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異世界に転職しました  作者: Aries
第6章
119/202

激おこルシフェルさん

 




「選択肢があるだけありがたいと何故思わない?」


 ちょっとルシフェルさん?


「君がはっきり言わないから、彼らが付け上がるんだ。」


 え?


 なにその呆れ顔


 私の所為なの?


「有無を言わさず魂を刈取り輪廻に戻す事も、祈りの祠に帰す事も、試練の間に放置する事だってできた。彼女にとったら瞬きする間に終わるくらい簡単な事だ。君たちを助けるなんて面倒事でしかないよ。それなのに、君達は助けられて十二分に支援を受けたにもかかわらず、感謝すらせずまだ足りないと言う。」


 ちょっと!


 言い過ぎ!


 瞬きって…


 まぁ確かにそのくらいすぐに終わる事だけど


 そんなに本当の事を突きつけなくても


 半分以上は私の気まぐれだし


「いや、まぁそうなんだが…だからと言ってスキルの剥奪はやりすぎじゃないか?」


「本来、スキルとは己の研鑽によって得るもので、愚者が簡単に手にして良いものではない。」


 なるほど


 スキル削除はクレアさん主体でルシフェルと決めたけど、そう言うことか


 彼なりの美学というやつですね


 叶くんの言いたい事もわかるけど、『勇者の卵』としてのスキルは『勇者』としての責務が伴う


「だいたい、君たちにそのスキルは不釣り合いだ。使いこなせてもない。君たちが先の3人と同じように堕ちていく事を懸念している。」


 本当のことだからってそこまで言わなくても…


「ルシフェル、ちょっと言い過ぎ。彼らはまだ甘ったれの子供(ひよこ)。この世界の物差しで測るべきではなかった。しょうがないわ。」


 正論を言われくやしそうに俯く叶くん


 諦め顔の新堂くん


 不安げな楪さんと水瀬さん


 思い詰めた感じの朝比奈さん


 それぞれこの数日間色々な事を考えたんだろうと思う


 その結果どうしようもできず、考える事を放棄して現実逃避しているんでしょう


 彼らには他の選択肢もあった


 それに気付くと思ってたけど、私の期待外れだったみたいね


 思いがけず大きな溜息が漏れてしまった



「女神様。自分は式神と離れたくないっす。せめて、今まで召喚したことある子達は一緒にいたいっす。何かかわりにできることがあるならやります!だからお願いします!!」


「ゆいピー…。」


 おや?


「誰が言い出すかなって思ってたけど朝比奈さんだったとはね〜。」


「僕は彼女が一番有能だと思うよ?」


 そーなの?


 彼女はルシフェルのお眼鏡に叶う器だったのね


「?」


「朝比奈結衣さん!」


「はっはい!」


「…ごーかく!!」


「うぇ?ご、合格?ってなんすか???」


「私は、『選択肢をあげる』と言った。」


 叶くんあたりは気付くと思ったんだけどな


 頭良さそうだし


「でもね、選択肢が3つだけとは言ってない。」


 しまった!


 っと言う顔をする男の子2人


 流石にここまで言ったら気がつくわね


「それで?女神様は自分達に何をやらせたいんだ?」


「ん?叶くんにやって欲しいこととかないよ?朝比奈さんが働きたいって言ってらから彼女には仕事を頼むかもしれないけどね。」


「っ!なっ!」


「叶パイセン!諦めたパイセンは黙っててほしいっす。今は自分が交渉中なんすから!」


「むっ。」


「聡ちゃん、今回は気づかなかった僕たちが悪い。先に気づいた後輩を押しのけるのはカッコ悪いよ。」


「…わかってるよ!」


「どう言う事ですか?」


「え?なに?どういう展開ですか?」


「うーんと、僕達は異世界から強制連行され、各自多少の努力をしスキルやレベルを上げて試練に挑み、クリアしたにも関わらず、仲間の裏切りによって死にかけた。ここまでは良いかな?」


「はぁまぁ。」


「そうですね。」


「それは多少なりとも女神様の同情できる出来事だった為、僕らはこうして助けられて保護された。」


 チラリとこちらを見る新堂くんに軽く頷くことで返事をした


「だけどこれ以上ここにいる事は僕らにとって良くないと思い巣立ちを促した。という事だと思う。確かにこの数日間の僕達の行いは自慢できるようなものじゃなかったね。」


「…確かにな。正月のようなだらけ様だった。つまり、女神様は与えられた分は返せ、そして更に求めるなら対価分働けという事だろ?本当なら自分達で気づき、女神様へ提案するべきだった、と言うことか。」


 はぁーっと大きな溜息をついて叶くんがそう言った


 正解〜


 ま、そう言うこと


「それで、自分にできる事は何かがあるんすか?」


 もちろん!


「ユー、勇者に成っちゃいなヨ!w」



「「「「「はぁ〜?!」」」」」






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