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便利屋との戦い

 リフォームの匠的な人がいる店に着いたのは大分日が暮れてだった。

 何故リフォームの匠的な人という言い方をするのかというと依頼先が僕たちと同じ便利屋だからだ。

 この街には異常に便利屋が密集しており、工事などの全ての仕事が便利屋への依頼ということになる。

 この店にはリフォームや何かの改装が得意な便利屋がいるらしい。

 仕事が始まるのは明日以降だろうがとりあえず依頼だけはするか。

「すみませーん」

 扉を開けて店員を呼ぶ。

「はいはい、何か御用で?」

 店の奥から出て来たのは茶髪のちゃらちゃらとした軽そうな男だった。

 何故かアスタが脳裏に浮かぶ。

「客か?」

 続いて奥から出て来たのは何やらものすごく大きく、すごそうなな雰囲気のお兄さんだった。

「そうだよ兄さん。あっ……と、それで何の依頼ですかい?殺し以外ならなんでも請け負っちゃうよ!」

「ちょっと色々あってさ、家をどうにかして欲しいんだけど」

 色々を説明するとめんどくさくなるので今は省く。

「建物関係のご依頼ですねー?それなら今丁度キャンペーンをやってるんすよ!」

「キャンペーン?」

 榊が目を輝かせながら食いつく。

 主婦かこいつは。

「はいそうですよ!あっしとそこの兄さんともう一人奥にいるガキを相手に二勝することができたらお代金は払わなくていいという素晴らしいキャンペーンです!ただし負けた場合は二倍にして頂きますが……。ちなみにこのキャンペーンやってもやらなくても結構です♪」

 節約になるのはありがたい。

 というか元の金額を知らんのだけど……。

「元の金額はどれくらいなんですか?」

 ナイス榊。

 お前なら聞いてくれると思ってたよ。

「そうですね。ざっとこんなもんになりまする♡」

 そこに書かれていたのは法外な金額だった。

 普通の家が買える実に10倍くらいの。

「ぼったくりじゃねえか!」

「はいー、ですのでキャンペーンをやらせて頂いてるんですよ。どうです、やりますか?やりませんか?」

 どうするべきか。

 正直男状態の僕ならまだしも、能力発動した僕と榊なら負ける気がしない。

「どうする、榊」

「あの馬鹿のせいで余計な工事費がかかってあの金額以上の代金を払えと言われてしまう可能性もありますのでここは受けるべきかと」

 よし。

 受けるか。

「その勝負、やらせてもらおうじゃねーか」

「いいですねぇお客さん!ルールは簡単!死んでも文句なし!以上です!」

 よし、やってやろうじゃないか!



 一番手は僕、二番手は榊、三番手は能力発動の僕が務める。

 一番手の相手に勝てそうならそのまま戦う。

 勝てなさそうならわざと喉を斬るなりなんなりしてもらって早々に決着をつけてもらう。

 二番手は榊なので安心だろう。

 そして最後だが負ける気が一ミリもしない。

 天狗になっているのはわかっている。でもこの力があるからこうやって天狗になることもできる。せっかくもらった能力は充分に使わせて貰う。

「それじゃあ一番手は舞台に移動してくださーい」

 チャラ男の声が響き渡る。

「それじゃあ行くか!」

 顔をぱんっと両手ではたき、気合を入れる。

 階段を一段一段あがり、やがてとてつもなく広い舞台が全貌を表す。

「広いな」

 思わず出る一言。

「そりゃそうさーこの舞台を作るために莫大な金を使ったんだからー」

 どこか気の抜けたやる気のなさそうな少年が僕の相手のようだった。

「榊、何か貸してくれ」

「はい、どうぞ」

 榊から受け取ったのは日本刀だった。

 こいつは本当に日本刀好きだなぁ。

「それじゃあいきまっしょい。よーい……始め!」

 チャラ男こ声が再度響き渡ると同時に舞台に緊張が走る。

 僕は日本刀を素早く構え、相手の出方を伺う。

「お兄さんさー攻撃してこないのー?」

 無視して相手を見つめ続ける。

「ならこっちからいくよー」

 ぎらっと音を立てそうなくらい目を鋭くし、猛スピードで僕に迫ってくる。

「せやっ!」

 日本刀で少年を突くが、突いた先にはもう彼の姿はない。

「こっちだよバーカ」

 少年の身体からばちばちと青い稲妻が出ている。

 電気系の能力を持っているのか?

 思考が追いついても身体が追いつかない。

 少年の放った電撃をモロに食らってしまった。

 幸い脳と心臓に直接ダメージはなさそうなので一安心といったところか。

 そして本日二度目の目の前真っ暗タイムの突入だった。

「……ぐ……だよ……?」

 さっきの女の子の声。

 今度ははっきりと聞こえる。

 だからお前は一体……誰なんだ……。



 楓さんは負けてしまいました。

 これでもう負けられません。

 楓さんは復活まで時間がかかるようなので楓さんが復活するまで時間を稼ぎながら闘うことになりますね。

 それなら……。

「それじゃあ二番手お願いしまーす」

 相手の二度目は先程兄さんと呼ばれていた人だった。

 身長は二メートルは超えているでしょうか。

「それじゃあ二回戦、いきまっしょーい。よーい……始め!」

 今身につけている装備は霊装・神隠しと普通の薙刀。

 神隠しは透明になることができる装備です。

 ただ透明になっている間は全ての装備が透過状態になるので色をつけたら全裸で丸腰の私がそこに現れるということになります。

「いきます」

 早速神隠しの効果を発動する。

「……消えた?」

 兄殿は私が消えた事にうろたえています。

 これで時間を潰せればいいんですが。



「……またか」

 僕は先程訪れた空間にまた来ている。

 なんなんだ、ここは。

「まーた来たんだぁ」

 声が聞こえる。

「不本意ながらな」

「不本意とか言わないでよ冷たーい」

 馬鹿みたいな喋り方をしているこいつに腹が立つ。

「今回はお前にかまっている程暇じゃないんだ。早く帰らせろ」

「ふーん、そうなんだ。まぁいいや、また今度で」

「あぁ、それじゃあな。次来た時は正体を教えろよ」

 夢の中で約束なんて変な話だがとにかく僕はこいつと約束を交わした。

「じゃあね、ご主様。ふふふ」

 ご主人様?

 ……だんだんと明るくなってきた。

 おはようの時間だ。






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