~ 幕間 ~
渇く、渇くなぁ。
おれらが暴れてた頃は兵共が邪魔してたきたが、それはいつも食事が終わってから大分経ってからだった。
奴らは強く、まさにつわもので、その戦いすらおれらにとっては娯楽であり生存競争だった。
しかし、今は襲う相手に恐怖を与えて愉悦を楽しんでいると、獲物は板を押して助けを求める。始めは恐怖で狂ったんだろうと思っていたが、程なくするとけたたましい戦笛のような音と、真っ赤に回る謎の光を放つ牛車の後ろの様な乗り物で人間どもが駆けつける。
そんでなんか口に付けておれらよりでけえ声でなんだかんだ叫んできやがる。
祓詞でもなげつけられたら事だが、ただ騒いでるだけ。その内変な小さい筒から鉄の玉を飛ばしてきやがる。まあただの鉄の玉だ、全身にでも受ければ流石に動くのも一苦労になるが、あんなものつわものが使ってきた矢程も効かねえし、槍や刀も使ってこない雑魚人間だ。
だが数だけはうじゃうじゃいやがる。いつの間にかここは人間が蟻んこみてえに増えていた。
そんで村みてえなちいせえ村落はなく、人がいるところはどこも城下の町、いやそれどころじゃねえ、家が城になって集まってやがる。
おれが封じられている間に何がどうなってるんだかさっぱりだ。
が、食料が増えているのは間違いねえ。
「九鬼丸の旦那、あの封印にいたのもおれっちと旦那の二人だけ、他は攻めてきたつわものと呪術師共にやられちまったんですかねえ」
「かもしれねえな・・・いや、大獄の兄貴があれ程度の奴らにやられるとは思えねえんだがなぁ」
「そっすよね、大獄の兄いはあの大嶽丸様の片腕、坂上ほどのつわものならいざ知らず、野郎が死ぬまでおいら達は息を潜めて、仇討ちの機会を待ってたんすからね」
「そうだ、仮に大獄の兄貴を討てたしても夜叉の姉貴もいたんだ、どうにかできたとは思えねえ」
「ですです。だからおいら達は腹ごしらえをして力を取りもどして、兄貴、姉貴を探さないとっすね」
「そうだ、しかし猩々共はなぁ、獲物食っちまったりあの鉛玉でも死んじまうからなぁ」
「それなりには使えるんですけどねぇ、昔よりどうもおつむは悪くなっちまってますよね」
「まあそれなりに力も戻ってきた、そろそろ平和ボケしてる日ノ本に俺らの存在を思い出させるとするか!」
「へい!あー疼くぜぇ、ひひひひ」
おれらの封印を解きやがった人間の思惑も気になるが、とりあえず大獄丸の兄貴を探しながら、平和ボケしちまった奴らに、この国の闇の世界を思い出させてやるか。
あー楽しくなってきたなぁ。
こんにちは、毎度毎度なかなか筆が進まず久々に更新しました。
気に入っていただけたら、ご評価とブックマークをしていただけると嬉しいです。




