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プラネットコード(改訂版)  作者: 福乃 吹風
16/78

15僕は隠、私は懐

 水星ヘルスミエを奪還できたことで今現在、会長、各プラネットの支部長及び課長全員が会議をしている中、回復をしリハビリをしているひたるの様子を見ていた。

 深傷を負ったこともありまだリハビリが必要とされているため、ひたるは回復を専念するようにと会長のお言葉を受け必死に努力をしている。医療は昔よりも万全に良くなっているからすぐ回復は見られるだろうとリハビリ室を覗いていたらまだ見慣れない元エルミスが何よこれと僕に突きつけていたのだ。


「こんなの聞いてない!私を処分してよ!」

「捕食人間に戻った以上、池谷美汐いけたにみしお。君は僕らの仲間なんだ。雑用がんば」


 応援してあげるとあのねえと僕の背中を太鼓のようにパコパコ叩き痛いってばとやっていたら、何してんのと莉耶が鬼のような姿で僕と美汐を引き離し間に入る。


「言っておくけど、私はまだ反対なんだからね!」

「あたしこそこんな会社、すぐ辞めてやる!」

「こらこら、そうしたら美汐が食されちゃう。それはごめんだよ」


 いーと僕に向けてくる美汐で莉耶が近づかないでと僕をどかそうとしていたら集中できないんだけどとこっちにひたるが来た。それにより美汐は大人しくなり僕らに背を向ける。


「そういやあんた誰?弱そうには見えないから視界に入って構わないけど、弱いと認識したらあたいの視界に入んないでよ」

「ひたる。紹介するね、この子は」

 

 僕が自己紹介する前に僕の口を塞ぎ始めやめてよと言い張る。苦しいんですけど早く離してと合図をしているも、美汐の体質は変わらないものなのか。


「ごめん、あたしあの時はエクリプス人だったから、人なんでどうでもいいって思ってた。だけど昏斗を見て思い出したの。あたしは恋人に騙されて殺されかけてたところ、救ってくれたのが蝕夜だった。もう何もかも人間が鬱陶しくて、一人残らず食したいという欲望に飲まれちゃって。邪魔な者は廃棄処分すればいいと認識してた」


 おっとここで全部吐き出すのかと手離してよと合図送ると離してくれて、その続きを教えてくれる。


「昏斗に会う随分前ね、昏斗のお父さんかな。その人の攻撃を受け私はもう駄目なんだって思ってた。だけどね、なぜか私を元に戻してこう言ったの。俺の力では無理だった。救えるのは昏の星のみ。いずれ会えるだろうと。ただ記憶が曖昧なの。昏斗がもう少し大人っぽくなった姿であの時驚いちゃった。だって本当に似てるからさ。あの時はごめんなさい。あんな酷いことして」


 ひたるはじっと美汐を見ていて、照れ臭くなったのか僕の後ろへ隠れるもひたるが動き出して美汐が逃げる。追いかけっこするくらいひたるはだいぶ回復できてよかったよ。ひたるは美汐を捕まえてもジタバタする美汐。


「なっ何!?」

「仲直り。こうするといいって鈴哉さんが教えてくれた」


 その言葉で美汐はピタッと止まり、許してくれてありがとうとひたるに述べた。二人の仲を眺めていたら放送が流れ、呼び出しをもらい、指定された応接室へと向かう。

 一体誰だろうかと応接室に入ってみると予想外な展開が起き、坊ちゃんと僕に飛びついて来た。


影神かげがみ!?」

「昏斗坊ちゃん、よくご無事で。影神はいつも観ておりましたよ」

「ちょっちょっと。離れて!もう子供じゃないんだから!」


 全くびっくりさせないでよと、影神は僕から離れてくれて僕に跪く。


「それもなし!」

「ですがこれが私の慣わしのようなものです」

「あーもう。わかったよ。それで情報は入手できたの?」

「はい!」


 この人は僕らが地上にいた頃、執事をしていた影神忍かげがみしのぶは真神家を裏で支える者だからあまり表には出てこない。表に出るときは基本的情報を入手するときだけに現れる人だ。だから僕らが地下に行っている間は地上の情報を教えてもらっていた。

