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寝耳に水



飛行戦艦【シルフィード】の艦長は各方面…とりわけ東部方面の無線機からの救援要請にイライラしていた。

飛行艦隊の総大将・総監督であるが故の責務。

主(技術力の三大貴族)が戦死したと言う緊急事態。

直ちに飛行艦隊所属の飛行戦艦を集結して、今後どうするか主の領地で緊急会議を開く。

帝都の騒動は、主が戦死した事で撤退と区切りを付けた。


無線機〈経済力の三大貴族派閥と武力の三大貴族派閥が! 飛行戦艦を奪おうとしているんです! 助けて下さい! 〉


離陸しているのは何を逃れた。いえいえ、飛行戦艦も飛行する動力源が在ります。

地上に降りて補給しないと、主の領地に行けません。

それに、飛行戦艦を奪おうとする者達を撃退する為の物資も不十分。

帝国領に侵入した賊相手なら、初見で難無くと葬れるが。

肩を並べる同じ釜の飯を食った戦友には通じない。

奇襲すれば多少が削れるが、相手しないで目的を達成する方が今は優先事項。

後手に回ってる。


艦長「奪われるぐらいなら自爆装置を起動しろ」


何に使う気なのか。どうせ碌でもない事だ。

それならば相手の目的を達成させない方がいい。


無線機〈我々はどうなるんですか!? 〉


逃げれる自身も、撃退する自身もありません。

中継アンテナと通信タワーを幾つか経由して受信してる無線機から、「無責任です」「妙案が在るのなら従います」と無線に割って入って来る別の飛行戦艦の艦長、もしくば通信官の非難の声。


艦長「私だって自分の飛行戦艦(かん)で手一杯だ!! 」


無線機を切れと通信官に指示を出す。


無線機〈ちょ、話しは…(ブチン)〉


ブリッジ内は急に静かになった。

副艦長が非常に言いにくいことだが、我が飛行戦艦(かん)の補給をしなければ航行が困難ですと報告する。


艦長「…飛ばし過ぎたか」


魔導研究所局の通信を傍受した時。

いやぁぁな予感がした。全速力で帝都付近から離脱を決意したのは、夜空の帝都上空に閃光が奔ったのを見て、英断だと汗を掻きながら思った。

帝都の城内では一体、何が居るのか? 

関わりたくない。


艦長「近くの補給可能な基地は何処だ? 」


副艦長「はい、武力の三大貴族派閥が多く居る基地が近いです」


西部に攻め入った賊共の掃討戦を無事に終えて、凱旋ムード。

武力の三大貴族派閥だけが西部の火消しで不参加。

だから多いのだろう。だが、艦長それよりも素直に補給してくれないだろうと。艦内に第一種警戒態勢のアナウンスを流す。


艦長「本艦はこれより基地を奇襲し、速やかに補給を行う。総員、戦闘用意(せんとうよ~ぃ)! 」


副艦長「本艦はこれより奇襲作戦。と、同時に補給活動。総員、高度2000メートルまでに準備せよ! 」


艦長の指示を改めて艦内の船員達に指示を出す副艦長。

もうじき朝日が昇る。

奇襲作戦には良い時間帯だ。




飛行戦艦【シルフィード】を含めた飛行艦隊がそれぞれ行動している頃。

地上の東部方面と南部方面の国境警備部隊は、隣接する国々の先方隊に奇襲されていた。


帝国兵「敵襲―――ッ!! 敵襲――…(ズブッ)」


帝国兵「内側じゃ混乱してる時に…」

帝国兵「だから奇襲されたんだろ!? 」


不可侵協定、暗黙の不可侵相手から奇襲。

しかも別の国境線も襲われてると伝令兵が周囲に叫んでる。


帝国兵「指揮官は何処だよ!? 」

帝国兵「とっくに馬で逃げたんだろ…よ! 」

敵兵「ぐは」


黒く、鎧や刃を墨や毒液で塗った敵兵が闇の中から襲って来る。

奇襲された所為で、内側では次の三大貴族になる好機と、飛行戦艦を奪って帝都に居る皇帝陛下を助けに馳せ参じる。

そんな連中を止めたり殺したりで、援軍は来ない孤立無援に基地は大混乱。

この場の指揮官も逃げたと、誰かが騒いでいる。

敵兵を相手にせず自分達も逃げたいが、悲しいかな。

今居るのが最前線。

逃げれば背中に毒矢か刃がズプリと背に突き刺さられる。


帝国兵「「クソガァ!! 」」


敵兵「………」 「……(チラ→)」 「…(コクリ)」


(金属のぶつかり合いが至る所で繰り広げられ中です)



