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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
34/78

31僕は方、私は乗

 翌朝、僕たちは地上に着いたらしい桜庭課長と合流するため、ネオリオ社を出て目的地へと向かっていた。昏有兄さんはまたおいでと言われたけれど、昏有兄さんに会えるのはしばらくないだろう。

 昏希は近々甘ちゃんに会いに行くと言ってたからその時はもてなしてあげようと考えている。


 ネオリオ街の南部に到着しこの辺りで待ち合わせだったんだけどな。スマートウォッチで桜庭課長の文面を確かめていたら鈴さんと甘ちゃんが走って来てその向こうには莉耶と桜庭課長がいた。あれ海さんと菊太はと思いきや後ろから菊太が飛びついてきてうつ伏せ状態となる。

 いたたたたと菊太降りてと言うもなかなか降りてはくれず、そりゃあ怒ってますもんね。しばらくうつ伏せ状態になっていると桜庭課長がよしと言うもんだから飼い主が桜庭課長になったのではないかとひんやりした。


 起き上がっていると桜庭課長が目の前に来て、これは怒られると思ったら僕を押さえる海さん。


「てめえいい加減にしろよ!どんだけ心配してたと思ってんだ?あぁ?」

「ごめんなさい、海さん!ていうか痛いですよ!」

「もう勝手な行動したら、首輪つけんぞ!」

「海さん、怖いです。桜庭課長、どうにかしてくださいって……桜庭課長!」


 桜庭課長は僕が今どの状態に陥っているのか見て見ぬふりをして姉さんと鈴哉さんと喋ってる。見捨てられたとショックを受けていたら、莉耶が止めに入ってくれた。


「もうその辺にしてあげてよ。昏斗だって悪気があって勝手に動いたんじゃない。そうだよね、昏斗」

「そうだよ。僕はもうこれ以上命が奪われるのを阻止するために行動した。桜庭課長たちが行けば、ディアヴォロスに目をつけられる。だから今回だけは単独行動をしたんだ!僕の仲間を失いたくないから……」

「だそうですよ、桜庭課長」


 僕が告白したことで桜庭課長がこっちに来てくれて海さんの手を摘み、痛えと叫ぶ海さん。


「今後、単独行動とるならちゃんと報告してほしい。わかったかい?」

「本当にごめんなさい」

「でもよく連れ戻せたことは褒めてあげる。さて帰って報告だ」


 もう少し怒られると覚悟はしていた。これでよかったんだと笑みが出ながら僕らはプラネットコード社へと帰還した。


 帰ってみると男性社員はあれ昏無さんじゃないと言い、女性社員はあれ鈴哉さんじゃないとひそひそと聞こえている。二人は凄い人だったのかと思いつつ、エレベーターに乗って会長室へと向かった。

 桃花会長どんな顔をしてくれるんだろうかと想像しながら到着し、扉を開ける前にいつものパターンが来るか。しかしながらいつものパターンが起きない。

 桜庭課長はそれを察しし第七捜査課、桜庭入りますと扉を開け中へと入ったら誰もいなかったのだ。

 

「桃花会長は?」

「おそらくお部屋だろうね」

「そっか。この時間はあれだもんね。思い出すだけで恐ろしい」


 莉耶がぶるぶると震えていると、もう嫌と部屋から飛び出してきた桃花会長は海さんの後ろに隠れた。桃花会長のお部屋から出て来たのはふじさんで、指示棒を持っている。


「あなたたちこの時間帯は……。鈴哉、昏無、無事だったのね」


 姉さんと鈴哉さんを見つけてほっこりな笑みを浮かべるが、すぐいつものふじさんに戻り、海さんの後ろにいた桃花会長を捕まえる。


「後十分ぐらいで終わりますので、しばらくお待ちください。桃花会長、お勉強の続きしなければ星音のグッズ燃やします」

「それは嫌です、ふじ」

「なら戻りましょう」


 プーッと頬を膨らませる桃花会長はお部屋へと戻って行き、相変わらずだなと鈴哉さんが呟いた。

 十分後、桃花会長は疲れ切ってしまったような顔つきで会長の椅子に座りご報告をお願いしますと言われる。僕が助けに行ったから、僕がと前に出ようとしたら姉さんと鈴哉さんが前に出て報告をしていく。


 姉さんはテオスパーティーに出席後、星河会長に買われても僕たちのことが心配でずっと本家にいたらしい。ずっと引きこもっていたこともあって、星河会長に子供を授けてやろうと言われたが拒否。その時点で本当は鈴哉さんの子供を授かっていたからだそうだ。

 だがそれを知った星河会長は流産させるよう仕向け、一度は鈴哉さんの子が流産してしまった。しかし鈴哉さんがクレヴィー社に入り、出会えたことでこっそりと一晩寝たのがきっかけで流彗くんの命を授かったそうだ。


