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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
39/78

36僕は紅、私は導

 火星アリーレスに到着し駅を出ると三つ行ったプラネットより暑苦しい場所だと隊服を脱ぎたくなるような暑さだ。桜庭課長たちに話し調査をしながら昏花を捜索することになった。

 岩車に乗って出発しプラネットコード社へ出発していると火星アリーレスが着ている服装に目がいく。火星アリーレスではなんというかアラビアン風な服装を着ているな。涼しげでいいなと眺めていると頬を常られ莉耶はふんっとそっぽを向いてしまう。


「嫌らしい目で見ないでよ」

「そんな目で見ていないって。莉耶が着たらもっと可愛いだろうなって思っただけだよ」


 発言したら桜庭課長がにんまりとこちらを向いていてなんですかと思っていたが桜庭課長は何も仰ってはくれなかった。


 さっきの桜庭課長はなんだったんだと疑問が浮かびながらプラネットコード社に到着し岩車から降りる。なんか雰囲気が全然違くて土で作られた建物だった。

 中に入りエレベーターに乗って第七捜査課室に到着すると、第七捜査課のみんながアラビアン風の隊服で仕事をしていたのだ。ぽかんと口を開けて立ち止まっていたら、桜庭課長に背中を押されて男子更衣室へと連れていかれる。


「桜庭課長、急にどうしたんですか?」

「ふふん。ここでは支部長のお決まり事があるんだ。ささっ脱いでこれに着たまえ」


 眼鏡をくいっと上げながら僕にやや大きめの紙袋を渡して隣では海さんが面倒くさそうに着替え始めた。ごくんと唾を飲み僕も着替えること数分後。

 これを昏有兄さんや影神に見せたらあかんパターンだとまじまじと服装チェックを入れる。こういうの着るなら着るって言ってくれればよかったのにな。

 海さんは凄く不機嫌になりながらもめっちゃ似合っていて、桜庭課長もいつもと雰囲気が違く出ている。

 男子更衣室を出て第七捜査課室に戻ると男性陣が誰かを囲んでシャッター音が聞こえた。女性陣がきゃーと叫びながらこっちに来てなぜか写真撮影が始まる。


 男性陣に囲まれているのはもしや莉耶ではないかと女性陣にサービスしていると可愛らしい甘ちゃんがすーさんと泣きついて来た。


「きらきら嫌い」

「しょうがないでしょ。支部長の機嫌を損ねると大変なのは甘露が一番にわかってるはずだよ」

「でも蘇るんだもん。脱ぎたい」

「こらこら、後で話してみるから少し我慢して。ほーら、みんなも撮影は終了。会議始めるから。莉耶、早速で悪いんだけど資料をお願い」


 はいっと返事をした莉耶の格好にギャップ萌えがあって、鼻血を出てしまい菊太がティッシュをくれたから鼻に詰める。会議が始まり、クレヴィー社がなくなって間もなくテオスパーティーの招待状が流出していることが明らかとなった。

 場所はもちろん、ここ火星アリーレスでありテオスパーティーの場所を調査するらしい。


 クレヴィー社がなくなってすぐにテオスパーティーが開催されるだなんて誰の犯行か。いやクレヴィー社がなくなってもディアヴォロスは捕食人間を食したいという気持ちは残っているからディアヴォロスの犯行で間違いはない。

 それか父さんがやっているとしたら父さんを止めなくてはならないということだ。


 すると会議中に一本の電話が鳴り、すみませんと第七捜査課室を出て確認する。珍しく八雲くんからの連絡で、確か八雲くんは自分の主人のところに帰らなくちゃならないとかで帰ったんじゃなかったか。

 まあいいやと応答してみる。


「八雲くん?どうかしたの?」

『大変なことになった。迂生の主人のところに帰ったら、主人がなぜ戻って来たって怒られてしまったのだ。それで主人に話を聞いたら、茜が昏花姉貴を連れ去っているところを見たと証言している。おそらくなのだが、茜は元々主人の命により動いてたとしか言い切れぬ。昏花姉貴が危険だ。蝕夜殿には主人が証言をしそっちに向かっている。迂生も着き次第、茜を捜す』

「なんとなくわかった。一人で捜すのはきついだろうから着いたらプラネットコード社に来て。八雲くんはもう、プラネットコード社の一員でもある。まあ主人がなんて言おうとも八雲くんは僕らの仲間だ。それじゃあ待ってる」


