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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
41/78

38僕は使、私は茜

アリスの家から一旦離れプラネットコード社に戻っていると、莉耶が疑問に抱いたのか僕に聞いてくる。


「昏花ちゃん、救わなくてよかったの?」

「大丈夫。アリスちゃんのことについて、社に戻ったらちゃんと説明するよ」


 アリスちゃんの行動を見る限り思い出したくない思い出が、もうすぐ再びアリスちゃんに訪れる可能性が大きい。アリスちゃんがなぜおとぎ話に出てくるアリスとしてやっているのか。

 金神蓮のようにアリスは誰かを待ち続けている人物こそ、アリスを公開処刑として処分したからだ。


 僕は予想したくないことが生まれそうで早くアリスちゃんの件については早めに終わらせておきたい。だから昏花には少し辛抱してもらう。

 アリスが亡くなったのは確か十八歳。アリスちゃんがエクリプス人となり、成長がぴたりと止まったのは八歳だが年齢は同じだ。そう考えるとやらかしたと速度を緩める。

 ディアヴォロスの寿命は約五百。つまりアリスちゃんはおっさんではないかと引き返したくなるも諦めよう。それに蝕夜がもういるだろうから大丈夫と信じたい。



 プラネットコード社に到着し、第七捜査課室に戻り、桜庭課長がいなかったから先に報告書と資料等を仕上げていく。僕の知っている情報と昏花が無事でいることを打っていたら桜庭課長と海さんに甘ちゃんが戻って来た。

 できた資料と報告書をプリントアウトをして桜庭課長に報告をする。


「桜庭課長、火星アリーレスを管理しているアリスと接触し、僕の妹昏花がいることが判明。しかし分け合って昏花を置いて来ました」

「なぜだい?」

「こちらの資料を見ていただけますでしょうか」


 桜庭課長に渡した資料を見ていただきながら説明をしていく。


「見ていただければわかると思いますが、アリスのご家庭が火神家」

「それと何か関係が?」

「前世の僕の記憶から読み取ると、アリスの父親が幼き頃になくなり、アリスの母親はアリスのためにと思い再婚をした。その相手が火神家の人間となります。ですが再婚した父親と上手くいかず母親は病で病死したことによってアリスの扱いは酷くなった。行き詰まったところ、今のアリスちゃんと出会い二人は仲良くなったそうです」


 桜庭課長は真剣に資料と報告書を照らし合わせながら見ていて、アリスちゃんが求めているものはただ一つ。アリスの命を奪った火神を倒すことだ。

 しかし火神はアステル幹部の一人と聞いているから、手強い相手でもある。


「それで昏花を置いて来た現況は?」

「実はもう一つ、アリスを失って数日経ったある日、出会ってしまったんです」

「誰に?」

「まだはっきり前世の記憶は蘇ることはないので、ここからは僕の憶測ですが、運命の人はおそらく紅様ではないかと。しかし相手はプラネットコード社の支部長であり捕食人間。食したい衝動が出てしまう恐れがあるから会わずにこんな写真集の売り上げで競っているのではないかと思います」

  

 アリスちゃんはアリスを失ってからもテオスパーティーやテオスパーティーに出席していた。そしてテオスパーティーに呼んだ紅様が、アリスちゃんの心を動かしたのだろう。


「言われてみれば紅はなぜか自力でプラネットコード社に訪れたと聞いたことがあったな。もしかするとアリスって奴が逃したとしか言いようがねえよ。まあそのおかげで紅がここの支部長になってるけどな」

「報告をありがとう。昏斗、なら探りを入れてみてくれないかい?」

「そのつもりです。では早速、部屋に訪れてみます」


 写真集を持って支部長室へ行ってみると、紅様は普通にお仕事をされていて話すタイミングの隙がない。どうしたものかと置いておきますねと買ってきた写真集をテーブルに置くもカタカタと作業をしていた。

