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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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34僕は孝、私は彼

 澪乃会長は蝕夜が逃げたことが気に食わないようでも、この場所ではアンスローがまだいるため退治を行っていた。澪乃会長のご両親は蝕夜と一緒に消えてしまったことで追うことはできない。

 桃花会長が仰っていた意味。あなたは偽者。後で桃花会長に聞くとして、アンスローを倒していたら僕の匂いで嗅ぎつけたディアヴォロスがバイクに乗ってこっちに来る。


 菊太、来いと呼びペンを起動させバイクが出来上がり、テオスパーティー会場を回る前に確認をとった。


「菊太、運転できる?」

「できるけど、何する気だ?」

「狙いはネオリオ人。つまりだ。僕と甘ちゃんも狙われてる。僕は無限拳銃でディアヴォロスを撃つから菊太は甘ちゃんたちがいるところへ僕を連れてってほしい。できそう?」

「わかった。だけど俺、運転下手だぞ。それでもいいのか?」


 いいよと答え菊太が運転をし僕は菊太に背中を預けて出発し、無限拳銃の色を茶色に変える。少しは大人しくしといてとディアヴォロスに発砲して命中した。

 追ってくるディアヴォロスは土の壁に埋もれしばらくは動けないだろう。だけど僕の匂いは特別だと以前蝕夜から言われたことだからすぐ別のディアヴォロスが追ってくる。それまでになんとか甘ちゃんのところに辿り着ければいい。


 次のディアヴォロスが向かってきて、僕は何度もディアヴォロスに向けて撃っていく。

 

「昏斗、甘露見つけた」

「了解」



 バイクを停止させてもらいバイクから降りて甘ちゃんのところへ行ってみる。


「甘ちゃん」

「昏斗、菊太」

「狙いはネオリオ人だ。甘ちゃんも狙われる可能性が高いから気をつけて」

「ラジャーです」


 甘ちゃんは普通の子供と違っているから大丈夫だろうけど念のためってやつだ。


 ここにいたアンスローを全て倒し、菊太でアンスローがいないか匂いで辿ってもらう。星河会長がどこに昏来と昏未を連れ去ったのか読めない。

 だけどテオスパーティーの会場にいるのは確かだ。二人はどこにいるんだと周囲を見ていたら初めてのタイプであるディアヴォロスが出現する。

 甘ちゃんが初めてみるタイプでも無限拳銃を構えていて、違和感を感じ無限拳銃を下ろさせた。


「無闇に撃つのはやめといた方がいい。ここは僕がやるから甘ちゃんは下がっていて」


 バラの剣を取り出しスライム系のディアヴォロスに近づき、ディアヴォロスを倒そうとしたらシュルッと逃げる。なんだともう一度剣を振るってみたが逃げてしまった。

 一体何がしたかったんだと立ち止まっていたら、スマートウォッチが鳴り誰だろうとみると非通知でも応答する。


「はい、真神です」

『真神昏斗、破神星という人物を調べろ』

 あなたは一体と言いたかったがすぐ切れてしまい、破神星という言葉にはっと思い出す。数年前、前世の僕がネオリオ社にいた時、アステル幹部にいた人物。

 詳細はまだはっきり覚えてないけれど、前世の昏花は破神星と親しかった。


「桃花会長と合流してネオリオ社に移動するよう伝えてくれる?」

「昏斗はどうするの?」

「僕は真の神だから、そう簡単にやられない。菊太、甘ちゃんの援護を頼む」


 ワンッといい返事をしてくれて甘ちゃんたちは桃花会長たちを連れて避難してもらいこのペンダントの意味がようやく理解する。ペンダントを握り甘ちゃんたちが逃げていくのを見届けながら蝕夜に向けて喋った。


