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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
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29僕は惑、私は姉

 眩しい光に目を細めここは一体どこなんだと周囲を確認すると、廃墟のビルらしく目の前にあるソファーに座りながら男女がゲーム機を使って遊んでいる。僕が寝ていたのは大きな鳥が住んでいたような鳥の巣で、拘束はされていないけれどここから出たら何かが起動する仕組み。

 しかも男は僕をここへと連れて来たであろう人で、全然僕が起きていることに気づいていない。無限拳銃もスマートウォッチも奪われてしまっているし連絡が取れない。しかし触夜がくれたペンダントは没収されていないから、ピンチの時は最悪これを使おう。

 

 何か投げるものがあればいいんだけどなと鳥の巣をみると枕があって、それを投げてみたがバウンドし戻って来てしまい、僕の顔面に当たる。隠しの壁があるのかと今度は叫んでいるも全然気づいてくれない。そうなると防音室的な部屋なのかなと思いきや気づいたらしく僕のほうをみる男女。


「起きた。心、呼んできて」


 女の方はゲーム機を置いてこのフロアから出て行き、僕を連れてきた烏人間は何もないはずなのに手を翳して認証させている。


「これでよしっと。気分はどう?」

「僕をどうする気だ」

「それは心次第。昏の星は貴重な存在。だから殺すことはできないけど、ある物を月日触夜から受け取っているはずだ。それを渡してくれればすぐ返してくれると思う」


 ある物ってこれのことかと一瞬ペンダントを握るもそうじゃないような気がして思考を膨らませると新城心が登場した。

なご奴らが来る前に話しておくから下見張ってろ」


 ラジャーと敬礼して烏の姿となり窓から出ていく、和という男。


「んじゃ昏斗を救出しようとする三社が来る前に、和から聞いていると思うがスコヤディを渡してもらおうか?」


 スコヤディは影神に渡してあるし、そう簡単には渡さないよう厳重に保管してもらっている。なぜ僕が持っていると情報が漏れた。やはり僕の仲間に裏切り者が存在する。


「黙秘しているということはどこかにあるんだな。どこだ?吐け」

「君たちなら僕の行動は読んでるはずだ。僕はもう持っていない。なぜこんなことをしようとする?」

「……まだ覚醒はしていないってことか。それか悪魔たちがそうさせないようにしているかだな」

「何を言ってっ」


 体に力が入らず倒れてしまい、なんで体が言うことを聞かないんだ。


「そのペンダントを外せ」

「いやっだ」

「いいから外せ、馬鹿!」


 新城心が入ってきて触夜がくれたペンダントを奪われてしまい、猛烈に眠気が襲いかかって目を閉じた。



 昏斗、起きて、昏斗!


 昏花の声にはっと起き上がり今のは一体と考えていると、水を差し出してくれる女がいてそれをいただく。意外と美味しいと飲み干した。


「大丈夫ー?」

「……平気。君は?」

「昏花と昏来に昏未を排除しようとしている桑桐恵くわぎりめぐみでーす。よろしくね、昏の星」

「僕は昏斗なんだけど」

「でも昏の星に例えてそういう名になったって聞いてるよ」


 なんだこのふんわかした子はとフリーズしていたら、和がトレーニ食事を持ってきて僕の膝に乗せる。


「これ食べてって心が言ってた。食わなければまた突いていいって言ってた」

「えっと和だっけ?」

烏深和からすみなご。早く食べて。食べ終わったら移動する」


 そう簡単には逃してはくれないようだと烏み深和が作ったらしい料理を頬張り、全て完食して手錠がかかった。僕は逃げないってばと思いつつも立ち上がって移動をする。

 階段を降りきり外に出ると地球オルモフィーケにしか現れないアンスローが多く出現していた。アンスローは人型のディアヴォロスで凶器は鋭い爪。


「ふうん。これはクレヴィー社が先手だったか。和、先に心さんと先に行ってて。あっしはディアヴォロス倒してから行くから」

「気をつけなよ。おそらくあの双子がこの付近にいる」


 了解と桑桐恵は無限拳銃を二丁取り出して打ち始めをし始め、僕は烏深和についていく。車にはすでに新城心が運転席に座っており、僕を後部座席に座らせ和は助手席に座って出発した。


「恵は?」

「アンスローが現れた」

「アンスローか。となればクレヴィー社が先か。まあどの道、昏斗は誰にも渡すかよ」


 スピードを上げていき目的地へと向かっていると正面からアンスローが出現する。


「和」

「御意」


 烏深和は烏となって飛んでいき上から攻撃をして、アンスローが次々と爆発し煙で何も見えなくなっても新城心は余裕で煙から脱出した。こんな簡単に倒せるとは思わなくて、いつの間にか戻ってきている烏深和。


「状況は?」

「見た感じ、当たった。恵が足止めしているからこっちには来れない」

「さすがは恵だな。今頃、あっちでは昏斗が奪われたことで慌てているだろ」


 どういう状況なのか全然わからずに目的地へと向かった。


 到着した先はまたまた廃墟のビルで階段を登り七階のフロアに入り、見通しがしやすい部屋へと入る。なんもない場所かと思えば誰かが住み着いているような家具が設置されていた。

