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暗中

今回はアイリーン達でてきません。

エレボス&ゼクスです。

この二人の険悪さが書きやすくて大好きです‥‥!

「‥‥ハアッ。」


ゼクス・アランソンは誰もいないことを確認して大きくため息をついた。

ただでさえ御姫さん襲撃事件は衝撃だったというのにここにきてレオーニだ。最早笑うしかない。


(‥‥つか、よく考えなくてもあいつ御姫さんぼっこぼこにしてたよな?本人ケロッとしてたし痕つかなけゃ問題ないって態度だったけどよく考えなくても御姫さんは嫁入りまえの乙女だぞ‥‥!その乙女を殴るとか‥‥!)


「ゼックスー-!こっち!」


今更ながらふつふつと怒りが煮えたぎって来ているときに聞こえてきたお気楽そうな声に特に何も考えすに彼は振り返った。


ぷすっという軽い感触、頬に当たる指、目の前にはニコニコと楽しそうに笑う義父(エレボス)‥‥


うん、


「クソオヤジ!!」


思い切り殴りかかった自分は悪くない。そして空振りして大理石の地面が抉れ悲惨なことになっていたとしても悪くはない。

ギリッと歯ぎしりを立ててゼクスは義父、エレボスを睨みつける。


「てめぇなにしにきやがった!!つかなんで学園の制服着てんだよ!きしょいわ!!即刻出てけ!ついでに2度と御姫さんと坊ちゃんと殿下の前に出てくんな!!」


懐に隠し持っていた塩を投げながら絶叫するとエレボスはニコニコとしていた表情を一切消し、その場に崩れ落ちる。


「よよよよ‥‥。なんていうことだい。ゼクスがこんな人の心を踏みにじれるような子になってしまったなんて‥‥!どこで教育を間違えってしまったんだろう‥‥!」


わざとらしく泣きまねをしながら吐かれた台詞にゼクスの怒りのボルテージは急上昇、ゼクスを言動だけでここまで苛立たせるエレボスは最早一種の天災だ(天才ではない、天災である)。

つかホントに何しに来たんだこいつ、無駄に制服似合ってんの腹立つし生徒にしか見えねぇなんてこいつ化け物かいや化け物だったな。


「こんな、こんな子に育って‥‥‥‥‥‥僕はとっても嬉しいよ!!」


とてもイイ笑顔でサムズアップするエレボスにブチリとゼクスの中で何かがブチ切れた。否、はじけ飛んだ。


「‥‥上ッ等じゃねーかクソオヤジ!!今すぐこの場でてめぇの人生終わらせてやる!!」


「アッハハハハハハハハハ!できるもんならやってごらん!!」











「‥‥で?なんか用あんのかこのクズ。」


ブッスリと不機嫌そうに顔を歪めながらゼクスはエレボスを睨みつけた。体の至る所に包帯や湿布が貼っているゼクスとケロッとしているエレボス。どちらに軍配が上がったのかは火を見るより明らかだ。


「年々口が悪くなってくよねゼクス。んー。用っていうかさー‥‥。‥‥ほら、お嬢様達の前では言えない情報を伝えに、ね?」


ニタリ、と不気味な笑みを浮かべたエレボスに、ゼクスは真顔になって答えた。


「‥‥シュトラウスの坊ちゃんは?」


「ふふ‥‥。知りたい?」


「‥‥ああ。」


大体、どんなことになったのかは想像できる。けれども、万が一ということがある。頷いて続きを促した。


「3日前に川に沈められていたのを“犬”達が発見した。今、シュトラウス家に知られないように秘密裏に処分されている。」


「‥‥なるほど、な。」


問題は、誰が手を下したか、だ。

エレボスとゼクスは『ミスシアート家の隠密』を名乗っている。しかし、これまで暗殺といった仕事を引きうけたことは一度も無い。

一応、その手の知識を、技術を持ってはいるものの使ったことは一度も無いのだ。

それには、雇い主たるヒューズの意志が強く反映されており(最もそれはただ単に前世のトラウマによるものだが)、ゼクス達は基本的に護衛と情報収集のみで働いていた。

ていうか一番手を汚していたのが王子時代とか悲しすぎるのでゼクスはそれを記憶の彼方に追いやる。世間一般に誇れないはずの仕事の方が罪を犯してないなんて‥‥。


「‥‥まさかミスシアート家関連じゃないよな?」


ご機嫌取りのために取り巻き達が始末したとしたら洒落にならない。被害者の立場が一転こちらが加害者だ。

‥‥言い方は悪いがぶっちゃけアイリーンは女、対するリヒャルトは男である。未だ男尊女卑が根強いこの国では例え報復だとしても認められないことの方が多い。


「んー?違うよ。」


あっさり白状する義父にゼクスは眉をひそめる。楽しそうに、面白そうに笑って、エレボスは口を開いた。


「残されていた凶器はね____ナナカマドが彫られていたんだ。」


一瞬、ゼクスは彼が何を言っているのか分からなかった。次いで、理解する。


「‥‥え、ちょ、それ、‥‥嘘、だろ‥‥?」


「嘘じゃあないよ。」



___この国の王族は、生まれ落ちた瞬間一つの花が捧げられる。

そして、その“花”を、捧げられた当人の許可無く使うことは他の王族であっても極刑にあたるほど許されないこと。


“アルフレッド”はシロツメクサ、カシムはユリを捧げられた。そして、ナナカマドは__




「なんで‥‥なんで、
















         ナナカマドは、国王の花だろ!?」


ナナカマドを捧げられたのは、王族の中でもただ一人。

現国王、アレクサンドル・ツォルフェライン、その人だった。

やっちまったぜ(´・ω・`)

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