45僕は職、私は持
神パーティー当日になり衣装に着替えて、姉さんの支度を待っていると終わったようだ。また鼻血が出そうと鼻を押さえながら姉さんの美しいドレス姿をまじまじ見てしまう。
そしたら姉さんがこらっとデコピンをされてしまい、桜庭課長たちに笑われてしまった。
「それでは行ってきます。流彗のこと頼みますね」
「気をつけて」
みんなに見送られながら下に降りると馬車が来ていて、それに乗り神パーティーの会場を目指す。
「姉さん、母さんのこと聞いたことある?」
「えぇ。昏有から大体聞いてたわ。本当に最低な夫を持ってしまったと思ってるもの」
「鈴哉さんのことは?」
「……全然気づかなかったかったし、流彗も狙いに来るんじゃないかって最近思い始めてね。だから少しずつバラの剣の扱いはさせてる。もし私がいない場合は自分で守りなさいと伝えてるわ」
姉さんの子だから大丈夫そうだし、今回ばかり菊太は流彗くんの面倒を見てもらってる。だから心配は無用だよねと景色を眺め数分後。
到着し僕が先に降りて姉さんをエスコートしながら、会場に足を踏み入れる。招待状を見せて建物の中に入ると頭の上に輪っかがついている人たちが多くいた。
鈴哉さんとふじさんはさすがにいないかと端っこのテーブルで軽く食べていると、一人だけ目立つ人がガツガツと肉を頬張っている人がいた。姉さんはフォークを持って場を弁えなさいとフォークを投げてしまう。
しかし姉さんが投げたフォークをキャッチして、そのフォークで肉を刺し口に入れる昏有兄さん。やれやれと僕と姉さんは昏有兄さんがいるテーブルへと行く。
「昏有、礼儀悪すぎる。場を弁えて」
「あぁ?別にいいだろ?ネオリオ人は俺ら三人らしいし、残りは天使さんたちだけだからさ」
姉さん怒りを押さえてとひんやりしながら飲み物を飲んでいると、招待した全員が揃ったのか少し部屋が暗くなりスポットライトに浴びる父さんがいた。
「天の使い、エンジースの皆様。今宵集まっていただき誠に感謝をする。呼び出したのはお前たちがプリンセスと呼んでいる子をたまたま捕まえてな。返してほしければ私と勝負をしよう」
映像が出されそこに映っていたのはデンドロンという木のディアヴォロスたちが檻に入れられている莉耶を運んでいる。エンジースは父さんに罵声をあげていて、天罰を与えようと天使の羽根が浮き上がった。
父さん、危ないと動こうとしたら昏有兄さんに止められてしまう。なんで止めるんだよと思いきや、父さんの目の前に現れたのは昏来と昏未がいて草のグランジティや花のルルディが出現している。
「忘れたか?この領域は悪魔の帝王、蝕夜が作った場所だ。私を殺せばディアヴォロスが黙ってはいないぞ。わかったならゲームの説明をさせてもらう。ルールは簡単だ。俺の息子である昏有、昏斗、娘である昏無より先にお前たちのプリンセスを探せばいい。但し息子たちが勝った場合は、プリンセスは俺たち真神家の嫁とさせてもらう。時間は陽が登るまでだ。もし両方が見つけ出せなかったら、次回の神パーティーまでお預けとさせてもらおう。開始だ」
開始の合図が始まりエンジースはプリンセスを探し出せと動き出して、僕たちは父さんのところへ行くも昏来と昏未は父さんの後ろに隠れてしまった。
「三人には申し訳ないが、他に方法がなかった」
「親父、もし俺が見つけ出せば俺の言いなりになってくれるか?」
「わかった」
「なら私が勝ったら昏有、例の件引き受けてくれるかしら?」
「望むところだ。俺たちは仲間でもない自力で探せ。先に行かせてもらう」
昏有兄さん、相変わらずだなと姉さんも単独行動で動いてしまった。
「昏斗、すまないな」
「別にいいよ。それより昏来、昏未も来てたんだね」
「吾輩は父様に呼ばれただけだ」
「私めもですわ。参加はしませんの」
