11僕は会、私は次
ディアヴォロスのモンディガに助けられ、僕は海さんと話していた場所へと向かいながらディアヴォロスを倒していく。一般人の叫びかプラネットコード社員の叫び声なのかわからないがたまに叫び声が聞こえる。
何人の人はディアヴォロスに狩られてしまったんだと助けられなかった思いがありながら目的地へと着いた。無線で海さんどこと話しかけてみるとこっちだと顔を出してくれて身を隠す。
海さんと逃げていた一般人は全員いるみたいでよかったとホッとした。
「ディアヴォロスは?」
「それが前に神舞踏会で倒しそびれたディアヴォロスが助けてくれてそれで逃げて来た」
「ディアヴォロスが?なんでだ?」
「わからない。ただずっとバラの剣を突き刺していたことで影響が出たんだと思う。桜庭課長と連絡は?」
「いや。昴たちからは連絡は来てねえ。それより、大勢で逃げまくっていたら埒があかない。だからお前は少人数を連れて陽がすぐ出る北東へ進め。そうだな、ガキは足手まといになるからガキと大人を一人か二人を連れて行け」
海さん、子供苦手ですもんねと了承しているとすでに気づかれたのかディアヴォロスが来てしまう。海さんが囮になってくれるらしく、その隙に子供達と大人を連れて北東へと進んだ。そこなら花園だし、武器も調達できる。
子供達は怖いよと僕から離れず、子供までが神パーティーに参加させられるとは予想していなかった。海さんだけで大丈夫だろうかと進んでいると何かを感じ伏せてと子供達と大人をしゃがませる。
何かが来ると無限拳銃を構えて周囲を見渡すと茂みが動きそこに向けていると、プハッと顔を上げたのはひたるだった。
「何やってるの?ひたる」
「仕掛けをいくつか作ったから、時間は稼げる」
「僕らはこれから北東へ向かうけど、ひたるはどうする?」
「弱いの嫌い。だから別……」
ひたるの表情が変わりひたるに押されて転んでしまうと、子供たちが叫び出す。何がとひたるが動いたところをみるとディアヴォロスがいてディアヴォロスに囲まれてしまった。
仕掛けていたのに早く僕らの前に現れるだなんてどうかしてると無限拳銃で撃っていく。まだ真夜中だし子供達は眠気があるも、ディアヴォロスという悪魔がいるから寝付けられない。
休憩があれば一番いいけど今回はなさそうだし夜をずっと彷徨うことになる。ヒュードルを倒しながら、襲おうとしているディアヴォロスを攻撃していたら違う方角から銃声が鳴った。
みるとそこには鈴哉さんがいらっしゃって、もう一人お綺麗な女性が拳銃を持っている。
「鈴哉さん」
「ひたる、ごめん」
鈴哉さんが悲しい目で微笑みひたるは涙を流しながら無限拳銃を鈴哉さんに向けた。
「プラネットコード社を裏切った違法者!ここで葬る!」
「待って、ひたる!こんなことしても意味がない!それにまだ莉耶に会ってない可能性だってあるんだよ」
「うるさい!あたいの視界から入るな!」
僕に目掛けて発砲し僕の頬にかすり傷ができる。ひたるはずっと後悔していたんだね。ひたるは鈴哉さんの部下であり、そして誰よりも鈴哉さんに憧れていた。
「ひたる」
「来るな!」
普段はこんなことをしないひたるで、ずっと我慢してきた思いをここで打ち明けられる。
「あたいは……あたいは鈴哉さんがいなくなったことで、不安が大きかった。鈴哉さんがいたからこそ、あたいは頑張れたのに、鈴哉さんがいなくなった途端。あたいはすぐに死ぬんだって。だけどあたいより先に、鈴哉さんの部下たちが次々とクレヴィー社にやられて悔しかったよ!なんで?なんでよ!クレヴィー社に入っていたならどうして元部下たちを殺せるの!」
一体何が起きているんだと驚異的なことで、どう受け止めればいいのだろうか。鈴哉さんは口籠ってしまい、黙ってないで答えてよと叫び出すひたる。
数秒間があくとふはははははと笑い出す鈴哉さんで、赤いドレスを身に纏っている女性はふっと笑った。
「僕が殺したとでも思ってるのかひたる?僕がやった証拠はあるの?」
「それは……」
