4日目
4日目
今日はそれらしい場所がないので木の上で過ごすことになった
高さ20m、幹は直径3m以上はある大木だ
手狭だが夜を過ごすのには困らないかな?
かなり深い森だが所々空が見えたり、開けた場所もたまにある
この木の周りもそこまで隣接して木が生えていないので、木を伝って魔物が来る心配も少ない
木の上だからって安心安全ってわけじゃない
蛇や虫、飛べる魔物もいるからな?
斉藤、小林よ落ち着け
いや、わかるけど
木の上で過ごすって、なんか秘密基地っぽいよな
楪と朝比奈はなんとか1人で登れたが、飯田と水瀬は結局1人で登ってこれず、上からロープで引き上げてやった
相変わらず鈍臭いやつ
「重い。」と言う呟きを聞かれてしまった
ああ、そうでした
女子に体重の話はNGだったな
お詫びに夕食はちょっとおまけしてやろう
…体重を気にしてるなら逆効果か?
流石に木の上で調理はできないから降りて飯の準備に取り掛かろう
陽介に材料を出してもらい早速作ることにする
食材は分けて持つことにしてる
水瀬に収納してもらってる方が保存が効くので、そのほかから消費していく
鍋や食器などの調理器具はほとんど俺のマジックバックに入ってる
竃なんかは陽介が土魔法でちゃちゃっと作ってくれるので便利だ
まずはトレントの実をリンゴみたいに芯を外してスライス、軽く塩を振る
バターを入れた鍋でトレントの実を軽く炒めて、なるべく重ならない様に底に敷き詰める
卵と小麦粉と水、後は砂糖代わりの蜂蜜をよく混ぜた生地を鍋に注いで、蓋をして弱火っと
薪だから火加減が難しいが、遠火にしとけば焦げることはないだろう
その間にスープも作ってしまおう
陽介が肉の下処理をしてくれてるので後は野菜と煮るだけだ
コンソメやスープの素なんて無いからただの塩味のスープ
骨つきで入れてるから少しは増しだろうが、せめて乾物でもあればなぁ
無いものはしょうがないか…
パンとスープ
なんだか味気ない食卓だ
唐揚げ食べたい
ラーメン
牛丼
…
はぁ
辺りに漂う甘い匂い
そろそろか
生地の表面にあるプツプツとした気泡が固まってきた
ひっくり返してもう少しだな
うん
裏も焦げてないし、トレントの実も柔らかくなってる
トレントの実はヨウナシみたいな感じの質感で、形は丸く野球ボールくらいの大きさだ
味はモモとリンゴの間の様な感じか?
モモほど強い甘みはなく、林檎の様な硬い歯ざわりでもなく、ナシほど瑞々しいわけでも無い
そのままでも割と美味い
飽きない甘さだ
魔物の実なのにな
おっとそろそろいいかな?
見た目美味そうだぞ?
とりあえずカットして製作者特権
味見
ほのかな甘みと酸味
しっとり蒸された生地と良くあってる
蜂蜜がいい仕事してる
うん、美味い!
出来立ては良いな!
美味さ2割増しだ
それを差し引いてもトレント蒸しパンモドキは中々の出来だった
「そうちゃんトレントの実はどんな感じだった?」
「焼いた方が美味い。」
「うん。いいね。僕も好きな味。」
齧ったやつを半分やって陽介にも味見させた
木の上からの視線が凄いけど、気にしたら負けだ
味見どころではなく食い尽くされる
女ってそういう図々しとこあるからさ
俺は知ってる
だからあえて無視する
「「「「………」」」」
とりあえずできたやつはマジックバックに入れとこ
「ああっ!」
「そんなっ!!」
「鬼っす!!」
「ずるいですぅ!」
は?
手伝いもせずに何言ってんだ?
まぁそれ目当てで手伝われても困るけど
いや、気にしたら負けだ
手伝わず、文句だけ言う女なんていくら見た目が良くても願い下げだ
やっぱ結婚するなら料理上手で気立てがいいこが良いよなと再確認した
とりあえず時間あるしもう一回焼こう
いつでも調理できるわけじゃ無いし
朝飯にもちょうど良いしな
俺は無視して作業を進めるのことにした




