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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
27/78

25僕は鉱、私は石

 クレヴィー社に初めて入りプラネットコード社よりお金かかってます感がありながらも応接室でお茶を頂いていた。少し待っててほしいということで、待っているとさっきは女性の姿だったのに、ちゃんとしたスーツを着て僕たちのところにやって来たアプロディティス。


「待たせてしもうて堪忍しとくれやすなぁ。ほな話というのをしてもらいましょうか?」

「金星アプロディロはあまり捕食人間を狩ってはいないという報告が上がってる。他のプラネットのディアヴォロスはテオスパーティーやテオス舞踏会で結構な捕食人間を狩っているというのに、なぜここはだけ違う?」

「あんなお遊びは興味を持たへんかった。せやから何人かを出荷させた後は妾は別のことで忙しくてなぁ」

「それが金神殺害計画?」


 そやとお茶を啜りながらある一枚の写真を見せてくれた。金神銀次とアプロディティスの母親であろう人。それからアプロディティスともう一人いる。


「左が妾で、右が弟な。そんで母はんのお腹にいるのが、愛蘭。この時は父も優しゅう人やった。せやけど愛蘭を産んですぐに母はんは亡くなってしもうて、それからやったな。母似の愛蘭を独り占めし始めて妾や弟を見向きもせえへんかった。それにな、ずぅと泣いて嫌がってはるのに父はんはずぅと離れようとはせえへんくて、ある人に頼みに行ったんや。それが里親の銅和寂彦どうわさびひこ

 

 突然とノックが聞こえそちらに目をやると、扉が開き入って来たのは桜庭課長たちより年上の人。頭はボサボサだし眼鏡は汚れ切っていて、髭はぼうぼうに伸びてる。

 それに隊服がめちゃくちゃ汚れてるじゃないっすかと思いつつも、アプロディティスの隣に座って名刺をいただく。


「いやあ呼び出されたかと思えばいつも娘がお世話になっているプラネットコード社じゃないですか。すみませんね、うちの子で巻き込んでしまって。これは失礼。おらぁクレヴィー社の開発研究課に務めている銅和寂彦って言います」


 なんかイメージと全く違うんですけどと思いながらも、銅和さんは汚れた眼鏡を白衣で吹きながら説明をしてくれた。


「おらぁは坊ちゃんの相談に乗り、研究のために必要だからと色々と交渉中している時でした。坊ちゃん二人を売ったと聞いた時、こらぁあかんと思ってディアヴォロスの肉と引き換えに、言い方は悪いと思いますが娘を買い育てていました。妻も大喜びでこれでもう安心やと思ったところ、少しして金神が自宅に来たんです」  


 眼鏡をかけ本当に悔やんでいるような顔立ちを見せ、その後の続きを教えてくれる。


「金神はんが脅しにやって来たんです。少しでもいいから娘に会わせてほしいと。逆らえば罪人として鉱山送りにすると言われてしまってな。逆らえず会わせてしまった結果、娘にまだあんなことしている姿に腹が立って、こっそり撮らせてもらいました。いずれそれを持って証拠品を提出すれば娘はもう父親から解放されると」


 急に立ち上が莉拳を作って金神の怒りを爆発させ怒鳴り始めたのだ。 



「しかーし、思った以上に手強かった!地下でやっている裏売買に娘と一緒に来るよう言われて行ったところ、最悪な事態が起きたんです!やはり娘を返してほしいから新しい研究所の土地を渡すと!本当にあいつは狂ってる!おらぁは、娘に逃げなさいと伝えて、金神に捕まりディアヴォロスがおらぁをテオスパーティに入れた!おらぁが食べれないと思ったら、殺す勢いで襲いかかって来たんです!酷くないですか!」


