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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
25/78

23僕は園、私は叶

 土曜日となり僕と菊太は蝕夜が指定した店へと向かっていた。カジノ街の北側にある有名なお店でよく有名人が来ると人気の喫茶店なんだそう。ネットで検索したけど予約でいっぱいの店らしく三ヶ月待たなくちゃいけない超有名な店らしい。

 ディアヴォロスの帝王がそんな場所にいてもいいのかと愚問に思ってしまうほどだ。


 お店に到着しバイクをペンに戻して、店内へと入るとすごい人盛りだな。菊太は犬ではなく人間になりいい匂いとよだれを出していた。

 店員が僕を見つけいらっしゃっていますと案内してくれると個室の部屋で話しやすい。入ってみると誘ってくれた蝕夜はよくても、なぜ星河会長がいるんだと帰りそうになった。


「まあ待て義弟昏斗よ。やつがれが呼んだのだ」


 まだ姉さんにしたことは許せないけど、渋々椅子に座りメニュー表を見て、食べたいものを店員に伝え店員はいなくなる。


「それで兄君、恋の相談をしたいと仰っていましたが、どうせ昏花の好きな物や嫌いな物を聞いておきたいんですよね?」

「それもあるが、今回はそれで呼び出したのではない。昏斗も接触しただろうが、金神銀次についてのことだ」

「金星アプロディロに勤めている者たちの半数がネオリオ人と取引をしていることが判明してな。神パーティーや神舞踏会で食せる人数が制限されている。その結果、食せないディアヴォロスがいたり、飲食店では捕食人間を買って見せ物にしている奴らも多い」

「地上に呼んでもいない捕食人間を見かけることが多いのは金星アプロディロのみなのだ。アプロディティスが呼んでいない捕食人間を違法人間と呼んでいる。ディアヴォロスを処分しなければならないことになり、ここだけは許してはいるんだが、アプロディティスが本来の目的に動き出した。それが何だと思う?」


 蝕夜はディアヴォロスの帝王でもありディアヴォロスのことを大事に思っていることはわかってる。だから違法人間が現れてしまっても、それを受け入れている理由。そう仕向けディアヴォロスを処分することになればネオリオ人にとっては好都合にもなり好きな時に食せる。

 規律を守りたいのと父親に受けたことの復讐をするために動き出したでいいんだろう。


「規律を守りたいのと、父親から受けた何かで復讐しようとしている?」

「その通り。アプロディティスには弟がいて、弟は父親に殺害されたところ、やつがれが助けてあげた。弟はやつがれの側近としていい働きをしている」

「金神はネオリオ人だから、まさか真神家が来るまで待っていたということなら早くアプロディティスを止めるのと、ちょうど話したいことがあったんです」


 僕は蝕夜と星河会長にかくかくしかじかと伝えている間、何も言わず聞いてくれてよかった。


「ほう。強制的に神パーティーに誘い出すということだな。しかもチェッカー形式」

「はい。僕たちプラネットコード社は金神の駒となり、アプロディティスの駒はクレヴィー社の人間のみ。途中で僕らは罠を仕掛ける」

「こちらディアヴォロスの報酬はどうなる?そこが肝心だ。客席を困らせないやり方でやらねば不審がられてしまう」

「そこはご安心ください、兄君。事前に真神家の血を流してワインを送らせていただきます。だって僕はネオリオ人を捕食人間に戻せることも可能」

「それは興奮し誰もが取り合いになりそうだ。やってみる価値はありそうだな、蝕夜」


 蝕夜も星河会長も納得してもらい、そこからは昏花愛と流彗くん愛の話を散々聞かされる羽目になったのだ。帰り際、明日流彗のこと頼むと星河会長が言い、蝕夜は八雲のこと頼むと言って二人は帰られ菊太は美味しい物食べれてご満足のよう。

 さて僕らも帰りますかとペンをバイクに変えプラネットコード社へと帰還する。


 そしたら何じゃこりゃというぐらい第七捜査課室に監視カメラをセッティングしている謎の業者がいる。みんなは怖い顔しながら見ていて、莉耶に聞いたところ甘ちゃんの行動や僕らの行動を監視するためらしい。

