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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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37僕は逢、私は気

 待ち合わせしている喫茶店の前で待っていると、何か視線を感じ前を向くと周りには僕目当ての女性陣たちが集まっていた。なんか急にファンらしい人たちが多いけど、気にせずスマートウォッチでニュースの記事を見ていると。お待たせと星音がやって来る。

 そしたらきゃーと叫ぶ星音のファンたちが続出してしまい、早く中へ入ろうと店の中へと逃げ込んだ。やれやれと星音が個室で予約していたらしく、通してもらった。

 僕はコーヒーを頼み、星音は紅茶を頼んで店員がいなくなったから星音から打ち明けられる。


「せっかくお父様から解放されたはずなのに、なぜかいつもお父様のことを考えちゃうの。本当はこれでよかったのかって。ここまで育ててくれたのに、何も返せないままあのことが起きちゃって。蝕夜様に連絡しても会わせられないって言われちゃったの。なんでだと思う?」


 そう言えばプルトナスが星河会長を回収していったよね。星音ならいつでも会えそうな気もするんだけどな。どういうことだろう。ただ今は昏花のことでいっぱいでそれどころじゃなさそうな気がする。


「僕もわからない。ただ強いて言うなら星音を守ろうとしているんじゃない?星河会長はそもそも星音を食したいと願っていたからまた同じことが起きないようにまだ会わせられないんだと思う」

「そうなのかな。それならいいの。蝕夜様はプルトナスのように血を分け与えられるから、きっとお父様も蘇るって信じてる。また会えたら、お礼を伝えたいな。ここまで育ててくれてありがとうって」

「そうだね。きっと星河会長にも届くよ」


 ここで打ち明けてもいいのかわからないけど、このことは伝えておこうかな。


「それで別件なんだけどアリスの家に行ったことある?」

「行ったことあるよ。ただ迷路の中心に家があるから迷うとアウトかもだよ」

「それって日によって迷路の通路が変わるとか?」

「うん。私はほら、お父様の連れで連れてってもらってたから一本道で到着できたけど今はどうなるかわからないかも」


 迷路の中心に家があるのか。まじかで見るしかなさそうだな。注文した飲み物が到着しそれを飲みながら星音にある相談を持ちかけられた。


「昏斗に聞きたいことがあるの。あのバラ流星群、どうして金星アプロディロではやらなかったの?」


 思わずコーヒーを吹き出しそうになり、そう来たかとコーヒーカップを置いた。


「実は装置が誰かによって壊されてしまったんだ。それで金星アプロディロは今まで通りになって。誰の犯行なのかまだ見抜けてない。ただ地球オルモフィーケにある別荘の付近にモノクロの仮面が落ちてた」

「モノクロの仮面?」


 星音は知らないような感じで画像を見せてあげると、知らないと呟きながらその画像をじっと見ている。やはり星音は白なのかとコーヒーを飲んでいたら紅様から連絡が来てしまう。

 抜け出して来ちゃったから相当怒ってるよねとごめんと星音に謝りながら応答する。


「はい」

『昏斗、本屋によってあたしが写っている写真集を買ってきてちょうだい』

「わかりました。すぐ買いに行きます」


 紅様が写っている写真集ってどんなものなのかな。

「ごめん。僕、今パシリやらされてるから帰らなくちゃ」

「そうなの?だったら送るよ」

「だけど本屋に寄って写真集買わなくちゃいけないから」

「いいよ。付き合う。相談に乗ってくれたお礼だもん」


 ありがとうと言いながら会計を済ませて、本屋に寄ってみると何これと表に飾られている写真集に目を疑ってしまう。これは昨日無理やり付き合わせられたやつで表紙がなんと紅様と僕が写っている写真だった。

 なぜ昨日撮ったやつが今日この形で発売されているんだよと星音がその一冊をとって紅さんだと言う。


「知り合いなの?」

「うん。地上では有名な捕食人間のモデルさんだよ。ディアヴォロスやエクリプス人もファンがつくぐらい人気なの。でもちょっと嫉妬しちゃうかな。昏斗とこんな形で仕事したい」

