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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
42/78

39僕は又、私は怒

 星音が狙われなくなって間もなく、莉耶がエンジースという天使に狙われることに羽目になった。前世の記憶を辿ってみるも僕はエンジースと出会ってはいなかったから情報が少ない。プラネットコード社に転職した昏来と昏未に聞いてみたが、二人も誰それと言われてしまった。

 姉さんは思い出せそうで思い出せないようにロックがかかっているような記憶がいくつもあるそうで、もしかするとそこに情報があるんじゃないかと姉さんは推測している。

 後は昏有兄さんと昏希に手紙を送って、それの返答待ちである。それまで莉耶は外出を控えるようにと紅様からのご命令が下された。


 内部にエンジースが紛れ込んでいたら危ないような気がするも、交代で莉耶のそばにいるから大丈夫だろうと信じたい。


 そんなことを考えながらスマートウォッチをいじっていると菊太がお腹を鳴らして僕に聞いてくる。

 

「なあ昏斗、俺のご飯どこにしまってんの?袋、空なんだけど」

「クローゼットの上にしまってあるよ」

「見たけどなくなってた」


 この前買ったばかりなのにとクローゼットを開けてみたら、本当に菊太のご飯、つまりドッグフードの袋がなかったのだ。おかしいなと違う引き出しとか探してみるもない。

 菊太のご飯を誰が盗むんやらと考えていたら、チャイムが鳴り出てみると白白い女性の口の周りにドックフードを食べたカスがついている。


「もしかしてベナ?」

「昏有に頼まれて来た。エンジースと面識はゼロ。だけどエンジースという存在は知っていた。天の使いであるエンジースは天王星ラウモイズを拠点にしているという情報があるも、昏有さえもエンジースの拠点は掴めてない。もし彼女を守りたいのならネオリオ社に転職させるのが一番」

「いきなりそんなこと言われても莉耶はプラネットコード社から離れないと思う」

「なら自力で逃げ切るしかない。ネオリオ社はそんなに甘くしないから。ただ昏斗が戻って来るなら全力で守ってくれるって昏有からの伝言」


 僕がネオリオ社に戻れば莉耶を守り切れることは間違いはない。それでもまだ僕はネオリオ社に戻るつもりもないから僕たちで対策をしなければならないってことか。


「わかった。わざわざ来てくれてありがとう」

「しばらく私は火星アリーレスに滞在する。もし気になることがあったら来てもいいけど、炎悟の家族やばいから覚悟して。それじゃあ」


 ベナはスリウス犬に戻りスタスタと行ってしまわれ、俺のご飯返せとベナに向かって叫ぶ菊太であった。


 

 ここは元クレヴィー社に勤めていたエクリプス人と協力し合って莉耶を守るしかなさそうだな。

 第七捜査課室に入り自分のデスクで企画書を作成していたら内線が鳴り、出てみるとお客様がお見えですと言われ下へと降りた。今日は来客が来る予定はなかったし一体誰だがとロビーに行ってみるとそこには昏花がいる。


「昏花」

「昏斗」


 気づいた昏花は僕に飛びついてきたから何かあったのかな。少し待ってあげていたらベシッと僕に叩く蝕夜がいる。


「兄君も来ていらっしゃったんですね。どうかされたのですか?」

「鈴哉の妹である莉耶はいる?」

「はい。部屋にいますけど、どういう用件ですか?兄君がこちらに来ていると相当厄介ごとが……」


 すると警報が鳴り出してしまいほらとディアヴォロスが侵入すると警報が鳴る仕組みとなっているのだ。警報が鳴り出したことでロビーにいる人たちが一斉に無限拳銃を構え始める。 


「ほう、まだディアヴォロスを警戒しているというのか。まあいい、やつがれは外で待っている。昏花、ちゃんと莉耶に伝えるんだぞ」

「ついて来てくれてありがとう。うん、蝕夜が伝えたいことも伝えとくね」


 蝕夜は昏花のおでこにキスをして、兄として反対と間に入りたかったが二人の絆は深まっているようだった。なんかむやむやするんだけどと蝕夜が退散したことで警報は止み、社員は仕事へと戻っていく。

 僕は昏花を第七捜査課室にあるミーティング室にお連れして、甘ちゃんに莉耶を呼びに行ってもらった。お茶を淹れて昏花に渡していると、莉耶と甘ちゃんたちがミーティング室へと入る。それぞれ席に座って昏花の隣に僕が座り話をした。


「もう会ってるかわからないんだけど、天の使い、エンジースと接触したの」

「僕たちも遭遇したよ。狙いは莉耶だってことがはっきりしてる」

「そうだったんだ。こっちは悪魔狩りのような形で遭遇したの。アリスを狩ろうとしてたから私が止めたからよかった。その前に八雲くんがいち早く気づいてくれたことでアリスは助かった」

