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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
29/78

27僕は帰、私は言

 金星アプロディロは今まで通りとなってしまい、捕食人間を地上に出せなくなってしまった。ただクレヴィー社がなくなったことで何かが変わると信じている。そこは宝郷支部長が金星アプロディロを管理し、そして金神蓮も協力し合ってくれるから心配は無用だろう。

 荷造りをして僕と菊太は準備を終えて快適な暮らしだったなと思ってしまったが、僕はやっぱりセウスジアに住んでいたこともあり木が多い場所がいいと感じてしまった。


 玄関を出て第七捜査課室に入るとそこに銅和さんと金神蓮が訪れており、甘ちゃんは嬉しそうにしている。甘ちゃんの故郷にいつでも帰れるから、帰りたいと言った時は桜庭課長が付き添うことが決まった。


「蓮お兄ちゃん、パパのことよろしくお願いします」

「ちゃんと桜庭はんのこと聞くさかい。えぇな」

「うん!パパとこうやって会えて嬉しかった。毎日連絡する!あっ昏斗パパが話したいことがあるって」


 すっかり今まで通りの甘ちゃんに戻ってよかったと銅和さんと最後にミーティング室で話し合う。


「甘露を助けていただきありがとうございます」

「いえ、助けたのは僕の弟なんで。それでお話というのは?」

「おらぁが研究してたことを甘露から聞いてることなんだがな」

「リコーフォスを生み出す研究が違う花になってしまったと甘露から多少お聞きしています」

「おらぁが生み出したのは夾竹桃キョウチクトウに近い花が生まれたんです」


 夾竹桃の花言葉は危険な恋、用心、危険という言葉がある。一見は美しそうに見えても、毒を持つ花だから花屋には不適な花だから僕は仕入れていなかった。


「その花はなんと?」

「おらぁが生み出した花なんで、まだ名はつけてねえが毒を持ったりはしてねえ。だけどディアヴォロスのネズミで研究してたところ、普通のネズミになっていることがわかってな。もしかしたらその花をもう少し研究すれば普通の人間になるんじゃねえかって思った」

「なるほどそれには莫大な額が必要になる」

「金には困ってねえんだが、一つ昏斗さんに頼みてえことがあるんだ。昏斗さんの血を採取させてもらいたい。真神家はバラの棘で武器ができ、そして人を元に戻せたり違う人種にできるだろう?だから昏斗さんの血があればワクチンができるかもしれねえ」


 それは一理あるかもしれ例え装置が壊されようともワクチンができれば、僕の血で解決できる。


「お願いします」


 早速採血をし研究してもらうことになって、僕がバラの剣で全員元に戻せたらいいのだがとても時間はかかりそうだ。それにまだ誰が犯人なのか分かってはいない。それも突き止めなければならないけれどすでに金星アプロディロを離れてると判断している。だから僕はしばらく各プラネットにある別荘で住もうか検討中だ。

 ありがとさんと僕の血を受け取った銅和さんは金神蓮と帰られ、僕たちは本部に帰ることにした。


 桜庭課長たちはまだ疲れが取れなかったのか電車で寝てしまい、莉耶も僕の肩を使いながら寝ている。二つのプラネットを訪れ、どちらの世界も素敵な場所だった。

 本来ならば敵である月日蝕夜と出会い、そして僕の夢は叶ったとも言えるだろう。昏花と会えそれぞれの道を歩み始めているが、結論から言うと昏花は蝕夜にまんまと騙されている。

 蝕夜と接触するたびに僕は気づいていたことがあった。蝕夜の瞳に映る影。それがディアヴォロスの帝王であり僕をせせ笑っているような感覚。


 本物の蝕夜はそれに気づいていながら、ディアヴォロスの帝王として動いているのかは今のところ断定はできない。だがいずれ僕たちの目の前に現れるのは確かなこと。それまでになんとしてでも各プラネットにいるディアヴォロス、ネオリオ人、捕食人間を元に戻さなければ平和は訪れない。

 それにセリニ・ネアが何で動いているのかも調査しておこう。地球が見え始め僕は莉耶を起こし、菊太は桜庭課長たちを起こしていく。


 地下の入り口と入って電車から降り、地下に入るとここで暮らしている捕食人間たちがお帰りなさいと言ってくれた。僕はただいまと一人一人言いながら本社を目指す。


 本社へと入りまずは荷物を置きに自分の部屋に入って荷物を置き、第七捜査課室へと入った。埃まみれだとケホケホしながら掃除したくても、まずは報告しに向かう。


「報告したら最初は掃除だね」

「あんなに埃まみれになるのはどうして?支社の方が立派なような気がするんだけど」

「それはしょうがないよ。だってここは地下にあるからそんなに多額な建物は建てられない。我慢して」


 やはり調査のためしばらくは地上にいた方がマシかもとエレベーターに乗り、桜庭課長がカードを差し込み会長室の番号をいれ動いた。

 桃花会長元気かなと最上階につき降りてみると、桜庭課長がストップをかける。


 もしやと思い扉から離れるとドンッドンッという音がし始め、扉が開くとぬいぐるみが大量に出て来たのだ。そこに紛れている桃花会長で、ふじさんに怒られ数分後、元通りになり桜庭課長が報告をする。


