7日目 その3
「ワンちゃんたち激おこです〜。はわゎ〜。(ザマァ!死にさらせクソ犬ども!!)」
「楪!しっかりしろ!クソっ!!」
「おい!どうした?!楪さん大丈夫なのか?!」
「アイツのスキルだと思う。威圧を防ぎきれなかったんだ。」
「成る程。俺たちでも威圧感を感じるんだ。楪さんにはキツかったかも。」
「斉藤、小林すまん。後は任せた。俺らは治療と防御に徹する。」
「はっ!言われなくても!」
「やっちゃいますか。光輝、ザコを減らしながら牽制するから、まずはでかいの1発叩き込もう。」
「りょーかい!」
「アイリンは合図したらもう1発氷魔法入れて動きを阻害して、ゆいピーは結界と周りのヤツをお願い。」
「はいです〜。」
「りょ!」
「しっゃ!!いくぜぇ!!」
駆け出していく後輩たちを見送り、隣にいる陽介を小突いた
「笑い過ぎ。」
「っくっはっ!我慢の限界だよ!あんな臭い芝居に騙されるもんなんだね〜。」
「人聞きの悪いこと言うな!気持ちよく戦いに出てくれるように、後輩への気遣いだぞ?ほら、さっさとトドメさして掃除するぞ。」
「はいはい。っつ、ぷくくっ。」
俺と陽介は水瀬と楪をフォローしながら4人が上手く連携しボスを倒していく様を見ながら群れを狩っていく
順調に育ってるなぁ
中身が伴ってないのは残念なことだが、知ったことか
不本意だが、後輩たちを見捨てるのは寝覚めが悪いし、ちゃんとこの旅が終わるまでは協力するさ
「おい!楪!いつまでぼけっとしてる?!水瀬もサボってないでトドメをさせ!」
「なっ!酷いです先輩!とわちゃんはまだ回復してないです!」
「…完全に回復させる必要はないってイネス様に言われただろ?」
「で、でも!」
「じゃあ楪の回復は俺がするから交代な。ここまでお膳立てしてもらってるんだ。遠慮せずやってこい。」
「僕は右側をやるから水瀬ちゃんは左側からお願いね〜。」
「ぐぬぬ…。」
「早く始末してレベル上げしてくれるととても助かるよ。楪も後から行かせるから心配すんな。」
「くっ…行ってきます。」
ぐぬぬって…
お前そんなキャラじゃなかっただろ…
水瀬のサボりぐせには困ったもんだ
さてと
「おい、しっかりしろ。もう威圧の効果は解けてるだろ?」
「…もう帰りたいっなんで私たちだけこんな事しなきゃいけないのっ…。」
俺は思わず溜息をついた
知るかよそんな事
俺だって知りたいわ
「…お前がついて来るって決めたんだ。やりたくなけりゃついて来なきゃ良かっただろ。そうやってプルプル震えてれば誰か助けてくれるんじゃないか?」
「たすけて…先輩は助けてくれないんですか?」
「俺の目にはお前に助けが必要とは思わない。」
他人に依存するやつは嫌いだ
決められた事に変えられない事に文句を言う
代案を出す訳でもなく自分で動かない
文句を言ったってやらなきゃいけない事はなくならない
逃げ出すチャンスは何度もあった
だが、今こうしてここに来ている
ブリリアント王国の庇護は中々のぬるま湯で、当初思ったより快適に過ごせている
無理な労働をさせられるわけでもないし、非人道的行いを強制させられるわけでもない
恵まれた環境にいると思う
だからといって物語のように数人の若者に国の、世界の危機を押し付けて良いもんじゃないだろう
俺は労働に見合った報酬が得られないなら俺は動く気はない
効率的とは言わないが、自分が帰るためにここまで付き合ってるんだ
その為に犠牲がいるならある程度は覚悟してる
「自分で決めろ。ついて来れないなら置いていく。」
楪の口に固形の蜂蜜を突っ込んでオルトロスに向かった
後ろからついてくる足音にニヤリとした
ここで立ち止まってもらったら困るんだ
俺を失望させるな
俺たちは飯田の魔法に感電したオルトロスにトドメを刺し、斉藤達の間を抜けてくる奴らと対峙し確実に倒していった
全てのオルトロスにトドメを刺し、俺たちのレベルアップの音が鳴り止む頃には星明かりがキラキラと輝いていた
長い1日が終わりを告げた
余談だが、ブツブツ文句を言いながらメイスを振り下ろす水瀬の様は恐ろしかったようだ
斉藤が悲鳴をあげるくらいに