「まさか昨日撮ったやつを写真集にして販売するとは思わなかった。だからか。なんかやけに視線を感じてたのはこれがきっかけだったんだ」


 それならそうとそう言ってくれればよかったのにと僕も一冊買っておこうかなと二冊とってレジに向かうと本屋にいるお客さんがこちらを向いている。

 ひそひそとあれ星音ちゃんだよねとかデートかなとか聞こえてこの状況また莉耶に怒られそうなパターンだ。


 レジを打ってくれた店員さんはニコニコしていて、超やりづらいと支払い店を出たら人がたくさんいた。星音ちゃんだとか昏斗さんだとシャッター音が鳴り響き、星音の手を握ってすみませんとどいてもらうも次から次へと人が集まってしまう。

 ファンの人たちから逃げていくと早く乗れやと火神炎悟の車があってそれに乗らせてもらい逃げられた。


「ありがとうございます、火神さん」

「えぇや。それにしても写真集見たで。一枚だけエロい写真あって子供らには見せへれんかったけどな」

「こんな形になるとは思いもしませんでした。あのなんで助けてくれたんですか?」

「困っている人たちを助けるのがほむらの役目やからな。気にしなくてえぇよ。それにほれ、こっちの写真集は売り切れ寸前やったから買っといたさかい。受け取れや」


 なんの写真集だろうかと袋から出してみると表紙でやばいぐらい、両方から鼻血が出てしまいハンカチで押さえながらページをめくる。昏花になんちゅう仕事させているんだと見てたらこれアリスの仕業だよと星音が言う。


「アリスちゃんが?」

「これ言っちゃうと昏斗、怒りそうだからやめておく。多分言ったらアリスを叩くと思うもん。今はこれで我慢してるらしいけど、茜さんの写真集が出た時、流星には見せられないような写真ばかりだったから」


 その言葉で僕の妹をこんな目に合わすとはお仕置きが必要と確信していると、星音がこんなことを付け加えた。


「そういえば以前も同時に発売されたような気がする。もしかしたら紅さんとアリスが競い合ってるのかもね」


 そうは言っても僕は反対だ。生の昏花もそうだけど他の人たちにあの笑顔を見せたら誰だっていちころで昏花に惚れてしまうほど可愛いもん。早く見つけてアリスの暴走を止めなければならない。


「火神さん、もしかして昏有兄さんに送ったりしてないですよね?」


 ぎくっと反応したからやらかしてしまったんだとあれ見たらきっと火星アリーレスに来る可能性は大だ。まあ昏有兄さんのことは置いといて、どうやって昏花を救うか。


「送ってしもうたけど、大丈夫かな」

「昏有兄さんのことは火神さんにお任せしますよ」


 あはははと苦笑いする火神さんでプラネットコード社に到着して、火神さんはじゃっとネオリオ社に帰られた。


「星音はどうする?寄って行く?」

「いいかな。それに仕事があるから。今日はありがとう」

「また何かあったら相談してね」

 

 話していると星音の車が到着し早い到着だなと星音を見送って僕はそのまま支部長室へと向かう。


「紅様、ただいま戻り……ました」


 紅様は老けたような顔立ちでぼーっとしており、大丈夫ですかと声をかけても反応がなくどうしたものか。そう思っていたら支部長室に入ってきたのは莉耶でお水を持ってきている。


「何かあったの?」

「昏無さんがあれを見て昏斗を使うならまず私を通してってクレームが入ったの」

「え?これって火星アリーレスだけじゃないの?」

「全プラネットに発売されるようになってるよ。まあ私もファッション雑誌買うついでに一冊買っちゃった」


 となれば昏花とアリスちゃんの写真集もクレームが入ってそうだなと想像してしまった。今日は紅様の様子が変で大人しくしているから、八雲くんと莉耶に菊太でアリスちゃんの自宅へと出発する。