「ないならさ、ひたるがやった証拠、僕は見つけたよ。地下で起きた事件。ひたるが全員を皆殺しにした映像が監視カメラで映ってる」
鈴哉さんがスマートウォッチの画面を開き、僕らに見せつけてきたのは僕らが地下で起こした一件の映像だった。一般人がディアヴォロス化になり、ひたるが全員撃ち殺した映像。それを見せつけられた子供達は僕らから離れて赤いドレスを着ている女性のところへと行ってしまう。
いつもの鈴哉さんではないけれど、これが本心なら莉耶がどれほど心を痛めるか想像がついてしまった。
「ちゃんと教えといたはずなのに、もう忘れるだなんて僕の部下ではない。あぁそうか。元部下だったな、ひたる。茜、子供達を安全な場所へ避難を」
「わかってるわ。それじゃあまたお会いしましょう、昏斗」
待ってと動くもディアヴォロスが邪魔をしてしまい、茜という女性と子供たちに大人を見失ってしまう。神舞踏会では僕らのために手助けしてくれたけどもしかして鈴哉さんも人肉を食べてしまってエクリプス人となってしまったのか。
「鈴哉さん、単刀直入にお聞きします。人肉、若しくは人酒を口に入れました?」
「もちろん。昏無がエクリプス人になった時から、僕はすでにエクリプス人」
「じゃああの時、僕に発した言葉は嘘だった」
「あぁ。エクリプス人になることも僕自身が志願した。昏無のそばにいられるならなんでもすると会長に伝え今の職についている。それが何が悪い?僕は家族より愛する人を選んだまでだ。それに会長と蝕夜様に言われている。そうやすやすと昏花に会わせるなと」
てことは昏花も誰かによって邪魔が入っており、僕を探し出せていない状況になるってことだよね。邪魔できるとしたら誰だろうかと思考を膨らませていると鈴哉さんが攻撃してきて固まっているひたるを庇う。
「昏斗!」
「大丈夫。ひたる、いい?鈴哉さんを殺すんじゃなく捕らえて。バラの剣で鈴哉さんを刺せば人間に戻せるかもしれない。できる?」
「わかった」
菊太は鈴哉さんに威嚇し、ひたる僕は無限拳銃を構えた。ディアヴォロスを倒しながら鈴哉さんを倒すだなんて無茶な発想だけどやるしかない。
ディアヴォロスを撃ちながら、鈴哉さんに向かって発砲していくと助けてくださいと女性が一人走って来てその後ろにはディアヴォロスが走って来たのだ。それに気づいた鈴哉さんはなぜか僕らから離れどこかへと逃げてしまう。僕とひたるに菊太は女性を助け、ディアヴォロスを倒していく。
僕は想像したくないものが浮かび、昏花も別人のようになってしまったらどうしようと北東にある花園を目指した。
誰もいないことを確認し、休憩をとっていると無線から海さんの声が聞こえ応答する。
『飼育員、今どこにいる?』
「花園に到着してます。今ならディアヴォロスがいません。海さん、合流したら報告したいことがあります……」
『……わかった。すぐそっちに向かう』
海さんは察しがついたのだろうとすぐ来てくれそうだし、体育座りで頭を突っ伏しているひたるは相当ショックを受けているだろう。ドレスがこんなに汚れているのは、結構動いた証拠。男性より女性の方が逃げにくいから誰かがリードしてあげないとすぐやられそうだ。
「あのさっきは助けていただきありがとうございます」
「いえ。これが僕らのやるべき仕事なので。一応確認いたしますが、初めてな方ですか?」
「はい。あの化け物たちはなんなんですか?」
「あれはディアヴォロスという人食い星人です。ディアヴォロスは月に一度だけ人狩りをする。それが神パーティーなんです」
「じゃああれは真っ赤の嘘なんですか?」
はいと返事をしていると飼育員と呼ばれて海さんと海さんと一緒に来た大人たちは全員無事なようだ。
「ガキ共は?まさかお前がいながら食われちまったのかよ!」
「違います。別の人に奪われたと言ったほうがいいのかもしれません。菊太、ひたるを見ててあげてね。海さん、こっちで」
一般人が休憩をしながら僕は海さんと少し離れた場所でさっき起きたことを報告するとやっぱりなと怒っていた。