「桃花会長たちは避難したよ。兄君、僕は大丈夫だからやってほしい。僕がこの手で星河会長を止めてみせるよ」


 伝えると地震が起き始め空を見上げると星河会長が飛んでいるのが見え、バイクに乗りその方角へ進む。

 あちこちから建物が崩れ始め、それを避けながら走らせていたらワンッとなぜか菊太が見えた。なんで逃げてないんだよと菊太を拾いそのまま進んで行く。


「どうして逃げなかったの?」

「俺は昏斗の相棒だ。どこまでもついていくぜ」

 

 嬉しい言葉言ってくれるじゃんと星河会長が昏来と昏未を連れて行くところまで到着し、一発発砲すると星河会長が落下する。同時に二人も落下しそうになってエンヴィリオンを出現させ昏来と昏未を救出してもらった。

 悪魔化した星河会長は二人を奪われたことで、怒りだし僕を襲い掛かろうとしていざっとバラの剣を振るう。


 一撃じゃ元に戻らない状況までになっているのかと地球が崩壊する勢いの地震がまだ起きている。無限拳銃の全種を撃ったとしても効果は薄い。


 やはりあの装置を起動させなければ星河会長は元に戻らないか。こういう時、昏有兄さんだったらどうしたんだろう。


 星河会長に攻撃を当て菊太は人になり無限拳銃で撃ち始めをしている。みんなは避難できただろうかと攻撃をしていたら昏来と昏未が起きたらしく、僕のエンヴィリオから降りようとしていた。

 それにより僕ではなく二人に向かってしまい、待てと星河会長を止めようとした時のこと。


 二人の前に現れたのは昏希とそして昏有兄さんだった。


「昏希、昏有兄さん!」

「余は昏来兄上と昏未姉上を助けに来たのではない。クレヴィー社会長を倒しに来た」

「こら、昏希。そういうことは言わない。どちらにせよ、星河喰雅はここで消えてもらう」


 昏希は二刀流にし昏有兄さんは鎖鎌を持って星河会長に攻撃し始め、昏来と昏未はやめてと二人を止めようとも水神潤と地神陸が邪魔をする。

 僕はどっちの加担すればいいと迷っていたら、地震が止み昏花がやって来た同時に昏有兄さんの鎖鎌で捕まってしまう。そして昏希が二刀流で星河会長にとどめを刺したのだ。


 いやぁと叫ぶ昏未で昏来は絶望に満ちた表情で地べたに座る。星河会長は刺されたことにより元の姿に戻ったがなぜかバラの花びらへとなっていく。


 その光景に激しい頭痛がしてしゃがみ込み前世の僕がみて来た光景がフラッシュバックのように蘇った。

 昏希の力は昏の希望という力で、昏希が希望する道となる。だからこの瞬間、昏希は昏無姉さんにしたことが許せず星河会長を殺害する方向性で道が進んでいた。

 あの時点で気づくべきだったよ。金星アプロディロで起きたことは昏有兄さんが仕組んだことじゃない。昏希自身が希望した道だ。


「さすがっすね、希望を託された昏希くん」

「昏無姉さんを解放したかっただけ。昏有兄上、余は甘露が心配である。行ってきてもよいか?」

「いいよ。後はやっておく」


 昏希はそう言って行ってしまい、昏花は僕のところへと来た。昏未は星河会長がやられたことによって無鉄砲に攻撃するも地神さんに止められてしまう。


「昏有兄さん、どうして!」

「残念だ。俺はお前たちを助けたにすぎない。なのになぜ睨まれなければならない?」


 昏有兄さんはゾッとするほどの冷たい笑みで僕たちを見ていて、あれが昏有兄さんだったと前世の僕が言っているような感じだ。


「潤、星河喰雅を回収しろ」

「そんなことはさせるかよ!」


 倒れている星河会長を庇おうとしたが地の精霊ニュンフェに邪魔をされてしまい足が動けない。ごめんねと水神潤が星河会長に触れようとしたら菊太が水神潤に噛み付く。


「痛っ。昏斗くんの犬だからって甘やかさないよ」

「菊太!」


 水神潤は菊太を殴り飛ばされくうんと鳴きながら離されてしまった。なんで、なんでこんなことができるんだよと無理でも動こうとしたら、異変を感じたのか水神潤は水の精霊ニュンフェに守られている。