 

 アリスちゃんは僕たちを入れてくれるのか、それとも追い出されて終わりだ。蝕夜がこっちに向かっているらしいけど、僕たちと合流するのではなくすでにアリスちゃんのところに行っているかもしれない。

 そうだ、おとぎ話のアリスならここは僕たちも着替えなくちゃねとあるお店へ行く。



「何この店」

「コスチューム店だよ。アリスちゃんと会うならあのおとぎ話に出てくるキャラクターになりきらなきゃ。んーそうだな。莉耶はハートの女王で八雲くんは白うさぎなんかどう?」


 却下と二人が言うも自分たちでよく考えてもらうとわかったと洋服を探しに行って、僕も探しに行った。


 店員さんに素敵ですと何度も写真を撮られてしまい、そうかなと僕はマッドハッターで莉耶はハートの女王、八雲くんは白うさぎのコスチューム。

 菊太はそのままでいいかと会計を済まして八雲くんに指示してもらいながらアリスちゃんの家へと向かった。


 アリスちゃん、どんな反応するかなとあそこだよと八雲くんが教えてくれてこれがアリスちゃんの庭園。その中央に家があると教えてくれたけどまさか火山に囲まれているところにあるだなんて熱くないのかな。

 どうやって庭園を抜けようかと考えていたら、茜さんがやって来たのだ。


「茜姉貴、なぜ」

「あたくしは元々、昏花を奪うために志願した。全てはアリス様のために」

「だったら昏花はここにいるんだよね?会わせてくれない?それともこの庭園を燃やしたほうがいい?」


 茜さんに挑発すると茜さんはこちらにとすんなり通してくれて昏花が無事ならいい。無事なのを確認してそこからどう救うかを決める。

 

 迷路を抜けると土で建てられた王宮だったのだ。なんか全然イメージと違う建物だなと中にお邪魔して進んでいくとまちなさいと昏花の声が響き渡る。

 歩いていたらアラビアン王子のような姿の男の子が走り回っていて、追っかけているのは昏花だった。僕は昏花が追っかけている男の子を捕まえる。


「離せ、離せ馬鹿者!」

「昏斗、八雲くんに莉耶ちゃん、来てくれたんだね。こら、アリス。ゲームで負けたらどうなるんだっけ?」

「もう嫌だ!こんなゲーム俺様には似合わない!」

「じゃあ昏斗たちと帰らせてもらう。それでいい?」

「それはやだ!なんでだよ!なんでお前は俺様のゆーことが聞けない!俺は主人だぞ!」


 なぜ昏花を連れ去ったのかようやく理解ができた。前世の僕がアリスちゃんと会っていた記憶が蘇る。


 前世の僕が見た光景はお墓の前でずっと笑っていたアリスちゃんだった。墓の周りには焼き菓子や手作りのうさぎを添えて。前世の僕はそれが印象になり、アリスちゃんに近づく。


「どうして泣かないの?」

「泣いたらアリスに怒られるから、俺様は笑うしかない。アリスは俺様がエクリプス人でも、俺様とずっと遊んでくれた。だけどネオリオ人はエクリプス人を嫌う。そのせいでアリスは罪によって公開処刑……されちゃった。アリスをっアリスを守れなかったっ。悔しい」

 

 前世の僕はディアヴォロスであってもいいディアヴォロスが存在することを知り、傷ついたアリスちゃんを慰め親しくなった。きっとこのアリスちゃんはずっとこの姿で数十年と生き続けているんだ。確かディアヴォロスの寿命は約五百年。背丈は自由に変えられる。