 セッティングをし終えた業者はさっさと帰られ、みんなは悪霊を祓うかのように塩を思いっきり投げていたのだ。


「一週間は自由かと思ったら、監視なんて最低な父親。これじゃあ普段通り桜庭課長が接することもできなくなる」

「莉耶、ちょっといいかな」


 ここまでやるとは思わなくて、莉耶を僕の部屋に入れ部屋に監視カメラついていないかと、盗聴器が仕掛けられていないかチェックして昏希との手紙のやり取りの一部を見せる。


「昏斗兄上が仕事をしているところを拝見したいと昏有兄上が言っていた。だから手配させてもらうこと許してほしい……。え?そう言うことだったの?」

「僕が出した手紙の原因かもしれない。昏有兄さんと話したいとか元気かなとか色々書き込みすぎたせい。とにかくこんなことはしないでほしいって伝えてみる」

「そうは言っても昏希くん、プラネットコード社に来て真逆なこと言ってたけど」


 嘘っとびっくりして莉耶がわざわざ録音していたっぽく内容を聴かせてもらった。


『余は真神昏斗の弟、真神昏希である。余の許嫁である金神愛蘭が世話になるということで、こちらにカメラをつけさせてもらう。これはネオリオ社会長、真神昏有の命だ。逆らえば全プラネットにある捕食人間はネオリオ街で住むことは許さんとする』


 何ちゅう発言してるんだよ、昏希と昏希の兄として莉耶に謝る。


「本当にごめん。ちゃんと手紙で伝えてみるよ。きっと頼られるのがとても嬉しくて、疑いもせずに従っちゃうんだと思う」


 ここはちゃんと昏希と話し合った方がいいのかもしれない。それに昏希は金神銀次が甘ちゃんに何をしているのか知らないでいるはずだ。


「手紙じゃ駄目だ。兄として会えるか交渉してみる。明日は流彗くんと遊園地に行く予定だから明後日になっちゃうかもしれないけどネオリオ社に尋ねてみるよ」

「お願い。それにしても甘ちゃん、大丈夫かな。酷いことされてなきゃいい」

「同感。だけどあの感じだと証拠品となるノートと全く同じことされているんじゃないかって不安だよ。早くこの件についてはさっさと終わらせてあげたいし、桜庭課長がもうあんなことしなくて済むしね」


 莉耶は苦笑いしながらあれねと言い、僕たちは桜庭課長の様子を見に行くことにした。


 桜庭課長の部屋に行ってみると部屋の外だと言うのに凄いオーラを感じ取り、そっと扉を開けると壁に向かって何度も刺している場面を目撃。そっと扉を閉めてささっと逃げあれは本当に限界を超え溢れ出ている。


「あれ絶対に金神の写真に何度も傷つけているパターンだよね」

「どう見てもあれはやばい。海はどっか行っちゃうしどうしよう」

「こんなこと言うのもあれなんだけど、ふじさんに相談するのはどうかな?」


 嫌な顔丸出ししているも頼れるのはふじさんだろうしと、莉耶がスマートウォッチの画面を開き連絡先表で母という文字で止まる。本当に嫌なんだと思いながらもコールを流す。

 ふじさん出てくれるかなと待っているとすぐには出なかったがはいと出てくれた。


『莉耶、どうかしたの?』

「ふじさん、緊急事態が起きた。甘ちゃんが奪われちゃったことで、桜庭課長が大変なことになった。第七捜査課のみんなもお手上げ状態。どうすればいい?」

『あの眼鏡、あれほど金星アプロディロに行くなら注意しなさいって言ったのに。わかったわ。本来ならここは海が連絡してくるもんだけど、莉耶も立派な課長代理。今回だけは多めに見てあげる。五分後に立ち直ると思うから待ってなさい』