 僕をソファーに座らせ和は再び烏となり窓から出て行ってしまって、新城心と二人きりとなる。


「心、そろそろペンダント返してもらえるかな……」

「俺が話し終えるまではお預けだ。そうじゃなきゃこいつ、昏斗を殺す。いいか?月日触夜はディアヴォロスの帝王、つまり悪魔の帝王」

「わかってる。だけど触夜はいい奴だ。話し合えばきっと分かり合える」

「綺麗事言ってくれるな。触夜を信じ続けると確実に死ぬ。昏斗が今抱え込んでいるのはこうだ」


 一枚の書類を渡されて僕は目を通してみるとなんでと度肝を抜かれるぐらいだ。


 昏斗の抱える事柄

 其の一、プラネットコード社の秘密

 其の二、星河喰雅の本来の目的について

 其の三、真神家がなぜ散らばってしまった理由

 其の四、月日触夜の本来の目的について

 其の五、リコーフォスの行方

 其の六、星河星音の正体

 其の七、新星ノヴァセリニにあるセリニ・ネアの目的


「どうして僕が自力で調査をしていることを心は知ってるの?」

「教えることはできない。まあ俺たちの仲間になれば話してやることもないが、其の七については教えてやる。俺たちがやろうとしているのは悪魔を壊滅するわけではない。今現在起きていることを止める組織と言えばいいんだろう。そこは昏斗が決めて構わない」

「矛盾してる。だって桑桐恵は僕の兄弟を始末しようと動いているって聞いた」

「だから言ってるだろ?昏斗が見極めろ。俺たちの仲間が何をしているのかをな。そのためにはまず最初にスコヤディの石が必要になる」


 嘘を吐いているような感じではないし、新城心を信じていいのかもまだ正直言うとない。だけど僕が自力で調べていることを見抜かれたとなれば、僕の真神家のように特殊な家柄なのだろう。

 結論から言えば新城心はまだ僕に隠していることがあるが、ここで聞いたとして僕の行動は変わらないような気がする。


「まだ僕は心を信じられない。だからスコヤディも渡せない」

「そうか。まあ想定内だから別にいい。だが組織の上官たちは黙っていないから、用心しておけ。これから先、ディアヴォロスの他にも、敵が現れることをな」

「なぜそこまでして僕に教えてくれる?敵同士だというのになんで?」

「前世のお前に聞いてみろ。それが鍵となりお前を導いてくれるだろう。俺の前世がやったように、俺も俺の意志で動いているからな」


 アンゲロスを呼び出すために動いているような感じではないけれど油断はできない。

 すると和が帰って来て烏のまま、新城心に報告をする。


「恵がいる方角の反対方面にネオリオ社の車がこっちに向かい始めてる」

「意外と早かったな。もう少し話しておきたいことがあったが、俺たちは一度引き下がった方がいいな。手錠を外してやれ」


 烏深和が僕についている手錠を外してくれて僕の私物とそれから名刺をくれた。


「答えが出たら連絡しろ。迎えに行く」


 その言葉を残して新城心は烏深和を連れて廃墟ビルを後にし、僕が抱えている調査のことは伏せていることだし燃やしておこう。僕は確かめておきたいことがあり、廃墟ビルを出て真っ先にクレヴィー社へと向かった。


 クレヴィー社に向かっている最中に、スマートウォッチが鳴りちらっとみると桜庭課長からの連絡で応答する。


『やっと繋がった!今どこいるんだい!」

「すみません、桜庭課長。僕は今、地上にいます」

『通りで見つからないわけだ。とにかく下水道を解除するから今すぐ帰って来なさい!』

「……無理です、桜庭課長。僕は真実を突き止める真神家。ここで引き下がるわけにはいかない」


 待ちなさいという桜庭課長の声が聞こえるもブチッと切ってしまいシャットダウンしてクレヴィー社に到着する。ここが本社のクレヴィー社。ここで真実がわかってしまったら僕はきっと星河会長を殺してしまうかもしれない。

 単独行動で地上に出て来た理由はただ一つ。僕は地球オルモフィーケに到着したらまず最初に姉さんを救出すると決めていた。流彗くんが悲しんでしまっても、姉さんは真神家にまだ必要だからだ。


 深呼吸をして僕は堂々とクレヴィー社へと入り、侵入者だと言われても僕は迷わず撃ちながら中へと入る。麻酔弾だから問題はないと撃っていくと、早速そこには鈴哉さんが待ち構えていた。


「やはり、昏斗はネオリオ社の一員なのか!」

「姉さんはここにいるんだよね?だったら僕が来た理由、わかってるはずだよ、鈴哉さん!」


 事前に作っておいたバラの剣で鈴哉さんに当ててみるも、うまくいかないのは承知していた。最初に星河会長と会食した時の姉さんは美汐だったって張本人が教えてくれた内容だ。

