第10話「Hello World」
なぜかわからないけど、いつのまにか目が生えた。
これ、すごくいいお話です。
なぜかって?
だって、見える!私、見える!!
見えるって素晴らしい!とても素晴らしいことなのです!
今までは、触感だけしかなかった親びんの体内は、赤と黒が混ざったような血が流れ、その体は不連続に蠢いているのです。
改めて、自分が変ちくりんな場所にいることを思い出させてくれる。
やはり、目はいい。
これで、私は、はじめから持っていた触覚につづいて、視覚を手に入れたわけだ。
でも、なんで急に目が生えたんだろう。
ん〜やっぱり、人間の頭を取り込んだからかなあ。。
スライムや親びんの胃の肉を取り込んだ時って、なにかスキルをゲットしたけど
一方で、ウサギとか人を取り込んだ時はスキルがもらえなった。
はずれだと思ってたけど、実はその時にツノとか目とかを手に入れてたんじゃないだろうか。。
んーそれっぽいな。
そして私にしては、いやに冴え渡ってるな!
あーーでもそれだったら、親びんの胃にいっぱいいた死体をとりこんでおけばよかったなあ。
まあ、気配感知的にまだ外にいっぱい人間はいるみたいだしね!
いや、生きてる人間に襲いかかったりしないよ?
基本的に、人間には友好的に接するつもりだからね。
さてさて、それじゃあ人間ちゃんたちの顔を拝むとしますか。
◇
ズポッ!
Hello World!
あたりを見回してみると、さぞや親びんが暴れたんだろうね。
きっと閑静な森だったと思うけど、木が吹き飛び洞窟的なものが崩れ、地面は抉れ、マジパないっす状態でした。
人もたくさんいますね〜。
ごっつい鎧を着てる人とか、王冠かぶってる人もいたりして、結構総力戦だったのかな。
死体も結構ありますね〜。
隙を見て、取り込もうっと。
お?
兵士的な方々がこっちに向けて武器を構えてる!
やだなあ〜。
めちゃんこ友好的なのに。
あのえらそうな人が号令をかけたのかな?
耳がないって不便だ。。
いや、せっかく目が生えたんだし、贅沢を言っちゃあダメだよね。
逆の立場で考えると、目が生えた手が龍の体から出てきたらそりゃ警戒もするよね。。
んーどうにかして私の友達になりたい的な気持ちを届けられないかな?
心の声?テレパシー?念話?
[『念話』取得にはスキルポイントが30必要です]
お!イイネ!
スキポちょっと高いけど、先のレベル爆上がりで30くらいはあるはず。
念話、取得でお願いシマース!
[『念話Lv1』を取得いたしました]
よし、それでは人間ちゃんたち僕の想いを伝えましょう。
「「「 ワタシ、ミンナニアエテ、ウレシイ!!!! 」」」
あれ?
予想では、ホッとした顔をするかと思ったんだけど、なんかめっちゃ引いてるというか、怯えた顔をしてるような。。
あの人とか失禁してない?ウソン、この念話全然ダメじゃん。
この念話、不良品デース、返品お願いシマース!
まあ、無理だよね。
てか待て待て。
何人か兵士が向かって来てるぞ。
やばいやばい、討ち取られちゃう。
ああ、慌ててる間に剣が目の前に。。
あれ?
剣で切られたと思ったけど、ちょっと小突かれたくらいの衝撃しかこなかったな。。
お次は槍ッ…も、ツンツンされたくらいだ。
しまった、条件反射で最初の剣の人の頭を握りつぶしちゃったよ。。
まさか、人間の攻撃がこんなもんだったとは。。
色々取り込んでるうちに、強くなったのかな?あぁ親びん倒したせぃk[ヒト(頭部)を取り込みます]
[・・・]
[取り込みが完了しました]
Oh,,取り込んでもた。
もうこれで、人間との敵対は確定か。。
人間と仲良くなって、右手が欠損してる人の義手として活躍する私マジで有用!っていうストーリーはここで潰えたか。
まわりを見てみると、なんか人間達、引き上げ始めてる。
まあ、親びんと戦った後だしね〜。
私としても、親びんを倒しちゃうようなマッチョと戦うのはごめんである。というか元々人間と戦うつもりはない。
いずれこの世界の人間に混ざって、たまに中二ができればいいんだから。
はあ、人間として生まれたかった。なぜ手なのよ、、
はあ、いずれ人間に変身とかできるようになるのかな?
チラ?
・・・
ダメか。
じゃあ、いずれ人間に擬態とかできるようになるのかな?
チラ?
[『擬態』取得にはスキルポイントが50必要です]
おおお、あるじゃないですか!!
きっと50くらいあるある。
擬態、取得でお願いシマース!
[『擬態Lv1』を取得いたしました]
よっしゃあ!ヒトに擬態!!
[取り込んだヒトの数が足りないため、ヒトに『擬態』することができません]
あら、そうなんだ。
まあ、まわりに死体いっぱいあるし、大丈夫でしょ。
それでは、ナムアミダブツからのイタダキマス。




