便利屋との戦いⅡ
いつも通り目が覚める。
自分の死に若干慣れてきているのがなんだか不気味で不思議な感覚だ。
そんなことを考えていると突然舞台から爆発が起こる。
「な、なんだ⁉︎」
ついつい呆気に取られてしまった。
爆発の理由が気になる。
もしかして榊が無茶をしてるんじゃないだろうな?
舞台の間近まで寄ってみると二メートルのお兄さんのみが立っていた。
「えっ……榊は?」
チャラ男に榊の居場所を聞く。
「……あの女の子はよくやったっす。兄さん相手に果敢に立ち向かって……。けど……うぅ……」
この反応……まさか榊は…‼︎
「勝手に死んだことにしないでください‼︎」
そこには服が破れてアバンギャルドな姿にモデルチェンジした榊がいた。
「じっ、じろじろ見ないでくださいよ‼︎」
その服はほとんど破けており、最早大事な所を隠す役割にしかなっていなかった。
そして電気の少年を見ると顔を真っ赤にして鼻血を垂らし、食い入るよう榊の姿を見ていた。
やっぱ子供だな。
「くそっ、この服ものすごく高かったんですよ⁉︎折角村の人がくれたお金の大半を使って買ったのに……‼︎」
よくみると今着ている服は今まで見たことの無い柄をしていた。
まーた何か特殊な効果が含まれた装備なのか。
「この服の恨みは万倍にして返してやりますよ……‼︎」
アスタと対峙しているときのような鬼のような形相ででかい人を睨む。
「滅姫黒衣、巨人の大剣」
榊は俺と戦ったときの黒と赤のまさに中二病そのものな服と、この前出した刀よりも更に大きなそれを二刀取り出す。
こいつちょっと中二病の気があるんじゃないか?
「いきます」
いつもの攻撃前にする掛け声で準備が整ったことを周囲に伝える。
空気がぴんと張り詰める。
「やあああああ‼︎」
掛け声と共に巨大な刀が唸りをあげる。
「いやそんな大振りじゃ当たらねーだろ!」
ついついツッコミを入れてしまう。
事実相手は横から迫ってくる二振りの刀を大きなジャンプで躱す。
「終わりだ」
短く、そして冷淡な声色で榊に拳を振りかざす。
それを見た榊はにたぁと嫌な笑いを浮かべ、巨人の大剣を捨てる。
「諦めたか」
兄貴分の男は手を振りかざし、先程の爆発の原因であろうもの、手から熱戦を出し、そのまま榊の斜め上から榊にぶつける。
いや、正確には榊のいた場所にぶつけるいった方が正しい。
「残念でしたね」
榊は熱戦の当たるギリギリのところをジャンプで躱し返したようで、異空間から大槌を取り出して男を叩きつける。
「ぐっ……」
更に不意打ちしてきた時に着ていた青い馬鹿みたいな服にモデルチェンジし、異常なスピードで後ろに回り込んで男の首筋に刀を突きつける。
「まだ、やりますか?」
「……俺の負けだ」
男はあっさり負けを認め、これでお互いは五分五分になった。
「お嬢ちゃんやるっすね!」
チャラ男はぱちぱちと手を叩きながら榊を称賛する。
「でも、最後のお一人さんはあっしに勝てますかね?自慢じゃないけど自信あるっすよ?あっし」
「はっ、寝言は寝て言えよ」
第三戦目が幕を開けようとしていた。




