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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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41僕は犯、私は墓

 兄さんのおかげで僕たち第七捜査課と紅様に、テオスパーティーに拉致られていたディアヴォロスを、匿ってもらうことになった。

 だが兄さんの結論からだと、再び同じことが起きるだろうから、エンジースに挑む準備はしておいた方がいいと今話し合いが始まっている。


「莉耶をこのままネオリオ社に預かってもらった方がいいんじゃねえか?」

「兄さんが許すはずがないよ。まあ僕が話をつければ何日かは匿ってくれそうだけど、いずれエンジースにばれ兄さんたちに迷惑をかけるのはごめんだ」

「あたしはディアヴォロスと手を組んで、エンジースをボコボコにするの」

「できれば僕たちだけの力で莉耶を守りつつ調査に当たりたいのが僕の理想。ただエンジースは僕たちとほぼ変わらないから見極められないのが難点だ」


 言われてみればほぼエンジースと共に過ごしていたような感じで見極めができないようになってしまった。何かマークとかついていたらわかりやすいんだけどな。考えていたら紅様と火神炎悟が入って来たのだ。


「莉耶ちゃんを囮にしてエンジースを捕まえるのはどうや?」

「うちはアリスを使ってエンジースを燃やした方が大人しくなりそう」


 いやいや天使燃やしちゃバチが当たりますよと二人は空いている席に座る。


「でどないするん?ここは莉耶ちゃんが答えた方がこっちも動きやすくなるんで」


 莉耶がこうしてほしいっていう願望があるなら、それを望んで僕らが動くことになるからね。

 どうかなと僕らは莉耶の顔をみて待つと、莉耶が答えを出す。


「私は今まで通りでいいと思う。プラネットコード社に戻るのは少し怖いけど、急に私がいなくなったら第七捜査課に危険が起きるかもしれないから」

「本気で言ってるの?影神の情報だとプラネットコード社の社員半数がエンジースと聞いた。危険すぎるよ」


 これは明かさない約束で情報を心から提供してもらった。影神から情報をもらったのではなく心からでプラネットコード社にいる半数がエンジースであることが判明。それに莉耶が星音のファンだからと言って星音を攫おうとした。

 それからディアヴォロスやエクリプス人が行方不明になる事件が相次いでいるらしい。悪魔を天罰するためのテオスパーティーへと変わってしまったことだ。


 何か反撃しなければ全てのプラネットがエンジースによって支配されてしまう。それは一番避けたいことだからここはネオリオ社と協力し合ってエンジースに挑むしかない。

 そう思った時、僕のスマートウォッチが鳴り出して、確認してみると姉さんからだった。


「もしもし、姉さん?」

『昏斗、よかった。無事なのね。他の第七捜査課のみんなは?』

「全員無事。今、どう動くか決めてたところだよ。それより姉さん、鈴哉さんのこと……」

『昏来と昏未から報告が上がっているわ。私たちはとにかくセウスジアにある私たちの本邸へ向かうつもりだから調査が終えたらセウスジアに来てちょうだい。そこで話し合いましょう』