「あいつは昏無に一途だった。昏無が行った時からあいつはおかしくなっちまった。莉耶が接触していなければいい」
「どういうことですか?会っても別にいいんじゃ」
「エクリプス人になれば、親しかった人物の匂いが恋しくなって食すと聞いたことがあってな。一番危ないのは家族。これはふじさんに報告して、それから」
喋っていると菊太が吠え戻ってみるとさっき助けた女性の口周りには血がついていた。ひたるを人質にしており海さんが連れてきた一般人がどこにもいない。
「またまんまと引っかかったねー。それにあたしのために餌を持って来てくれてありがとう」
「エルミスだな!今すぐひたるを返せ!」
「やなこった。この絶望感を浴びた匂いがたまんない。どうせなら飼ってその匂いだけを食べていたいけど、あたしは蝕夜より優しくないからさ。食したい。最初はどこから食そうかなー」
エルミスの姿に戻りながらひたるの体を触り、ひたるは抵抗しようとも、エルミスの体がスライムのようになっているから体が密着している。無限拳銃で撃とうともひたるを人質に取られてしまって思うように撃てない。
菊太を使ってやりたくてもヒュードルとボルボロスが出現してしまい、そっちを先に撃ち始める。
「家に連れて帰ってそれからもっと絶望を浴びせたら食べよう。それじゃあバイビー」
「逃がさない!」
エルミスに向かって剣を振るうも避けられてしまい、泡になって消えてしまった。ひたるが奪われたことのショックのあまり僕は怒り混じりでディアヴォロスを斬る。
鈴哉さんが余計なことを言わなければ、ひたるは普段通りにディアヴォロスを倒せた。
ディアヴォロスを全て退治し、海さんは近くにあった花瓶を壊して物に当たっている。ひたるが無事な保証はどこにもない。これが神パーティーの恐ろしさというべきなのか。僕らは武器があるから対処はできるけど、一般人は何も知らずに怯えながら逃げていかなければならない。
これが毎月行われるだなんてどうかしてる。早く神パーティーと神舞踏会を完全に終わらせなければ未来はない。
「海さん、物に当たっても意味がないです。とにかくもといた場所に戻りましょう。きっとそこに僕を助けてくれたモンディガがいるはずです」
「そうだな。物に当たってもなにも解決はできねえ。花はいいのか?」
「多少摘んでいきます」
花園だし多種多様な花が咲いている。矢筒にバラ数本と枝に違う花を入れてさっき来た道を引き返す。モンディガがやられていなければいいけどなと走っていくとディアヴォロスの遺体がいくつもあった。
全員やられてしまったのかと僕を助けてくれたモンディガを探していると見つけたが結構な出血をしている。
「昏……斗……なぜ……戻って……来た……?」
「あなたに聞きたいことがある。ディアヴォロスがなぜこの地に降りたのかを思い出したってさっき言ってたよね?言える範囲で構わない。教えて欲しい」
「俺たち……ディアヴォロスはな」
モンディガは何かを言おうとした瞬間、最後の力を振り絞って僕らを守りモンディガは倒れてしまった。キランと建物の方から見え、口封じのためにモンディガを殺したのだろう。
真実を突き止めるために聞きたかった情報だけど、やられてしまった以上は弔うことしかできない。持って来た花がちょうど母子草で花言葉は永遠の愛、忘れない、優しい人を持っている。だから母子草を置いて君のことは忘れないと僕らはディアヴォロスから逃げながら昏花を探す。
昏花はどこにいるんだろうとディアヴォロスを倒しながら探していると、朝日が登り始め鐘が鳴ってしまった。ディアヴォロスは僕らにお辞儀をして去ってしまい、時間を無駄にしたと地べたに座る。
菊太が僕の頬を舐め慰めてくれて、今日は会えなくても次回は必ず会えるよねと太陽を眺めていたら拍手の音が聞こえそちらに目をやる。
「さすがは昏斗、海。逃げ切ったね」
「月日蝕夜」
「モニターでずっと昏斗を観ていた。本当に素晴らしく、そしてモンディガを正気に戻すとは凄いことだよ」