今度は父さんの指示に従うつもりらしいと話し込んでる暇ではなく、僕も建物から出て莉耶を捜すことに。
会場の中は三つのエリアがあり左は森林で右が花畑、中心には建物だ。さっき見た感じ木が多く見られたから森林の方にいる。
けれどLIVEという文字はなかったし、あれは事前に作っておいた映像だろう。だとすれば花畑かと僕は右の花畑へと向かった。
花畑に到着し神パーティーじゃなかったら、花の観察をしてたと探していると野良のルルディが出現する。僕は迷わず無限拳銃で撃ちその先へ進むと一番会いたくなかったエンジースと会ってしまった。
女の子の桜だったらよかったけどいるのはナルシストの柊で花を一本摘んで私は美しいとやや大きめで叫んでいる。放置しようと違う道に行こうとしたら天使の羽根が目の前に刺さった。
「真神昏斗、プリンセスは我々が絶対に見つける。だから美しい私と遊ぼうじゃないか」
あんまり関わりたくない人だと僕は振り向いて、満面な笑みで教えてあげる。
「どちらかと言えば、あなたきもいです。自分を美しいと言っている時点で反吐が出る。だ・か・ら。みんなに嫌われてるんじゃないんですか?あなたと行動している姿、誰一人いないじゃないですか」
完全に心を折り数秒固まって我に返る柊は、笑顔を作っているも完全に怒っていることが伝わる。僕はバラに一滴血を流し剣に変換させた。
「私を怒らせるとどんな目に合うか思い知らせてあげますよ!」
来ると天使の羽根が僕に攻撃してきて交わし、いざっと刃を振るった時のことだった。バラの剣がなぜかパキッと割れ、咄嗟に距離を離す。なんでと困惑しているとふははははっと高笑いをする柊。
「所詮、君はただの人間だ。天使に敵うわけないだろ。それなのに勝てるという顔で私に刃を振るうとはいい度胸だよ。お返しにプレゼントを差し上げよう」
くっ。全然気づかなかったと背中から数本天使の羽根が刺さり、激しい痛みが走ってしゃがむ。
「早く治療しないと死んじゃうよー。さて君たち、プリンセスを迎えに行こうか」
まんまとやられたと早く莉耶を探しに行かなくちゃって思っていても、思うように立てなくて次第に体が倒れてしまう。ここでやられるもんかと思っていたら、僕の名を呼ぶ声が聞こえるもその声が遠のいた。
誰かが誰かに指示を出している声が聞こえて、ゆっくり目を開けるとそこにいたのは星音だ。はっと起きあがろうとしたら激痛が走り、星音が今は休んでと言われ再び目を閉じた。
小鳥の声に花の匂い、心地いい風が吹き笑い声が聞こえて、目を覚ます。
莉耶と徐々に体を起こしてみるとなぜか星音と烏深和がいた。体には包帯が巻かれていて手当てしてくれたんだと知る。しかも隣をみると昏来と昏未も包帯ぐるぐるまきになっていた。
僕が寝ている間に一体何が起きたんだと頭を悩ませていると、星音が気づいたらしくこっちに来る。
「どう?」
「痛みはだいぶ。だけどなんで星音や和がいる?」
「着いた時、もっと早く着いていれば奪われることはなかった」
「もしかして莉耶が?」
「ううん、違う。鈴哉さんが現れたらしくて流彗を連れ去っちゃったらしいの。神パーティーの方では椿がいきなり現れて全員が負傷。昏斗のお父さんも、お兄さんも、お母様も敵わなくて、それを見た昏来も昏未も挑んだけど駄目だったっぽい」
椿、桃花会長に気をつけるよう言われていた人物か。
「それで莉耶は今どこに?」
「昏花の家に避難させたから心配はいらないよ。蝕夜様も凄く怒ってて、椿やエンジースを追い払ってくれたの」
「桜庭課長たちに報告しなくちゃ……」
「無理は禁物。さっき心が桜庭って言う人に連絡してたから大丈夫。今は体を休めること。もし動こうとしたら突くから」
あの痛みはもう勘弁と大人しくしてるけど、父さんたちがいないのはどう言うことなのか聞いた。
