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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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おままごと②

画面が切り替わった瞬間、視聴者は「あっ、あの家だ」と気づいた。

リビングには、樹と朝倉、そして前回同様に配信者夫婦と娘さん。今日は前よりも打ち解けた雰囲気で、まるで親戚の集まりのようだ。


「おじゃましてまーす。また呼んでもらいました」


「ただいま、って言ったほうがしっくりくるな」

樹の言葉に、配信者さんが笑って「おかえり」と返す。


すると、娘さんが元気よく走ってきて、まっすぐ朝倉の足に抱きつく。

朝倉はその小さな身体をそっと抱き上げると、軽く頬にキスを落とした。


「ん、会いたかったな、お嬢さん」


娘さんは照れたように笑って「わたしもー!」と声をあげる。

コメント欄は一瞬で沸騰する。


「ハグしてキスしてる!?」「朝倉、完全に親戚のお兄ちゃんじゃん」「尊い…」


樹がその様子を見てにやっと笑い、「お前、ほんと子どもには甘いな」と言うと、


「お前にも甘いだろ?」と朝倉が真顔で返す。

「それはそう」

「はい、俺たちの勝ち」

「勝負してたの!?!?!?」



---


さて、今回のおままごとは――。

娘さんが神妙な面持ちで語る。


「今日は……殺人事件なの」

「……ひえっ」

「またスケール上がってるwww」「前回の毒盛り超えてきた」「センスすごいなこの子」


被害者は、娘さんが大切にしている人形“メルちゃん”。

「朝起きたらベッドで倒れてたの……しかも、ドレスに赤いインクが……!」


「こわいってww」「ガチ事件じゃん」「完全に刑事ドラマの出だし」


配役は以下の通り。


娘さん:令嬢であり、殺された人形の持ち主。第一発見者。


奥さん:家政婦。事件の鍵を握る謎の女。


配信者さん:メイド長。普段は温厚だが、何かを隠している。


樹:捜査官。家に出入りしている内に巻き込まれた。


朝倉:主治医。メルちゃんの状態を“診断”した謎の存在。



「また朝倉だけ役が浮いてるww」「医者役なのにメルちゃん診るのかよ」



---


芝居が始まると、前回同様に全員がノリノリ。

娘さんが「メルが……メルが……っ!」と涙をためて叫び、朝倉が人形を手にして静かに言う。


「このメルちゃん……失血死だな。インクだが、これは……ワインに混ざってる」


「いやメルちゃんワイン飲んでたの!?」「謎のリアリティw」「朝倉、医者の迫力出しすぎww」


奥さんが「私が……私がドレスを染み抜きしようと……でも、何かがおかしかったの」と苦悩し、配信者さんが「メルちゃんは……家の秘密を知りすぎたのかもしれません」と呟く。


樹が鋭い目で周囲を見渡し、「全員、昨日の夜どこにいた?」と尋問を始めると、コメント欄が「ガチの捜査劇始まったww」「トリック教えてくれ」などとさらに白熱。


だが一番の見せ場は、やはり朝倉だった。


娘さんが膝に座って、悲しそうに「メルちゃん、だれにやられたのかな……」と呟いたとき、

朝倉は静かに彼女を抱きしめた。


「……怖くない。お嬢さんが泣く理由は、俺が全部取り除く。どんなに小さな悲しみでも、見逃さない。――それが俺の役目だろ?」


「かっけえええ!!」「急に朝倉ルート入った」「こいつ昼ドラでもイケるぞマジで」


娘さんがうっすら涙を浮かべたのを見て、朝倉は額にもう一度、そっとキスをする。


「ほら、大丈夫。君はちゃんと、メルちゃんのために泣ける子だ」


「もうダメだ…泣く…」「朝倉、心が強いのに優しいのズルい」「天使かよ」


最終的に犯人(という設定)は“猫のぬいぐるみ”で、娘さんが「あっ、この子、たまにメルのことねたんでたかも」と自白し、全員でずっこけて終わった。



---


配信のラスト、画面にはお絵描きタイムで描かれた「天使になったメルちゃん」の絵と、笑顔の娘さん。


「また来てね!」

「もちろん。いつでも、呼んでくれれば」


「じゃあまた事件が起きたら……!」


「そのときは、医者でも犯人でも、なんでもやってやるよ」


「朝倉の言い方が物騒ww」「次は探偵役かな」「朝倉と娘さんのコンビ好きすぎる」


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