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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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黒豹

配信は一通り背中のタトゥーアートを披露し終え、樹が驚きと称賛の言葉を繰り返していたところから、そのまま少し落ち着いたトーンの雑談へ。


「てかさ、この黒豹……マジでお前っぽいよな」

「そうか?」

「うん、見た瞬間“あ、これ朝倉だ”って思った」


コメントもざわつき始める。

《確かに黒豹っぽい》《分かる、静かで強い系》《黒じゃなきゃ朝倉じゃない感じする》


樹がスマホの画面を指差しながら続ける。

「黒くて、しなやかで、静かに歩いてる感じ。目の奥では何か見てるのに、それをあえて言わないというか。…ああ、言葉よりも“雰囲気”で伝える感じか」


朝倉は一度視線を落として、薄く笑う。

「美術部の友人にも言われたな。“朝倉って、動物に例えるなら黒豹だよね”って。それでこの図案になった」


コメント欄:

《見る目あるなその友人》《黒豹朝倉って語感が最強》《イメージぴったりすぎる》


「俺はただ静かにしてるだけなんだが……勝手に“迫力がある”とか“目が怖い”とか言われる」

樹「実際、静かな方が怖ぇんだって。お前怒ってても声荒げないし、ニコニコもしないだろ。でも周りが“あ、今ヤバいかも”って空気読むもん」


コメント欄は爆笑気味。

《無言の圧》《静かに圧があるのが一番強い》《豹って基本獲物見てから動くもんね》


「ただ、あの黒豹……眠ってるような顔をしてるだろ?」

「ああ、確かに。目が細くて、でも睨んでる感じじゃない。……安心してる、みたいな」


「描いてるときに、“これは、誰かに守られてる黒豹だね”って言われた。俺、あんまり“守られてる”って自覚なかったが……」


樹、ちょっと照れたように眉を下げる。

「守られてるっつーか、俺から見たら……お前は守りたくなる存在っていうか、そうさせるんだよな。怖いぐらいに芯あるのに、ふとしたとき無防備なんだよ」


コメント欄:

《ああ~これが樹の沼》《黒豹、飼い主にだけゴロゴロ言うタイプ》《守ってるつもりが懐かれてたやつ》


「……そういうところ、たまにずるいぞ」

「は?俺が?どういう意味?」

「そうやって、当たり前に甘やかすから、慣れる」


コメント欄:

《慣れた結果、顔中にキス》《黒豹がゴロゴロ鳴いてる配信ここです》《慣れたら終わり、抜け出せない関係》


樹は苦笑しつつも、少し顔を赤くしながらマイク越しにぼそっと言う。

「……俺も、お前に慣れさせられてる側なんだけどな」


コメント欄大爆発。

《はい沼》《共依存成立》《黒豹と飼い主じゃなくて、黒豹と黒豹じゃん》《もはや同類》


朝倉は黙って、笑わず、でもふわっと目元が柔らかくなる。


「……そうか。なら、安心して眠ってていいな」


その一言に、配信の空気が一瞬静まり返る。コメント欄もしばし間が空いて、


《重い》《あったかい》《これが“黒豹の愛”か》《言葉で狩りに来るタイプ》


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