取り戻せたとしても、再び僕はこのプラネットに訪れるかもしれない。


「坊っちゃん、申し訳ございません」

「僕に嘘をついたことはもういいよ。バラは?」

「こちらに」


 影神は正直に言ってくれたのはあの仮面を一度外したらしくその姿が鈴哉さんだと判明。それに星音の指紋がついたものを置いたのも鈴哉さんだった。

 天井をあけ美しい夜空を眺め木星セウスジアの平和とディアヴォロスがエンジースに狙われないことを願いながら七本のバラに血を流し装置につける。僕は目を閉じながら手を前に出し、装置に向かって願いを告ぐ。


「真の神に昏の星にて、花の力より群じ流れよ!」


 目を開けるとバラの花びらが空へと舞い流星群のように流れ始めた。全員に行き渡るまでの時間帯は約六時間程度。どうか僕の願いが届きますように。




 翌日のこと、バラの流星群を発動し終わった僕は、新聞を読みながら朝食を頬張っていた。全員が一般の人間になったことで豊かな世界になるのはもちろんのこと、昨日の一件での記事が載っている。

 ディアヴォロスを殺した天の使いというエンジースは殺人鬼だと記されており、どっちかというとディアヴォロスも人を食していたのは事実のことだ。

 だからどっちもどっちなんだけどなとパンを口に入れ紅茶を飲んでいると走ってくる足音が聞こえて影神が扉を開ける。


「兄様!」

「大変なの!」

「そんなに慌ててどうしたの?昏花が覚醒したから、覚醒する方法が知りたいとかは言わないでよ」


 そんなんじゃないとはもりながら読んでいた新聞を昏来に取り上げられてしまい、昏未がネットを開いて見せてくれたのはエンジースのホームページだった。

 ホームページがあることは知ってたけど、このホームページがどうしたと見ていたら暗号された文字が真の神である僕たちには見えてしまう。


「これ、姉さんには話した?」

「まだ」

「言ったらお姉様、行っちゃいそうで。見ちゃったらどうしよう」

「影神にも見える?」

「はい。どうされますか?」

「細工くらいならできるでしょ?姉さんがみたら意地でも取り戻そうと考えるはずだ」


 かしこまりましたと影神は自分のスマートウォッチで検索し細工してもらいながら、僕は昏未のでURLを開き確認してみる。すると天使になってしまった流彗くんが笑顔で自己紹介が記されていた。これはおそらくエンジースしか見れない機密情報と言ったらいいのだろう。

 しかも全て偽りのことが書かれており、これを見たら姉さんはすぐさま天王星ラウモイズに向かうはずだ。


 それに流彗くんの名前も偽名でうめとあり、ご両親がツルウメモドキの木からとった名前だそうでこんなのはったりだ。それに父は鈴哉さんであっても母親が知らない人が映っている。それに出身地が天王星ラウモイズでずっと天王星ラウモイズで育っているということも書かれていた。

 いやいや、流彗くんは地球オルモフィーケ出身で、星河会長にいろんなところ連れてってもらってたしエンジースもわかっているはず。それなのになぜこのような文面を書いたのか。それとも僕たちに挑発をしているのかだ。


「昏来、昏未、姉さんには絶対に言わない方がいいよ」

「伝えない」

「言わない」

「影神、できた?」

「はい。チェックをお願い致します」


 昏未ので再度サイトを開いてみるとさっきの暗号のやつとURLは消えておりこれでひとまずは安心かな。


「ありがとう、影神。だけど念のため姉さんを影ながら見守っててほしい。もし何か姉さんが動き出しそうなら僕に連絡して」

「かしこまりました」

「じゃあ僕たちも行こうか。バラの流星群を発動させた後でも、ディアヴォロスとエクリプス人はエンジースに狙われる可能性が高いからね。セリニ・ネアに戻る前に巡回しておこう」


 二人も張り切っており僕らはセリニ・ネアに戻りつつ巡回を開始した。

 一見は普通でアリスのように、僕らは困っているディアヴォロスがいたら助ける方針で動いている。今のところ大丈夫そうかと歩いていたら、布屋で生地を見ている火神炎悟がいた。