 水星ヘルスミエで起きたことと金星アプロディロで起きたことを全て報告し、桃花会長はそうですかとお気に入りのぬいぐるみを置く。


「糸と芽樹の報告からも受けています。セリニ・ネアが動き出しているというのはこちらでも把握はしておりました。狙いはおそらく、星音ちゃんであることは間違いないとこちらでは認識しています」

「桃花会長、一ついいですか?」

「なんでしょう、昏斗」

「前世の記憶からにしての憶測なのですが、星音はセリニ・ネアとの関わりはなかった。強いていうなら僕の家族、真神家が動き出したから、セリニ・ネアも動き出したと考えるのが良いかと」

「そうですか。セリニ・ネアという組織はどんな組織?」


 僕は組織について調べようとしても調べられなかった。情報源が少なく、新星ノヴァセリニの情報もあまり入手できないようになっているプラネット。僕が言える範囲と言ったら影神が入手できた情報だけは伝えておくべきかもしれない。


「あまり情報は少ないのですが、これだけは言えます。セリニ・ネアは堕天使であるアゲンロスを呼ぶために準備をしているのではないかと」


 アゲンロスとみんなが言葉を合わせ反応し捕食人間のみんなもその言い伝えは知っていたんだ。


 約百五十年前、まだ各プラネットに行けるよう人間が研究を重ねていた頃に、研究員の一人が堕天使であるアゲンロスと契約を交わしたことで、世界中全ての人間が宇宙に耐えられることができた。

 しかしそれはアゲンロスの目的であり人間が散らばったことで、ディアヴォロスやエクリプス人を生み出したと言い伝えがある。


「アゲンロスが再び現れたらどうなるのでしょうか?」

「わかりません。ですがセリニ・ネアがそれを目的として動いているのであれば厄介なことが起きる。ディアヴォロスは一度真神家と和平を結んだことは、はっきりと覚えているディアヴォロスが複数、水星ヘルスミエで対面してきた。もしディアヴォロスを消滅させ、新たなディアヴォロスが現れるようになったらネオリオ人も捕食人間も全滅に陥るかもしれない。そこで僕が考えたのはディアヴォロスと地下にいる捕食人間、それからネオリオ人と協力し合い立ち向かい、セリニ・ネアに挑むのがベストなんじゃないかって気がします」


 桃花会長は少し考えこう発言をされる。


「立ち向かう前に残りのプラネットを元に戻す必要があると思います。その件については第七捜査課に任せてもよろしいですか?」

「はい」

「では第七捜査課にその調査をお願い致します。ですが何かあれば、すぐ私に連絡をお願い致します。いいですね?昴、海、莉耶、甘露、菊太、昏斗」


 はいっと一斉に答え休暇を取ってから行くようにと指示が出され、桜庭課長は甘ちゃんと一緒に出かけてしまい、海さんはしばらく寝ると部屋に戻った。


「莉耶、一つ聞きたいんだ」

「どうかしたの?」

「地球オルモフィーケの地上って行けたりするの?」

「それはその……」


 莉耶が半笑いしながら僕から目を離し何かがあるんだと感じとる。大丈夫だからと告げてみると莉耶は申し訳なさそうに言ってくれた。


 

「実は地上に行ける通路を閉鎖してる。今っていうか今もそうなんだけどネオリオ社とクレヴィー社が戦争を起こしてるの。よくわからないけど、桃花会長曰く昏斗のお姉さんとそれから妹と弟を取り戻すための戦争なんじゃないかって」

「なるほど、言われてみれば兄さん、前世の僕たちに愛情を注いでくれてた。全員が揃わないと気が済まないような兄さんなんだよ」

「へえ。なんか意外。まあでもお兄ちゃんも負けてないかも。昔は私にベタ惚れでお母さんに叱られてたの覚えてるもん」


 鈴哉さんがと驚いていると本当だよと莉耶が思い出し笑いして、僕もつい想像ができない鈴哉さんを想像してしまい笑ってしまう。


 莉耶も久々の休暇で体を休めたいからと莉耶も部屋へと行ってしまい、菊太は相変わらず人事活動をするらしく行っちゃった。部屋にいてもなんかなと思っていたら、角杭さんからご連絡をいただきご自宅に招いてくれるそうだ。

 なんも手土産ないとどうしようかと考えた挙句、僕は金星アプロディロの花屋でブルーベリーの瓶詰めを買っていた。まだ日にちもあるし、これをあげようと簡単にリボンをつけ角杭さんのご自宅に訪問する。


 プラネットコード社から出てすぐのご自宅と言ってたけど、どこだろうと家を探していると角杭さんご夫婦が出迎えてくれた。


「妻を助けていただきありがとうございます」

「あの時は本当にありがとう。昏花ちゃんにもお礼が言いたかったのだけれどしょうがないわよね」

「人を助けたことで昏花は喜んでると思います。あの心ばかりなものですが受け取ってください」

「まあブルーベリー。私も夫も大好物なの。さあ食事にしましょう」


 僕だけ呼ばれた理由も聞かせてくれるんだろうと思いつつお邪魔しますと言いながら、角杭さんのご自宅へと入る。美味しそうな料理がたくさんテーブルにのっており、お腹が鳴ってしまって恥ずかしいとお腹を押さえる。

