不安だったが、変装はバレず。町での活動を開始する二人
○○村
土と岩で造られた柵。
柵は子供が隠れるぐらいの高さ。
更に外回りには大型の害獣が突撃を躊躇するような木の杭が設置されている。
村の中では隣国の一つ(宝石人族の国)(一応友好国)が。
同じく隣国(リベラスカ連合国。※リーヴェンス帝国と改名されたのは知らない)(不可侵協定国)がその国を滅ぼした。
この国(三眼人族の国)も滅ぼされるんじゃと噂されている。
そんな緊迫した雰囲気の村に。
レオン君とシュンナが旅人として訪れた。
レオン(…言葉は片言で聞き取れるな)
つまり、こちらも相手に片言で通じると言う事。
試しに宿屋か泊めて貰える人が居るか尋ねる。
シュンナは片言はおろか、全く言葉が分からないと首を振るのを確認済みなので。
風邪だと誤魔化し、声が出ないと言う設定にした。
村人「うつさんでくれよ…」
レオン「はい」
シュンナ「…(コク)」
二人は畑仕事に役立つ牛が眠る牛小屋で泊まる事が出来た。
村の住民達には怪しまれたが。
明日には村からいなくなると言う事で。
関わらない方がいいなと、何もされる事無く休めた。
昼と夕飯は着ている服の持ち主たちの日持ちする乾物(茸、小魚、果物)、カビが発生しない食材が混ぜられたパン(※水に浸ければカビます。湿気でカビが発生する日にちが2、三日延びる程度。普通のパンは5、6日程度でカビる)。
次の日。
牛小屋で泊まる事を了承してくれた家主に朝の挨拶。
家主「ふわぁぁ。もう出発するんのか? 連れの人もお大事にな」
シュンナ「…(コクン)」
レオン「それじゃ、お世話になりました(ペコリ)」
村を出て変装は問題ないと確認が済み。
町に行っても問題ない。
冒険者ギルドに登録して。
食費を手に入れられると足取りを軽くするレオン君。
シュンナはようやく三眼人族が近くに居ないくなりホッとする。
もし、友好国とは言われていても。
宝石人族の国は滅んだと(レオン君が村人達の)会話を聞いた。
滅んだと思われてる種族の私が居たら、追い出そうと争いが起こる。
そうなるとレオン君が私を囮にして居なくなる。
シュンナ(私は死にたくない。でも…それだけ? )
レオン君の横顔をチラリと見る。
鼓動が速くなる。
恋?なのか?
だから居なくなってほしくないのか…?
死にたくないのは勿論本当の気持ち。
シュンナ「…はっきりさせないと(ボソリ)」
レオン「うん? なんか言ったか? 」
シュンナの呟きが聞こえた。
「なんでもありません」と両手でパタパタしながら否定。
レオン君は北に続く街道の先を眺める。
レオン「結構遠いな」
それでも野宿してでも町に行かないといけないから。
少し歩みを速める。
シュンナ「あ! 待って下さい! 」
レオン君がどんどん先に行く。
置いてかれない様に走りながら叫ぶ。
二人の三眼人族国での活動の始まり。
◇ ◇ ◇
○○村から出発して3日。
ようやく町に辿り着いた。
時刻はもう夕暮れ。
レオン「冒険者ギルドは何処だろうな」
シュンナ「…(キョロキョロ)」
レオン君の役に立とうと冒険者ギルドの看板を探す。
冒険者ギルドは大体何処も似たり寄ったりの標識(剣と盾、槍が2本交差、剣が3本交差して掲げられてる等々)。
注意深く標識を探していると。
ついにそれっぽいのを発見。
ごっつい冒険者ギルドに辿り着く。
冒険者登録が、正体がバレる様な事をするのなら諦めると再確認した二人は。
覚悟を再確認してから中に入る。
受付嬢「ようこそ~♪ 御用件は何でしょ~♪ 」
レオン「冒険者登録をしたいんですけど……出来ますか」
冒険者登録は名前と特技を教えればできると言う。
料金は発生しない事に内心驚きつつ。
偽名を答える。
シュンナの風邪で声が出ないと言う設定なので。
代わりに冒険者登録する偽名を答える。
受付嬢「はい、○○さんと。○○さんですね~♪ 少々御待ち下さい~♪ 」
おっとりした受付嬢は少し席を立つ。
戻って来たその手には、冒険者だと証明する身分証の首飾り(三つ編みの紐に括り付けられた蒼い石)。
受付嬢「御待たせしました~♪ こちらが冒険者の身分証になる首飾りです~♪ 紐の長さが足りてるか御確認下さい~♪ 」