「火神さん」

「おー昏斗、もう大丈夫なんか?」

「はい、おかげさまで。なぜこちらに?」

「ちぃと用があってな。ついでだから子供らになんか作ってやろうと思って寄ってるんや」


 そう言っても荷物多すぎじゃないですかと手が塞がっている状態で布を見ている火神炎悟。このまま放置して帰ろうか迷ったが、火神炎悟の瞳が悲しそうな瞳をしている。

 まだアリスちゃんが亡くなって間もないし、気分転換に買い物をしているのだろう。昏来と昏未に行こうよと言われたが、僕は持ちますよと買った物を持ってあげる。


「堪忍な。それでもえぇの?これから仕事やろ?」

「いいですよ。少し遅れても平気ですから」

 おおきにと言いながら、布を何巻か買い昏来と昏未に菊太までも手伝いネオリオ社まで運んだ。


「おおきにありがとう。ここから自分で運ぶさかい。仕事頑張ってな」

「はい。あっ雷神さんと昏有兄さんに伝えてくれる?無限拳銃、ありがとうって」

「わかったさかい、伝えておく」


 火神さんに手を振りながら、僕らは馬車に乗りセリニ・ネアへと向かう。


 出勤すると何か騒がしくて、何かあったんだろうかと星音がいたから星音に聞いた。


「何かあったの?」

「昏無さんが行方不明になっちゃったの。連絡しても繋がらなくて」

「莉耶は?」

「莉耶ちゃんなら桜庭さんに報告してる。どうしていなくなっちゃったのかわからなくて第七捜査課のみんながパニックになってるの。昏斗たちは知らないよね?」


 ぎくっと二人が僕の裾を引っ張って、これは桜庭課長たちに報告するしかなさそうだ。星音と桜庭課長たちと合流して、それから木星セウスジアの支部長である、木元支部長と桃花会長を呼んで話し合う。


「そんなことが?」

「はい。昏来と昏未がいち早く見つけ、今はただのホームページにしか見えないよう影神が細工してくれたんですが、昏無姉さんはおそらく二人が見つける前に見てしまった。そう捉えるのがベストかと僕は認識しています」

「クレヴィー社にいた頃は、父親が星河だったから、わざと嫌がらせのように載せたんじゃねえか?」


 鈴哉さんが昏無姉さんにあんな酷いことはしないはずだ。載せるとしたら大鳳天満。あの人しかいない。一刻も早く天王星ラウモイズに向かいたいところだが、一度土星スノロクに行かなければならないからな。

 こういう時は蝕夜の力を借りて移動したいけれど、土星スノロクもバラの流星群を一度発動しなければならないから、やっぱり土星スノロクに行かなくちゃ。


「影神が一応、姉さんを見守ってもらってるから何かあれば僕に報告してくる。それまでは大丈夫だと思います」

「なら昏無の代行を誰にするかを決めないとね」

「だったら俺がやってもいいぜ。昏斗、いいだろ?今度は絶対に守り抜くから」

「そうだね。代わりの人はいないし、うん。菊太で二人は大丈夫?」


 全然平気と言ってくれたことで菊太は莉耶と星音の班に加わり、今日の巡回をどう回るか決めていたらバックハグで恵が来る。それにより昏来と昏未が猫のように威嚇し始めてしまった。


「降りてよ、恵」

「嫌だよーん。だって昏来と昏未に奪われたくないもーん。ねえねえ、昏斗。あっしの班に入ってよー」

「心と和の班でしょ?ほら降りて」


 恵は僕から降りてもなかなか離れようとはしてくれず、目の前で見ていた莉耶と星音が僕と恵を引き離す。


「どういうつもり?」

「なあに?そんなに怒ってさ。あっしは何も悪いことはしてないよー。最近、心と和が構ってくれないから遊び相手探してただけだもん。まあいいや。どちらにせよ、莉耶はお払い箱にされる運命。昏斗もあまりエーー」


 僕は恵が言いかけた言葉を平手打ちし、いい加減にしてよと恵に言った。


「それ以上言ったら、僕はセリニ・ネアの組織を抜けて兄さんの社に行く。ここにいてほしいなら、僕の婚約者を守れるでしょ?それに心から聞いたよ。セリニ・ネアにとって莉耶も必要になったと。僕と莉耶が抜ければどうなるかわかってて言ってるわけ?黙ってないでなんとか言えよ!」

「昏斗、いくらなんでも……」

「ねえ、どうなんだよ!」


 壁を叩き重い空気になっても髪の毛で顔を隠している、恵から雫が垂れているのが見える。その場にいたセリニ・ネアの人たちは僕がしたことで驚いているようだった。

 そこに和がやって来てどうしたと恵に聞くも、和に背を向け逃げていき甘ちゃんも桜庭課長に隠れている。


「昏斗、何があった?」

「僕の嫌いな言葉を言われそうになっただけだ」

「……事情は後で聞く。みんなは任務に出かけて」


 言われるがまま僕は昏来と昏未を連れてさっさとセリニ・ネアを出て馬車に乗り目的地を決めないまま動かしていた。


「兄様……大丈夫ですか?」

「さっきは大きい声出してごめんね。後で甘ちゃんにも謝らなくちゃ。昏未、大丈夫?」

「私めは大丈夫。あんな子、放っておけばいい」

「悪気があって言ったんじゃないと思う。でも兄ちゃんは差別化するような言葉が大嫌いなんだ。前世の僕もそうだった。人種問わずに差別化しないそんな世界を望んでたことなんだよ」

