40.5莉は裏、星は心
ベッドにダイブして昏斗に真実を教えてもらった時、本当にショックだった。お母さんとお兄ちゃんがプラネットコード社を裏切りエンジースの仲間だったこと。甘ちゃんが大好きだった私のお母さんもお兄ちゃんも裏切ったことで、甘ちゃんやそれに桃花会長だって心を痛めてる。
リィヤって誰なの。なんで私はプリンセスと呼ばれなければならないの。意味がわからないよと体を縮こませていたら布団が沈み、顔をみると昏斗だった。
「昏斗、私っ」
「今はゆっくり休んで。火神さんが今、兄さんと連絡とってもらってくれてるから心配はいらないよ」
「ごめんね、私のために」
「謝ることはないよ。それに引っかかるんだ。エンジースなのに、なぜふじさんと鈴哉さんは今までプラネットコード社に貢献していたのか。なぜ今となってエンジースに戻ったのか気になるからそこを含めて調査することにしたよ」
「ディアヴォロスは?大丈夫なのかな……」
「アリスが見回りしてるらしいから一先ずは安心だよ」
私は怖くなって昏斗の服を掴むとぎゅっと抱きしめてくれて、大丈夫だよとその一言で私は眠りへとつく。
いつの間にか眠ってしまい隣では昏斗の寝顔があって起こさずにベッドから降りる。床では菊太がドテンと寝ておりそっと扉を閉めてネオリオ社を散歩した。
ディアヴォロスを敵視しているのに受け入れてくれるとは思いもしなかったけど、これも昏斗のおかげなんだろうなって歩いていたら火神炎悟がこんな真夜中だというのに働いている。
「手伝いましょうか?」
「莉耶ちゃん。もう大丈夫なんか?」
「はい。それより、支部長とお聞きしてましたけど、なぜ掃除をしているんですか?」
「そこ触れないでもらいたいんやけどな。まあえぇや。ピカピカになったから休憩入れるさかい。場所変えようか」
掃除道具を持って休憩ペースのところにある自販機でコーヒーとカフェオレを買い、カフェオレを私にくれて話してくれた。
「ほむはな、二人のアリスから生まれた子なんや。びっくりやろ?最初はアリスの姉弟だと思ってたんやけど、物心つく頃に父はんからお前は悪魔の子やって言われてな。そこから父はんも母はんもほむを使用人のように扱い始めよった」
「じゃあ最初に会った時の話ってまさか」
「そや。母はんが楽になれるようにじゃなくて、使用人扱いされているから買い出しに結構行くんや。そやけど育ててくれた両親はもう老人でな、だからほむが育ててるんや」
「お母さん、凄い人数を産んだんですね」
「忘れておったわ。アリスにはな、もう一人お姉ちゃんがいて、伯母の子供を見とるような感じや」
じゃあ伯母の子供を十人を一人で育てているだなんて、私だったら誰かに頼っちゃいそうだな。
「まあ今は、伯母が帰って来てくれたおかげで少しは楽に仕事ができるんやけどな」
火神さん凄い人だなと買ってくれたカフェオレを飲んでいたら、炎沢支部長が派手な寝巻き姿でやっと見つけたとなぜか火神さんの肩を組む。ん?こんなに仲が良かったっけ。
「おむつどこよ。一番下の炎十がギャーギャー騒いじゃったの」
「しっかりしてくださいよ。炎十のおむつは部屋に入ってすぐの棚にあるって説明しはったのに、もう忘れておるんやだなんて。ほな、堪忍な。さっきのことは誰にも言わんといて」
火神さんは両手を合わせてそう言って炎沢支部長の背中を押して言ってしまわれ、私も部屋に戻って寝ようと飲み干した缶をゴミ箱に捨てる。
あれちょっと待ってよ。さっきの二人の会話もしかしてと思っても、最上階に行くにはここもカードキーが必要になる。てことは炎沢支部長はネオリオ人で十人の子持ち。それで火神さんは炎沢支部長の甥っ子ってことになるし、アリスの息子になる。凄いこと聞いちゃったけど、なぜ炎沢支部長は子供をこっちにいさせてるんだろう。そこが少し気になる。
それはまた今度聞こうと私は部屋に戻って再び眠ることにした。
⁑
