応龍討伐戦・壱
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アシュタロテ歴84年。
アーシラト大陸、西の都ナハルを応龍が急襲。
ナハル王9世イルウは兵を率い果敢に応戦。
戦闘中、避難が遅れた国民を庇うため、応龍の注目をイルウを含めた防衛兵に集め、国民全員の避難を成功させる。
その代償とし、兵士は半数が戦死、重症多数。
イルウ=ナハルも応龍に上半身を噛み千切られ、その生涯を終える。
応龍は市街地で暴れ、街を囲うように張られた防壁のほとんどを崩し、去っていった。
なお現代においても、応龍襲来の原因は定かになっていない。
イルウ=ナハルの迅速な避難指示によりナハル国民自体の被害は抑えられたものの、多くの兵を失い、市街地が半壊・防壁全壊とナハル国は決して小さくない傷を負った。
応龍襲来から2カ月、故イルウ=ナハルの長子であるヤム=ナハルが王位を継ぎ、ナハル王10世となる。
応龍への復讐を胸に誓うも、国の立て直しを第一優先とし、治政を行う。
ヤム=ナハルの明確な復興方針に加え、国民自体の被害は少なく人手が十分にあったことから、国の立て直しは急速に行われた。
防壁が崩れ、兵士の数が半減と、周囲に潜む魔物の脅威にさらされた状態に対し、ヤム=ナハルは、アーシラト大陸中央に位置するアナト王国に対して傭兵団の派遣を要請。
アナト王国はこの要請を受理し、500名の傭兵団を迅速に派遣。
その中に、特急戦力を持つ傭兵が2名いたこともあり、周囲の魔物はナハル国の防衛ラインを一度も破ることはなかった。
傭兵派遣から数カ月後、応龍の雄たけびが街に響き渡ることがあった。
雄たけびはしばらくすると止み、結局その後は何も起こらなかったが、落ち着きを取り戻しはじめていた人々の心は、再び応龍への恐怖に苛まれることとなった。
応龍は、いつ再襲来してもおかしくないのだと。
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アシュタロテ歴86年。
応龍襲来から2年、市街地の復旧が完了し、以前のものと比べると簡易ではあるが防壁も再建し、ナハル国は復興にこぎつけた。
人々の顏にも活気が戻り始めた。
一方、ナハル国の防衛を支えた傭兵団の派遣期間は3年。
強力は戦力はあと1年でアナト王国へ帰還してしまう。
応龍の脅威は去ったわけではない。
雄たけびはあの一度きりでなくなったが、現在もまれに西の空を飛んでいるところが目撃されている。
国民の安心のため。父の仇打ちのため。
ヤム=ナハルは、この1年の間に応龍の首を取ることを決意し、応龍討伐戦の開始を宣言した。




