10.5蝕は美、星は欲
あれは驚くほどのことだった。昏花が自ら神パーティーに参加する申込書が届いたとき、二度もゲスに奪われたことで、今度は僕の獲物にしようと承諾をしドレスを贈った日が蘇る。
モニターではすでに昏花たちが先に逃げ回っている姿に、ズーアスはどう思っているのかは知らない。木星セウスジアを管理し、神パーティーの申込書を提出したのはズーアスだ。なぜ僕に提出して来たのかは知らないが、僕に提出しなければ、ズーアスの物になったというのにな。
今回の目的は狩りの他に僕が望む兄弟の絆を観るために、あえて昏斗と莉耶には灰色の衣装とさせてもらった。プラネットコード社もいることもあり、まずは一人目を狩ると一般人を守りながら逃げていくか。
それにほう、神舞踏会で一度死にかけたモンディガがディアヴォロスに歯向かうとは面白い。
「あたしも行っていい?なんか面白そうな展開になりそうだからさ」
「いいよ。ここはエルミスに任せているから好きにして構わない」
「じゃあ行ってこよう。ついでに何人か自分で狩りしちゃお」
エルミスはスキップしながらVIPルームを後にし、本当にエルミスは好奇心旺盛なものだ。
最初エルミスを見かけた時はただの人間だった。だがある時、エルミスは人間によって殺されかけていたのを、一か八かで僕の血を与えた結果、エクリプス人化となった。
しかし最初は人肉を食べるのを拒否していたが、殺され死にかけた衝動に人肉を食べそれ以来、人肉以外食べられなくなってしまっても、楽しく生活できているのならそれでいい。
「どこか行かれるのですか?」
「プルトナス、昏花が危険になったら影から守ってやれ。僕はネオリオ人と話してくる」
「御意」
ゲスがなぜネオリオ人を誘拐したのかは未だ解明できていないが、例の件についてあの娘は鍵となるのだろう。
一室に到着しノックをするとはいと星音の声で、中に入ると映像を見ていて昏斗が映らないかチェックしている。僕は星音の隣に座り、映像を観ながら問う。
「どう?楽しんでる?」
「楽しませてるよ。私のヒーローは絶対に逃げ切る。ねえ蝕夜様、昏花ちゃんのこと好きだからなかなか食べられないんでしょ?会っちゃったら奪われちゃう」
「そんな簡単に奪わせない。ただ兄弟の絆を楽しませてもらうだけ。そっちこそ昏斗のことが好きだから昏花に奪われたくないんじゃない?」
「そう。私はずっと昔から昏斗のことが好き。でもあの時、私はお父様に誘拐されて以来、会えなくて辛かった」
随分前から星音は昏斗と会っていたなと逃げている昏斗が流れている。
「女優として昏斗に会えるんじゃないかって思って、やって来た甲斐があったよ。だからさ私、決めた。昏花の邪魔をする。それくらいいいでしょ?」
「いいよ。そのほうが面白そうだしそう簡単に会わせるつもりはないから」
伝える星音は立ち上がって昏花の邪魔をしに向かわれ、存分に楽しませてもらおうかと僕はVIPルームに戻り、ゲスには一応伝え神パーティーを楽しむことにした。
⁑
どこにいるんだろうとマップを見ながら歩いていると、捕食人間の叫び声やディアヴォロスの声が聞こえる。
私はネオリオ人でもあるから、ディアヴォロスを狩りたい衝迫が起き、欲したいけれど我慢するしかない。本当はあそこにいるエクリプス人を狩りたくても狩れないのは、そういう掟が出来てしまったからネオリオ人は我慢するしかなかった。
捕食人間を匿う街、ネオリオ街では取引を行いディアヴォロスを狩るようプラネットコード社に頼み込んだおかげでこっそり食べに行ける時ができたのは嬉しい。それに私の誕生日は蝕夜様が直々にディアヴォロスのお肉をくれるから早く誕生日がきてほしいな。
それにしてもディアヴォロスが捕食人間を狩ったり、実際にその場で食す場面は何度も観てきたけど嫌らしい。狩ったのは主人に命じられたお肉だから絶対に食べてはいけない決まりがある。それでも追い詰めろという命令が下されている以上、目的の肉を追い求めなければならない。
追い込めば追い込むほど捕食人間の香りがいいんだとか。そうお父様が仰っていたのを思い出していると私のターゲットとなる昏花が八雲くんと一緒に隠れていた。八雲くんは流彗と遊ぶ仲だしあまり私の本性を曝け出したくはないけどやらなくちゃ。
私のヒーローは私だけのものにするために。
後ろから接近してみると反応がいいのか昏花が短剣を私に突き出す。
「星音ちゃん?なんでここにいるの?」
「何がなんでも昏斗には会わせないよ。八雲くん、このことは流彗に内緒」
「邪魔をして何が面白い?迂生は気に入らないんだけど」
「そう怒らないでよ。そもそも昏斗は私だけに向いていればいいの。そうしてくれれば昏花ちゃんをいじめることもなかったのに、昏斗の脳には昏花ちゃんやお母様のことばっか。だから邪魔をしに来た。もちろん蝕夜様からにも了承は得てるから存分に邪魔させてもらう」
お父様からいただいていた笛をとり、八雲くんはそれに気づいて昏花を避難させていく。そのまま私は笛を吹くと同時にディアヴォロスが出現。
「一緒に遊ぼう、昏花ちゃん。朝日が登るまで」
八雲くんは吹き矢でディアヴォロスを倒していくも、かすり程度だから消えることはない。簡単には会わせないって言ってたから、蝕夜様を信じてディアヴォロスで昏花を攻撃してもらっている。
そしたら銃声の音で昏斗と思いきや、そこに莉耶ちゃんがいてここは襲われた風に見せればいいかと、助けてと莉耶にしがみつく。
「星音ちゃん?なんでここに?」
「私も神パーティーに招待されてたの。そしたらあの人たちがディアヴォロスを出してきて私を襲おうとしたんだよ」
「嘘でしょ。やっぱりクレヴィー社は許せない!」
まんまとひっかかってくれてありがとう。私のファンである莉耶ちゃんは昏花ちゃんと八雲くんに攻撃を開始し、私は隠れながらディアヴォロスに指示をしていった。