 言い切った銅和さんは息を切らして落ち着いてくださいなぁとアプロディティスがお茶を差し出すと、それを一気に飲み席に座り直す。


「それで逃げていたところ、坊ちゃんに助けてくれて協力することにしたんです。おらぁはクレヴィー社で唯一のネオリオ人でもある」


 エクリプス人としてではなくまさかここにネオリオ人がいただなんてびっくりだけど、ネオリオ社に恨みを持つネオリオ人が他にもいるかもしれないと感じた。元々アプロディティスもネオリオ人だからそういう捕食人間とかは興味が全くないんだろう。

 そしたら海さんがあることについて、銅和さんに聞いた。


「鉱山送りって聞いたことはねえけど、鉱山の場所にはいくつかネオリオ人が私有地となっている。そこで一体何をしてるんだ?いくら情報を探そうとも今まで見つけることができなかった」

「金星アプロディロの裏世界と言ったらいいのかわからん。おらぁは知らねえけど、坊ちゃんなら知ってるかと」


 アプロディティスのほうを見ると、スマートウォッチの画面を開きある写真を見せてくれる。


「暗闇に現れる宝石、スコヤディを探しとると昔聞いたことがあったんや。罪人をただ働きさせながら、今もそれを探しとるらしい」


 スコヤディって確か危ない宝石でもあるはずだ。父さんが教えてくれてたし、一度資料で見たことがあった。あれはディアヴォロスを野良にさせ凶暴化させる魔の宝石。金神銀次は一体何をする気なんだ。


「桜庭課長、嫌な予感がします。それを手にしてしまえば、ディアヴォロスが凶暴化する可能性が高い。一刻も早くそれを回収しなければ金星アプロディロは終わりだ」

「そこは宝郷支部長に力を借りるしかなさそうだね。アプロディティス、もし君がいいというならば目的は同じ。手を組んで欲しい」

「へぇ、かまへん。愛蘭を救えるのなら誰だって使わせてまらいまひょうか」


 桜庭課長とアプロディティスが握手し一緒に甘露を救うことになった。

 まずは偵察しに鉱山の一つを行くことになり、明日クレヴィー社の前で待ち合わせとなっている。


 しかも昏花たちと一緒に行動をするだなんて、喜びが隠せないとベッドに寝っ転がり抱き枕を掴む。蝕夜が今まで僕と昏花を合わせないようにして来たけれどどうしていきなり会わせようとしてくれたのかさっぱりだ。

 それに僕と昏花にはこの冥王星のペンダントをくれた理由もわからない。昏花の方はいつの間にか撮られていた僕の写真が出てくるらしい。


 蝕夜のことで考えているとわんっと菊太が吠え、ベッドに座り人の姿となってあることを言われた。


「昏花を取り戻せるチャンスだったのにこれでよかったのか?俺は犬だから兄弟と一緒にいる時間はもうないけど、昏花とやり直せる時間が作れたはずだ」

「そうかもしれない。だけどさ、いずれ兄弟は違う道へと歩み始める。ずっと一緒にいるわけにもいかないし、こうしたいと思うのなら応援するのが当たり前だと思う。例え離れて過ごすことになって顔が見えなくなってしまおうとも、僕の道を進むだけだよ。それがどんな結末が起きようとも、僕は絶対に逃げない。そう決めてるから」

「昏斗がそういうなら俺は昏斗の相棒としてずっとサポートする」

「頼もしいこと言ってくれるね、相棒」


 僕と菊太は笑い合い少し遅くなってしまったが、夕飯を食べ明日に備えて就寝することに。



 翌朝、僕たちはクレヴィー社の前で待っていると違う道からなぜか宝郷支部長が発掘道具を背負ってやって来た。一緒に行くつもりなのかな。


「宝郷支部長、もしかして一緒についてくるんですか?」

「いいじゃないか。この目で見たいしアプロディティスくんと一度話してみたくてね。それでアプロディティスくんは?」


 キョロキョロとアプロディティスを探し始めて一応敵同士でもあるんだけどなと、苦笑していたら女装姿のアプロディティスが来る。

 これから鉱山目指すというのに着物できちゃってよかったんすかって、言いたいぐらいだけど車を出してくれるからいいか。

 昏花たちは残念ながら違う仕事が入ってしまったらしく残念でも、クレヴィー社の車に乗り鉱山へと向かうことになった。



 発掘場からやや離れた場所で車を止め、双眼鏡を使いながら様子を伺う。ふむふむ、あそこが金神の私有地である発掘場か。ただ働きさせられている人たちはネオリオ社にビシバシと叩かれながら掘っている。