 八雲くんは聞こえない程度でありがとうと言ったような気がして切れてしまい、第七捜査課室に戻り会議の内容を聞いていった。


 会議が終了し動き出した第七捜査課のみんなで、僕は先程の電話のことを報告する。


「なるほど、茜さんが昏花を連れ去ったか。他に何か言ってなかったかい?」

「昏花が危険だから着いたら一人でも捜すとか仰っていたので、一人より少人数で手分けしたほうが良いかと思い、着き次第プラネットコード社に来るよう伝えました」

「まずいな」

「何がまずいんですか?」


 莉耶と甘ちゃんがヘヘッと苦笑いし始め、海さんは笑いを堪えている。僕だけ読めないんだけど何がと四人の顔を見ていたら菊太が人間になり僕に言ってきた。


「昏斗、八雲来てたけど支部長に拉致られたぜ」

「へ?」

「仕方ない。様子を見に行ってみようか。八雲くんの主人が出ないことを祈るしかない」


 なんだろうと桜庭課長について行きエレベーターに乗って支部長室へと向かう。到着する前に八雲くんの叫び声が聞こえて支部長室で一体何が起きているんやらと到着する。

 桜庭課長が入りますと伝えて扉を開けてみると半泣きでいる八雲くんに抱きついている女性がいたのだ。


「何この子!めちゃくちゃ愛くるしい。この姿もいいけどこっちも似合いそう。いいお宝見つけちゃった」


 その光景を見て甘ちゃんのスイッチが入ってしまい八雲くんの盾となる。


「嫌がってるからやめて!」

「あら、甘露。甘露が嫌だって逃げるから甘露の代わりとなる子を探してたのよ。それともうちの言うこと聞いてくれるのかしら?」


 甘ちゃんは限界のようで何も言えずまだ名も知らない支部長は笑顔で甘ちゃんを見ていた。甘ちゃん、勇気を出せれるようにはなったけど、またあの光景を思い出させないため僕が場に入るしかなさそうだな。


「支部長、恐れ入りますが甘露は僕の弟である昏希のフィアンセでもあります。八雲は昏未のフィアンセでもある。ネオリオ社を敵に回すと大変なことが起きるのでその辺にしていただけませんか?」

「けちん坊」


 頬を膨らませて怒る支部長でも、支部長は昏有兄さんのことを知っているのか支部長の席に座る。


「わかった。但しここに滞在している間は昏斗、うちの言うことは絶対」

「えぇ構いませんよ。支部長がお望みならなんでも致します」


 敬意を表していると支部長はにっこり微笑んでくれて昏斗意外下がっていいわと下がらせる。莉耶は嫌な顔をしつつ支部長と二人きりになった。


「うちは炎沢紅ほむらざわべに。紅様と呼びなさい」

「はい、紅様。僕は何をすればよろしいでしょうか?」

「そうね。ふふっなら早速、頼みたいことがあるの」


 支部長の部屋を綺麗にした後、僕は紅様のご要望のため、莉耶と八雲くんとで昏花と茜さんを捜しつつ買い出しに来ていたのだ。莉耶は不貞腐れた顔で布を選んでおり八雲くんは少し落ち込んでいた。


「昏斗兄貴、さっきはありがとう。だけどなぜあんな嘘を吐いた?」

「そうしないと八雲くん、ずっとあそこに居続けなくちゃならそうだったから。あの人とずうと一緒じゃいやでしょ?」

「迂生のためとはいえここまでしてくれる昏斗兄貴はこんなことしてよいのか?」

「本当は探しに行きたいけど、紅様が新しい布を買って来てほしいって言われちゃったからね。それに、昏花と茜さんの居場所はもう掴めているようなものだから」


 えっという顔をしている八雲くんで僕は布を選びながら教えてあげる。


「八雲くんは茜さんの主人って誰だか教えてもらったことはある?」

「……ない」


 だろうな。僕は人差し指で頭を指しながら、八雲くんにわかりやすい説明をしてあげる。


「簡単なことだよ。あんなことを実行できるのはアリスのみだ。前世の僕の記憶から辿るとね、アリスは一度、月日家が求めていた人物を競い合い、勝っているんだ。その才能を活かし昏花を奪うことに成功した」

「では今のアリスがどういう人物なのかもわかるのか?」

「もちろん。確かアリスの年齢は八雲くんより下の年齢。エルミスと同じ能力でいろんな人に化けられる力がある。普段はおとぎ話のアリスに化けていて、実際は悪戯好きでやんちゃな男の子」


 凄いと目を輝かせていると莉耶がふざけてこんなのどうと僕に見せてきたのだ。キャラクターの布で流石にこれはないと思うなと他のを見ていたらえぇじゃんそれと誰かが僕たちの会話に入って来た。


「火をモチーフにしたキャラクターえぇな。巾着とか鞄とかにしたら子供ら喜ぶわ。莉耶ちゃん、それほむにくれへん?」

「あなた誰ですか?」

「知られてるんちゃうか?まあえぇ。ほむはアステル幹部の火神炎悟ひがみえんごや。ほむの兄弟、十人おってな。子育てが大変やから、母はんに楽してもらいとうて手芸とか料理とかやってたら意外とはまってしもうてな。ちょいちょいこの店に寄るんや」


 なぜ僕はアステル幹部の人たちによく会うのだろうとため息が出てしまうほどだった。地球オルモフィーケの一件でしばらくはアステル幹部と接触したくない気持ちがあったというのに。