 いつエクリプス人になったのかはまだ記憶が曖昧でも、アリスちゃんは今でも寂しいんだ。


「ちょっと空いている部屋貸してもらうよ。あっ二人きりにさせてね」


 お邪魔しますと適当に部屋に入り、アリスちゃんを座らせる。


「アリスちゃん」

「……なんで来たんだよ。俺様を裏切りやがって」

「それは前世の僕に言ってくれないかな。アリスちゃん、なぜ昏花を奪ったのか教えてくれる?怒らないから」


 アリスちゃんはアリスの姿になり僕から視線を逸らして黙り込んでしまった。黙っていたら何も始まらないよと待っていたら唇を震わせながら拳を作って僕に気持ちを言う。


「寂しかった……。昏斗がいなくなるのが怖かったっ。また俺様を置いて逝っちまうのが嫌だったんだよ!それに約束したのに、約束を破ったのが許せない!だから昏斗が大事にしているものを奪った!」


 鼻水を垂らすアリスちゃんでアリスちゃんの気持ちを知れてよかったよと、昔前世の僕がやったように父親のような優しく抱きしめてあげ背中を摩るとアリスちゃんの腕が僕の背中にくる。

 貯めていた涙を流すアリスちゃんで、僕はアリスちゃんからもういなくならないよと大丈夫と言いながらしばらくそこにいてあげた。



 部屋の外で待っていたらアリスの泣き声が聞こえて、私に何をしているのかを喋ったのと部屋の中に入った。そしたらまるで親子のようなイメージで、そんなにアリスと仲が良かったっけと前世の私に聞きたいぐらい。

 私と接している時はあんなに生意気なのに昏斗の前だと甘えん坊になるだなんて。


 見ていたら昏斗がこちらを向き、茜さん呼んでと言われたから茜さんを呼ぶ。茜さんは昏斗とバトンタッチし昏斗がこっちに来た。


「昏花が誘拐された理由がわかったよ。それは本人から直接聞いたほうがいいかな。今は泣いてるけど、すぐ打ち明けてくれるよ。それで昏花、一つ頼みたいことがある」

「何を?」

「しばらくはアリスのこと頼みたい」

「……私、今嫌がらせさせられてるんだけど」


 私が不機嫌になると昏斗は我慢してという笑顔で、もうと昏斗が今、何を考えているのかを悟りわかったと言う。


「本当にそれでいいのか、昏斗兄貴」

「もちろん。ただ昏花だけを残してはいかない。八雲くん、昏花がピンチの時助けてあげてほしい」

「なんか納得いかないけど、昏花姉貴が嫌がる行為は見過ごせない。それに茜姉貴とちゃんと話せるチャンスだから残る」

「それでいい?」


 話がまとまっているような気もするけど、昏斗は莉耶ちゃんと菊太を連れてさっさと帰ってしまった。ズビーと鼻をかむアリスで、茜さんを部屋から出てもらう。


「アリス」

「ごめん、昏花。俺様、実はもう、茜にすごいやって怒られたから手加減してた。昏花を誘拐してもらったのは、その……昏斗に会えるって思ったからで……。本当にごめんなさい」


 急に土下座をするアリスで頭上げてよと近づいたら、にやりと笑うアリス。しまったとガードしようとしたら私の前に現れたのは蝕夜だった。蝕夜はアリスの頬を抓り叱る。


「このアリス。やつがれの隙を見て昏花を連れ去るとはいい度胸だな」

「痛えな。離せよ、偽蝕…まじかよ。本物かよ。悪かったって。だけど昏花を誘拐すれば昏斗に会えると思ったからだ!」

やつがれが一番最初に力を与えたのはアリスだ。それだけは覚えとけよ」

「はいはい、わかってますよーだ。さっさと眠りにつけば?」

やつがれはずっと見ているからな」


 本物の蝕夜と喋りたかったけど、いつもの蝕夜になったそうでアリスの両頬を強く抓り、アリスも負けずに蝕夜の両頬を常ってしばらくはその体勢が続く。

 昏斗とアリスの関係性はまだ教えてもらってないけど、昏斗に頼まれたからアリスの面倒は見てあげようと決めたのであった。

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