水族館デート
了解。じゃあ、透の知識と楽しげな様子が伝わるデートの続き、描いてみるな。
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水族館の中、透は一歩ごとにペースを落として、ガラスの向こうを泳ぐ魚たちを眺めていた。樹の隣を歩きながらも、ふと立ち止まっては小さく指をさし、静かに言葉を紡ぐ。
「この魚、ピラルク。世界最大級の淡水魚。皮膚はまるで鱗入りの鎧みたいに硬くて、ピラニアでも歯が立たないらしい。」
「へえ…マジで?お前、なんでそんなに知ってんの?」
「昔から図鑑読むの好きだったんだ。……それに、樹とこうやって来るって決まった時から、少し調べてもいた。」
そう言って微笑む透の横顔はどこか誇らしげで、それを見た樹の頬はまた少し赤くなる。
次の水槽の前では、透が鮮やかな魚を指差す。
「クラゲに見えるこれ、実は浮遊性の貝なんだ。綺麗だろ?でも猛毒。見た目と中身って、全然違うこともある。」
「お前、どの魚よりおもしれぇじゃん…。」
やがてイルカショーの時間になると、観覧席に移動した二人。席選びの段階で透がしっかり濡れにくい場所を選んでおり、ショー中もスプラッシュを軽やかにかわしていた。水しぶきを避けながらも、イルカが宙を舞うたびに透は目を輝かせていた。
終演後、席を立った透が、ぽつりと呟く。
「……ふふ。確かに、少しはしゃいでいるかもな。けど、楽しいんだ。本当に。」
そう言って、ふわりと笑う透の姿に、樹はまた心臓をぎゅっと掴まれる。
「――そっか。なら、誘ってよかった。」
「……誘ってくれて、ありがとう。」
そのやりとりすら、まるでショーの余韻のように、きらきらと弾けていた。