「わかった。姉さんたちも気をつけて」


 あなたたちもねと言われながら連絡が終了し、バラの流星群を早めに発動した方がよさそうだ。ただバラの流星群を発動させるとアリスちゃんの命が消滅してしまう。

 何か策を立てなければと考えていたらまた誰かからかかってきて今度は誰だと確認してみると知らない電話番号だった。誰だろうと応答すると真珠さんからの電話だ。


「真珠さん、どうしたんですか?」

『そこに海はいらします?』

「いる。何かわかったか?」


 海さんが聞くと今度は琥珀さんの声が聞こえる。


『ふふっお駄賃はたっぷりいただきますこと。例のエンジースについて占った結果、面白い絵が誕生しましたの』

『天使を囲む七つの星、天使を囲んでいるのは神から贈られたジャスミンを守っているの。示すキーは真神家兄弟全員と莉耶ですわ』

「それがいつになるのかはわかる?」

『カードの背景は空。つまり天王星ですわね。それまでは莉耶が奪われることはないとカードが示しましたの』

『でも旅の道中でエンジースが現れるのは間違いはないことですから莉耶、十分に気をつけることですわ』


 真神家兄弟七人に莉耶が示しているのはわかったけど、いつどこで莉耶が奪われるかが肝心だ。そこも含めて対策を練るしかないだろう。


「ありがとう、琥珀さん、真珠さん」

『金星アプロディロに来るなら寄ってくださいですわ』

『海、支払いは後日連絡するわね。それじゃあ』


 通話を終了し桜庭課長から指示を受ける。


「なら早速、僕たちは木星セウスジアで桃花会長たちと合流。僕たちが引き下がればディアヴォロスの被害は大きくならないだろうからね」

「ですが捕食人間はすでにエンジースと手を組んでる可能性が高い。それにディアヴォロスは捕食人間を見つければ狩るかもしれないから、バラの流星群を発動させる準備をして構いませんでしょうか?」

「それもそうか。捕食人間は所詮、ディアヴォロスに食されないためにエンジースと手を組んでいるのなら、発動はしたほうが」

「それはあかん!」


 いきなり火神炎悟が怒鳴ってしまい、なんでそんなに怒るのと火神炎悟って……そういうことか。


「火神さん、もう正直になった方がいいんじゃないですか?アリスには子を身ごもっていた。その赤子が、あなたですよね?」


 僕が問うと墓場まで隠し通しておきたかったらしい表情を出し、僕らに気持ちを伝える。


「……そや。父はんを失いとうない。ちびっ子の姿やろうとも、ほむからにしては父はんなんや。どうにかして助けられへん?」

「火神さん、それはできないですよ」


 昏花の発言によりなんでやと昏花を掴みそうになって僕が場に入る。昏花は申し訳ない顔をしながらその続きを綴った。


「蝕夜から聞いたんです。蝕夜の力がどういうものなのか。その力は悪魔の力そのものであり、与えられるのは死にそうな人、もしくは死んでしまった人にしか与えられない。アリスはプルトナスのように一度死んだ人間。だからバラの流星群が発動すると悪魔の力がなくなり遺体だけが残るとお聞きしました」


 火神炎悟はそのことを知っていたから、バラの流星群を発動させてほしくはないんだ。そうは言ってもどの道、バラの流星群を発動させなければ火星アリーレスは平和にならない。

 火神炎悟の思いはアリスちゃんに届いているだろうから、アリスちゃんの同意をしてもらわないといけないな。火神さんと声をかけようとした時だった。

 火神炎悟を捕まえてナイフを突き出す紅様で、僕たちは無限拳銃を構える。


「紅、何してはるんや……?」

「まだわかっていなかったみたいね。アリスを公開処刑とさせたのはこのうち。忌々しいアリスが憎くてね。ちょうど餌がそこにいたから、利用させてもらっただけよ」

「紅様、ナイフを捨ててください!」

「うるさい!うちは火神家のために尽くしてきた!それなのにお父様もお母様も、うちが炎の精霊ニュンフェ出せないからって捕食人間と婚約するしかなかった!」


 紅様が怒りを発言する動機を僕らは、心の底から悲しみが溢れていた。紅様は怒りを出しながら目を赤くしてこう告ぐ。


「子を授かった時、お父様がなんと仰ったかわかる?子供が炎の精霊ニュンフェを出せるなら子供を寄越せと……。悔しかった!だってうちの子供たち全員、炎の精霊ニュンフェが出せる!その挙句、悪魔とネオリオ人の血を継ぐ炎悟も炎の精霊ニュンフェが出せてるのよ!おかしいと思わない?なんでっなんでうちだけがっ」


 まさかこの展開でアリスちゃんを殺害計画を練っていたとは予想外なことだけど、前世の僕は似たような光景を見ていたような感じだ。そのおかげでアリスちゃんとこんなに仲がいいのだから。

 