レオン君は大分縮んだが。
渡された首飾りの紐が短い。
受付嬢の確認を受け入れて試着。
受付嬢「はい、少し長いのに取り替えますね~♪ 」
次は冒険者活動時の説明。
ランク、階級は存在しない。
依頼は危険度10段階で表示されたのが存在。
分厚い依頼本の中から選ぶ。
ページは取り外し可能。
依頼は常に溜まる。
隣国の不穏な動きの所為で。
魔物がこちら側に逃げてきたり、隣国の工作なのではと言う人為的被害等が、隣りの領地を越えて依頼されている。
レオン「多いですね。頑張ります」
受付嬢「御武運を~♪ 」
依頼達成は別の町の冒険者ギルドでも可能と言う事で。
比較的簡単な依頼のページを、分厚い依頼本から取り外して冒険者ギルドを去る。
引き受けた依頼は、犯罪に手を染めたとされる冒険者の討伐。
依頼達成条件は、その人物の(冒険者だと証明する)身分証の首飾りを提出。
二人にとってとても都合がいい依頼だった。
討伐する冒険者は殺して良し、食べて三眼人族語を完璧なモノに出来る。
一石二鳥。
いや、更に成功報酬も得られるから。
一石三鳥。
二人は町の中で特に陰湿な気配漂う…所謂スラムにきた。
通りの片隅にはまだ太陽がギラギラと輝いている昼間であるのに、昼寝をしてる者、生きてるのか怪しい者、物乞いがお金を恵んで下さいと書いて在る木の板を抱えて寝る者が居た。
チンピラ「おいおい。お前等見ない顔だな? 」
取り巻き「「何の用だよ、あぁ? 」」
レオン(なんてべたな展開……)
シュンナ「ヒィ……! (十二個の目で見られるのが怖い! )」
女性の三眼人族は複眼だから、まだ目を見なければ大丈夫。
だが男性の三眼人族は四つの目が顔にある。
目を逸らしても、目の数の鋭い視線を如何しても意識してしまい怖い。
例えレオン君(魚人族)に数が多いと言う有利が在ったとしても、勝てる未来が見えなくても怖い。
チンピラ「入場料を払えやぁ、あぁぁ」
レオン君はチンピラの話しを聞き流し。
通りの住人が誰かに通報するのか?
もしくは目撃者を消すべきか思考を巡らせる。
取り巻き「「おい!? ○○さんの話しを聞いてんのか? あぁ!? 」」
取り巻きがレオン君の態度に荒い声で問う。
レオン「え、なに? 」
ブチッとチンピラたちはキレた。
腰や内ポケットから折り畳みナイフを取り出す。
パキンと刃を出し、レオン君に三人で襲い掛かる。
シュンナはそれと反対に、レオン君から距離を取る。
レオン「てい」
左フック。
三人のナイフを持ってる腕をへし折る。
チンピラ「ぐあぁああ。こんちくしょう・がは」
取り巻き「「は? う、腕がぁあああ」」
チンピラは怒りで痛みを緩和し。
無事な左手で、左腕を振り切って無防備なレオン君に一刺しと攻撃を続行。
が、右手の裏拳に遭えなく吹っ飛ばされる。
見事にチンピラの顔面を捉えた。
取り巻き「「○○さん!? ぐぅぅ」」
チンピラが掃除されずにいる石畳を転がるのを追い駆け。
チンピラが生きているか確かめる。
レオン「とぉう」
絡んで来たのも襲って来たのも、そっちだよねと。
チンピラを担いで逃げようとする取り巻きたちを殴る。
取り巻き「「っぐぅ~~~z」」
チンピラ「て、てめぇ。よくも子分・ぐぅ」
レオン「少し静かにしててね」
シュンナ「…(やっぱりこうなるわよね。魚人族は大人が複数人じゃないと相手にならないんだから。ゴロツキじゃ幾ら数が居ても無駄)」
チンピラはここを仕切ってるのは○○のアニキなんだと言おうとしたが。
レオン君に再び顔面を、今度は右の正拳突きで殴られて意識を失う。
殺すメリットは在るのだが。
生かしておいた方がより大きなメリットが得られると。
取り巻きたちをこの場で捨て置き。
チンピラを担いで連れていく。
向かう場所は扉が無く、無人の空き家で尋問。
そして取り巻きたちが誰かに泣きついて報復に来るのを待ち受ける。
◆ ◆ ◆
二人が立ち去り。
気を取り戻した取り巻きたち。
「「アニキが居ない!? (右)腕がイタァィィ」」と騒ぎ。
通りにいる住民を蹴って脅してレオン君とシュンナが。
アニキを連れてったと知る。
取り巻き「あのヤロォォォ」
取り巻き「く、俺たちじゃまた返り討ちだ」