「八雲くんが?」


 うんと頷いて持って来たらしい資料を見せてもらう。

 それは八雲くんの個人情報であり、出身地は天王星ラウモイズB街。ごく普通の家庭で育った八雲くんだが、八雲くんにはとても仲が良かった友人がいたそうだ。その子の名は大鳳天満たいほうてんま


 その言葉に手が震え資料を落としてしまい、みんなが心配してくるもまさかと前世の僕が何かを言っているような感覚だ。会ってもいないのにこんなに恐怖心を浴びるほど僕はこの人物を知っている。

 八雲くんとの繋がりはまだ断定はできないけれど、大鳳天満は不死身の体をしている。新城心はそれを知っていたから、僕にあんな言葉をかけたのか。


「昏斗、顔青いけど大丈夫?」

「大……丈夫。思い出した……。八雲くんはどうしてるの?」

「一度ご主人様のところに帰るって言ってたよ」


 今誰の体で過ごしているかは定かではないけれど、八雲くんの主人に成りすましているわけではなさそうだ。莉耶に一番近づける人物といったら鈴哉さんでも、鈴哉さんは姉さんの恋人でもあるからそれはなさそう。

 だとすると考えられるのはプラネットコード社かそれともネオリオ社に潜伏している可能性が高い。


「昏花、八雲くんと連絡取れる?」

「やってみる」


 ここで敵が発覚してしまったら、莉耶を守って逃げ切れる自信もないし目の前には昏花がいる。

 昏花のスマートウォッチで連絡をとってもらうと、すぐ八雲くんが応答してくれた。


「八雲くん」

『昏花姉貴、今どこですか?』

「プラネットコード社にいて、蝕夜は外で待っててもらってる。昏斗が喋りたいらしいから変わるね」


 昏花のスマートウォッチを貸してもらい、僕の憶測を伝える。


「八雲くんのご主人様は女性のウラノスで間違いはないんだよね?」

『そうだよ』

「ならエンジースと深く関係しているのは、ウラノスから聞いてる?」

『全て教えてもらってたから、さっき気づけた。昏斗兄貴、エンジースを仕切っているのは前世の昏斗も会ってるってウラノス様から聞いてる。ただまだ昏斗は前世の記憶から辿れないだろうって言ってたから黙ってた。昏花姉貴は薄々気づき始める頃だろうって。真神家が悪魔の味方をした理由が。迂生はしばらく、ウラノス様の指示であまりウラノス様から離れないようにと命令が下された。だからそっちには行けないけど、気をつけないと天使から天罰がでる。気をつけてほしいとみんなに伝えてもらえる?』

「わかった。伝えとく。八雲くんも気をつけて行動して」


 わかったといい返事をもらい連絡が終え名前しか思い出せていないけれど、大鳳天満には気をつけるよう呼びかけるしかない。


「名前しか覚えていませんが、大鳳天満、天の使いを仕切っている者に出会した場合は気をつけるよう呼びかけてもらえますか?」

「桃花会長から直々に説明をしてもらうよう手配してみる。僕らも聞いたことがない名前だ。八雲くんは他に何か言ってたかい?」

「いえ。何も。おそらく何か分かり次第、昏花に連絡してくると思うので共有はしていた方が良いかと。昏花、それでいいかな?」

「私は全然平気だよ」


 昏花は桜庭課長たちと連絡先を交換して、後はまずエンジースがテオスパーティーを利用して招待した人を止めなければならない。


「紅様が招待された理由はまだ分かりませんが、紅様はテオスパーティーに出席するつもりです。なので僕も参加しようと思います」

「まだテオスパーティーは終わっていないのは確かだね」

「そのことなんですけど、ちょっとよろしいでしょうか」


 いきなり昏花が手を上げどうかしたのかなと、昏花がスマートウォッチの画面を開きある一枚の写真を見せてくれた。これはアリスちゃんとアリスだ。


「蝕夜から聞いた話なんです。火星アリーレスを管理しているアリスは元々火神家と親しかった人物に殺され、それを見た蝕夜は蝕夜の力を与えエクリプス人にさせたそうです」

「火神家と親しかった人物……?」

「そいつ誰だ?」


 海さんの問いに昏花はそのと口を積らせ、言いたくはないような顔でも僕たちに教えてくれる。


「……炎沢支部長の御家系と蝕夜は言ってました。ですがアリスを殺した方はもうお亡くなりになっているそうで、恨みとかはもうないらしいんです。ただ一つ……バラの流星群を発動させればアリスは確実に死ぬことになる」