 出直そうと部屋から出ようとしたら、お座りと発言されたからソファーに座る。


 少しして印刷機が動き出し何かを印刷しているようだった。印刷したのを僕に渡し隣に座る紅様。


「あのこれ……」

「プラネットコード社に行けば保護してくれるって言われて、テオスパーティーを脱出した。出た時は本当に何もかもが美しすぎてね。うちがいた場所より綺麗でもそこらじゅうには悪魔がいた。ディアヴォロスに追いかけられている時にプラネットコード社員がたまたまいてくれたおかげで助かったの」


 やはりアリスちゃんは紅さんのことまだ諦めてはいないけれど、自分の手元に置かない理由はアリスとの出会いによって食さなくなった。だからアリスちゃんは紅様がモデルをやっているから、自分もやってみようとやり始めたことになる。


「なぜうちを逃がしてくれたのかはさっぱり」

「アリスという名を持つ少年は、ある人に恋をしました。その人は違う人種でもありながらとても仲が良かった。しかしアリスの存在を知った父親は規律を破った娘を公開処刑をした。アリスと仲が良かった少年は、亡くなったアリスのことを思い、少年の名をアリスと変え、ディアヴォロスとして役目を果たしていた頃、紅様に一目惚れしたのでしょう」

「うちの美貌に惚れるとはねえ。まあいいわ。そう言えばさっき手紙を振り分けてたらこんな手紙が来た」


 僕に見せてくれたのはまさかテオスパーティーの招待状で、中身を拝見させてもらうと普段通りの招待状だった。クレヴィー社は倒産したようなものだし今更これを送りつけるだなんてどういうことだ。

 ここは蝕夜に確認をしたほうが良さそうかもしれない。もしかしたら誰かが装って、炎沢さんを呼び出したかもしくはセリニ・ネアの仕業。


「他に何か送られて来ましたか?」

「真っ赤のドレスが届いた。だけどテオス市役所は廃墟となってたから申し込むことも不可能」


 心が言っていた言葉を思い出す。  


〝これから先、ディアヴォロスの他にも、敵が現れることをな〟


 ディアヴォロスが大人しくなったから新たに僕らを敵視する敵が動き出したってことなのか。招待状に場所はと確認してみると、前は迎えに来てくれたから場所は書かれていなかったのに場所が書かれている。

 やはり何かがありそうだとスマートウォッチにあるカメラで招待状を取り蝕夜に送信した。


「紅様、もしかしたら新たな敵が現れたかもしれません。他に社員が招待されているか確認をお願いできますか?」

「いいわ。昏斗はどうするつもり?」

「地下にあるテオス市役所に訪れてみます。もしかしたら捕食人間も招待されているかもしれないので」

「じゃあ第七捜査課はそっちをお願い。何か分かり次第、報告を」

「はい、失礼致します」


 まさかの予想外なことが起きたしそもそもテオスパーティ斗神テオス舞踏会はクレヴィー社があったからこそできたことだ。それが今となってクレヴィー社がなくなったことで地下にあるテオス市役所は使用していないはず。

 仮に別の者が利用しているとなれば、蝕夜は怒るだろう。


 第七捜査課室に戻り桜庭課長に報告して、早速地下の状況を調査することになった。


 街は7つあるから僕と莉耶に菊太はD街へと潜入し、街並みの雰囲気を確かめる。ごく普通に暮らしている人たちで異常はなさそうに見えるがなんだこの違和感……。

 僕らが来ても住民は僕らのことを見ないのに、住民は僕らのことを見つめてにっこりと微笑んでいる。


「ねえ変じゃない?」

「僕も同感。桜庭課長たちに報告したほうがよさそうだ。菊太、戻るよ。菊太……?」


 僕の隣に歩いていた菊太がいなくて後ろを見てみると、菊太は店を眺めていて菊太のところへ行く。どうしたと撫でながら店の中の様子をみると菊太と同じ犬種であろうスリウス犬がいた。


「悪い、昏斗。でどこか行くのか?」

「ううん。戻って桜庭課長たちと合流するから、戻ろう」


 三人で下水道のところへ戻ろうとしたら、住民に囲まれてしまった。やはりいつもの住民ではないと感じ無限拳銃を構える準備をする。

 そしたら前の方にいる住民が整列しその間から、白いローブを着た誰かがやって来た。フードを降ろしその姿は正しく天使そのもの。悪魔の次が天使とはふざけているのか。ただ頭の上についている輪っかは本物のようだ。 


