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異世界に転職しました  作者: Aries
第5章
105/202

7日目 その2

 




 いや…


 うん


 そうだな


 これはあれだ


 ある種の事故みたいなもんだ


 災害とかさ


 台風ってある程度の予測はできるけど予測通りの動きをするわけじゃないし、どうしようもないだろ?


 ないならない方が良いわけだし


 うん


 起こってしまったのならしょうがない


 対処するしか無いじゃないか


 じゃないと死ぬ


 俺の予定ではもうちょっと…


 ため息が尽きないが、言ってもしょうがない


 俺たちの現状選択肢は


 籠城、討伐、逃走の3つ


 せめてもの救いは飯田と朝比奈の魔力が回復している事


 俺たちがあまり疲労していない事


 幸いにも斉藤と小林が罪悪感を感じている事


 気力、体力共に消耗が激しいが大きな怪我もしてなかったし、よしとしよう


 とりあえず拠点の出入り口を塞ぎ状況を確認した


 朝比奈に周囲を偵察してもらった結果、50頭以上のオルトロスがいて、こちらの様子を伺ってるらしい


 斉藤と小林は水瀬に回復魔法をかけてもらい、少し休んでもらっている


 彼らの話では20頭くらいは倒したが、その後群れのボスが合流し、どんどん数が増え対処しきれなくなったとのこと


 群れのボスは常に10頭程度侍らせ守りを固め、指示を出しながら威圧をかけてくるので動きを阻害されるらしい


 群れを片付けないとボスには手が出せないのか…


 厄介だ


 しかも斉藤、小林でも防げない威圧か…


 正面突破は難しいな


「斉藤と小林が回復するまでの少しの時間を稼ぐぞ。俺たちでなんとか周りのオルトロスを半数は減らしたい。俺のプランを聞いてくれ。」


「おい、勝手に話を進めるなよ!俺らは大丈夫だし!」


「ですです!皆さんはこの中に入ってたら良いです。アイリンの魔法でイチコロです!(ザコは黙って隠れてろ!)」


「いや、お前らはボス戦に集中してほしい。このままだと俺たちが足手まといだ。」


 予想通り斉藤から反発があったが、俺は謙ってヤツが美味しいと思えるシチュエーションを作ってやる事にする


「確かに、そうだね。僕たちでは3人で1頭相手にできるかどうかって感じだし。水瀬ちゃんをを庇いながらとなると完全に足手まといかな。」


 陽介はすでに察してるのでフォローを入れてくれる


 アイコンタクトするまでも無いな


「ううぅ、ごめんね斉藤くん。私が不甲斐ないばっかりに…。」


「そっそんな事思ってないよ!水瀬さんがいてくれて嬉しっじゃなくて、助かってるよ!!支援魔法とか!とっても!」


「本当?役に立ててるなら嬉しいな。えへへっなんか照れるね。」


 因みに水瀬は天然だ


 とりあえず、水瀬には斉藤、小林に支援魔法をかけさせる


 甲斐甲斐しく世話をする様に鼻を伸ばしてるようで何よりだ


 俺も支援魔法は使えるが、まぁなんかどうせなら女の子からが嬉しいだろ?


 決して俺が面倒だからとか、魔力がもったいないとかじゃないぞ?


 手短に段取りを説明し、入り口を開けて俺と楪が飛び出した


 手前のオルトロス達にこちらから先制攻撃を仕掛ける


 後方からは飛び道具と水魔法を浴びせるが、あまりダメージは与えられず、飛び散った水が泥濘みを作り足場が悪くなる


 雄叫びを上げて続々と集まってくるオルトロス


 その奥に一回り大きな個体がいた


 あれが群れのボスか…


 この距離でも威圧で肌がピリつく…


 っまずい!!


「GUAAAAAAAAAAAAA!!!」


 咄嗟に楪を庇い、反転した瞬間、ボスが吼えた


 それだけで背筋にザワリと悪寒が走る


 咆吼が辺りの音を奪っていく


「ひっ!」


「楪!走れ!!」


 崩れ落ちそうになった楪を支えて拠点へと駆け戻る


 たった数メートルの距離が遠く感じる


 後ろからは敗者の逃走を阻もうと黒い群れが津波のように押し寄せる


 そう


 こちらの予定通りに


「ライトニングウエーブ!!」


 踏み込んできた黒い群れを雷の波が押し返す


 濡れた毛皮やボウガンの鏃に吸い寄せられるように電撃が注がれる


 飯田の特大雷魔法で感電し、脳を焼かれ四肢を麻痺させるオルトロス


 直撃せずとも、ノーダメージとはいかないだろう


 口から泡を吐き、倒れる魔物達に間髪いれずトドメを刺していく


 これで大半の戦力を奪うことができた


 楪は使い物にならないかもしれないが、まずまずの出来だと言える


 ボスは残りを引き連れて悠々とこちらに進んできた


 あれは俺がやるにはリスクが高すぎる


 火力不足だな


 後はあの2人に任せよう


 さてと、お手並み拝見といきますか







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