 バラの流星群を発動させればアリスは確実に死ぬ運命となるのか。それは避けたいことでもディアヴォロスが捕食人間を食さないとは限らない。どうしたものかと考えていたら僕のスマートウォッチが鳴り、誰かと思えばひたるからだったのだ。

 どうしたんだろうとポチッと押したら昏斗と大声で呼ばれる。


「急にどうした?」

『鈴哉さんが行っちゃったの!』

「状況が読めてないけど、一体何があった?」


 ひたるの話によると鈴哉さんは偽のテオスパーティーに招待されたらしく、ひたるや美汐が止めても行ってしまったそうだ。内容は一般の招待状ではなく、妹を奪われたくなければ一人で来いという文面だったらしい。それだけじゃなくて莉耶と鈴哉さんの母親であるふじさんも娘と息子を奪われたくなければ来いという文面だったそうだ。

 ただ今回だけ莉耶だけが招待されていないから、これは罠に違いないと思う。


「ふじさんは?」

『置き手紙を残して行っちゃったらしい。今は昏無さんが代理で秘書の仕事をしてるっぽいよ。それであたいたちはテオスパーティーに乗り込む』

「危険だ。あれはディアヴォロスが出したテオスパーティーじゃない。ひたるたち、いい?新たな敵、エンジースという天の使いがやっている。仮に行ったとしても死に行くようなものだよ。ディアヴォロスは悪魔であっても、エンジースは天使だ。意味は何となくわかるよね?」


 ひたるに聞いてみると少し間があくがわかったと少々不安な声があり、大丈夫だよと声をかけていたら声が切り替わり昏未の声が聞こえる。


『吾輩たちはまだエンジースに会っていないけど、吾輩たちができる限りのことはする。昏斗兄様、無事を祈ってる』

「昏未も気をつけて行動をして。何分か後に会長からのメールが届くはずだからそれを読んで行動して。それじゃあ」


 通話を終了し莉耶は恐怖を浴びるかのように震え切っていて、莉耶の手を握ってあげ落ち着かせた。


「また鈴哉が身勝手な行動をするだなんてあいつは馬鹿なのかよ」

「海、言葉を慎んで。僕たちも急いでテオスパーティーに出席しよう。莉耶はここに置いておく」

「嫌だよ!私のせいでお兄ちゃんとお母さんが出席した。私も参加させてよ!」

「駄目だ。狙いは莉耶なのわかってるはずだよ。連れては行けない。もし僕の言葉を聞けないのなら牢屋に入れる」


 一番行きたいのは莉耶なのは誰もがわかっていることだ。ただ今回ばかりなぜエンジースがテオスパーティーを開催させたのか見極めない限りどうすることもできない。


「……分かりました」

「よろしい。昏花ちゃんはどうする?」

「私は蝕夜に聞いて行動します。だから一緒には行けないけど、気をつけてください」


 話し合いが終わり昏花が帰った後、莉耶が心配になり莉耶の部屋をノックしても返事がなかった。ドアノブを捻ってみると開いていて、入るよと声をかけ入る。

 中に入ってみたらハンカチで繋ぎ合わせた紐で降りたらしく、至急僕は桜庭課長に報告した。


「莉耶が逃げました!至急、追跡をお願いします!」

『全く。今すぐテオスパーティー会場へと向かって!』

「了解。行くよ、菊太!」


 僕と菊太は一足先にテオスパーティーの会場となる場所へと向かったのだ。



 昏斗ともう少し話したかったけど、いいかと蝕夜と二人で街中を歩いていたら蝕夜がぴたりと足を止めた。私も足を止め蝕夜がみている方角へ目をやると、莉耶ちゃんがバイクに乗ってどこかへと向かっている。


「莉耶ちゃん、まさか」

「まさかのようだ。仕方ない。ここは義弟昏斗の頼みでもある。行くが良い、モンディガ」


 モンディガが出現し莉耶ちゃんを止めに入ろうとしたが、モンディガに捕まらないように避けて行ってしまった。


「蝕夜」

「ほう、莉耶もなかなかのようだな。先に向かうとするか」

「もう」


 私は蝕夜の手をとりワープして先にテオスパーティーの会場となる場所に到着すると門に吊るされていたのはディアヴォロス。

 蝕夜は許せぬと今まで感じたこともない怒りを感じ取り、モンディガがディアヴォロスを降ろし布をかけた。


「昏花、やつがれは見てられぬ。だから先に中へ侵入しているが、昏花は莉耶がここに到着したらペンダントでやつがれを呼べ」

「わかったよ。だけど無茶はしないでね」

「うむ」


 私のおでこにキスをした蝕夜はいなくなってしまって、莉耶ちゃんを待つことに。

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