「やっと見つけましたよ、リィヤ様。私たちが住むプラネット、天王星ラウモイズに帰りましょう」

「リィヤ?私は莉耶。人違いじゃありませんか?それに私の生まれ故郷は地球オルモフィーケです。昏斗、行こう」

「行かせませんよ」


 再び囲まれてしまいまだ理解ができていない。今までネオリオ社はディアヴォロスと長年、戦って来た。しかし天使がいたという情報はどこにもなかったし、どこで天使の星人が現れたのか不明だ。

 もしこのことを知っているとなれば影神ぐらいでも、常に僕の兄弟に共有はしてくれている。

 もしかして今まで正体を明かさずに生きていたのなら、天使の星人はディアヴォロスと変わらないぐらい人数がいそうな気がした。


テオスパーティーに炎沢紅を正体したのは君たち?」

「えぇ。今までは悪魔が使用していた場所をお借りするだけのこと。悪魔の時代は終わり、天使である我々、エンジースの時代が始まる。その前にそこにいるプリンセスを返していただけませんか?悪魔の味方をした真神家。あなたたちにこれ以上、我々のプリンセスを穢されたくはないんですよ。祓われたくなかったら大人しくそこどいてもらえます?」


 情報が少ないことで相手の読みが読めずにいて、ここで莉耶を手放せば後々大変なことが起きそうな気がする。

 プラネットコード社ができた頃からずっと支えてきた國月家に何が起きた。ふじさんに聞けば情報は可能でも今は新しいプラネットコード社で、色々と地球オルモフィーケの開発都市が始まっているからそれで手が話せないでいる。

 だとすれば鈴哉さんに聞くのがベストかと思ったが、鈴哉さんは守秘義務とかで教えてはくれなさそうだな。


 とにかく逃げてそこから考えるしかないと一か八かでエンヴィリオを囮にし僕は莉耶の手を引っ張って逃げた。天使の羽根が腕に突き刺さっても下水道の入り口に到着しすぐ封鎖をしたから追っては来ない。


「昏斗、血が」

「これくらい平気。それより莉耶、國月家の歴史とか教えてもらったことはある?」

「教えてもらったことはあるけど、天使の家柄じゃなかった。……もしかして私、星音ちゃんのように誘拐された子供なのかな」


 我々のプリンセス。つまりエンジースたちの中での王女が莉耶本人。ただ國月家の歴史はプラネットコード社の右腕の家柄であり、捕食人間で登録されている。

 ここは真実を突き止める神、真神家で解決しておかなければ莉耶も鈴哉さんやふじさんだって奪われる可能性は少なからず大きい。


「とにかく、プラネットコード社に帰ろう。もしかしたら他の街でもエンジースと遭遇している可能性が大きいから」


 想像したくはないが莉耶にもし天使の輪っかが見え始めたら終わりだ。もっとエンジースについての情報が欲しい。


 マンホールをどかし誰もいないか確認して地上へと出てプラネットコード社へと急いで帰る。プラネットコード社にも内通者がいたらアウトだ。


 プラネットコード社に到着し第七捜査課室に戻ってみると、まだ誰も帰って来てはいなかった。てっきり戻って来ているのかと思ってたけどな。

 自分のデスクに座りパソコンを起動させ早速、エンジースについて調べていくもそれらしき情報はない。後は別荘にある書斎で調べるしかなさそうとキーボードを打っていたら桜庭課長たちが泥まみれで帰ってきた。

 海さんはなんだったんだよと物に当たっていて、桜庭課長は甘ちゃんの顔を拭いてあげている。


「何があったの?」

「気にすんな。莉耶のこと言ってたわけじゃないからさ」

「でもリィヤ様は必ず返してもらうって言ってたよ。莉耶ちゃんのこと言ってたんじゃないのかな」



 やっぱり桜庭課長たちもエンジースと会ったんだと理解して、莉耶は少し落ち込んでいるも大丈夫と手を握り今後どう動くか話し合っていくことにした。



 昏斗が帰った後、アリスの付き添いで外に出ていた。アリスはディアヴォロスに最近どうって話しかけていてそれに答えるディアヴォロスを見ると、なんか火星アリーレスはなんか平和だなって感じてしまう。

