ダンジョン編-38
「殿下、姫様、少しよろしいでしょうか?」
王族同士の会話の途中、遠慮がちに声を掛けてきたのは何度か顔を見たことがあるエレナの侍女で、少しホッとした。
「構わぬ」
居丈高にそう言ったマクダフ王子をちらりとエレナ王女は見て、「そういう態度を取っていると首になりますよ? フィッタはヤジット様と友人関係なのですよ?」と恐ろしい助言をした後、自分の侍女に向かって、
「……フィッタ、いいところに来ました。貴女を待っていました。どうですか? わかりましたか?」
「はい。姫様の推測通り、スタンピードは一定量の特殊なガーディアンを排出する仕様のようです。出切ったあとは、動きはありません。侵入は可能かと思われます」
「……そう、ですか」
「ただし、徐々に次のガーディアンが待機状態になるようで、出切った直後が勝負かと。今現在は第一回よりもさらに巨大なガーディアンが出入り口のすぐ奥に待機しているようです」
「な、なんだと!? 先ほどよりも大きなガーディアンだと?」
マクダフ王子の驚きに、フィッタという名の侍女は恭しく一礼した。高貴な人間に対して何かを言う失礼に配慮したのだろう。
エレナ王女はうつむいて顎に手を当て(見た目だけは美術品のような美しさだ)何事かつぶやきながら考え事をしている。
「確か記録ではスタンピードの波状発生は定期的に行われたはず……その時間は確か四時間……」
エレナ王女は、フィッタの方を向いた。
「主要メンバーを集めてください。一時間後に必要事項の伝達を行います」
「グランフェディックさんはどういたしましょう?」
「彼は対ガーディアンの貴重な戦力です。ここに残します。ただし、それを彼に伝える必要があります……仲間はずれはヤジットさんが嫌がりますしきちんと納得してもらいましょう」
意にかなった答えだったのか、フィッタは恭しく一礼した。
読んでいただいてありがとうございます。区切りのせいで短くてすみません。次回更新は……出来れば今日、無理なら明日に……。