直ぐにでもアニキを取り戻したい気持ちを抑え。
このスラムに在る複数の派閥に助けを乞う。
取り巻き「アニキが他所もんに」
取り巻き「拉致られたんです」
スラムの2割を占めている男に。
その手下にボコられながら来た用件を再確認中。
○○「事情はよく分かった。が、なんでテメェ等の手助けをしないといけないんだ? 」
取り巻き「「そんな・ば! 」」
手下『兄貴に生意気なこと抜かしておいて! 殺されないだけ感謝して! とっとと失せろ! (※袋叩きしながら)』
取り巻きたちを十二分に教育し。
○○はスラムに挨拶無しでうろついているレオン君たちを探しに動く。
入場料と言わないのは。
助けくれと泣きついてきた二人と被る。
そうなると手下達に、疑問、呆れると言った感情が芽生え。
危機的状況に陥った時に。
肉壁にならずに早々に逃げる奴に成り下がる。
だからこの場合。
別の理由で、しっかりボスとしての威厳を保つ必要があったのだ。
◇ ◇ ◇
気絶させたチンピラを起こし。
スラムのゴロツキ集団の派閥、縄張りがあると知る。
が、チンピラは行ったことが無い縄張りも在るので。
手下が何人いるとか、最近の派閥事情もよく知らないと付け加えた。
レオン「ふーーん。最低でも5つの派閥が在るんだ」
シュンナ「この人の様に2人しかいないのとは規模が違う。スラムの人口の1割だと仮定しても。200人ぐらい…(ゴクリ)」
チンピラ「お、俺が知ってる情報は喋った。だから俺を解放して下さい…」
二度と刃向かわない、関わらないと誓う。
シュンナはレオン君から離れ、目を閉じ、耳を手で押さえる。
チンピラ「お、おい? まさか…」
シュンナの行動で、自分の身に何が訪れるか悟る。
レオン「あ~~」
チンピラはようやく目の前の男が同族じゃないと気付く。
が、手足は痛め付けれてまともに動けない。
チンピラ「化け物ぉおおおお」
うるさいから喉を噛み切る。
チンピラはゴボゴボと噛み千切られた喉だった場所から血液を噴水の様に吹き出しながら誰かに助けを叫ぼうとしながら意識を闇に落とした。
シュンナ「……(食べてるよね。鉄臭いし)」
ガクガク震えながら。
私は食べられませんようにと海竜様に祈る。
チンピラが死んで、体も脊髄販社もしなくなり。
スムーズに腹に収めていると。
「此処のようです、ボス」「この中だって、聞き込みしました」と、言う話し声が外から聞こえ出した。
レオン「こいつの取り巻きが助けに来たのか? シュンナは念の為に、そこの角で死んだふりだ」
チンピラの食べ残しをシュンナに渡し。
外で迎え打つレオン君。
○○「…連れ去った男は、殺したのか? 困るな~、此処じゃ元気な男は大事な労働力(使い潰しの駒)なんだよ」
手下「ボスの(スラム)支配下を邪魔してくれやがって! 」
手下「痛め付けるだけじゃすみませんよね、ボス? 」
手下は角材やメリケンで武装している。
数は14人。
ボスの○○は手入れを怠っているが、立派な長剣を腰に下げていた。
錆や刃毀れしている。
故に斬るのではなく、叩き折るのに使う。
斬られて早々に死ねない。
掠り傷から後に黴菌に苦しめられる。
殺すにしても切れる部分が戦闘中になれば分からない。
○○は武器を抜くのは見せしめと言う意味で手下達知られている。
○○「連れの女は中か? 女が有り金を持ってるのか? 」
レオン「……10、11…15。けっこう釣れたな」
○○の質問に答えないことに。
手下達は殺気を放ちながら声を荒げる。
○○は「まあ、待て」と手で制する。
○○「最後の質問だ。此処に、何しに来た? 」
答えても手は抜かない。
答えなかったら想像以上の痛みを与える。
そう、意味を込めてレオン君に質問をする○○。
レオン「この中に冒険者いるのか? ま、あんたはボスみたいだし。情報源にすればいいか、後のは」
○○「……それが答えでいいんだな? お前等、やれ。殺すなよ」
手下『ナメ腐りやがって! サー! うおおお! 』
○○も手下達も。
レオン君が魚人族と気づかず袋叩き。
手下「おらぁ! 防御してるだけか!? 」
手下「おらおらぁ! にしても固い感触、うん? 」
角材がボキッと折れた?