「父さんたちは?」
「昏斗たちより軽傷だったから二階にいる心と話してる。プラネットコード社はもう手放しセリニ・ネアに転職を進めてるよ。そのほうが昏斗が知りたいこともすぐに入手できそうだからって」
昏有兄さんは自分の社があるからいいけど、僕たちは元々プラネットコード社にいた側。まあ兄さんが悪魔嫌いなのはもう知ったことで受け入れてはくれないのなら、セリニ・ネアに転職するしかないか。
ただ昏有兄さんのことだ。僕がセリニ・ネアに入ると言い出したら、絶対に戻って来いって言われそうだ。どうしたものかと考えていたらチャイムが鳴り烏深和が出る。
「星音、ありがとう。僕たちを助けてくれて」
「えへへ。でも気づいたのは心さんだよ。私は心さんの指示で動いただけだから」
「それでも来てくれた。ありがとう」
星音は照れながらお水持ってくるねと部屋を後にし、莉耶に一本連絡しておこうとスマートウォッチを開き莉耶に連絡して見た。しかしなかなか出てくれず、折り返してくれるだろう。
ワンッと言う声に菊太が来てくれたのかなと扉の方を見ていると大丈夫なんか!と開けてきたのは火神炎悟とその後ろには来神雷が来た。てことはさっき吠えた犬はベナかと僕は布団に包まる。
「昏斗、痛いんやな?雷、早く医者呼んでくれへん?」
「お前がわーわー騒ぐからだろ」
「何しに来たんですか?僕じゃなく昏有兄さんを迎えに来たんですよね?だったら上にいますんでさっさと上に上がってください。僕は少し寝たいんで」
「堪忍な。これよかったら食べてな。あー押さんといて雷!」
さすが雷神雷だ。場を弁えて出てってくれた。でも火神炎悟とは少し話をしたかったな。何をくれたんだろうと紙袋を覗くといい香りをした焼き菓子だった。体を起こして一口食べていると昏来と昏未が同時に起き、この二人シンクロのように動くんだったっけと。
僕が食べているものを見てまたまた同時にお腹を鳴らす二人に、食べると聞くと食べると言い出し差し出した。
「二人とも体の具合は?」
「だいぶ。まさか吾輩が一度も負けたことがないのに、今回負けるだなんて思わなかった」
「私めもですわ。喰ちゃんの教育を受けていたのに負けてしまいました」
「でも二人が無事でよかった。兄ちゃんはあっさりやられちゃって。それにバラの剣が割れた時に視界が真っ暗になったような感覚で、背後にいたエンジースたちに気づけなかった」
そうっといきなり二人も同感しているようで、やはり天使にはバラが効かないのかと思ってしまう。そこは本家にある書斎で調べる必要がありそうだな。
すると降りてくる足音が聞こえ扉の方に目をやると、扉が開き昏有兄さんだった。
「俺はネオリオ社へ戻る。昏来、昏未、昏無と昏斗の言うことちゃんと聞くんだぞ。昏斗、本当は一緒に行動したかったが、莉耶ちゃんのことも考えセリニ・ネアに転職しろ。嫌になったらこっちに来ていいからな。あーそれと親父はしばらくネオリオ社に来てもらうことになったから」
えーっと昏来と昏未は嫌な顔をしているも、我慢しろと昏有兄さんに言われてしまい行ってしまわれる。昏有兄さんは相変わらずだなと思っていたら、今度は星音が水と軽いご飯を作ってくれたらしくいただく。
「美味しい」
「よかった。昏来くんも昏未ちゃんも遠慮せず食べてね」
さっきよりなぜか緊張している二人でなるほど。二人は星音のファンかと悟った。お腹もいっぱいになったし、談笑していると姉さんと心が入ってくる。
「具合は?」
「もう、大丈夫です。助けてくれてありがとう」
「礼は必要ない。昏無と話し合った結果、プラネットコード社にいた全捕食人間をセリニ・ネアに転職させる。手続きが終わるまでは待機してもらうような形になるがそれでいいか?」