 よく見つからずできたもんだと聞いていたら、今度は星音について鈴哉さんが報告をする。


 鈴哉さんは星河会長と星音の護衛、つまりSPとして動いている時に、星河会長の秘密を知ったらしい。星河会長の目的はネオリオ人も食せる時代にするため実験を行っていた。そしてついにワクチンが出来上がり今後はネオリオ人も襲われる可能性が大きくなる。

 もしかしたら星音を流彗の誕生日パーティーに使われるんじゃないかと予想している鈴哉さん。しかしながら僕が助けてしまったことで振り出しに戻ってしまったらしい。


「そんなことは絶対にさせません!星音ちゃんはみんなの憧れ!絶対に阻止してください!」

「すーさん助けに行こう!星音ちゃんがいなくなるの嫌だよ」

「そうだね。だけど、どうやって行く?僕たちは流彗くんの誕生日パーティーには呼ばれてはいない」

「それなら僕と昏無に任せてくれるか?昏斗はそのままパーティーに出席するようメールが来るはずだから」


 そうなのときょとんとしていたらメールが届き、星河会長からだった。


 昨日はまんまとやられたが、流彗が昏斗に会いたがっている。今はこのことを伏せておきたいから、昏無と鈴哉も同行させろ。来なかったらお前を食するからな。

 

 僕を食させないためにも行くしかないけど、何かが引っかかる。そしたら桃花会長の机にある電話器が鳴りふじさんが出た。


「なんですって!?……わかりました。私が取りに伺います」


 受話器を元の場所に戻したふじさんは眼鏡をあげて、僕らに告げた言葉。


「本社在勤の皆様にテオスパーティーの衣装が届いたそうです。しかも私とそして桃花会長も含まれている」


 嘘でしょと僕たちは真っ先に一階へと降りて、ロビーへと行ってみると山積みのように箱が積み重ねてあったのだ。

 しかも手紙には拒否は絶対に許さないと書かれてある。こういうことができるのは触夜しかいない。ここは兄さんの力を貸してもらうか、いや兄さんだって違う仕事があるから無理に連絡はできない。


「宣戦布告をしているようだね」

「おい、この日って流彗の誕生日と一緒じゃねえか?どうすんだよ」


 そう言えば僕の衣装だけは届いていないことがわかり、違う箱で僕のを見つけた。誕生日パーティーで着るスーツか。姉さんと鈴哉さんのはない。


「姉さん、どう思う?」

「きっと流彗の誕生日に邪魔が入らないようにするためじゃないかしら。だけど不思議なのが桃花ちゃんが呼ばれた理由が気になるわね」

「プラネットコード社を潰そうと考えていたのは確かだ。それとも桃花ちゃんが子供でしかも会長を務めているとわかれば潰しやすくなる。子供の一番嫌なやり方で攻めてくるかもしれない」


 姉さんと鈴哉さんの言う通り、狙いが桃花会長であればなんとかしないとプラネットコード社が崩壊する。それにまだ僕はプラネットコード社の秘密を探れていない状況だ。

 なんとか星河会長を説得するしかなさそうだし、テオスパーティーと同日。場所が離れていれば助けには行けないし、近くの場所にあったとしても流彗くんが危険になる恐れがある。どういう策で全員を救えるか考えなければならない。


「これは一題の異例だけど、僕たちは神パーティーに出席するしかなさそうだ。それに強制となれば何か意味があるはず」

「ちっ仕方ねえな。昏斗、そっちは頼むな」

「昏斗、私たちがいなくても平気だよね?」

「もちろん。それにいい助っ人がそろそろ来るはずだよ」


 喋っていたらひたるの声が聞こえて、鈴哉さんに飛びつくひたる。後から美汐もやって来た。


「昏斗から聞いて」

「ごめん。ひたる。もうひたるからいなくならない。約束する」

「本当に?」


 もちろんと答える鈴哉さんでひたるはとても嬉しそうだ。美汐は機嫌悪そうな顔をしていて、なぜか美汐が僕の腕を掴む。みんなからやや離れた場所で言われた。


「流彗の誕生日にやばいことが起きるって元上司から言われた。そこで犠牲者が多く出る」

「どうして僕だけに?」

「勘違いしないでよ。あたしは昏斗の役に立ちたいからじゃないんだからね。真実を突き止めてもらいたいだけ。そうだ、琥珀さんと真珠さんから伝言。ネオリオ人も被害が及ぶことになるから昏斗の兄には伝えといたほうがいいってさ」

「わかった。ん?てことは琥珀さんと真珠さんってディアヴォロスなの?」

「触夜様の知り合いってことだけしか聞いたことがないからいまいちわかんない。それであたしは昏斗と行動してくれって水木支部長から言われたからよろ」


 そういうことか。詳細はまだはっきりしていないけど、触夜の知り合いなら警戒はしておいたほうがいい。そう思って僕はロビーで話しているみんなを置いて自室へと戻り昏有兄さんに手紙を書いていく。