「じゃああのバラ流星群は差別化しない未来へ繋ぐための?」

「そうなるかな」


 今の段階ではまだ差別化が多く出て、喧嘩もしやすいだろう。食すことはもうなくなったけど、これからは四種の人種がいる生活を送ることになるから。

 後で恵とちゃんと話そうと目的地を決めなくちゃと、スマートウォッチを開いて現在地を表示させる。木星セウスジアは植物園が多くあるんだな。

 昨日行った場所はここだったから今度はここに行ってみようと馬車を走らせて行った。



 バラの流星群が発動して翌日。蝕夜は平和になったとしてもエンジースと決着がつかない限り平和は訪れないと言っていた。だから私も何かできないかと考え、蝕夜と一緒に木星セウスジアを巡回している。

 本当はセリニ・ネアというところで働こうか思ったけど、今は蝕夜といるべきだと判断し一緒に行動を共にしていた。いつも通りで捕食人間も最初はディアヴォロスを怖がっていたものの、今はお互い手を取り合い手助けをしている。

 

 これが理想の未来だとしてもそれ以外のプラネットがこうやって過ごしているわけじゃないんだよね。


「ふむ、やはり想像していた結果だ。ズーアスがここまでしてくれていたことに感謝がしたい」

「お父さんは確か、ネオリオ社に戻ったらしいよ。行ってみる?」

「よい。ズーアスもこれからは真実を突き止めるために動き出す。それよりよかったのか?やつがれは許可出しても構わんというのに」

「いいの。しばらくは」


 蝕夜の手をとりこう伝える。


「ううん、ずっとそばにいて蝕夜を支えていきたいよ」


 ぽっと赤くなり始める蝕夜は照れながらありがとうと握り返して歩き出す。


「そう言えば昏斗が莉耶にプロポーズしていたのだよな?昏花はその……どんなプロポーズがよいか?」


 そこ聞いちゃうと笑いながらそうだなと考えて、やっぱりこれかなと蝕夜におねだりしてみる。


「百八本の赤いバラの花束を持って、リコーフォスの花畑でプロポーズされるのが理想かな」

「なぜ百八本なんだ?」

「昏斗は前職がほら花屋だったから、花に詳しくて。バラの数によって言葉が違うんだって。例えば一本だと一目惚れ、二本だとこの世界は二人だけ、三本は告白の意味を持つの」

「さすが義弟昏斗だな。では千本のバラは?」


 えっとなんだっけと考えるも、そこまで詳しくないから正直に答える。


「ごめんなさい。忘れちゃった」

「よい。今度、昏斗に問い合わせてみるとしよう。そうだ、ここで待っててくれ」


 急にどうしたんだろうと蝕夜は向かいにある花屋さんへと行き、待つこと数分後。蝕夜がいきなり跪いて私に五本のバラをプレゼントしてくれた。


「あなたに出会えたこと、心からの喜び、本当に嬉しいぞ」

「ありがとう、蝕夜。私も蝕夜に出会えてよかった。これからもよろしくお願いします」

「うむ。昏花のためならなんでもするぞ」


 無邪気な笑顔で笑う蝕夜で、私も照れ笑いしながら再び蝕夜と手を繋ぎ、木星セウスジアを見ていった。



 まさかあの二人が深い関係になっていたとは、昏有が見たら嫉妬しているイメージが浮かび上がりながら尾行をしていた。

 俺はアステル幹部でもないが、雷の精霊ニュンフェが出せることでアステル幹部の奴らと絡むことが多い。

 煙草を吸いながら気づかれないように、後を追いかけていると別の道から桜の絵柄が入っているローブを着た少人数が二人を追っていた。よりによって昏花と野郎のデートを邪魔するとはいい度胸じゃねえか。


 野郎にはばれそうだが止めるよう言われているから、桜の手下を止める。


「おい、邪魔するんじゃねえよ」

「どいてください、アステル幹部ではない雷神雷。悪魔を祓うのが我々の使命。どいてくれないのならあなたに天罰が下る」

「やってみろよ」


 エンジースは躊躇するまでもなく俺に天罰を与えようと羽根が刺さろうとした時、ボッと羽根が燃えちりとなって消えていく。俺の前には炎悟とつむじがいてこの二人が来ると最強なんだよな。


「雷はんを殺そうとしたのは誰や?言ってみ」

「雷はつむじたちと同じように神に選ばれた者。一人でもかけようとするならつむじが許さない」


 つむじたちが来てくれたことで、炎の精霊ニュンフェと風の精霊ニュンフェが出る。俺も雷の精霊ニュンフェを出して桜の手下に攻撃を開始していった。 

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