 姉さんは今も尚、本社のクレヴィー社にいると思うって言ってた。鈴哉さんに勝てなくても姉さんがいるのかを確かめておきたい。


 僕はもう二回血を垂らして弓に変換をさせエンヴィリオを作り、鈴哉さんの相手をしてもらっている間に違う通路を走る。姉さんはどこにいると現れるクレヴィー社員を眠らせながら動くと歌声が聞こえた。

 この歌声はと聴こえる方角へ進んで建物から出てみたら、円形状の平家がポツンとある。窓には縦面格子がつけられており、扉には暗証番号と網膜認証に手の認証が必要らしい。

 ここに姉さんがいるのかと少し窓が開いていて部屋を覗いてみると、違う窓から景色を眺めている姉さんがいた。


「姉さん!」


 僕は思わず叫んでしまい、姉さんがこちらを向き、最初は驚いていたけれど、こっちの窓に来てくれる。姉さんは手を伸ばし僕の頬に触れ、僕は姉さんの手を握った。


「姉さん、迎えに来たよ。遅くなってごめん」

「昏斗、会いに来てくれたのは嬉しい。だけど今すぐここから離れなさい」

「嫌だ。僕は姉さんを取り返す」

「駄目。私が逃げれば昏来と昏未が暴走するの。だから早く行って!」


 アンスローが複数現れ囲まれてしまい、せっかく会えたのにまた離れ離れになるのはごめんだ。そこに星河会長が現れてしまう。


「昏無、窓を閉めなさい。それとも窓をなくした方がいいか?」

「……すぐ閉めます、喰雅様」


 姉さんは微笑しながら会いに来てくれてありがとうと僕に伝えて窓を閉めてしまい後一歩だった。


「姉さんを閉じ込めている理由を教えてもらいたい。流彗くんはこれを知っているの?」

「流彗は幼稚園から大学まである一貫校の寮に住んでいる。親と会えるのは行事がある時だけだ」

「それでも姉さんの夫かよ!」

「私のやり方だ。あの香りは貴重だからな」


 ここに流彗くんがいなくてよかったよとバラの剣と無限拳銃を構える。


「星河会長、何があってもあなたを絶対に許さない。流彗くんには申し訳ないけど、姉さんは返してもらう!」


 二発星河会長に向けて発砲し、そのまま向かってバラの剣で星河会長をやろうとした時のことだった。


「昏斗兄様、なぜわかってあげようとしないんですか?」

「喰ちゃんを殺そうとするお兄様大っ嫌い。殺してあげる」


 昏来と昏未がここで登場するとは思わなかったけど、さっき桑桐恵の相手をしていたのはこの二人。だから簡単に入れたけど、戻って来るのが早かったな。

 ここであの力を解放しても無意味なのはわかっている。けれど姉さんを取り返すために僕はここまでやって来たとも言えるし姉さんがプラネットコード社に入れば有利な情報が手に入りそうだ。


 昏来と昏未をどうするかは決めてはいないけれど、姉さんを救出してから考える。今はこう答えるのがベストだ。


「そうした方が昏来と昏未に会えると思ったからだよ。今まで星河会長から辛い教育を受けて来た。なぜ星河会長を庇おうとする?」

「吾輩たちの気持ちもわからないくせに何様?昏斗兄様は最近まで吾輩たちのことわかってなかったくせに説教はやめてくんない?」

「お兄様には関係ない。私めたちがどれだけ助けを求めていたのにも関わらずお兄様やお姉様、それから昏希は私目たちを助けようとはしなかった!酷いよっ酷いよ!」


 二人が攻めて来ても、僕は一歩も動かずに二人の攻撃を受け止めようとした時のことだった。やっぱり来てくれた。



 サイレンが鳴り私は真っ先に侵入者が向かったらしい場所へと急いでいたら、鈴哉さんがエンヴィリオと戦っていた。もしかしてと私は心当たりの場所へ行ってみるとそこに昏斗がいて、昏斗を襲い掛かろうとしている昏来と昏未がいたから私は昏斗の盾となる。


「昏花、やっぱり来てくれるって信じてたよ」

「ごめん。お姉ちゃんが閉じ込められてるって言えなかった」

「いいよ。さっきちょこっと話せたから」

「私が食い止めてる。お姉ちゃんを逃してあげて」

「ありがとう、昏花」


 昏斗はお姉ちゃんを救出しに行ってもらい、さてと私も本気を出さなくちゃねと一本のバラに五滴垂らして薙刀を出す。


「覚悟はいい?昏来、昏未」


 星河会長はどうしてか昏斗に手を出さずにいるのが不審でも、昏斗に飛びかかろうとする二人を止めていく。どうやって壊すかは昏斗次第だけど、星河会長の目的はお姉ちゃんじゃなく星音ちゃんだってお姉ちゃんが教えてくれた。

 だからお姉ちゃんはずっと星河会長の妻として星音ちゃんを見守って来てたらしいけど、ある時お姉ちゃんは星音ちゃんを逃がそうとした時に見つかって閉じ込められている。


 とにかくお姉ちゃんを一度助ければいい戦力になるんじゃないかと思って私は昏斗に加担した。どんな罰が待ち受けていようとも、お姉ちゃんは優秀な戦士だってことを証明させるんだから。

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