「お前がモンディガを殺したのか?」
「いや、僕の差金ではない。ただ残念なことに昏花とは再会できなかったようだ」
何が言いたいといろんなことがあり過ぎたせいで、怒りを月日蝕夜にぶつけてしまいそうだと、グッと堪えていたら何かを投げそれを受け取る。
「モンディガが言っていただろう。謎を解き明かせと。ならば調べればいい。なぜディアヴォロス、人食い星人がいるのか。なぜ地上と地下があるのか。真実を突き止める神ならばこの世界を謎を解き明かしてみろ。大丈夫、僕は昏斗の仲間だから、昏花は食さないと決めている。ただすまない。昏無とご両親だけは救えなかったことは許してくれたまえ」
意味がわからないと言おうとしたがすでにいなくなってしまい、どういうことなんだと受け取ったものを確認した。月日蝕夜がつけているイヤリングと同じ目のシルエットのペンダント。中央には冥王星の球体が入っている。なんの冗談だとガラスケースからペンダントを手に触れた時のこと。
冥王星に触れたらいきなり昏花の写真が現れ、どれもこれもいい笑顔と見惚れてしまう。これは多分、僕にしか見せない笑顔を蝕夜は見たんだ。どういう理由で僕にこれを贈ったのかは知らないけど遠慮なく頂こうとそれをつけた。
「あいつ急になんなんだ?」
「わからないけど、モンディガも月日蝕夜も謎を明かせって言われた以上、僕はそれに従って謎を解き明かしてみる。なぜ人間は捕食人間となりディアヴォロスの餌食になってしまったのかも繋がると思うから」
終わり僕らは莉耶たちと合流するために、合流地点へと向かった。
⁑
よりによって星音ちゃんがプラネットコード社の人たちと会っていたこともあって、私と八雲くんに攻撃をする女の子はなんなの。私の力とあまり差がないこの子は次から次へと拳銃で狙いを定めている。
それに隠れている星音ちゃんはディアヴォロスを操りながら私と八雲くんの他にこの子を襲っていた。あれちょっと待って。この子、灰色のドレスってことは鈴哉さんの妹さんで間違いはない。
「撃たないで!」
「何言ってるの?だって星音ちゃんが襲われたって言ってるし、あなたたちどう見てもクレヴィー社の一員でしょ?」
「そうだけど、私は昏斗の妹、昏花。あなたは鈴哉さんの妹さんである莉耶ちゃんでしょ?」
「お兄ちゃんを知ってるの?」
頷くと莉耶ちゃんは拳銃を下ろしてくれたけど、再び拳銃を私たちに向けた。
「そっか。なら尚更、昏花ちゃんを逃がすわけにはいかない!」
「なんで?どうしてよ!鈴哉さんに会いたいんじゃないの?だから参加したんじゃないの?」
「それはもちろんある。だけど参加したのは違法者になってしまったお兄ちゃんを撃つために来た。昏花ちゃんも違法者である以上、見逃すわけには行かない!」
私に向かって発砲をし撃たれると目を瞑ると痛みも感じず、目を開けてみるとそこには知らないエクリプス人が立っていた。
「蝕夜様の大事なお方を傷一つつけさせない」
莉耶ちゃんはなぜか驚いており、陽が登ってしまって鐘が鳴ってしまう。終わってしまった。せっかく昏斗に会えるチャンスを作ってくれたのに、ここでずっと莉耶ちゃんとやっていたからだ。
「鐘が鳴りました。あなたは逃げ切ったのですから早くお逃げください。ディアヴォロスが回収に当たります」
莉耶ちゃんは何か言いたげそうだったけれど、去ってしまいお怪我はとこちらに向いてくれた。
「ありがとうございます。怪我は私も八雲くんもないです。あのあなたは?」
「これは失礼いたしました。拙僧はプルトナス。蝕夜様の側近をさせていただいている者です。さあ蝕夜様の元へ帰りましょう。今回は会えなかったようですが、必ず会えます。拙僧も会いたい人がいるからこそ、蝕夜様にお仕えしている者なんです」
プルトナスさんも会いたい人がいるから、蝕夜の元で働いているのかとプルトナスさんと八雲くんと一緒に戻る。星音ちゃんはきっと自力で戻っている頃だろう。
今回は会えなかったけど、次回会えると信じて蝕夜がいるであろうVIPルームへと戻った。