 アプロディティスが言うに、休みは一切ないらしく二十四時間と永遠に掘り続けなければならない。僕はごめんだと見ていると昏希が甘ちゃんを連れて発掘場へと入った。


「どうします?」

「ここは僕ちんにお任せあれ」


 宝郷支部長は発掘道具を持って入り口の方へ歩み、僕たちは遠目で宝郷さんを見守る。入り口にいるネオリオ社の人と話しているようだ。

 入れんのかなと様子を伺っていると、すんなりと宝郷支部長が入ってしまいその後の様子が伺えない。


「桜庭課長、大丈夫でしょうか?」

「問題はないと思う。ただ宝郷支部長、宝石に目が行くと大変なことになるから本当は報告しないで行くつもりだった」

「てことは聞かれてたの?」


 そう言うことと桜庭課長は双眼鏡で様子を見始める。僕らも双眼鏡を使いどれくらい人員がいるのだろうと、見ていたら入り口付近で爆弾の音が聞こえたような気がした。

 あちゃと桜庭課長は頭を掻き、まさか宝郷支部長やらかしてないよねと思いきや、鉱山のディアヴォロスである小さなオリヒオが複数出現する。


「宝郷はんが暴れてもらっている隙に、妾たちも行きまひょうか」


 行くんですかとちょっとびっくりするも桜庭課長たちも入り口の方へ行ってしまい、これ完全にアウトだと思うんだけど行くしかない。灰色の弾丸でネオリオ人を眠らせながら、鉱山でただ働きさせられている人を救助しつつ発掘場の奥へと進む。

 さっき甘ちゃんと昏希がいたからどこかで避難しているか、もしくは僕たちが来ていることを想定して来たのかはわからない。

 途中で宝石のポリティミが出現し、ここで一度倒しておかないと大変なことが起きる。


「桜庭課長、先に行っててください。ポリティミを倒してから後を追います」


 わかったと桜庭課長たちは先へと行ってもらい、菊太と莉耶が残ってくれて一緒にポリティミを倒して行く。アプロディティスは何も言ってなかったけど、普通に倒しちゃっていいのかな。

 宝石のポリティミは仲間をかき集めて大きな宝石になり、しかも防御がぐんと高くなるため小さいうちに倒しておかないとならない。


 莉耶と菊太と協力し合い、宝石のポリティミを倒し桜庭課長たちを追いかける。


「ねえ変だと思わない?」

「何が?」

「だってアプロディティスがいるのに野良のディアヴォロスが現れてる。普段なら野良はネオリオ人がいない場所に生存する」


 言われてみればネオリオ人ばかりで、捕食人間は莉耶たちだけだ。こんな早く野良のディアヴォロスが出るとなればこの付近にもしかしたらスコヤディがあるのかもしれない。 


 進んで行くとそこは行き止まりになっていて、道を間違えたかと思ったが菊太が匂いを嗅いでこの先にいるそうだ。

 桜庭課長と叫んでも反応はなく、一体中で何が起きていると思考を膨らませていると菊太が唸りそちらに目をやる。そこにいたのは、新城心だった。


「あー昏斗だっけ?それとスリウス犬に捕食人間か。まあ今はお前らと遊んでる暇はねえから見逃してやるよ」

「待て、新城心!」

「心でいい」


 なんなんだこいつと思いながらも、美汐を殺そうとした理由を聞かなければならない。


「なぜ池谷美汐を殺害した?」

「邪魔だったから殺害した」


 嘘の目だとはっきりわかる。そうか、美汐と過ごしているうちに情が湧き美汐を危険に晒したくなかったから、わざと殺害した。蝕夜が仲間を探していると知っていたからなんだろう。だから僕は違う言葉を心に告る。