 数秒後、水が消えた時、そこに現れたのは蝕夜の側近であるプルトナスが星河会長を抱えていたのだ。


「ゲスはこちらで回収させていただきます」

「蓮の弟、どうする?昏有」

「ちっ。蓮の弟に触れると厄介だ。今回は引くが、今度はこちらが回収する。覚えとけ」


 プルトナスはにっと笑った後、星河会長を連れ去って行き、昏有兄さんたちも撤収していった。昏来と昏未をほっとくだなんてと二人の近くによりおいでと手を差し伸べる。

 二人は崩れた顔をして喰ちゃんと昏未は言いながら僕に抱きついて泣いてしまう。ディアヴォロスは悪魔だから簡単にやられるとは思わない。

 前のように急所を外していてくれたらいいけど、昏希の思い通りにことが進んでいることが判明した今、生きている保証はない。ただ金神彼岸のように生き返らせることができるのなら復活させている。


 とにかく昏来と昏未をプラネットコード社に連れて、未来を持たせなければこの二人は何もできない。二人揃って昏の未来なのだから。 


「昏花、一つ頼みたいことがある。ディアヴォロスを全員外に出して」

「あれをやるの?」

「うん。だけどネオリオ人はどうなるかわからないけど、やってみようと思う。昏有兄さんと昏希の思惑にはさせない」

「わかった。出来次第連絡するね」


 昏花は早速動いてもらい昏来は僕の隣に来たから昏来も慰め菊太は桜庭課長に連絡をとっているようだった。


 プラネットコード社の本社はさっきの地震の影響で潰れてしまったが、下水道の通路を解除していたことにより、地下にいた捕食人間も無事地上に出られたそうだ。

 本社を失ったこともあるが姉さんがクレヴィー社を奪い取ったことでしばらくはそこで生活となるだろう。


 車が到着し二人を乗せたが、僕はまだやることがあると桜庭課長に報告し行ってもらった。バイクに乗って菊太と一緒に別荘へと向かう。

 建物が壊れてスムーズに走らせることはできなくても、レース感覚でいればこれくらいへっちゃらだ。


 別荘が見え玄関の前でバイクを停止させ展望台へ入ってみるとすでに影神が待っていた。


「坊っちゃん」

「昏花の合図でやる。それで金星アプロディロにあった装置のことなんだけど何かわかった?」

「はい。セリニ・ネアの仕業であることが判明しました。こちらを観てください」


 金星アプロディロの別荘に配置されていた監視カメラの映像で映っていたのはあの仮面を被った誰かの犯行。誰が犯人なのかは特定できないか。


「別荘で同じ仮面が落ちてた。それと関係が?」

「おそらく。引き続き調査致します」

「お願い」

 