 莉耶が選んだ布を喜びながら他の布を探し始め、僕たちは即座に布を選んで会計を済ませ退散しようとしたが火神炎悟に言われてしまった。


「昏斗、一つ忠告しておくで。アステル幹部をなめたら痛い目になるさかい、注意しておけや」


 いきなりトーンが低くなり挑発してきているようにも見えたが、僕らはさっさと帰ることにする。

 水神潤や地神千歳のようにいい印象の人とは限らないってことか。僕を連れ戻そうとしたあずまという男と棒キャンディーを咥えていた女の子を含めてアステル幹部でいいのだろうか。

 もっと詳しくアステル幹部のこと聞いておけばよかったなと思ってしまった。

 買って来た布をどうするんだろうかと紅様から頂いたカードでエレベーターに差し込み上へ移動する。火神炎悟がいきなり現れた理由は僕を監視するためなのかわからない。

 到着し部屋に入ると紅様は仕事をなさっており、買ってきた布をテーブルに置いた。


「紅様、布はこちらに置かせてもらいます」

「ありがとう、昏斗。妹は見つかったの?」

「いえ。ですが居場所はなんとなくわかっています」

「なら早速なんだけど」


 にっこりと微笑む紅様で嫌な予感と思いつつも、紅様の前で跪き紅様の手を受け取ると紅様のお部屋へと連れて行かれる。そこは撮影所のような部屋でこれに着替えてと洋服を渡された。

 渋々着替え紅様も着替えたっぽくいつの間にかカメラマンがいてモデルの仕事をしていく。これはギャラが入るんですかと思いながらいろんな服を着て紅様と写った。


 数時間、写真撮影が終え満足したらしい紅様はまた明日と僕を支部長室から追い出される。やれやれと七階のボタンを押し自室へと入った。

 なんだかんだで疲れたとベッドに横たわりテレビをつけると星音がヒロインのドラマが始まっている。録画しておけばよかったと途中から観ながらご飯を適当に作って食べた。


 星河会長がいなくなって仕事に集中できるようになった星音は、本当にこれでよかったのか時々思うように感じ始めている。星音を育ててきたのは星河会長であるのに、星音は星河会長から愛情をもらっていなかったのかが疑問点だ。

 前世の僕が出会っている星音のことを思い出そうとしても、そう簡単に蘇るわけじゃないか。


 菊太はドテンといつものように寝ていて、食べ終わった食器を片付けていたらスマートウォッチが鳴り菊太が起きてしまった。誰だろうとみたら星音からで応答する。


「星音?」

『昏斗、少し相談したいことがあるの。時間作れそう?』

「大丈夫」

『じゃあ火星アリーレスにあるネオリオ街南西部にある喫茶店、十一時に来てくれる?』


 わかったと伝えるとそれじゃあとやや暗めの声で切れてしまい、何かあったのかなと思いながらも食器を片付けて就寝することにした。



 茜さんはどこかへと行ってしまい、アリスと二人きりでアリスの好きなようにさせているも限界が来そうだ。ここで負けたらアウトだと全然離れてくれないアリスにある提案を持ち掛ける。


「アリス、一旦私から離れてくれるかな?」

「断る。昏花は俺様のものだから、俺様の自由にさせてもらう」

「命令は絶対に聞くから一旦離れよう」


 アリスは私の言葉で少し黙ってしまうも、私の膝から立ち上がり私の前に座った。不機嫌な顔をしていてもアリスに負けないために頑張るしかないと勇気を出して提案を出す。


「毎日、ゲームをしよう。アリスがゲームに勝ったら好きなだけ私をいじっていい。もし私が勝ったら一日私をいじらない」

「ゲームの内容を聞いてから決める」

「我慢ゲームだよ。私がアリスに指導することに対して我慢することができるかのゲーム。別にやらなくてもいい。但し私は今日みたいにされないよう逃げることを思いついたから」

「俺様は負けたことがない。やってやろうじゃん」


 やる気満々になってくれてありがとう。


「それじゃあ、まずその口調からやめようか。女の子に認められるようになるには俺様とかは言わない。基準点は僕だね。そうだな。女の子が喜びそうな言葉かけてみて」


 我慢できるかなとアリスは何かを考え始め、手を後ろにし自分の癖を止めているようだった。


「ぼっ僕はお前がいねえとやる気出ねえんだよ」


 ぷっアリス意外とお茶目なところあるじゃんと笑いを堪えつつも、言葉遣いが荒いことを指摘する。


「お前じゃなくて女の子を呼ぶときはお前じゃなく君とかあなた、それか名前で言ってあげること。それといねえとやる気でねえじゃなくて、いないとやる気が出せないんだって言ってごらん」


 段々とアリスの顔が赤くなりながら私の目から逸らしても、ちゃんと私が指摘した言葉を直して喋る。


「僕は、昏花がいないとやる気が出せないんだ。だから、だから……あーこれ俺様じゃねえ!こんなゲームやめだ!」

「へえ。じゃあ私、ここから逃げて蝕夜を呼んじゃおうかな」

「それは駄目だ!お前は俺様の」


 両手で口を押さえ短時間でやれちゃいそうな気がするな。まあ私は昏斗と過ごしていたから紳士的な言葉は教えられそうだ。最初は駄目でもきっとこの子は成長してくれると信じアリスとゲームをしていった。

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