 何かあったら連絡してよと言いながら違うディアヴォロスに話しかけていてこれがアリスなのかと感心してしまった。


「凄いですね。他の幹部たちは自分勝手だというのに、アリスは一人一人に寄り添っている姿はあまり見かけないから」

「あたくしが飼われた当初は酷かった。アリス様は全て俺様のものだと仰って、やりたい放題。そこをあたくしが指導したことで立派に育った」

「さすが茜さんですね。あれ八雲くん、どうかしたの?」


 八雲くんがいきなり止まって動揺を見せるかのような表情を出しアリスと叫び出す。振り向いたアリスの背後に白いローブを着た人が現れまずいと私は刃を振るった。

 すると白いローブの人は私から離れると同時にフードが降りて私は目を疑う。天使のような輪っかが宙に浮いており、前世の私が危険と叫んでいるような感覚。 


「悪魔の味方をした真神家次女、昏花に会えるとは光栄だ。だが邪魔をするのであれば祓わせてもらうわけさ」

「あなたは何者?」

「天の使い、エンジース。悪魔の時代が終わり、天使である我々、エンジースの時代が始まる。そのためにはまず悪魔を狩らないと意味がないってわけさ」


 その人は自分たちが正しいというような顔立ちで、こう言う人苦手だと今度は無限拳銃を取り出し発砲してみる。だけどその人は私が発泡するのをわかっていたかのように避けられてしまう。


「邪魔者がいるから、アリスは今度狩りに行かせてもらうさ」


 なぜが投げキッスをしその人はいなくなってしまい、八雲くんの顔を見るとまだ驚きを隠せないでいるようだった。


「八雲くん?」

「一度、迂生は主人のところに戻るけど、昏花姉貴、茜姉貴、エンジースには気をつけてほしい」

「気をつけて帰ってね」


 じゃあと八雲くんは信じられないような顔をしたまま駅へと向かい、私たちも一度帰ることに。



 弟と妹のためにと思って買い物している最中にまさかエンジースを見かけるとは信じられへんくて後をつけとった。そしたらまさかのまさかや。火星アリーレスを管理しているアリスを狩ろうとしていたんやからな。これは昏有はんに報告や。

 そもそも今までエンジースは現れへんかったのに、なぜ今となって正体を明かしたんやろうか。強いて言うなら昏斗の彼女はんである莉耶ちゃんや。

 昔、聞いたことがある。神からの贈り物を天の使いが受け取った。それがまさか莉耶ちゃんが関係しているっちゅうことだろう。


 ネオリオ社に戻り荷物を置いていると、兄ちゃんと弟妹たちが来てしもうて遊ぼと言われてしまう。


「堪忍な。兄ちゃん、まだ仕事があるんや。終わったら遊んであげるさかい、我慢できるやろ?」


 えーと一斉に言う十人の弟妹で大家族の子守というものは大変やなと一人一人頭を撫でてあげとると紛れて千歳がいた。


「何、俺の弟妹に紛れとるんや。この阿呆千歳」

「ばれちゃったっすね。本当に炎悟の弟妹はいい子で羨ましいっす」

「えぇやろ。どないしたん?珍しく来よって」

「昏有さんの伝言を伝えに来たんすよ」


 そうとなれば弟妹をここにいさせるわけにはいかへんと思って、支部長代理に頼み弟妹を下へと降ろさせる。


「悪魔が管理していた場所をいち早くエンジースより奪い取れだそうすっよ。炎悟なら楽勝っすよね?」

「もちろんや。捕食人間はどうするんや?そのまま放置するん?」

「真神家、甘露ちゃん以外はディアヴォロスに与えるなり、放置するなりでいいらしっすよ。今はエンジースが邪魔者らしいっすから、先に排除したいらしいっす」

「わかったさかい。ほむが仕事中は弟妹見とくれへん?ほらほむの家庭……あれやから」

「大丈夫っすよ。見とくっす」


 千歳に弟妹を任せてディアヴォロスが所有していた土地へと向かった。

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