 まさかこんな早く影神に会うとは思わなかったけど、ちょうどよかったのかもしれない。


「ここでは話ができない。影神」

「はい。あそこでしたら影神家がずっとお守りしています」

「ならそこで話し合おう」


 応接室を出て影神が乗ってきた車に乗り移動した。菊太がいなくてよかったよとこれから変わる水星ヘルスミエを見ていると運転している影神が余計なことを言う。


「坊っちゃん、そろそろお年頃ですし真神家の当主となるのですからお相手をお探しいたしましょうか?」

「余計なお世話」

「ですが捕食人間と交際するのはどうかと思います。真神家はずっと」

「影神、それ以上言葉を口にしたら怒るよ。僕にとって莉耶は特別。プラネットコード社に入ったのも、昏花があっちに行くって行ったのも全ては姉さんのためにある。もしかしたらあの人にだって会えるチャンスがあるかもしれない」

「私は口出しいたしませんが、いずれお見合いの話も出てきます。その時は坊っちゃん」


 わかってると伝えると到着するまで影神は喋らなくなった。


 ネオリオ街から離れて約一時間程度に真神家の別荘が存在する。本来ならばこっそりここで調べ物をしてたかったけど菊太がずっといたからここによる暇もなかった。

 懐かしいと感じるのは前世の記憶があるからで、実際に僕はここに訪れたことが一度もない。せいぜいセウスジアにある本家にはこっそり昏花と見に行ったことがあるくらい。その時は父さんにめちゃくちゃ怒られた記憶があるけどね。


 影神が玄関の扉を開けてくれて中に入ってみるもメイドも執事も誰一人いなかった。そりゃあそうだよね。影神家以外は暇を出し結局辞められた。

 談話室に入り影神が淹れる紅茶を戴きながら、壁にモニターを出し影神が報告し始める。


「坊っちゃんがプラネットコード社で働いている間、ある事件の調査にあたっていました」

「なんの調査?」

「以前坊っちゃんがテオス舞踏会でエクリプス人二名を仕留めたかと思いますが、私たちが埋葬しに行った際、土から脱出した模様。おそらく坊っちゃんの思いが強かったこともあり蘇ったのではないかと推測」

「その時は一度エクリプス人のご家族を思い浮かべたのがきっかけ?」

「おそらく」


 次のを見せてもらうと倒したはずの二名が家族と過ごしていて、はっきり映っておりよかった。僕は殺したくもない人を殺したくはない。ただあの時は桜庭課長の言葉がふと浮かびやるしかないと認識してしまった。


「それでこちらは元エルミス、水谷美汐について調べた結果。坊っちゃんが仰っていた通り、例の組織と繋がっていました」


 影神がリモコンで操作をし見せてもらったのは例の組織に入っている名簿表に美汐の恋人だという人がいる。美汐はこの男に殺されかけた。


「例の組織、セリニ・ネアはディアヴォロスとの関係性は全くない組織であり、新プラネットに住む人間。なぜ今更になって各プラネットに生存し始めたのかが気になる。もしかしてディアヴォロスを確保し新プラネットに連れて行くとか?」

「そこはまだ調査中です。坊っちゃん、影神は一つ気になる点がございます」

「ん?」

「星河星音です。あの子はネオリオ人でありながら、なぜか星河喰雅の娘を演じている。それと関係しているのではありませんか?ネオリオ人も複数神プラネットに住んでいると父から聞いたことがあります」


 星音は家族を捜すために女優として働いているとこの前言っていた。仮に新プラネット、ノヴァセリニに住んでいるネオリオ人の人が星音のご両親だとしても美汐を利用してとかははまずない。だとすると他の目的で動いているとしたら月日家が関係しているのだろうか。