お父様から解放されて自由になった私は今まで通り、女優として各プラネットを行き来し、今は火星アリーレスでモデルの仕事をしている。もちろんアリスや紅さんとの共演も多い。それにこの前の写真集は本当に素敵で一冊ずつ買ってしまった。
でもその次辺りからディアヴォロスの様子がいつもと違って、地下に行ってみるも普段の一般人じゃなく私をみて微笑んでいる姿が不気味ですぐ出て来ちゃったな。
それを莉耶ちゃんに相談したら、気のせいじゃないかなという文面でも昏斗に相談すると、莉耶ちゃんが狙われていると教えてもらった。
何か私もできることがあればいいんだけど、昏斗たちみたいに無限拳銃を持って戦うことはできない。だから心配でプラネットコード社に来ちゃった。
昏斗たちいるかなとプラネットコード社の中に入り、莉耶ちゃんいますかと受付の人に尋ねるとお掛けになってお待ちくださいと言われる。
ソファーに座って待っているも、莉耶ちゃんがなかなか来てくれず、忙しいのかなと席を立つと知らない人がやって来た。
「國月さんが応接室で待つようにと仰っておりましたのでこちらへ」
「忙しいならいいんです。お仕事頑張ってくださいとお伝えください」
「いえ、ちょうどご相談したいことがあるというので、さあ」
なんだろうこの感じ。とても嫌な予感がして私は咄嗟に逃げ出そうとしたらスタンガンを撃たれ、私は気を失うことになってしまう。
何が起きているのと目を覚ました私は体を起こし周囲を確認すると、目の前には見覚えのある顔があった。
「えっと確か新城さん?」
「起きたか。大丈夫か?」
「はい。でもどうしてプラネットコード社の人が私を狙うのかな……」
「プラネットコード社の半数がエンジースだとわかったことで、俺たちセリニ・ネアは捕食人間を保護しに行ったついでに星音が連れ去っているところを見てな」
「昏斗たちは?」
「無事だ。兄の社で匿ってもらっているらしい。とにかく今はプラネットコード社には近づかないことをおすすめする」
プラネットコード社の半数がエンジース、つまり天使ってことだよね。だとすればお母様たちが危険になるんじゃ。
「お母様たちは?」
「昏斗と親しかった人間は、逃げたそうだ。もちろん、昏無も流彗も無事だと報告が上がっている」
よかったと安心感が持てたことで、今後どう動くのか気になるところ。でもこのまま私だけ普通に生活していていいものなのかな。昏斗や莉耶ちゃんの手助けもしていきたい。
外に出れば再びエンジースに狙われる可能性だってある。だって莉耶ちゃんは私の大ファンだから、私を利用して莉耶ちゃんを奪うこともできるから。
「新城さん」
「心でいい」
「心さん、お願いがあるの。お母様はきっと怒るだろうけど、私、セリニ・ネアに入りたい。本当はお父様が経営していたクレヴィー社で働くつもりだった。でもお父様が亡くなったことでクレヴィー社は潰れちゃったようなものだし、ネオリオ社に入っても、昏斗たちのように動けなさそうだから」
「わかったがセリニ・ネアがやっていることは極秘だ。情報を漏らせばすぐ消される。それでも構わないか?」
「昏斗たちを助けられるならそれでいい」
その言葉を待っていたかのような表情ですぐに手続きの書類を私にくれて書いていく。この道が正しいとは限らないけど、昏斗たちを助けられるのならやるしかない。
全ての書類にサインをし心さんに提出をして、確認をしてもらいOKが出る。
「手続きが完了するまで、少し時間がある。それまでに銃を扱ったことはあるか?」
「無限拳銃持ってるけど、ディアヴォロスを撃てない」
「そうか。なら俺が教えてやる。無理に命を奪いたくなければ、足や腕など軽い傷を負わせられるぐらい覚悟を持っていないとセリニ・ネアにいられなくなるからな。ついて来い」
「はい!」
心さんの後をついていき私は心さんのご指導のもと無限拳銃を慣らしていった。
次回は5月12水曜日予定しております。変更になるかもしれません。




