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第2話 旗神北高校の生徒会

 「碧月ー!起きて!遅刻するよ!」

「・・・ふぁ!しまった!寝過ぎたぁ!」と、慌てる碧月。今まではこんなことはなかったのだが...

早く制服に着替え、パンをくわえながら「いってきます!!」と、慌ただしく家を出た碧月。このままでは授業に遅れてしまう。

 通学路を急ぐが、間に合うかどうかが怪しい。時間を確認するため、腕時計を見ようとした。と、その時に体のバランスを崩し、転倒してしまう。仰向けに転倒し、背中に強い衝撃を感じた。

「い、いかない...と...がっこうに...」碧月の視界が段々とぼやけていく。ここで立ち上がらなければ、確実に遅刻することは碧月も分かっている。ところが、立とうとしても体に力が入らない。

あんな、こと...しなかったら...

もし、昨日人狼ゲームに出会わなかったら...

私、どうなるの...

様々なことを考えながら、碧月は意識を失った。


...

「...みつ...きて....」

誰かが...私を呼んでる?

......ここは...

「起きてってば!」

!!

「よかったー!目が覚めたみたいだね!」

「ああ、なんだ詩織さんか。」と、安堵する碧月。

彼女の名前は鳳月詩織。1つ上の先輩で、生徒会の書記をしている。碧月がとっても頼りにしている。

ベッドで寝てた...ということはおそらく保健室ということは碧月にもすぐ分かった。にしても、一体何があったのか、さっぱりわからない。

キョトンとしている碧月に対し、詩織は状況を説明する。

「碧月ちゃん、ブロックかなんかにつまずいて転んだんだよ!打ち所が悪くて気絶しちゃって、それをたまたま見てた匁沢君と三織君が2人をここまで運んできたってわけ。」

 さすがの瀬戸碧月も放心状態で聞くほかなかった。とそこに、授業が終わった匁沢と三織が入ってきた。

「瀬戸!大丈夫か!?」

「碧月!大丈夫?」

「匁沢さん!水槻!ありがとう!...」

「ん、俺なにもしてねーぞ。運んでいったの三織だし」

「何いってるんですか先輩!一番最初に気づいたの...」

「あ、あの、喧嘩しないでいただけますか?いい年の男子2人がみっともないですよ。」

 碧月が止めにはいると、2人とも言い争いをやめた。

 匁沢鯨は旗神北高校の生徒会副会長をしている2年生。後輩思いでいい人柄だが、その正体の多くはまだベールに包まれており、誰一人としてその正体を知らない。

 一方、三織水槻は同校の生徒会の会計をしている1年生。碧月が引っ越してきた当時からの友達で、礼儀正しく素直だ。三織のお陰で、碧月は生徒会長になれたと、本人も言っている。

「そういや、早姫ちゃんは?」と碧月が切り出す。早姫とは、同校の生徒会の広報で1年生の高村早姫のことだ。よく言えば生徒会のムードメーカー、悪く言えば天然である。あまり成績はよくない。すると、三織が、「多分、高村は補習で残ってるんじゃないかな...」と、顔をひそめて言った。

「そっか...」と碧月は呟いて、ふと保健室を見渡すと、時計の針は3時半を少し過ぎたところを指していた。

「よし、じゃあそろそろ今日の会議するから生徒会し...」体を起こして歩こうとした碧月の背中と右足に強烈な痛みが襲いかかる。思わず顔をしかめる碧月。と、そこに、

「あ、怪我してるからあまり早く動いちゃダメだよ!」と、看護師の阪本先生が慌てて向かってくる。どうやら、碧月はバランスを崩したときに右足を捻挫、倒れた衝撃で背中が腫れているようだ。

「碧月、一人で動けるか?」

「私は大丈夫だよ...イタッ!!」

「おいおい、無理をするとまた傷口が開くぞ...瀬戸、無理しなくていいぞ。」

「う、うん...匁沢さん、ありがとうございます...。水槻、詩織さん、肩貸してくれない?」

「う、うん、分かった!他にも言って!詩織手伝うよ!」

「僕も手伝うよ碧月。」

 ともかく、生徒会室まで無事たどり着けるかとても不安な碧月であった。


 生徒会室は校舎の3階にある。保健室は1階なので、3階まで行くまでが碧月にとってかなり厳しいものだった。

「はあ...はあ......」息を切らす碧月。

「もう階段は上りきったぞ。あともう少しだ...」励ます三織。

二人は何とか生徒会室にたどり着いた。

鳳月はというと、先に生徒会室の鍵を開けたりしていた。

 そして、5人は生徒会室に無事集合した。

 「では今から、会議を...ってあれ?早姫ちゃんはまだ?」

「確かに、高村遅いなぁ...」

心配する碧月と匁沢。そこへ...

「送れてスミマセェェェン!!」と、高村早姫が生徒会室に駆け込んできた。「早姫ちゃん、急ぎすぎ。」と思わず笑ってしまった碧月。碧月が笑うと周りが和やかな雰囲気になる。

「じゃあ、生徒会の会議、始めちゃおっか!」


 「これで会議は終わり!ありがとうございました!」

碧月が言ったあと時計を見ると、針は5時前を指している。旗神北高校の完全下校は8時で、それまでは部活動や生徒会活動はOKだ。

「そーいや、何で今朝碧月倒れてたの?」唐突に三織が切り出す。

「えっと、それは...」碧月が説明しようとしたとき、頭に人狼ゲームがよぎった。

「そうだ!みんな!人狼ゲームっていうゲームしない?」と碧月からの急な提案に、「え、いいけど...」と戸惑う匁沢と鳳月。

「人狼ゲーム?なんか楽しそう!私やりたい!」と高村は興味津々だ。そのなかで、「おい、ちゃんと僕のといに答えろよ碧月!」と一人怒りだした三織。「ごめんごめん。実は、この人狼ゲームっていうゲームを見つけて、やりたいなーと思ってインストールして、ルール読んでたらついハマってしまって、気がついたら寝てた...」と碧月が説明し、怒りはおさまったが、「人狼ゲーム?なんかやだな...」と、人狼ゲーム自体にはあまり前向きではない様子。結局、みんなやるムードになったので渋々参加するのだが...

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