■ 帝国領 西部火消し本部 接収した貴族の別宅 ■



三大貴族「…はぁぁ?? 」


唯一戦死しなかった武力の三大貴族は、夜も開けるかどうかの時間帯に起こされ、犬猿の仲と不愛想が戦死したと側近の将軍の報告に、疑問符を最大に含んだ声を出した。


側近「帝都へ凱旋式典に参加。たまたま近く居ました【剛力】殿も、無残な戦士との事です(涙)」


三大貴族「帝都に、賊が…どうゆう事だぁ!!! 」


眠気も吹っ飛んだ。

側近に近づき、襟元を掴んで問いただす。


側近「げほ、げほ…」


何か話そうと気付き。解放する。

無線機や魔道具の通信から得られた情報を、事細かに伝えられる。

ブチ、もしはブチンと堪忍袋の緒が切れる音を確かに聞いた。

側近は今直ぐ別の側近に代わってくれないかなと、主の言葉を固唾を飲んで待つ。


三大貴族「…を、持て」


側近「(ゴクリ) はい? 」


あまりに小さな声で呟くので、聞こえません!! 

も、もう一度おっしゃて下さいと。処刑人に成るかもしれない主に、はい?と聞き返す。


三大貴族「全ての兵士に、武器を持って来させろぉおおおお」


側近「ハイィー! タダチニィー! 」


命令されたので急いで逃げる。

武力の三大貴族は、帝都の賊と周辺国へ、武器を背負い込んで殴りに行く。

ゴキゴキと寝てカチコチな体を解し、壁やテーブルに置いていた装備を身に着けて外に出る。

貴族の別宅周囲の部隊は既に集まっていたが、村とか数キロ先の部隊はまだだ。


三大貴族「準備ができ次第出陣しろと伝えろ! 」


側近「「「「はい! 」」」」


それぞれ500人単位の部隊を率いれさせ。

途中の部隊と合流しつつ敵を葬れと檄を飛ばす。

反対側の野心を抱いた部下(莫迦)共も葬れと、慈悲は捨てろと言明する。


帝国兵「「「「はい!! 」」」」


馬と徒歩では速度が違う。

【スキルスイッチ】で速度を上げたり。

遅れて波状攻撃とする部隊が続々と戦火が開いた戦場に進軍。

他の2つの派閥の兵にも、参戦しろと命令する。

逆らえば後で処罰が下るだろうと脅す。

それでも従わなければ、せめて邪魔するなと言って先を急ぐ。

太陽が完全に顔を見せる頃には。

国境線にした驚愕、悔しさを浮かべた帝国兵の屍がそこかしこに転がった。

帝都ではアルベルトの周囲にメギド隊員が潜み。

アルベルトが強制行動不能で前のめりに倒れる。

レオン君が困惑、そして逃げようとしたのを毒武器で奇襲。

メギド隊員は「こんな仕事…」と逝った。

アルベルトは動かなくなった手足を諦め。

口で攻撃出るスキル【竜の国落としの一閃】を放つ、放つ、放つ。

チャージが不十分でも構わず、連射。


レオン「化け物め…」



アルベルト「コ、コノ! (バシュッ! パシュッ! ッブ! )」


アアクルラディルの冷静になれと言う思惑は失敗。

メギド隊員に生け捕り命令を出すも、(期待して無かった)失敗。


アアクルラディル「では、アルベルト、ゴー♪! 」


強制行動不能を解く。

アルベルトは手足が自由に動かせる感覚に気付くと、四足歩行の獣より早く石畳を砕きながらにっくき鮫の魚人に迫る。


レオン「動き出した!? うわあああああ」


悲鳴を上げながら逃げる。


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