「ありがとう」


 通話を終えこれで一先ずは安心だと桜庭課長の部屋の前で待つこと十分後。いつもの桜庭課長に戻り出て来てくれたのだ。


「莉耶、昏斗、すまなかったね。心配かけてしまったみんなにも詫び入れなくちゃ」


 桜庭課長は第七捜査課室へと行き心配かけたことを謝罪していて、ちょうどそこに海さんが戻って来た。


「海さん、どこ行ってたんすか?」

「琥珀と真珠のところだ。昴が元気になったところで、昴、ちょっといいか?」

「なんだい?」


 海さんが僕らも呼び出しミーティング室へ入ってそれぞれ席に座り海さんが喋り出す。


「明日、アダマスティン遊園地に金神が甘露を連れて遊びに行くらしい。目的はこれだ」


 僕たちに見せてくれたのは流彗くんがくれたショーのチラシで星音が出演するからだ。もしかすると甘ちゃんが甘露の大ファンだからわざわざその遊園地に現れるってことか。


「もしかすると明日、何かが起きる」


 その言葉に僕たちは同じことを考えていたらしく、海さんは琥珀さんと真珠さんに桜庭課長で潜入し、莉耶は僕と同行を頼みたいらしい。

 確か星河会長が流彗くんと八雲くん、それからショーが始まるまで星音が同行するって言ってた。


「アプロディティスの正体もわかるってことか。なら尚更行く価値はありそう」

「私、同行していいの?」

「もちろん。星音に一応伝えとく」


 明日何かが起きるなら甘露を父親から離せるかもしれない。そこから僕たちはどうするかを提案しながら明日を迎えることになった。 


 晴れ日和で僕と莉耶はアダマスティン遊園地の入り口で流彗くんたちを待っている。普段着であっても無限拳銃は装備しているけど入る時なんか言われそうだな。

 本当は菊太も一緒にどうって誘ったけど、乗り物系は元々苦手だからプラネットコード社で待ってると言ってた。

 

 談笑しながら待っていると僕の名を呼ぶ流彗くんの声がする方へ目を向けると走ってくる流彗くんに、流彗くんより背丈が上の少年が八雲くん。それから星音が来る。


「早く入ろう!」

「もう焦らないの。今日はありがとね、昏斗」

「いいんだ。えっと八雲くんだよね?」

「お初にかかる、迂生は空本八雲。昏花姉貴と一緒に行動している者である。一度手紙を出したのが迂生だ。よろしく頼む」


 手紙をくれたのは君かと八雲くんは手を出してきて、僕は八雲くんの手を取り握手した。しかし八雲くんはなかなか手を離さずどうしたんだろうと首を傾げるとこう言われる。

「昏斗兄貴にどうしても会わせたい人がいる。会ってくれるか?」

「もちろん」


 なぜ僕のことを昏斗兄貴と呼ぶのか不思議に思っても、星音が背中を押して僕の前に現れた。麦わら帽子で顔をよく見せてくれず、照れ屋さんなのかなと思いきや顔を上げてくれる。

 僕はびっくりしずぎて思わず大声を出してしまい、遊びに来た人たちに注目を浴びてしまうも嬉しくて抱きつき被っていた麦わら帽子が落ちてしまった。


「僕の可愛い妹、昏花。よかったっよかったっ」

「昏斗、苦しいよ。それに恥ずかしいからそんな言葉発さないでよ」

「だってもう会えないのかと思ったんだから。よく顔見せて」


 離れ昏花の頬に触れると僕があげたサンダーソニアのピアスがよく似合ってる。昏花は涙を溜め僕の手を握り僕に謝った。


「ごめんね、昏斗。全部一人で決めちゃって、まさかこんなことになるとは思わなかった」

「いや、いいんだ。僕も参加していれば昏花と離れることもなかった。だけどこうやって会えたことが一番嬉しいよ」

「私もだよ、昏斗」


 二人で見つめ合っているとごほんと咳払いをしたのはいつの間にかいた蝕夜でしかも鈴哉さんもいらしていたのだ。


「お兄ちゃん!?」

「久しぶり、莉耶」


 ぎこちない笑顔を出す鈴哉さんで莉耶はこの馬鹿と鈴哉さんにしがみつく。なんで連れて来ちゃったんだと思っていると流彗くんが早く遊びに行きたいそうで、鈴哉さんと莉耶はその場に置きアダマンスティン遊園地へと先に入る。