 角杭ご夫婦に笑われながら食べましょうと席に座って、いただくことにした。


 角杭さんが帰られた後の話や金星アプロディロで起きたことを打ち明け、それともう一つ僕はつい喋ってしまう。


「先ほど莉耶に教えてもらったことなんですが、ネオリオ社とクレヴィー社が長年と戦争を起こしていると。会長のお言葉では僕の兄弟を取り戻そうと兄がずっとクレヴィー社に挑んでいるのではないかと言っていたんです。そのせいで地上の通路を封鎖したと」

「それはお聞きしたことがあります。そのせいで捕食人間である私たちが被害に遭わないようにと地下に本社ができた」

「妻から大体は聞きました。真の神である真神家が実在していることを。もし昏斗くんが自分の目で確かめたいというのなら地上へ行く手助けをさせてもらいたい。妻を助けてくれた恩だ」

「行けるのですか?」

「僕はディアヴォロスを地上へと送る配送者をやっている。もし昏斗くんが望むというのなら三日後、僕の家に来てくれ」

「ありがとうございます」


 まさか行けるとは思わなかったけどこの目で確かめておきたい。本当に姉さんを救うための戦争なのかを。もし違うとなったら僕が二社を止めなければならないような気がする。

 

 その後は他愛無い話をしながら食事会は終え、僕はプラネットコード社に帰っている頃だった。スマートウォッチが鳴り確認してみると、星河会長からの招待状。


 真神 昏斗様

 九月十日 午後十二 星河本家で最愛なる息子、流彗の誕生日パーティーを開催する。来る者は事前にテオス市役所にて手続きとプレゼントを用意していただきたい。連れを連れてくる場合もテオス市役所にて、手続きをするように。

 追記、昏斗は流彗が会いたがっているから強制参加だ。もちろん、プラネットコード社の仲間を連れてきても構わんがプレゼントは必須だ。よろしく頼む。


 まあ僕はどの道参加はする予定だったし、姉さんと直接会えるならいいか。だとすれば隣町まで行ってテオス市役所に訪れなきゃ行けない。

 そこは後で莉耶に聞くとして、三日後には地上へと出る。誰にも気づかれずに軽く荷造りはしておこう。



 地球オルモフィーケに辿り着くも何この状況と言葉が出ないぐらい酷い状況だった。怪我人は多いし外では鳴り止まない銃声や悲鳴の声。一体何が起きたのかなとクレヴィー社の中を歩いていたら生意気な双子を見つけてしまった。

 よりによってここで再会するとは思わず、嫌な表情を出していたら気づかれてしまいこっちに来る。


「弱い昏花姉様じゃありませんか。こんな戦場の場に何しに来たんですか?」

「ここは戦場だよ。弱いお姉様はとっとと違うプラネットに逃げればいいのに」


 昏斗がそばにいてくれたら双子は絶対に私を馬鹿にしないだろうな。まあ私と昏斗も双子の兄妹だけどね。


「私をあまり怒らせない方がいいよ。昏来、昏未」

「そう言ってるけどさ、後ろ振り向いてご覧」


 後ろと振り向くと顔無しの人が目の前にいて私は思わず叫んでしまうと、どうしたと触夜がすぐ現れたのだ。昏来と昏未が笑い出し、やっぱり弱いじゃんと同時に言い張る。


「やれやれ、何かと思えば、ネオリオ人除けのおもちゃにすぎない。昏来、昏未、姉君をいじめないでもらいたい」

「触夜様、吾輩と昏未の願い全然聞いてくれない。どうして?」

「そうだよ。せっかくお姉ちゃんの居場所教えたんだから連れて来てよ」


 どういうつもりなのと混乱していると、また今度と私の手を握って昏来と昏未から離れたら二人同時に触夜に向かって言い放つ。


「嘘つき、触夜!偽者、悪魔!」


 それでも触夜は振り向かずただただ前を歩いて行く。私の弟と妹がディアヴォロスの帝王である蝕夜に歯向かうような言葉を口に出すだなんてどうかしてる。

 触夜がピタッと止めどうかしたのかなと背中を見つめていると、振り向いてこう言ったのだ。


「じゃあ早速、昏来と昏未にはお仕置きと行こう」

「お仕置きって離れちゃったじゃん」

「まあ見てて」

  

 何をするんだろうと待っていると昏来と昏未の叫び声が聞こえて、触夜なんか大っ嫌いと叫ぶ声までもが聞こえた。


「何をしたの?」

「ただやつがれのディアヴォロスを出しただけさ。しばらくは大人しくしているだろう。さて戦場の場所ではない街へ移動して、流彗の誕生日プレゼントを買いに行こう」


 さっき昏来と昏未が言っていた言葉が少し気になるも、今は聞くべきじゃないから私は普段通りの笑顔を出し頷いて街へと向かった。

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