 話しているとスマートウォッチが鳴り昏花からで、応答すると準備ができたようだ。案外早いと思っていたが触夜の力でも借りたんだろう。

 影神に七本のバラをもらい血を流して装置に一本ずつ差し込むと光り出す。僕は目を閉じながら手を前に出し、装置に向かって願いを告ぐ。


「真の神に昏の星にて、花の力より群じ流れよ!」


 目を開けるとバラの花びらが空へと舞い流星群のように流れ始めた。全員に行き渡るまでの時間帯は約六時間程度。どうか僕の願いが届きますように。



 始まったと窓を開けて流れているバラ流星群を観察していると、蝕夜が隣に来て一緒に眺める。


「蝕夜、本当にこれでよかったの?」

「うむ。やつがれはネオリオ人に戻りたい。ずっと願っていたことだ。だからやつがれはっ」


 いきなり蝕夜が苦し始め倒れてしまい蝕夜、蝕夜と叫んでいたら完全防具したプルトナスが現れる。プルトナスは蝕夜を連れて行き、私もその後を追った。


 冥王星プルイーナスに戻り私は蝕夜の部屋の前で待つこと数分後、プルトナスが出てくる。


「蝕夜は?」

「今はお休みになられています。昏花様、蝕夜様の代理でお話しするよう申しつけられたことがあるのでこちらに」


 プルトナスについて行き私の部屋で紅茶とお菓子を用意してもらい、プルトナスが話してくれた。


「すでに蝕夜様からお聞きしているかと思いますが、星様の体内にはまだ月日蝕夜がいらっしゃいます。普通の人間に戻りたいと願う星様、ディアヴォロスの帝王としていたいと願う蝕夜様。お二人の命が存在するのです」

「二つの命……」

「その影響で規律を守っていたことが狂い始めた。それがテオスパーティーとテオス舞踏会」


 最初からあったんじゃなくて星が蝕夜を食した原因のことでテオスパーティーとテオス舞踏会が誕生しただなんて誰も思ってはいなかったこと。


「朝の六時から夜の十二時までは星様がお使いになる。十二時から朝の六時までは蝕夜様がお使いになるのです。つまり、夜中パーティーや舞踏会を開催されているのは蝕夜様が起きている時間帯」


 信じられない事実にどう受け止めればいいのかわからない。私が寝ている間に星じゃなくて蝕夜が動いているということは腕についているイニシャルは星じゃなくて、蝕夜に頼まないと消えないってことなの。


「ですがご安心ください。蝕夜様は星様と大の仲良しとお聞きしました。どういう理屈で一体化になってしまったのかはわかりませんが、何か理由があって今回のバラの流星群を拒否したのではないかと拙僧は思っております」

「矛盾しているような気がする」

「そうかもしれません。それでも星様と蝕夜様を信じてもらえないでしょうか?」

「何を信じればいいの?」


 私はこの数ヶ月、星と過ごして来てやっと信じられるようになったけど、こうやって聞くと少し不安が大きい。今すぐにでも昏斗の元に戻りたいと思ってしまう自分がいる。

 プルトナスは遠い目をしながら。プルトナスの思いを聞いた。


「拙僧は星様ではなく、蝕夜様のおかげでこうやって過ごせています。もちろん拙僧はすでに死んでいる。蝕夜様がお亡くなりになれば拙僧も蝕夜様の後を追うでしょう。ただ拙僧はまだ恩ができてない。兄の蓮や蝕夜様、他の皆様が拙僧を支えてくれた。例えどんな道に歩んでいようとも拙僧は生きている喜びを味あわせてくれた皆様に恩返しがしたいから、拙僧は星様と蝕夜様の下についている」


 アプロディティスこと金神蓮が教えてくれたことを思い出す。


〝妾はこれでよかったのか、蘇らせてもらってよかったのか、時にふと考えてしもうてな。彼岸の気持ちを知ったら妾は耐え切れそうにない。ほんまにこれでえぇのかと。ここが苦しゅうくて彼岸が生きていることに喜べへんくなった。どーしよう〟


 蓮さんが私に弱音を吐いた時は驚いたし、プルトナスがこんなことを言ってくれるだなんて録音して送ってあげたかった。いつか兄弟としてまたやり直せると信じたい。

 それには私がそばにいることでプルトナスの命を繋ぐ蝕夜を消さないように考えなければならないってことだよね。重大なことを任されたような気分でもプルトナスには蓮さんや甘ちゃんがいる。失いたくはない命だ。


「わかった。どんなことが起きても私、二人を信じる。プルトナスも死なせない方法を探してみるね」

「拙僧はいいんです。二人の命を助けてください」

「もう、そこは甘えなさい。だって私は真の神である真神家だもん。どんなことでも絶対に救う方法を見つける。三人兄弟で住みたいとかないの?」


 それはと頬を染めてやっぱり兄弟ともう一度やり直したい気持ちはある。そうと決まれば影神と接触できるようになったし早速頼みますかと私は影神にさっき聞いた内容を打っていくことにした。

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