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愛しいあなたと  作者: 飴とチョコレート
第二章 高校生編
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朝倉くんはヤンデレ?

画面にはまったりとゲームをする二人の姿。樹の声はいつもより少し柔らかく、どこか落ち着いていた。

最近、ファンからも「落ち着いてる」「一緒にいる時の空気が良い」と言われることが増えていた。


「しかしさー……朝倉って、やっぱちょっと変わってるよな」


「……急に何だよ?」


「いや、変っていうか……重いっていうか。いや、重いんだけど。悪い意味じゃなくてな?最近ずっと考えてたんだよ。これ、リスナーにも聞かれるしさ」


「ふむ。なら、聞けばいいじゃないか」


「……お前さ、ヤンデレっぽいって思われてるけどさ、本当に監禁したいとか、傷つけたいとか、そういうのはないの?」


一瞬の沈黙。

だが、透――朝倉はすぐに笑った。


「あるにはあるよ」


「……は?」


「独り占めしたい気持ちは常にある。ずっと俺だけを見ててほしいし、誰とも話さず、触れず、俺とだけ生きてほしいとも思う。けど、それを全部実行したら、お前は壊れるだろ?」


「……」


「お前、外の空気吸わないとダメなタイプだからな。だから俺は、お前が“持てる重さ”にまで、俺の愛を切り分けてる。薄く、柔らかく、甘くして、渡してるんだ」


コメント欄:


【ヒエッ】


【いや言葉の選び方エグいな朝倉くん】


【“持てる重さに切り分けてる”って詩人かよ】


【これは完全に本物のヤンデレ】


【重い、重すぎる、でも好き】



樹は苦笑して、息を吐く。


「……逆に、俺がそういう願望持ったらどうするんだよ」


「監禁は嫌だが……殴る蹴るくらいならいいぞ?ちょっとした痛みなら楽しめる」


「……いや、お前さ……それ言っちゃう?」


「本気だよ?俺、たぶんそういう意味でもお前になら全部渡せると思う」


コメント欄:


【え、え!?】


【どっちがSでどっちがMなんだよこれ】


【朝倉くん、まさかのドM宣言!?】


【えでも言ってることはヤンデレSだし】


【混乱してきた……誰か解読してくれ】



樹は少しだけ視線を逸らした。

表情は見えづらいが、どこか考え込んでいるようにも、何かを堪えているようにも見える。


「……ま、まぁ、全否定ってわけじゃないけどな」


「ふむ?」


「……ただ、今ここでその話はやめとこう。配信中だしな」


コメント欄:


【全否定じゃないって言ったぞ】


【隠れS確定じゃん】


【なにこの二人……いろいろ振り切れてて好き】


【完全に朝倉くんが攻めかと思ったら違った】


【新しい扉を開かされたリスナー多数】


【感情のキャッチボールが高度すぎる】



朝倉は配信画面に目をやりながら、ふっと笑った。


「俺たちの愛は、複雑なんだよ」


「いや言い方ァ!」


二人の間に流れる空気は、言葉では言い表せない。

でも、確かに“愛”だった。

重くて、鋭くて、温かくて、ちょっとだけ危うい――そんな愛だった。


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