 金星アプロディロだから結構なお金がかかってる乗り物がたくさんあるな。どれから遊びに行こうと地図を広げてどこに行きたいか聞く。


「流彗くんと八雲くんが行きたいところをまず乗りに行こうか。何乗りに行きたい?」

「えっとね、流はオリヒオジェットコースターに乗りたい!」

「迂生は流が行きたいところならどこでもいい」


 オリヒオジェットコースターは入り口入って左側に鉱山エリアがあって、鉱山エリアに流彗くんが乗りたいジェットコースターがある。だとすれば鉱山エリアから時計回りで移動していくのがベストか。


「じゃあまずは鉱山エリアの乗り物を片っ端から乗りに行こうか」

「うん!早く、早く!」

「流彗、焦らないの」


 流彗くんは嬉しそうに先へと行ってしまい、元気がいいなと八雲くんは流彗くんを追いかけていく。僕たちも歩きながら前で歩く流彗くんと八雲くんを見ていた。


「昏斗に聞きたいことがあるの」

「ん?」

「私たちの他に兄弟いたっけ?」

「いるよ。長男の昏有兄さん、三男の昏来、三女の昏未、四男の昏希。昏花の前世の記憶で覚えてない?」


 聞いてみるとんーと考え始めまだ前世の記憶を辿れない箇所もあるし、何かヒントをくれなければその記憶を思い出すことも不可能だ。僕はちょいちょいヒントが常にあったから大体は把握している。

 

「ごめん。まだ思い出せない。四男の昏希に会って何か思い出せるかなって思ったけど今の時点では無理かも」

「焦らなくても思い出すよ。そうだ。影神がさ、昏花と接触できなくて悔しがってたよ」

「接触してるんだね。今頃影でこっそり私たちを見守ってくれてるかもね」


 そうかもねと笑いながら到着したっぽく僕は流彗くんと隣に座ることが確定し、八雲くんは星音とでなぜか昏花が蝕夜と座ることになり、ジェットコースターを楽しんだ。



 初めての乗り物に緊張しても、とても楽しかったけれど、ダウンしてしまった蝕夜をベンチに座らせ水を渡してあげる。昏斗はそのまま流彗くんたちと一緒に次の乗り物を楽しんでいる頃だろう。

 まさかこういう乗り物系が苦手とは知らなかったけど、ここで何かが起きるって言ったから警戒は抱いていた方がいいんだよね。

 

「昏花も一緒に行けばよかったのにいいのか?」

「いいの。昏斗と会えただけで十分だし、これでよかった。本当は昏斗の元に帰りたい気持ちはまだ残ってる。でもいずれはお互いが決めた道に進むことになるから私は蝕夜に飼われて正解だった。形がどうであれこれが私が選んだ道。だからもう昏斗捜索隊ではなく、クレヴィー社がしている仕事につきたい。いいかな?」

「そうか。もうよいと言うのなら喰雅に話はつけておく。先ほど昏斗に聞いていたことなんだが、三男と三女はクレヴィー社にいるそうだ。会いたいのなら会わせてくれるらしいぞ」

「まだ心の準備ができてないから、できたら蝕夜に話すよ。それに今は昏希のことが気になる」


 私を含めて兄弟が七人いるとはまだ信じられないけれど、お母さんが教えてくれたことの一つに七人がどうのこうのと言っていたような気がする。思い出せないけれどクレヴィー社で働いていけば何か真実が見られるかもしれない。

 だから私は昏斗の元へ帰れないし、腕にあるイニシャルが消えないと変えることもできないから。


 蝕夜と待っていると流彗くんが満足そうに走ってきて、待ってよと追いかけてくる八雲くん。昏斗と星音ちゃんの姿がないけど、どうかしたのかな。


「楽しい!蝕夜も乗ろうよ」

「よし、乗りに行こうか。昏斗と星音はどうした?」

「なんかショップ屋さんに入ってたの見えた」


 ショップ屋さんかと私も興味が湧いて行ってみたいと告げると行こ行こと私の手を握り引っ張ってくれる流彗くん。また走るのと八雲くんはお疲れ気味でも、まだ酔いが取れていない蝕夜のぺースに合わせて走ってくれる。

 私たちは昏斗と星音ちゃんがいるというショップへ行ってみることにした。 

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