メリケンのトゲトゲが丸くなった?
一旦袋叩きを止めて、自分の武器を見る。
次にレオン君のダメージを見る。
レオン「終わり? じゃ、こっちの番だね」
手下『…は?? なにいぃ・』
○○「な、ななな!? 無傷、だとぉ!? お、お前等ぁぁぁ」
手下達はレオン君の言葉の意味が分からず。
意味に気付くか、気付かないところで大振りの両手に殴られて首を曲がってはいけない方に曲げられて死亡。
○○はレオン君の服の下を見て、何か勘違いしてたことに気付き。
手下達に離れる様に命令しようとしたが遅れ。
手下達は半数以上が即死だろうと思われる殺された光景に叫ぶ。
レオン「あ、ごめん。一撃で片付けようとしたんだけど」
隣の死体がクッション(緩和材)になった為に。
4、5人がまだ息をしている結果になった。
レオン君は○○が襲ってきても、手下の攻撃で危険はないと判断し。
確実に、苦しみを与えないように頭を踏み潰す。
○○「俺の手下をよくもぉぉぉ! 」
武器の長剣を抜きながら突撃。
手下達がほぼ瞬殺されて彼我の戦力差は知った。
逃げることも考えたが。
今日までスラムで顔を張っていた。
手下達もそれで付いて来てくれた。
だから、死地だとしても。
レオン君に背を向けずに一矢報いる覚悟の玉砕を選んだ。
パキリンと錆びていたとはいえ。
それなりの鍛冶師が打った長剣の刀身が砕けた。
○○「おまえはなんなんだ!? っが! 」
レオン「鮫の魚人だ」
聞こえたか知らないが。
○○の最後の質問に答えてあげるレオン君。
○○の腹に突き入れた右手の手刀を抜く。
14人の死体を急いで空き家に運び入れる。
そしておずおずと、終わったのか確認に近づいてきたシュンナに15人の所持品を回収するように言う。
服は食べる時に脱がせる。
女のシュンナに配慮した処置だが。
今も好感度が上下で揺れていてあまり意味がない行為。
シュンナ「あ、この人。冒険者です」
手下の中に3人が、冒険者である身分証の首飾りを懐に隠し持っていた。
○○は手下の服を包帯代わりにして止血。
とても生きてるのが不思議と思いながらシュンナは応急処置をし終えて。
レオン君に首飾りを渡す。
レオン「討伐する冒険者に入ってるといいな。それにしても…ボスが冒険者じゃないのが不思議だな」
それとも隠れ家の荷物に置いているのだろうか?
死なれる前に聞き出さないとなと。
手下の中から小奇麗な服を奪い。
着替えて飯の調達に表通りに行く。
シュンナは○○が死なないかを見て貰うので残る。
シュンナ「め、目を覚ましたら…」
レオン「大丈夫。シュンナなら死にぞこないのゴロツキは抑えられるよ。ほら、この角材で頭をガツンとやれば、いちころだよ」
なぜ、そこまで自信が持てるのか?
まあ、拒否権が無い。
シュンナは角材を受け取り。
ッギュゥと握って了承した。
シュンナ「早く戻ってきて下さいね」
レオン「こいつ等の有り金を全部使い切って。急いで戻ってくるよ」
空き家の外に出るころにはすっかり夜空が広がっていた。
レオン君は晩飯にフランクフルト?と甘いと言う果物を沢山両手で抱えて戻ってきた。
レオン「明日はスラムの掃除だな」
シュンナ「う、果物だけでいいですか…? (人を殺して、すぐに肉はさすがにまだちょっと抵抗が…海竜様、どうか明日も見守っていて下さい)」




