第7話「たびたびアバンチュール」
[手のひらにヒト(頭部)を掴んでいます, 取り込みますか?]
…オーマイゴッ
声がたたみかけてきた。
今、死体の頭掴んでるのか、あばばば。
いっぱい気配が消えて流れてきた死体が人って。。
じゃあ、今胃袋は人の遺体だらけってことか。。
親びん、街でも襲ったんですかいて。
ほんとに、困ったさんだな。
こっちの人がどんな生活してるか知らないけど、親びんって普通の人よりは強そうだもん。
しかし目が見えてないからか、今はもう人間じゃないからか、思ったほど忌避感とか感じないな。
謎の声サンも取り込めるって言ってるし、もらえるものはもらっとくか。
てか、死体でも取り込めるんだね!
取り込み、お願いシマース!
[ヒト(頭部)を取り込みます]
[・・・]
[取り込みが完了しました]
・・・
何も起きてないパターンか。
ヒトツノウサギの時と同じだな。
なんなの、スライムさん以外つかえないじゃないか!
まったくもう!
・・・
さてさて、冷静に考えたら掴んでるものなくなったな。
振り出しに戻りましたね。
はあ、これだから無脳は。
・・・
しかも、あれだけガンガンきていた死体の流れもぱったりとなくなった。
これはもう、鳥さんが溶けきるのを待つしかないかな。
◇
どれくらい時が経ったかはわからないが、大きな鳥が溶けきるくらいの時間が経ったことは確実である。
私は、くちばしから抜け出すことができた。
やった!と思う間もなく胃液にダイブした私の身体中を痛みが襲った。
シュワァァァァアアア
強力な胃酸で溶けていく!!
鳥さん、溶けるまで時間がかかったからなめてたぜ!!
尋常じゃないぜ!
子供の頃に人差し指をホッチキスで止めてしまった時よりも痛い!
特に手のひらの中心がものすごく痛い!
何かの死体に這い上がろうとするが、あれだけ大量にあったはずの人の死体はすっかり溶けきっているらしく、胃液からの逃げ場がない。
胃液の中を溶けながら這い泳いでいく。
痛みが激しすぎて、意識が飛びそうになる。
私、親びんに消化されてしまう。。
と、壁にぶつかった。胃壁とでも呼べばよいか。
親びん信じてたのに、、私を裏切るのね!許さない!!
最後に一矢報いてやる!
グッ...チョォ!!
最後の力を振り絞って、胃壁の一部を千切りとった。
へっ、ざまあみろ、ダメージを与えてやったぜ!
あぁ、でももうダメみたい。。きっと今のステータスは瀕死状態だ。。
もぅ、意識が、、
[手のひらに応龍(胃の肉片)を掴んでいます, 取り込みますか?]
!?
色々言いたいことはあるが、まずは
取り込む!取り込む!!取り込むぅうう!!!
[応龍(胃の肉片)を取り込みます]
[・・・]
[応龍(胃の肉片)が完了しました]
[『龍酸耐性Lv1』を取得いたしました]
こ、これは!?
今の状況に最適な耐性!!
取り込んだことで、体力もやや回復し、胃液による痛みも和らいだ!
これは、勝てる!!
グッ...チャァ!!
[応龍(胃の肉片)を取り込みます]
[・・・]
[応龍(胃の肉片)が完了しました]
[応龍(胃の肉片)を取り込みます]
[・・・]
[応龍(胃の肉片)が完了しました]
・・・
[『龍酸耐性』がLv2へ成長いたしました]
[応龍(胃の肉片)を取り込みます]
[・・・]
[応龍(胃の肉片)が完了しました]
[応龍(胃の肉片)を取り込みます]
[・・・]
[応龍(胃の肉片)が完了しました]
・・・
・・・
[『龍酸耐性』がLv3へ成長いたしました]
うし!
体力は完全回復、むしろプラ。
ようやく、溶けなくなってきた。
溶けては、取り込んで回復、また溶けては、、という無限ループを脱した!
結構千切りとった気がするが、さすがは親びん、胃だけでもまだまだたくさんのお肉がありそう。
というか親びん、応龍だったんだね!
応龍ってなんだよ。龍の応用編みたいなノリか?
なんか一筋縄ではいかなそうだな!
まあ、ともかく親びんの胃袋が、胃液地獄から死体がたまに流れ込んでくる生暖かいプールへとランクアップを果たしたのである。
ちょっと、緊迫状態が続いてたから、しばらくぼーっとさせてくださいな。