「美汐は残念ながら生きてるよ」

「あっそ。俺はもうその女に興味はねえから好きにすればいい。だが俺の邪魔したらただじゃ済まさねえからな。どこにあんのかな、スコヤディ」



 やはり狙いはそれだったのかと莉耶がどうすると聞かれ、ここで争うのは禁物だ。以前、影神が見せてくれた心の映像は僕の力より上回るから、今戦っても敗北する。


「あー忘れてた。昏斗にいいこと教えてやるよ。昏斗の仲間に裏切り者がいるかもな。俺は知らねえけど俺の仲間が占った結果だ。せいぜい頑張れよ、昏斗」


 僕たちの仲間に裏切り者がいるってどういうことだと問い詰めたかったのだが既に心がいなくなってしまった。疑いたくはないけれど、警戒はしておこう。


「本当に裏切り者がいるの?」

「わからない。ただ心の瞳は嘘偽りのない目をしていたから本当のことかもしれないけどこのことはまだ伏せておいて。それに甘ちゃんが一番傷つくかもしれない人物かもしれないから」

「まさか桜庭課長を疑うき?」

「そうじゃない。ただ僕が一番疑いたくない人物が裏切りの可能性が高いって認識してる」

「それってまさか……」


 莉耶は目を見張り大丈夫と今はこの先に行く術を考えることにした。



 せっかく昏斗と一緒に行けるって思ったら、違う任務を任され丸い石集めをしていた。なんで石集めと疑問に浮かびながら丸い石を探す。それにしても同じ石をこんなに見つけられるとは思わなかった。何に使うのかはわからないけど探していたら、見つけてそれを拾おうとすると誰かの手とぶつかってしまう。


 すみませんと顔をあげたら知らない女の子がニコニコしてそれ頂戴と言い出す。


「ここは入っちゃいけないところだよ」

「お姉ちゃんだって入ってるのに、あっしは入っちゃいけないのは酷いよ、昏花」


 私は咄嗟にその石を拾い距離を離して、一歩遅かったらこの子にやられていた。女の子は両手にナイフを持っている


「あらら、残念。昏花をギザギザにしたかったな。その石ちょうだいよー、昏花!」


 まずい、せっかく集めたのを奪われると袋に入っているのを抱え背を向ける。痛くない……。蝕夜と振り向いたら男の子と女の子がいて、クレヴィー社の隊服を着ていた。なんだろう、この懐かしい感じ。


「面倒臭い。早く片付ける、昏未」

「わかってる、昏来」


 女の子が昏未で男の子が昏来。昏斗が昨日教えてくれた二人だと、二人は女の子に攻撃を与える姿が一般人にはできない動きをしている。

 昏斗が言っていたことが本当なら、一応連絡はしておこう。女の子は二人にやられ、また会おうと言われながら女の子は去って行った。


「案外楽勝だった。つまらない」

「もっとやりたかったな」

「昏来、昏未?」


 呼びかけると二人が振り向いてくれて、その顔に驚いてしまうほどだった。昏未は私にそっくりで昏来は昏斗にそっくり。こんな形で会えるとは思いもしなかった。


「昏花姉様も姉様だ。セリニ・ネアだったのにそれすらわかろうとしない」

「そうそう、私と昏来が来てなきゃやられてた。感謝してよね。お姉様」


 せっかく会えたのになんか否定的なことを言われた気分だと、固まっていたら大丈夫かと鈴哉さんたちがやって来る。


「昏来様、昏未様、なぜこちらに?」

「セリニ・ネアがいたから排除しろって命令」

「そうそう、そしたら弱いお姉様にお会いしたの」


 弱いという言葉が一番大嫌いな私は怒りそうになりそうでもグッと堪えた。


「それじゃあ、吾輩たちはセリニ・ネアを追う」

「またね、お姉様」


 可愛い弟と妹じゃないと腹が立ちながらも、私たちは丸い石を回収するのであった。

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