 そこはまだ影神もわからないと言っていたし、僕も探した方がいいのかもしれない。


「分かり次第、随時報告をお願い。星音と接触することが多いから、探りをいれてみるよ」

「あの坊っちゃん、でしたらその」

「まさか星音のファン?」

「はい!星音様は可憐で麗しい歌声の持ち主。坊っちゃんにお似合いの方だと思います!」


 影神は僕の手を掴み目を輝かせていて、そうは言っても僕は星音のこと妹のような存在だからあり得ない。


「影神、僕は何度も言ってるけど星音は妹のような存在だからないよ」


 残念ですとガッガリする影神でやれやれと呆れていると影神が何かを察しし談話室を出て行った。きゃっと声が聞こえて数秒のこと。招かれてはいない客が登場し深くため息が出てしまう。

 影神に抱えられているのは、何度かネオリオ街で買い物をしている時すれ違った子だった。名も特定している。


水神雫みずがみしずく。どうやってここに入れた?」


 影神が水神雫を降ろしえへへと頭を掻きながら僕に名刺をくれて、僕も名刺を渡す。


 ネオリオ社 水星ヘルスミエ指揮官 水神雫


 ネオリオ街にある大きなビルを構えているのは知っていたけれど、まさかネオリオ社の指揮官が登場とはねえ。


「で?僕に何かよう?」


 水神雫は僕に向けて敬礼をし報告を受ける。


「真神昏斗様。ネオリオ社に戻っていただきたいと総司令官からご伝言を預かっております」

「僕は今まで平凡に花屋を経営していたもの。ネオリオ社に入ったことは一度もない。それとも何?前世の記憶の人がネオリオ社に勤めていたからって言いたいわけ?」


 何も言わないと言うことは図星でいいのか。影神は縛りますかとすでに縄を保持しており、待ってと伝える。


「どう言う意図で僕の存在を知ったのかは知らないけど、真神家は唯一ディアヴォロスを食さない。君や他のネオリオ人が食している以上、僕はネオリオ社に入るつもりは一切ないと総司令官に伝えてくれるかな?」

「ですが真神昏斗様。ここにいること自体間違っていると総司令官が仰ってるんです。真神家は元々っ」


 僕は壁を強く叩き壁にひびが入り、水神雫は一歩下がった。それ以上言ったら僕は君を敵視する覚悟でいるつもりだ。そのことをちゃんと教えないとね。


「それ以上言わないでもらえる?言ったら君を捕食人間とさせディアヴォロスに食してもらうこともできるんだよ?それくらいわかった上で、僕に言おうとした?僕は君が言いかけた言葉が大っ嫌いなんだよ!」

「申し訳ございません!」

「わかったなら、さっさと帰って」


 半分泣きかけていながら僕に頭を下げてさっさと帰ってもらい、ふうっとソファーに腰を下ろす。


「お見事です、坊っちゃん」

「なんか申し訳ないことしたけど、プラネットコード社に入ったと言うよりかは強制的に入れられた理由をまだ教えてもらってない。その謎が明らかになるまではプラネットコード社を辞めるつもりはないよ」

「ではいずれ」

「総司令官というのはきっと僕が一番会いたい人なんだよ。だけどこのままじゃ駄目なんだ。何も揃っていない以上、あの人に会わせる顔がない」


 本当はネオリオ社に入ったほうがより情報を得て各プラネットを奪還できることもできた。でも僕の力だと不十分過ぎてうまくできないと判断したまで。

 なら一層のことあの人の下で働くより、ディアヴォロスを退治している別の社に入ったほうがいいと思ったからだ。それに昏花を置いてはいけない。


「昏花と接触はできた?」

「申し訳ありません。接触は難しいと判断致しました。影ながらでもディアヴォロスがお嬢様を監視されています」

「やっぱり蝕夜はなんらかのことで、昏花を置いている。そういえばこれの解析はできた?」

「はい。お嬢様が写っている写真を透明化し全て合わせたらリコーフォスの花になりました。もしかするとリコーフォスの花が冥王星プルイーナスに咲いているのではありませんか?」