 昏有兄さん、九月十日に何かが起きる。ネオリオ人も被害が及ぶから気をつけてほしい。


 こんな短い文面でもいいかと封筒に手紙を入れて速達で送ってもらうことにした。後は流彗くんの誕生日パーティーの会場となる設計図とかあればいいな。

 第七捜査課室へと入り自分のデスクでカタカタと調べ物をしていたら、莉耶が入ってきた。


「昏斗、ちょっといい?」

「どうかした?」

「これなんだけど、どう思う?」


 見せてくれたのはテオスパーティーの招待状でいつも通りの文面でも何かが変だ。


「招待状、濡らしても平気?」

「平気」


 桶に水を入れ濡らしてみると、文字が切り替わってこういう文面が現れた。


 國月莉耶殿、テオスパーティーには参加するでない。例え強制であっても絶対に来るな。昏斗兄様が悲しむ顔なんて見たくはないから。頼む。KのR。


 KのRって昏来のことか。だがあの場面では僕を敵視していたのは確かだ。どういうことだと悩んでいたら全員が入って来て美汐だけがびっくりしていて汚なと言っている。


「送り主はなんとなくわかるけど、莉耶はどうしたい?」

「私は参加する。多くの人たちを助けたいから。昏斗、いいよね?」

「だけど無茶だけはしないでよ。それに今までとは違ってテオスパーティーは違ったやり方でやってくるかもしれないから」

「わかった。気をつけてみる。もし昏斗の弟妹たちにあったらどうすればいい?」

「昏来と昏未と会ってしまったら、できるだけ距離を離してもらいたい」


 了解と返事が来てそこからはテオスパーティーがどの形式で来るかみんなで方法を考えて行った。


 お姉ちゃんと鈴哉さんがプラネットコード社に戻ったことで、星河会長はあることを早めに進めているらしい。そこまでは教えてくれなかったけど、触夜はこのままでいいのかなと書斎にいる蝕夜にお茶を持って行った。


「何を調べてるの?」

「ちょっとしたものを調べている。昏花、バイクに乗ったことはある?」

「私はないけど昏斗がバイクに乗ってるところは見たことあるよ」

「ふむ。そうか。なら昏花、バイクでどっか出かけようか」


 気晴らしになるならついていくけど、なんだろうこの感覚。いつもと味わった感じがなくて、何かが起きようとしているような気がする。

 蝕夜は本を棚に戻し書斎を出て行き私はその後をついていく。玄関を出るとバイクがすでに用意してあって私にヘルメットを貸してくれた。


「蝕夜はいいの?」

やつがれは使わない。さぁ、乗って」


 ヘルメットをつけて蝕夜の後ろに乗り、バイクが走る。なんて心地いいんだろうと飛ばされないように、蝕夜にしがみ掴みながら景色を見た。

 昏斗はこんな景色を見ていたんだねと見ていると、場所がいきなり切り替わって地球オルモフィーケに着いている。本当に蝕夜ってワープの力があるからいいよね。


 だけど相変わらずの景色に心を痛めながら進んで行くと、ここはとレース会場らしい場所に到着した。そこでバイクを止め降りる。


「ここは?」

「今回行われる、テオスパーティー。そこで最悪な事態が起きる」

「え?」

「琥珀と真珠からの話では流彗の誕生日に地球オルモフィーケの捕食人間が全員死亡し、標的をネオリオ人に変える計画が実行される。だからやつがれは今回、プラネットコード本社在勤の皆を招待した」


 ちょっと待ってと蝕夜の顔をみるととても悲しい瞳をしていて、じゃあ他の捕食人間は亡くなってしまうってことなの。このことを昏斗に伝えなくちゃ。


「他の者は野良のディアヴォロスに食される。本当は全員救う方向性で考えていたが、ゲスはもうすでに悪魔化とし始めやつがれの言うことを全然聞かなくなった。やつがれはどうすればよかったのだろうか」

「地下にいる人たちを地上に出すことはできないの?」

「できぬまい。ここはゲスが管理させていることで、やつがれは手が出せぬ状態になっている。例えディアヴォロスの帝王と呼ばれていても、全てのプラネットを守ることは不可能だからやつがれが決めた者に任せているのだ」


 ゲスは星河会長。まさか流彗くんの誕生日同日にやるだなんて信じられない。流彗くんがこのことを知ったらどんな気持ちになるのだろう。

 ここで昏有お兄ちゃんの力を借りたとしても、全員を救えるかは正直言うとない。だけどこのことは昏有お兄ちゃんに伝えといた方がいいと判断する。


「蝕夜、捕食人間を救えるかはわからないけど、お兄ちゃんの力を借りるのはどうかな?昏有お兄ちゃんならなんとかしてくれるはずだもん」

「昏花がそういうのならネオリオ社に行ってみるとしようか。やつがれはゲスを止めたい」

「じゃあ連れてって。昏有お兄ちゃんのところに」


 どんな結末があったとしても、蝕夜の力を借りてネオリオ社へ向かうことにした。

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