「炎悟さえいなければうちの勝ち。ここで消えてもらう!」


 火神炎悟がやられてしまうと僕たちが動こうとしたらディアヴォロスのフローガが炎悟を助け紅様が引き下がる。そこにはアリスちゃんの姿だった。


「俺様の息子は何があっても殺させない。たかが炎の精霊ニュンフェが出せないぐらいで、紅はなんで人を憎むような人間になった?」

「あんたに何がわかるわけ?うちはアリスと比較され、どれだけ努力しても両親が認めているのはアリスだけ!だから邪魔なアリスがあんたと楽しそうに喋っている姿を見て、両親にちくったのよ!アリスが妊娠していたのはわかってた。まさかあんたの子を授かっていただなんて両親は馬鹿よ。アリスの嘘に騙されてさ!」


 紅様がナイフを投げ無限拳銃を取り出し、アリスを撃とうと発砲したしたが炎の精霊ニュンフェがアリスを守る。


「そやったんやな。失望したで、紅。ほむは母はんのことは知らない。せやけどな、最初は誰が送りつけているのかわからんくても、なんとなくわかった時には手遅れやった。その贈り物はな、紅、なんやと思う?」


 紅様は火神炎悟に銃を向けたまま考え込み、僕たちも考えてしまう。アリスちゃんは一体、何を送っていたのだろうか。すると昏花が何かを閃いたようで正方形の形をした物を取り出し開けたのだ。

 見せてもらうとそこに入っていたのはスノードームでその中に入っていたのは炎の精霊ニュンフェをモチーフにした物だった。


「これは紅宛の物やった。いつも手紙と一緒に届くんやけど、毎度紅の苗字が変わってへんくて届いてたものや。送り主は火神アリス。贈ってくれるのはいつも全く同じのスノードム。手紙にはこう書かれてあった」


〝紅、今頃火神家としてネオリオ社に貢献している姿が今にも目に映る。私は火神家を汚してしまったのは事実。でもね、いつか悪魔とも仲良くできる日がきっと訪れる。そう信じて私は子供の姿でも大人であるヌクリに近づいて友達になった。

 

 仲良くなっていくうちに惹かれ合って、未来を継ぐ子を授かった時、とても不安だったよ。

 お父様もお母様も絶対に下せって言われそうだったし、紅も私を嫌っていたから相談する相手がいなかった。正直に言えば私とお腹にいる子は助からないかもしれない。


 だからね、色々と考えて私はどうなってもいいからと、お父様とお母様に嘘をついてネオリオ人との子は助けてあげてと伝えた。

 そこからは息子の人生がどうなってしまうのか、まだ読めてないけど、きっといい人生を送ってくれていると願ってる。


 紅はずっと炎の精霊ニュンフェが出せないことで、とても焦っていたのは小さい頃から伝わってた。このままいけば紅は火神家から追い出されるんじゃないかって。私はそれが嫌だった。

 姉妹だというのにどうして紅だけが炎の精霊ニュンフェを出せないのか。神様を恨んだ時も何度かあったよ。


 それでも私は紅の個性に実はね羨ましかった。紅は火神家を背負わず自由に生きて好きなことをしていけることが私にとって憧れだった。私たちはほら、お父様が亡くなって私たちのためにと再婚をしてくれたじゃない?

 火神家にならなかったらそれぞれの道を進んで今も仲良く過ごせたのかなって想像してしまうほど、紅が笑って過ごしている日々を望む。例え紅に殺されようとも、私は紅が大好きを伝えたくてスノードームを贈ります。

 炎の精霊ニュンフェがいつか、紅にも使えますように。


 それじゃあ、私がいなくなった世界になっても、お元気で。アリス〟



 アリスは姉に殺されることをわかっていて、このような形でこの世に残したスノードーム。それにしても切なすぎる。アリスは紅様に嫌われていたとしても、紅様のことが大好きだったんだ。


「母はんは全てお見通しで亡くなったんや。それを見た時はほんまに紅を恨んだことも一時期あったんやけど、紅の子供を奪っていることを知って心底、両親には愛想がついたで。なんでこんなに神は曲がってしまう方向に行ってしまうんやろうってな。金神はんも相当執着心が強う方やったけど、ほむらの火神家も最低や」 

「アリスはいつも俺様に紅のこと話してくれた。火神家として炎の精霊ニュンフェを扱えるようにならないといけない。だけどな、紅。紅たちは火神家の子供じゃないだろ?だから出せないのが当たり前なんだよ」