 影神の仮定があっているとしたら、全プラネットに咲いていたリコーフォスが奪われたことになる。するとスマートウォッチが鳴り誰だろうと確認すると莉耶だった。


「出なくてよろしいのですか?」

「うん。引き続き僕ができない調査をお願い。僕はこっちで仕事しながら真実に辿り着くよ。そろそろ僕がいないことに疑問が湧くだろうし戻らなくちゃ」

「でしたら支社までお送りいたします」

「いいよ。僕の愛用バイクがあるから」


 ただのペンにしか見えないけど別荘に出てペンについているボタンを押すとバイクに変身してくれる。


「それじゃあ、影神。おじさんとおばさんによろしくね」

「はい。坊っちゃん、お気をつけて」


 影神に手を振りバイクを走らせて支社へと帰った。




 水星ヘルスミエを奪還したことでディアヴォロスの行き場を失い始めて一般人がディアヴォロスと争う場面が増えた。それに水星ヘルスミエを管理していたエルミスが捕食人間と戻ってしまい、水星ヘルスミエにあるクレヴィー社を訴え押し寄せてくる捕食人間が来ている。

 止めようがなく敗北したここは星河会長により、水星ヘルスミエで勤務されているクレヴィー社員を違うプラネットにある支社に異動命令を出していた。

 ディアヴォロスはどうなるのかなと気になりながら、私は今休暇でネオリオ街に訪れている。プラネットコード社を見つけるも素通りしてネオリオ街で一番目立つビルのところへと行く。

 ネオリオ社でありネオリオ人だけを守る組織。それにネオリオ人は捕食人間があまり好きではないことぐらい承知している。

 ビルを眺めているとひくひくしながらネオリオ社に入って行く。


「はあ、やはり真神昏斗様は戻ってこないのは承知でもあれはちょっとびっくり……」

「あなたは水神雫さん?」

「昏花様!?なぜここに?」

「休暇でちょっとここに来ただけなの。今は主人も出かけてるからこっそりね。それより目赤いですけど、昏斗に何かされたんですか?」


 いえいえと誤魔化しているも、昏斗の性格を目の当たりにしたように涙を浮かべ察しがついた。


「普段はそんなに怒らない昏斗だけど、本気で怒られちゃったんですね」

「昏斗様が嫌がる言葉を口に出そうとした私がいけないんです」

「あれね。真神家はそういう人だと認識してもらえれば平気なこと。それにあなたの総司令官が一番わかってることだと思うから、仮に昏斗と接触する際は気をつけるようにと他の社員たちにも伝えてね」

「はい。お気遣いありがとうございます。あっ月日蝕夜!」


 水神さんが武器を構えて、そちらに目をやると蝕夜が歩いている。


「初めましてだね、水神雫。ちょうど話したいことがあってね」

「なんのようですか?ここはディアヴォロスは入れない区域に値します。直ちにネオリオ街から出てください」

「そう焦らなくていい。クレヴィー社が使っていた社を譲りディアヴォロスを地下に移動させる」

「なんのために?」

「水星ヘルスミエはもうやつがれのものではなくなったということだ。水星ヘルスミエは君たちのもの。これからは自由に過ごせばいい。そうだ。やつがれたちのようにディアヴォロスを家畜しても構わない。そこはネオリオ人が決めて構わないよ」


 ちょっと待って。ネオリオ人にとってディアヴォロスは高級品であり食すと教えてもらっていた。捕食人間は解放されても、今度はディアヴォロスが地下に閉じ込められてしまうということ。


「蝕夜」

「それだけ伝えに来た。さあ帰ろう」


 納得が行かないまま、すでに冥王星プルイーナスに到着してしまう。


「私は納得できないよ」

「エルミスのような後継候補者ディアスがいないから水星ヘルスミエを渡すだけのこと」

「でもディアヴォロスやエクリプス人はどうなっちゃうの?」

「食されるか、それとも平凡に暮らせるかのどちらかだ。そこを決めるのはネオリオ人たち。見捨てるつもりはないけど、水星ヘルスミエにいるディアヴォロスは他のプラネットで暮らせない。だから諦めるしかない」


 そんなと落ち込んでいると辛いけど我慢も必要だよと私を慰め、家の中へと入ってしまう蝕夜であった。

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