「構いません。それまで調べておきたいことがあるので、本家にいます」
「わかった。残りのものはセリニ・ネアに移動するよう伝えとく」
ありがとうございますとお礼を言うと、だから礼はいいと言ってしまわれ明日僕らは本家へ行くことにし今日は体を休めることにした。
⁑
莉耶ちゃんを一時的に蝕夜の家に住むことになったのはいいけど、夜に出てくる蝕夜が莉耶ちゃんに何かしそうでなかなか寝付けない。そっと自分の部屋から脱出し蝕夜の部屋に入ってみると、蝕夜は就寝中だった。
まだ起きてないとベッドに座り蝕夜の寝顔を見る。こうやってみると普通の人と変わらないと蝕夜の頬を触れようとしたら手首を掴まれる。
「どうした?夜更かしすると肌が悪くなる。部屋へと戻るんだ」
「蝕夜、私……」
「僕が怖いか?」
「そんなんじゃない。でも莉耶ちゃんを襲ったりしないよね?」
「何を言い出すんだか。おいで」
蝕夜の隣に寝そべり蝕夜が私に布団をかけてくれながら、本心を教えてくれた。
「星と約束した。もう誰も食さないと」
「でもいつもワインしか飲んでないよ。ティータイムの時だけ焼き菓子を頬張っているのは?」
「それは焼き菓子が好きだからだ。まあちゃんと栄養をとってもらいたいんだがな。まあこの命も残りわずかだと知っているから、好きなものを飲み食いしているようにみえる。それで一つ、頼みたい。星はまだ生きられる保証がある。僕がいなくなれば、長生きはするであろう。だが僕は果たさなければならない義務が残っているからバラの流星群を拒否した。果たせたら僕は消える。だから生きられることを伝えてはくれぬか?」
「蝕夜はそれでいいの?」
「もうよい。いろんな景色を眺めて来れたからな。この力がなくなってしまっても、ディアヴォロスやエクリプス人は生きられるようにしてある」
本当にそれでいいのかなと蝕夜の近くにより、蝕夜が私の髪の毛を撫でる。昏斗がアリスにしたように、私も覚悟を持って願いを聞いてあげよう。
「蝕夜、わかった。星に伝えるよ」
「感謝する。もう遅い、ここで寝ていいから眠れ」
「おやすみ」
「おやすみ、昏花」
私はそのまま目を閉じ深い眠りへとついた。
⁑
ー天王星ラウモイズー
お父様に連れて来られたのは天王星ラウモイズで空島がたくさんある一つに来ている。でもいつもと雰囲気が違くてお父様にしがみつきながら、流は大人たちの顔を見ていた。どの顔も笑ってるけどなんか怖くて足が思うように動かない。
それに頭の上には輪っかがあって、お父様もそう言えばついてた。お母様はこのこと知っているのかなと思いながら大きな扉に到着しお父様がしゃがんだ。
「流彗、蝕夜がくれたペンダント持ってる?」
「うん。肌身離さず持っているようにって言われたよ」
「それお父さんに貸してくれるかな?」
「いいけど、無くしちゃったら嫌だよ。絶対に返してね」
約束するとお父様が言ったことで、首に下げていたペンダントをお父様に預けると扉が開きお婆様がいる。お婆様もなぜか頭の上に天使の輪がついていた。
「母さん、後は頼みます」
「えぇ。いらっしゃい、流彗」
「……はい」
お母様、お父様とお婆様はどうしちゃったのと扉が閉まりお父様の顔が見えなくなってしまった。階段を登ってそこには大様が座るようなお椅子に莉耶姉ちゃんと同じぐらいの男の人がいる。
「汚れしき子、藤、あなたは下がっていなさい。すぐ終わらせる」
お婆様はその人にお辞儀をして階段を降りてしまい、待ってと言いたくても大人たちが止めに入った。
「流彗、怖がらなくていい。君は天の使いなんだ。汚れた部分を浄化してあげよう」
「流は汚されてなんかないもん!」
その男の人に言ってみるも何も聞いてはくれず、助けて八雲とポケットにしまっていたものを握りながら、願うしかなかった。




