帝国、再び侵略開始
◆ リーヴェンス帝国 ◆
レオン君とシュンナ(魚人と行動を共にする宝石人)を爆殺した報告を受けて1ヶ月。
爆殺以外、何も発見できませんでしたと週毎に送られてくるばかりだった。
現在円卓会議のメンバーは、外務大臣に協力使用した者も姿を消した。
この場に居合わせるのは、魔導研究所局長アアクルラディルの派閥、強者に媚を売る貴族だ。
アアクルラディル「派遣した1個連隊は、今週も成果無しだそうです……」
大貴族「なんたる無能! 私の私兵を送り込んでいいですかな? 皇帝陛下の兵が! お飾りだと下賤な民に思われるのは遺憾! アアクルラディル殿! 是非私の私兵【剛腕戦士団】を派遣させてくれないだろうか!? 」
この場に外務大臣が居れば。
「その発言は不敬罪だ!! 」と反論できただろう発言をした。
大貴族「ははは、栗鼠人族の国を落とした私の兵を派遣したいですね♪ あなたの私兵は、足が遅いでしょう。私の兵なら、他の方々より速いですよ♪ 」
三大貴族の二人が、私兵の派遣で口論になる。
最後の大貴族は、ウンウンと無言で二人の言い分に相槌を打つ。
貴族「【剛腕戦士団】は領地を守護する一団では? 派遣は別の団にした方がよろしいのでは……? 」
貴族「1つの国を落として間もないですし。もう少し英気を養わた方が、より好い成果が得られるのでは……? 」
同席する貴族たちは、どちらの肩を持てば今後いい暮らしができるか。
オロオロしながら二人の会話に割り込む。
アアクルラディル「ハイハイ♪ 皆さん、少しよろしいですか♪ 」
手を叩いて全員の意識を集める。
流石の大貴族も、アアクルラディルの不況は好ましくないと。
お互いに「ッフン」とそっぽを向いて、アアクルラディルの話しを聞く。
貴族たちは手を叩かれた時には、肩をビクンとさせて話しを聞く姿勢になっていた。
アアクルラディルが如何に皇帝陛下に影響を与える事が出来るか明らかな動きである。
アアクルラディルはゴホンと咳払いして、勿体ぶる様に言う。
“諜報部隊から、爆殺した魚人と宝石人は生きている”
大貴族「「はあ!?!? 完全に無能じゃねえか(ないですか)!?!? 」」
大貴族「…屑、だな。帝国に屑は要らない」
貴族『え―――っっ!?!? 』
私兵を派遣だ何だとの以前の問題。
アアクルラディルに、正規派遣した1個連隊の処分を申し出る。
レオン君との戦闘、追撃戦で兵や軍馬を失っても。
宝石人の国土を懸命に捜索している者達。
本国が死刑を言い渡したと知ったら、どんな顔をして命乞いをするのやら…。
アアクルラディル「では、どなたが処刑に向かいますか♪? 」
三大貴族が同時に名乗り出る。
しばしメリットとデメリットを話し合い。
大貴族「フ~ン♪ 【剛腕戦士団】の報告を楽しみにするがいい♪ 」
大貴族「ふ、どうせ失敗しますよ。私の兵団に回って来た時のあなたの顔が楽しみですよ♪ 」
大貴族「……………残念だ(ボソリ)。屑を潰して、価値ある芸術にしたかった……」
【剛腕戦士団】と言う傭兵部隊が処刑人に選ばれた。
生きていたレオン君たちの話題に切り替わる。
大貴族「ついでだ。【剛腕戦士団】に始末させてはくれないか♪? 」
大貴族「手柄の独占は如何かと思いますが…」
大貴族「……(コクリコクリ)。潰す。帝国兵の真の恐ろしさを味合わせる」
アアクルラディル「まあまあ、お三方♪ そちらの始末は早い者にしましょう♪ 」
貴族『…え? それでは国土の防衛が……あのー…そのー……不味いのでは……ないかと』
帝国領土には、四つの防衛戦力=侵略戦力が存在する。
三大貴族がそれぞれ一つずつで、三。
最後が皇帝陛下直属の禁軍(近衛軍)。
アアクルラディルは軍を持っていない。
あくまでも、魔導研究者。
実験動物やモルモットは兵には使わない。
誰かに実践テストとして貸し出さなければ、私兵は一人も居ない。
まあ、仮に皇帝陛下が命じれば。
愛国心と勤勉の兵が少しと。
滅ぼした国々の敗残兵で、私兵団を数日で造れる。
が、アアクルラディルは研究一番の狂った研究者。
今実験してる強化兵、魔科学の可能性で忙しい。
アアクルラディル「帝国に刃を向ける者が果たして、何人いると思いますか♪ 」
偶々視線が合った貴族「あ、あー…数十人かと、推測されます」
同席してる貴族達は気付かされる。
同盟国、不可侵条約、それらを破って破竹の快進撃の帝国に。
一体誰がストップや出端を挫こうとするのかと。
アアクルラディル「その通りです♪ 今や皇帝陛下に反抗する者は居りません♪ 居たとしたら、皆さんが率先として、反抗心を挫いて下さるからです♪ 」
三大貴族は誇らしげな表情を周囲の貴族達に見せる・見せ付ける。
アアクルラディル「さあ、派遣した1個連隊の目を欺き。帝国を畏れないで人生を生き抜いている愚か者たちに、帝国の恐ろしさを教えて来て下さい♪ 」
大貴族「「「ははぁぁ」」」
貴族『・・・・』
貴族達は愚か者たち・二人が居るのは不可侵協定を結んだ国の中。
侵略する気、ですよねと。
滅ぼす過程の負担で頭を痛める。
願わくば、占領地が直ぐに利用できる状態でと。
三大貴族の私兵団が動くのだ。
無理としても、そう願うしかないのだった。
貴族「貴殿の領地が近いのではないか」
貴族「ああ、それを言わないでくれ………」
貴族「補給部隊は何日派遣すればいいのやら…」
貴族「我が領地は今だ難民の受け入れで忙しいのだが……派遣しなければ。次は我が身か…は……はは」
円卓会議が終わると。
貴族達は領地に戻る前に協力し合おうと相談、愚痴を密談する。
大規模な兵団の派遣には、予備武器や食料が大量に要る。
【スキルスイッチ】と言う便利な魔道具が開発されるとは言え。
魔力が無ければただの装備、装飾品、置き物。
人力が基本である。
それも、ある程度自衛できる者が。
新しく領地を貸し得た者、領地を拡大した者達には、本当に迷惑な話しである。
三大貴族は皇帝陛下の肝煎り・アアクルラディルに、好印象の為。
速やかに通信魔道具で、私兵団に出撃を命じる。
戦時下の為、直ぐに出撃準備が整う。
各々目的地まで距離が在るが。
気にせず、三眼人族の国に進軍する。
果たして、レオン君たちと三眼人族の国はどうなるのか?




