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何となくアクションを起こしづらくて、俺が立ち尽くしているとグランフェディックが
「えーっと、ヤジットさん、あれは……?」
振り返ればいつも明るいグランフェディックが何となく沈痛な面持ちだった。
まださっきの魔術中断の影響が残っているのかも知れない。心配だ。
「俺の村でおもに農作業を担当してくれているガイオくんだ」
「やっぱりバオガイオー?」
「うん。『ステイタス』ではそうなってるな。ランク42の魔甲らしいけど俺の先祖が作った頑張り屋さんなんだよ」
グランフェディックが頭を抱える。
「ちょ、ちょっと待ってください……混乱しすぎていて」
ユーインがぼそりとつぶやいた。
「わけ分からない」
なんか評判が悪い。俺はガイオの名誉のために、
「いい奴だよ? 働き者だし」
「そういう意味じゃないんです! なんというかこの……常識が壊れちゃった感というか」
そういうことか。俺も頷き、
「あー、あいつちょっとそういうところあるよね。背だって俺たちと比べて大きすぎるし」
「そういう意味でもないんです……」
「え? そうなの?」
「ヤジットさんがいい人なのも、ヤジットさんが私たちを助けてくれたのもわかっているので少し黙っていてください。申し訳得ありませんがお願いします」
「……なんかこちらこそすみません。よくわからんけど」
取り残されてしまった空気。そういえば向こうの方でデルトナが必死に黒い魔甲に呼びかけているが反応はないようだ。こっちはこっちでどうすればいいのだろう。放っておいていいのだろうか。そもそもあの黒い魔甲が引きこもったのはガイオのせいである。あいつがひどいことを言うから……。デルトナは自慢の魔甲がプロトタイプだとわかってなんだか傷ついているし、どうしていいかわからない。
そこへ
「これはいったい何事ですか!?」
救い主が現れた。
こういう物事がゴチャゴチャしたときに快刀乱麻にスッキリさせてくれるエレナ王女である。
俺は「助かったぁ」と思いながら振り向いた。




