被害者 0463
少し短いので、今日は2話投稿します。
私は商人のとして何不自由なく育てられた
うちは商会としてはとても大きいってわけじゃないけど、街でも有力な商会だった
人より裕福な家庭、優しい両親、働き者な従業員達
そんな日常の中で、それが幸せだと感じる事もなく、それがただ日常と思っていた
自分で言うのも何だけど、私は母に似て顔もスタイルも結構良い
商会の跡取り、1人娘、器量良し、なんて、すごい好物件
お見合いの話が毎日のように届いてた
最初はちょっとした変化だった
両親がばたばたしてた
忙しいのかな?
って思ってたんだけど違った
私は何にも知らなかった
1人、2人、と従業員が減っていった
その頃は私もおかしいと思いだした
粗末になっていく食事や衣類
商売がうまくいってないみたいだった
従業員が少なくなり、私も両親を手伝って支えたけどそれもあまり続かなかった
とある日、男達が乱暴に家の中に踏み込んできて来た
男達は家中のものを略奪し、父を嬲り殺しにし、母を強姦した
そして私は奴隷となった
両親は、懇意にしていた商人に裏切られたのだそうだ
人の良い両親はなんの疑いもなく、無理な依頼を受け経営を悪化させ、その補填をするため、他の商会と合同で貴族からの融資を受けたのだそうだ
合同で融資を受けた商会は、お金を持ち逃げ
父は保証人となっていたので借金のみが残った、という事らしい
よくある不幸話だとゲスな男達が話していたのを聞いた
私を売れば借金も返せただろうけど、両親は頑なに拒み続けたそうだ
元々、私が目的だった
さっさと差し出していればこんな事にはならなかった、私のせいで両親は不幸になった、と私を陵辱した男が言っていた
優しい両親、幸せな家庭、人としての尊厳、人生の全てを奪われた
半年もすれば涙はすっかり枯れた
舌を噛んで死のうと思ったけど、隷属の首輪のせいで自分を含む人間を傷つけることができない
死ぬ事も許されない
端から徐々に削られる日々に心が壊れた
その後、人形のようになった私に飽きたのか、感染症になり使い道が無くなったと判断されたのか、魔物の餌にされ命を奪われる事となった
やっと
この生き地獄から解放された
やっとこの人生を終わることができた