 アリスちゃんの言葉によって紅様はやっと気づいたかのように地べたに座り込んでアリス、ごめんと呟いた。



 アリスの奥さんを殺したのがまさかのプラネットコード社の支部長だっただなんて信じられなかった。昏斗は大体把握してたっぽいけど私は全然前世の記憶から思うように読み取ることができない。

 それはなんでなのかわからないけど、いずれ前世の記憶から読み取れるよね。


 一件落着と蝕夜も見ているだろうなって様子を見ていたら、フラッシュバックのようなのを感知して、私は咄嗟にアリスを庇った。


「昏花!」

「大丈夫……。アリスを逃さないといけないみたい」


 アリスに向けてとどめを刺そうとしたのはエンジースである人で、柊の模様が絵が描かれている。


「柊様の命により、悪魔を排除させていただきます。邪魔をするようであればあなたたちも天罰を与えるよう申しつけられました。さあそこをどいてもらえるでしょうか?」


 エンジースは羽根を宙に浮かせアリスは私に刺さった羽根を抜きハンカチで傷口を押さえる。


「俺様は大丈夫。炎悟に会えて嬉しかったし、俺様はもう十分生きた。昏斗にもう一度会えたら、アリスの元へ逝くって前々から決めていたから。炎悟、俺様は子を残せてよかった。これからの人生、きっと苦難のことが起きるだろう。だけど炎悟には」


 アリスは私から離れて火神さんに近づき、子供の手が火神さんの胸に当ててこう伝えた。


「俺様やアリスがここにいる。だから恐れることはない。俺様は最後に炎悟に会えたこと感謝する。俺様を追って来い!エンジース!」


 炎がアリスを包み父はんとその手を掴もうとも、炎が消えるとそこにアリスはいなく一枚の写真を残していなくなってしまった。


「父はん……父はんを探さないと」


 火神炎悟は自分の力で行ってしまわれ残された私たち。私は落ちていた一枚の写真を拾うとそこにはアリスともう一人のアリスが赤子を抱いて笑っている写真だった。


「抱いてる子は火神さんだね」

「うん。どうするの?」

「アリスが行った先はわかってる。僕たちはそこへ行ってみるから、昏花はアリスのお墓に行ってくれる?」

「わかった。気をつけてね」


 第七捜査課の昏斗たちも行ってしまわれ紅さんはまだ立ち直れないような感じでも、私は昏斗が指示したアリスのお墓へと行く。

 行ってみるとアリスのお墓の周りにはアリスが作ったらしいぬいぐるみがたくさん置かれてあった。その中に写真たてを見つけて、それは火神さんが写っている写真。それを手にし裏を見るとメモが張り付いている。


〝俺様の息子がこんなに大きく成長して、アリスの代わりに火神家を背負ってる。俺様がいなくなっても大丈夫だよな?〟


 本当にアリスは死を覚悟しているってことなんだ。アリスはどうして死を覚悟しているんだろうとアリスの墓を眺めていたら誰だいと声がかかる。


 しわくちゃのお婆さんでアリスの墓に到着して、花束を添えていた。


「あのもしかして?」

「八十の婆さんでもアリスの母じゃ。本当にアリスには苦労かけてしまってなぁ。再婚しなければアリスは今も生きていられたのかもしれん。尊い命を奪ってしまっても、夫には逆らえんかった。それでもアリスはわしに事情を教えてもらってな。授かった命を奪わないでほしいと。だから炎悟を引き取り厳しく育てていた頃にな、アリスと名乗る少年と出会い、息子を頼むと言っていたなぁ」


 アリスと名乗る少年、つまりヌクリのことだ。


「お前さんは誰かを失ったことはあるかい?」

「いえ、まだ」

「大切な人がいるのなら、その命、守ることじゃ。この世界は今も悪魔と天使によって支配されているからのう」


 何か知っているんですかと聞きたかったけれど、アリスのお母さんである人は炎の精霊ニュンフェを使っていなくなってしまう。

 なぜ昏斗がここに行くよう言ったんだろうと、私はアリスのお墓の前で拝みアリスのことを伝えていった。

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